こんにちは。エデュサポ(@edsuppor)です。
大学受験でも、中学受験や高校受験と同じように、漢字の勉強は必要なのだろうかと疑問に思われている保護者の方は多いです。
入試までの時間が限られている中、時間のかかる漢字の学習に取り組ませるべきなのかどうか、悩まれているのではないでしょうか。
結論
大学入試でも、理系・文系問わず漢字の勉強は必要です。
一方で、高校入試とは異なり、志望する大学・学部によって必要な対策が変わってきます。
今回は、大学受験に漢字の勉強が必要な理由を解説します。
記事の後半では、漢字の勉強方法やおすすめの参考書についても解説します。
最後まで読んでいただき、お子様が効率良く漢字の勉強に取り組み、第一志望校に合格するための参考としていただければとてもうれしいです。
この記事の筆者
エデュサポ
(@edsuppor)
- 元塾教室長
- 集団塾と個別指導塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営責任者も務める
- 塾業界勤務経験は20年以上
- 教育業界での経験を活かして、勉強や受験に関する情報を発信するサイトやブログを開設
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大学入試に漢字問題は出題される?
大学入試でも、漢字の問題は出題されます。
大学や学部、試験によって出題形式が異なりますが、漢字の問題は国語の入試の多くで出題されています。
出題パターンについて、次の3つに分けて簡単に解説します。
※大学や学部によっても異なるので、必ず志望大学の過去問を確認してください。
大学入試漢字の出題パターン
共通テスト(旧センター試験)
共通テスト(旧センター試験)の国語では、漢字問題が毎年出題されています。
配点は10点(200点満点)です。
2023年度共通テスト国語
同じ漢字を使う言葉を選ぶ問題と、同じ意味で使われている漢字を選ぶ問題が出題されています。
特に、漢字の意味を問われる問題は特徴的です。
国公立大学
国公立大学の2次試験の国語では、多くの大学・学部が漢字の問題を毎年出題しています。
配点は、大学・学部によって異なりますが、国語全体の2%~5%であることが多いです。
一方で、漢字の問題を全く出題しない大学・学部もあります。
2024年度東京大学国語
本文中に出てくる言葉を漢字で書く問題が出題されるパターンが多いです。
反対に、本文中に出てくる漢字の読み方を答える場合もあります。
いずれにしても、選択問題ではなく、記述問題である場合が多いです。
私立大学
私立大学の個別試験の国語では、多くの大学・学部が漢字の問題を毎年出題しています。
配点は、大学・学部によって異なりますが、国語全体の2%~10%であることが多いです。
一方で、漢字の問題を全く出題しない大学・学部もあります。
早稲田大学商学部国語
引用:2024年度 商学部 入試問題 – 早稲田大学 入学センター
日本大学一般選抜(N全額統一方式)国語
私立大学の漢字問題は、大学・学部によって出題パターンが大きく異なります。
選択問題の場合もあれば、記述問題の場合もあります。
読み方を問われる問題、書き方を問われる問題、言葉の意味を問われる問題、四字熟語の問題など、大学・学部によっていろいろなパターンの問題が出題されています。
理系・文系問わず漢字の勉強に取り組むべき
国語の試験がまったく必要ない、理系の私立大学の受験を考えているような場合であっても、漢字の勉強に取り組むべきです。
漢字の勉強は、国語の試験で点数を取ること以上のメリットがあるからです。
大学受験で漢字の勉強に取り組むべき理由は、主に次の3つです。
大学受験で漢字の勉強に取り組むべき理由
理由1:語彙を増やせる(最重要)
大学受験で漢字の勉強に取り組むメリットは、語彙を増やせることです。
大学入試レベルの勉強では、どの教科の勉強に取り組む場合であっても、多くの言葉を知っていなければなりません。
頭の中で何かを考えるときは、言葉を使って考えるからです。
少ない語彙で難しいことを考えることはできません。
漢字の勉強を通して語彙を増やすことができると、すべての教科の成績に良い影響があります。
英語の勉強でも語彙は最重要
漢字の勉強はすべての教科に良い影響を与えますが、特に英語への影響が大きいです。
英語は言葉であり、言葉の学習では語彙が非常に重要だからです。
大学入試では高度な英文が出題されることが多く、日本語の語彙すら危うい状態では正しく読解することができません。
英単語でも、「mention(言及する)」「imply(含意する)」「conservative(保守的な)」など、日本語でも意味を取りにくいような言葉を覚える必要があります。
大学入学後も語彙は重要
大学に入学したあとも、社会に出てからも、語彙は非常に重要です。
人は、言葉を通して物事を知り、言葉を通して物事を伝えることが多いからです。
語彙が少ないと、言葉を通して何かを知るという機会が減るだけでなく、物事を正しく伝えられなかったり、伝えられた言葉を正しく理解できなかったりすることもあります。
逆に、語彙を増やすことで、より多くの物事を、解像度高く理解することができます。
大人になると勉強に取り組む時間が少なくなりますし、新しい物事を覚える力も衰えます。
理系・文系に関わらず、高校生のうちに漢字や言葉の勉強にしっかりと取り組むことは、非常に重要なことです。
理由2:漢字問題で確実に得点できる
入試で国語が必要であれば、漢字問題は知っていれば必ず得点できるという点が大きなメリットです。
どの教科でも、単純な知識問題は必ず得点したいです。
特に国語は、読解問題は必ず初見問題になり、点数を安定させるのが難しい教科です。
どれだけ受験勉強を頑張っていても、過去に解いた問題と同じ問題が出題されることはまずありません。
漢字問題のような単純な知識問題で確実に得点しておくことは、国語の試験ではとても大事なことです。
理由3:現代文の読解問題で得点アップできる
入試で国語が必要であれば、漢字の勉強を通して現代文の読解問題で得点アップできる点が、漢字の勉強に取り組む大きなメリットです。
大学入試レベルの国語の問題では、たとえ日本語であっても、語彙が非常に重要な要素になります。
よく知っていると思っていた言葉であっても、間違った意味で覚えていたり、正確な意味を理解できていなかったりする場合も多いです。
たとえば、「妥協」や「世間ずれ」といった言葉は、間違った意味で覚えてしまっていることが多いです。
だ‐きょう〔‐ケフ〕【妥協】
[名](スル)対立した事柄について、双方が譲り合って一致点を見いだし、おだやかに解決すること。「—の余地がない」「安易に—する」「—案」
せけん‐ずれ【世間擦れ】
[名](スル)実社会で苦労した結果、世間の裏に通じて悪賢くなること。「—していない人」
また、「抽象的」「主観的」「形而上学」といった言葉は、ぼんやりとした意味は知っていても、正確な意味を理解できていない場合が多いです。
ちゅうしょう‐てき〔チウシヤウ‐〕【抽象的】
[形動]1 いくつかの事物に共通なものを抜き出して、それを一般化して考えるさま。「本質を—にとらえる」
2 頭の中だけで考えていて、具体性に欠けるさま。「—で、わかりにくい文章」⇔具象的/具体的。
しゅかん‐てき〔シユクワン‐〕【主観的】
[形動]1 表象・判断が、個々の人間や、人間間の心理的性質に依存しているさま。⇔客観的。
2 自分ひとりのものの見方・感じ方によっているさま。「—な考え」⇔客観的。
けいじじょう‐がく〔ケイジジヤウ‐〕【形×而上学】
1 アリストテレスでは、あらゆる存在者を存在者たらしめている根拠を探究する学問。すなわち第一哲学または神学。
2 現象的世界を超越した本体的なものや絶対的な存在者を、思弁的思惟や知的直観によって考究しようとする学問。主要な対象は魂・世界・神など。
漢字の勉強を通して、正しく、正確に言葉の意味を覚えることで、現代文の読解問題を、今までよりもずっと解像度高く読み取ることができるようになります。
漢字の勉強は、漢字問題の得点だけでなく、国語の点数全体に良い影響を与えます。
大学受験の漢字勉強法
忙しい高校生は、工夫して漢字の勉強に取り組む必要があります。
大学受験の漢字勉強のコツは、主に次の6つです。
大学受験の漢字勉強のコツ
一つひとつ解説します。
コツ1:早期スタート
大学受験の漢字の勉強は、早期スタートがポイントです。
受験勉強にフライングはありませんし、準備期間が長ければ長いほど、多くのことに取り組むことができるからです。
入試直前期は、優先度の低いものにはなかなか取り組むことができません。
入試までの期間に余裕があればあるほど、理系の高校生であっても漢字学習に取り組むことができます。
漢字学習の重要性がわかったら、すぐにでも勉強をスタートできると良いです。
コツ2:習慣化してコツコツ取り組む
大学受験の漢字の勉強は、習慣化してコツコツ取り組めると効果的です。
暗記学習は、習慣化と繰り返しが重要だからです。
忙しくてなかなか取り組めないことでも、習慣化できると取り組むことができます。
どれだけ忙しくても、毎日歯磨きをするのと同じ理屈です。
通学時や就寝前など、取り組む時間を決めて習慣化できると良いです。
コツコツが大事
暗記学習は、コツコツと取り組むことが大事です。
忘れたり思い出したりを繰り返しながら定着させていく必要があるからです。
ときどき思い出したようにたくさん取り組むのではなく、少しずつであっても毎日取り組んだほうが効果的です。
▼あわせて読みたい
>>効率的な暗記方法!長期記憶にするための19のコツ【元塾教室長が解説!】
日常的に漢字を書くようにする
漢字の勉強に取り組んでいる時ではなくても、日常的に漢字を書くようにするクセをつけるようにすると良いです。
漢字は書かなければどんどん忘れていってしまうからです。
ノートを書いているときやメモを取るときに、ついつい面倒臭がってひらがなで書いてしまうことがありますが、必ず漢字で書くようにするべきです。
日常的に漢字を書いていると、漢字のための勉強時間を割かずに漢字の勉強に取り組めるので、非常に効率的です。
コツ3:スキマ時間を活用
大学受験の漢字の勉強は、スキマ時間を活用できると良いです。
漢字の勉強は、短時間であっても手軽に取り組むことができるからです。
5分の空き時間でも取り組むことができます。
スマートフォンを活用すれば、教材や参考書を持ち運ぶ必要もありません。
コツ4:読み書きだけでなく意味も覚える
大学受験の漢字の勉強は、読み書きだけでなく、言葉の意味も一緒に覚えることが重要です。
むしろ、大学入試においては、読み書きができるかどうかよりも、言葉の意味を知っているかどうかのほうが重要とも言えます(もちろん、読み書きができるかどうかも重要です)。
先程も解説したとおり、語彙はどの教科の勉強にとっても非常に重要だからです。
漢字の勉強に取り組んでいて、意味がわからない言葉が出てきたときは、漢字の「読み方」「書き方」を覚えようとするだけでなく、必ず辞書を使って意味を調べ、意味まで覚えるように取り組まなければ意味がありません。
コツ5:アウトプットする
漢字の勉強では、確認テストなどをして、アウトプットする練習に取り組むことが大切です。
どの勉強でも同じですが、インプット学習だけでは学習内容を定着させることができないからです。
本を眺めて覚えるだけでなく、書いたり、声に出して読んだり、確認テストを解いてみたりして、アウトプット学習に取り組むと効果的です。
コツ6:漢検を受ける
大学受験の漢字の勉強では、漢検を受けてみるのも良いでしょう。
目標があったほうが前向きに学習に取り組めるからです。
ずっと先の大学入試を目標にしてコツコツ漢字の勉強に取り組むのは、なかなか難しいです。
漢検を中間目標にして取り組むと、モチベーション高く勉強に取り組むことができます。
大学受験を見据えるのであれば、2級合格を目指して取り組めると良いです。
大学受験の漢字勉強におすすめの教材
ここからは、大学受験の漢字の勉強におすすめの教材を紹介していきます。
大学入試 でる順 漢字書き取り・読み方2900
大学入試 でる順 漢字書き取り・読み方2900は、テーマ別に、出題頻度の高い漢字から順に掲載している問題集です。
すべての出題漢字に言葉の意味が併記されているため、言葉の意味を覚えながら漢字学習に取り組めます。
必要に応じて、類義語や対義語も記載されています。
基礎から応用まで、大学入試に必要な漢字が一通り網羅されています。
現代文漢字 一問一答【完全版】
現代文漢字 一問一答【完全版】は、大学入試に「出る」漢字を厳選した一問一答の漢字問題集です。
すべての出題漢字に意味が掲載されているため、言葉の意味を覚えながら漢字学習に取り組めます。
短期間で効率よく得点力を高めることをコンセプトに作られています。
高校の漢字・語彙が1冊でしっかり身につく本
高校の漢字・語彙が1冊でしっかり身につく本は、入試に出る漢字・語彙を基礎から学べる問題集です。
すべての漢字に意味と例文がついているので、言葉の意味を覚えながら漢字学習に取り組めます。
漢字の勉強の取り組み方が解説されていたり、絶対に覚えるべき漢字と発展的な問題が分けて掲載されていたりと、漢字が苦手な高校生でも取り組みやすく作られています。
【番外編】スマイルゼミ高校生コース
漢字や語彙の勉強の他にも、高校の定期テストの勉強にも取り組みたいということであれば、タブレット学習教材のスマイルゼミ高校生コースがおすすめです。
スマイルゼミ高校生コースは、基礎から全教科の定期テスト対策・大学受験対策に取り組むことができるうえに、漢検ドリルにも取り組むことができるからです。
漢検ドリルはタブレットに書きながら取り組むことができ、漢検2級まで対応しています。
スマイルゼミを漢字対策だけのために利用するのであれば料金が高すぎますが、他の教科の対策にも取り組みたいようであれば、コスパよく利用することができます。
▼スマイルゼミ高校生コースの公式サイトはこちらから
◆スマイルゼミ高校コース◆
スマイルゼミ高校生コースについては、『スマイルゼミ高校生コースは学年にとらわれずに基礎を固められる!料金・特徴は?』で詳しく解説しています。
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まとめ
それでは、大学受験に漢字の勉強が必要な理由の解説をまとめます。
結論
大学入試でも、理系・文系問わず漢字の勉強は必要です。
一方で、高校入試とは異なり、志望する大学・学部によって必要な対策が変わってきます。
大学受験で漢字の勉強に取り組むべき理由は、主に次の3つです。
大学受験で漢字の勉強に取り組むべき理由
- 語彙を増やせる(最重要)
- 漢字問題で確実に得点できる
- 現代文の読解問題で得点アップできる
大学受験の漢字勉強のコツは、主に次の6つです。
大学受験の漢字勉強のコツ
- 早期スタート
- 習慣化してコツコツ取り組む
- スキマ時間を活用
- 読み書きだけでなく意味も覚える
- アウトプットする
- 漢検を受ける
大学受験の漢字の勉強におすすめの教材を紹介しました。
今回の記事が、お子様が効率良く漢字の勉強に取り組み、第一志望校に合格するきっかけとなればとてもうれしいです。
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