こんにちは。エデュサポ(@edsuppor)です。
数学の初見問題が全然解けないと悩む高校生は多いです。
大学受験のことも見据えて、不安に思われているのではないでしょうか。
結論
数学の初見問題が解けない原因は、学習理解度によって大きく3つに分かれます。
自分がどの段階でつまずいているのかを見分けられると、取り組むべき対策がはっきりします。
今回は、数学の初見問題を解けるようにするための対策法について解説していきます。
最後までお読みになり、初見の問題でも自分で方針を決めて、解けるようにしていくための参考としていただければとてもうれしいです。
この記事の筆者

エデュサポ
(@edsuppor)
- 元塾教室長
- 集団指導塾と個別指導塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営責任者も務める
- 塾業界勤務経験は20年以上
- 教育業界での経験を活かして、勉強や受験に関する情報を発信するサイトやブログを開設
初見問題が解けない理由は3段階に分かれる
初見問題が解けない理由は3段階に分かれる
理由1:基礎解法が完全に定着していない
数学の初見問題が解けないと悩む高校生の多くは、応用力が足りないのではなく、そもそも基礎解法そのものが定着していません。
小テストや定期テストでは、直前に習った解き方をそのまま当てはめるだけで解けてしまう問題も多く出題されるため、学習内容をしっかりと定着させなくてもある程度の点数は取れてしまいます。
そのため、単元を横断して複数の基礎解法を組み合わせなければならないような初見問題に出会うと、何をすれば良いのかがわからなくなってしまいます。
解答を読めば「知っている」と感じるのに、自分の力で解くことができないのは、基礎的な解法をいつでも使える状態にできていないからです。
この状態で応用問題をたくさん解いても効果は限定的です。
まずは基礎の定着を徹底させることが最重要になります。
理由2:型の引き出しが少ない
数学の初見問題が解けないのは、複数の基礎解法を組み合わせて活用することができていなからです。
学校の問題集は単元ごとに並んでいるため、今どの解法を使うべきかの検討がつきやすいです。
一方で、応用問題では過去に学習した解法も組み合わせなければならない問題が多く、どのタイミングでどの解法を活用すべきかの判断が難しいです。
基礎問題はどの単元でもスラスラ解けるのに初見問題や応用問題になると何も書けなくなってしまう場合、まずは基礎解法の使い方と組み合わせ方の「型」を数多く身につけ、その「型」をいつでも使えるようにトレーニングしておくことが重要になります。
理由3:基礎解法の組み合わせだけでは解けない問題がある
応用問題がある程度解けるようにになってきたのに、難関大学の入試問題では解けなくなってしまう高校生も多いです。
難関大の入試では、知っている解法をそのまま組み合わせて当てはめれば解けるような問題だけでなく、実験や言い換えといった別の作業を交えながらアプローチして、答えを導き出すための方針を決めていかなければならない問題も出題されるからです。
応用問題の解き方の「型」がある程度身についてくると、問題文を読むだけでだいたいどの分野を用いるのかは予測がつくようになるのですが、難関大学の入試問題になると、その「型」をそのまま使える解き方が見当たらないようなものも少なくありません。
ただし、この段階に到達できている高校生は多くありません。
基礎問題の徹底的な定着と、応用問題の「型」を身につけることをおろそかにしたまま難関大対策に進んでも空回りします。
焦らず順番に固めていくことが重要です。
基礎解法の定着を確かめる4つの視点
基礎解法の定着を確かめる4つの視点
視点1:「解けた」と「定着している」は違う
基礎解法が定着しているかどうかは、正解できているかどうかではなく、ほとんど頭を使わずに解くことができているかで判断します。
基礎解法の解き方を考えるのに頭を使っていると、応用問題を考えるための頭のリソースを残しておくことができないからです。
過去に学習した内容の基礎問題を解くときに、「この問題の解き方はえっとー」と考えているようでは定着度が足りません。
問題を読んだ瞬間に、特に頭を使わなくても解きはじめられるようになるまで、基礎問題を繰り返しトレーニングする必要があります。
初見問題の解き方に悩むよりも先に、基礎演習を何度も何度も繰り返してください。
視点2:定理を使える条件を言えるか
基礎解法が定着しているかどうかは、公式や定理を暗記しているかどうかだけでなく、その公式や定理を使って良い条件まで言えるかどうかを確認すると良いです。
初見の問題では、どのようなときにどの公式や定理を活用すべきかを、自分の力で判断しなければならないからです。
問題の条件によっては、いつものように定理を使えない場合もあります。
たとえば、判別式を使う場面で、2次の項の係数が0になる可能性を検討せずに使ってしまい、中途半端な答案になってしまうようなケースは多いです。
このような例は枚挙にいとまがなく、習ってすぐのときはできていても、範囲が広くなる模試や入試になるとできなくなってしまう場合が多いです。
公式や定理を暗唱できれば安心というわけではなく、条件や場面も含めて定着させる必要があります。
視点3:式変形をする目的を言えるか
基礎解法が定着しているかどうかは、一つひとつの式変形について、何のためにその式変形をするのかを言えるかどうかで確認すると良いです。
解答の流れだけを丸暗記していると、問題の形式が変わった瞬間にどうすれば良いのかわからなくなってしまうからです。
たとえば、平方完成は放物線の軸や頂点の座標を調べるため、微分は接線の傾きを求めるため、代入は扱う文字を減らすためというように、式変形には何らかの意味や意図があります。
解答を読むときは、計算の手順を追うだけでなく、「その式変形をしなければならないと発想できたのはなぜなのか」を確かめることが重要です。
視点4:計算を最後まで合わせきれるか
基礎解法が定着しているかどうかは、計算を最後まで合わせきれるかを確認することも重要です。
どんなに画期的な解法を思いついたとしても、計算が合わなければ正解できないからです。
計算ミスを軽視してしまう高校生は多いですが、計算力は数学の土台を支えるとても重要な力です。
難題になるほど途中計算は長く複雑になる場合が多いです。
また、大きな分数や長い文字式など、変な数字になってしまうことも多いです。
式を見ても合っていそうかどうかを判断できないことが多いため、自信を持って計算を進められるよう、計算力の土台はしっかりと鍛えておくべきです。
応用問題の型を増やす4つの手順
応用問題の型を増やす4つの手順
手順1:型は基礎解法の組み合わせ方
応用問題は、複数の基礎解法を組み合わせて解いていくようなものが多いです。
難しい問題になるほど、組み合わせる解法が増えていったり、組み合わせ方が複雑になったりします。
この組み合わせには、よく使う組み合わせ方のパターンがあり、難問を解くときに頻繁にそのパターンを活用します。
このような 基礎解法の組み合わせ方の「型」を多く持っておくことで、初見問題や応用問題へのアプローチ方法を考える際の「発想のきっかけ」を作りやすくなります。
型の具体例としては、たとえば、方程式の解の個数をグラフの交点に置き換えて考える型や、図形の条件を座標・ベクトル・三角比などに翻訳して活用する型などがあります。
型は無数にあるため、一覧にして覚えることはできません。
いま解いている問題がどのような型になっているのかを意識して、いつでも使えるように解法を定着させていくことで、「型の引き出し」が増えていきます。
手順2:解いた問題を型に書き直す
応用問題の「型」を増やすためには、解けた問題も解けなかった問題も、どのような基礎解法をどのように組み合わせて解いたのかという「型」を一行で書き出して、言語化すると良いです。
言語化することで一般化することができ、問題の形式が変わってもいつでも使えるようにすることができるからです。
「条件式が示されていたので、代入して文字を1つ減らした」「少なくともと書かれていたので、余事象で考えた」というように、どのような条件のときにどのような型で対応できるのかを書き出しておくと効果的です。
手順3:いつでも取り出せるようになるまで練習する
応用問題の「型」を増やすためには、その型を必要なときにいつでも取り出せる状態になるまで繰り返し練習することが重要です。
「型」を思い出せなければ実際の応用問題では使えませんし、「型」の使い方に頭を使っていると、難題を解くための頭のリソースを残しておくことができないからです。
基礎解法を完全に定着させる必要があるのと同じ考え方です。
基礎解法を定着させられていれば、おそらくここの手順は自然とクリアできるはずです。
手順4:単元名が見えない状態で試す
応用問題の「型」をいつでも使えるようにするためには、単元名が見えない状態でも使えるようにするトレーニングをすることが重要です。
分野別に並んだ問題集では、どの型を使うのかを、問題集に書いてある単元名で推察できてしまうからです。
模試の解き直しや、範囲が指定されていない総合問題、志望校の過去問等に取り組むと、単元名をガイドにせずに応用問題の「型」を取り出す練習になります。
ここまで取り組むことができれば、初見の問題も怖くなくなっているはずです。
難関大の初見問題で必要になる4つの見方
難関大の初見問題で必要になる4つの見方
小さい数で実験する
問題を解くためのアプローチが全然見えない問題では、小さい数を代入してみて、実際にどのようになるのかを書き出してみると良いです。
一般化・抽象化された形で提示されている問題は、具体化しないと構造が見えなてこないからです。
たとえば、自然数nについての問題であれば、n=1、n=2、n=3くらいまで実際に代入してみて、どのような規則性があるのかを考えてみると良いです。
また、確率の問題であれば、試行回数を2回~3回程度にして、実際に数え上げてみると良いです。
具体的な数字が見えてくると、解き方の方針を決めやすくなります。
まずは具体的な数字で実験してみるというのは、難関大の初見問題のアプローチとしてはよくある方法です。
同値な形に言い換える
難関大学の初見問題を解くときは、自分が持っている型で扱える形に言い換えられるかどうかを考えることも大きなポイントになります。
問題の形式や条件によっては、型をそのまま使うことができないことも多いからです。
わかりやすくするためにシンプルな例をあげると、「3で割り切れる」を「3で割ったあまりが0になる」に言い換えると、整数の分類の型に当てはめることができます。
または、「少なくとも1つは異なる」を「すべて同じ場合を除く」と言い換えるとアプローチしやすくなることもあります。
誘導の意図を読む
難関大学の初見問題を解くときに、小問がついている場合、前の小問が次の小問を解くために材料になっていることに意識を向けて考えるようにすると良いです。
あまりに難しすぎる問題は、作問者がヒントして誘導してくれている可能性があるからです。
作問者がどのような意図を持って小問を設定しているのか、探るようにすると良いです。
一見するととんでもなく解くのがめんどくさそうに見える問題でも、前に解いた小問で使った考え方を使うと簡単に解けてしまうようなパターンもあります。
小問を一つひとつの問題と考えるのではなく、大問全体の流れを意識しながら取り組むと良いです。
解けた問題を一般化する
難関大の初見問題を解けるようにするためには、復習や解き直しを行った後に、その解法を一般化して、新しい解き方の型として自分の引き出しに加えるようにすると良いです。
一般化せずに「具体的な問題の中の1題」として捉えてしまうと、別の問題で形式や条件を変えて出題されたときに、同じようなアプローチで解くことができないからです。
どのような問題で、どのような条件が出ているときに、どのようなアプローチをしたといったことを、言語化して残しておけると有意義です。
一般化や抽象化、言語化といった作業は面倒に感じるかもしれませんが、一般化した考えは初見問題を解く際の貴重な材料となるため、難問を解けるようにするための近道になります。
解き直しは解き直すだけで終わらせない
解き直しは解き直すだけで終わらせない
ポイント1:解けたかではなく理由を再現できるか
解き直しでは、解説を読んで解き方を学ぶだけでなく、その方針を選んだ理由を言えるかどうかまで確かめることが重要です。
初見問題の問題文を読んで、その解法を使うことを自分で発想できなければ、その問題を解くための方針を決めることができないからです。
「なぜここで場合分けするのか」「なぜこの文字に置き換えるのか」といったことを、解答を閉じた状態で説明できる状態にします。
解答解説を読むだけの勉強では、ついつい解説を理解しようとするだけの受け身の勉強になってしまいがちなので、誰かに説明してみたり、目の前にわからない人がいるつもりでその人に向かって授業をしてみたりと、能動的な取り組みができると良いです。
ポイント2:別解を検討する
解き直しでは、自力で解けた問題であっても、他の型で解けないかを考えてみることが重要です。
同じ問題に複数のアプローチ方法があることに気づくと、対応できるパターンを増やすことができるからです。
初見問題や応用問題は、1つの問題に様々なアプローチ方法がある場合が多く、どの方法でアプローチしても答えを導き出すことができます。
持っている「型」の引き出しが多ければ多いほど、答えへの道筋を見つけられる可能性が上がります。
ポイント3:時間を測って完答率で確かめる
解き直しでは、時間を計って最後まで解ききれるかを確かめることが重要です。
初見の問題は方針を決めるのに時間が必要な分、計算に使える時間は短くなるからです。
試験では、時間内に完答することで満点をもらえます。
解き方を身につけただけで満足するのは早いです。
一問一問の完答も重要ですが、テスト全体の点数を最大化することのほうが重要です。
方針が5分以内に決まらなければ次の大問に移るといったような、自分ルールを決められると安心です。
自分ルールを決めるためにも、方針決定にどれくらいの時間がかかり、計算にどれくらいの時間がかかるのを普段から意識しておけると良いです。
問題集の選び方
いま取り組んでいる1冊をやり込む
初見問題が解けない場合は、新しい問題集を購入するのではなく、いま取り組んでいる1冊をやり込むようにすることをおすすめします。
大学受験向けの一般的な網羅型問題集であれば、量的にも質的にも、応用問題や初見問題に対応できる力を身につけるのに十分な問題が収録されているからです。
青チャートでも基礎問題精講でも、学校で配られた問題集でも問題ありません。
いま取り組んでいる1冊を深く理解して、どの問題でも瞬時に解法が思い浮かぶようにしたほうが効果的です。
買い足すのは目的がはっきりしているときだけ
問題集を買い足す場合は、買い足す目的がはっきりとしているだけにしたほうが良いです。
目的がはっきりしない状態で買い足しても、どれも中途半端なまま終わってしまう可能性が高いからです。
「単元別になっていない問題に取り組みたい」「確率だけ苦手だから、確率を超基礎からやり直したい」「難関大の難問だけを練習したい」といった目的を明確にして、その目的を達成できる一冊を選びます。
明確な目的なく問題集の冊数を増やすのは非効率です。
自分だけで解決しにくいときの選択肢
自分だけで解決しにくいときの選択肢
方針だけを先生に質問する
自分だけでは解決しにくい場合は、学校の先生に解き方の方針を質問してみると良いです。
問題集の解説には、「なぜその解法を選ぶのか」といったことは書かれていない場合が多いからです。
学校の先生に「どうやって解くのですか?」ではなく、「問題集の解説を見て解き方はわかったのですが、なぜこの問題ではこの方針を取っているのですか?」というような、より具体的な質問をすると、的確な回答が返ってきます。
自分の答案も一緒に持っていくと、より的確なアドバイスをもらえる可能性が高いです。
予備校や個別指導で教わる
自分だけでは解決しにくい場合は、予備校や塾などを活用して、教わる環境を用意すると効率的です。
予備校や塾では、大学受験の問題を解けるようにするためのカリキュラムが組まれるからです。
入試でよく使う「解き方の型」や、難問のアプローチパターンなどを、授業中に教えてもらい、自然と身につけていくことができます。
数学だけに課題を感じているようであれば、数学1教科で通うことも選択できます。
数学特化で対策したい場合は、数学特化塾を検討してみるのも良いでしょう。
▼あわせて読みたい
>>大学受験におすすめの数学塾・予備校10選|高校生の苦手克服から難関大対策まで選び方を解説
▼あわせて読みたい
>>高校生が数学だけ塾に通うのはアリ?メリット・デメリットや費用は?
数学の初見問題に関するよくある質問
ここからは、数学の初見問題に関するよくある質問にお答えしていきます。
数学の初見問題に関するよくある質問
質問1:網羅系を何周すれば初見問題が解けるようになりますか?
目安は最低でも3周ですが、単純に周回数で決められるものでもありません。
周回時もすべての問題を解き直すわけではなく、定着が甘い問題だけを解き直せば十分です。
どの問題も瞬時に解法が思いつくようになるまでやり込むことが重要です。
質問2:基礎の復習をすると受験に間に合わなくなりませんか?
基礎解法が定着していない状態で入試問題を解いても得点にはつながらないため、復習したほうが結果的に早いです。
受験に間に合うかどうかは応用問題を解いた問題数で決まるのではなく、基礎から進めてどこまでたどり着けるかで決まります。
質問3:模試で解けなかった問題は捨てても良いですか?
すべての問題を解き直す必要はなく、優先順位をつけて問題ありません。
解けそうだった問題から順に解き直すのが効率的です。
手がつかなかった問題も、解説を読んで使われている「型」を書き出すだけで十分な場合があります。
まとめ
それでは、数学の初見問題が解けない理由と、解けるようにしていくための対策についての解説をまとめます。
結論
数学の初見問題が解けない原因は、学習理解度によって大きく3つに分かれます。
自分がどの段階でつまずいているのかを見分けられると、取り組むべき対策がはっきりします。
初見問題が解けない理由は3段階に分かれる
基礎解法の定着を確かめる4つの視点
応用問題の型を増やす4つの手順
難関大の初見問題で必要になる4つの見方
解き直しは解き直すだけで終わらせない
自分だけで解決しにくいときの選択肢
数学の初見問題に関するよくある質問
今回の記事が、初見の問題でも自分で方針を決めて解けるようになるためのきっかけになればとてもうれしいです。







