こんにちは。エデュサポ(@edsuppor)です。
共通テスト(旧センター試験)で新しく「情報Ⅰ」が加わると聞きました。先取りや復習に使える良い参考書はありませんか?
子どもの情報Ⅰの学校の成績が悪いです。わかりやすい参考書や、良い問題集はありませんか?
「情報Ⅰ」は教科として新しく加わったばかりなので、どのように対策すればよいのかわからないと思われている方は多いです。
お子様が国公立大学志望であれば、大きな関心事となっていると思います。
良い参考書や問題集はないかと探されている方も多いです。
そこで、今回は情報Ⅰのおすすめの参考書と問題集について解説します。
キーワード
「課題解決力」と「プログラミング」
私は以前、塾講師の仕事をしていました。
集団塾と個別指導塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営の仕事をしていた時期もあります。
かれこれ20年以上、塾業界で働きました。
これまでの経験を基にお話します。
最後まで読んでいただき、お子様が情報Ⅰを得意科目とするための参考としていただければとてもうれしいです。
情報Ⅰの書籍は少ない
情報Ⅰを学習するための参考書や問題集は、まだあまり発売されていません。
現在発売されている書籍の中では次の2冊がおすすめです。
理由は後ほど解説します。
情報Ⅰおすすめ参考書・問題集
- 『高校の情報Iが1冊でしっかりわかる本』 鎌田 高徳
- 『学校で習っていなくても読んで理解できる 藤原進之介の ゼロから始める情報I』 藤原 進之介
選ぶポイントを知っておいてほしい
情報Ⅰの参考書や問題集は、これから新しいものがたくさん発売されると思います。
2025年の共通テストから、情報Ⅰの教科が追加されるからです。
良いものも出てくれば、あまり良くないものも出てくるでしょう。
ですので、「どの本がおすすめか」よりも、「どんな本がおすすめなのか」を知っておいていただきたいです。
選ぶポイントを押さえておけば、良い参考書や問題集が発売された時に、その良さに気づくことができます。
情報Ⅰの参考書や問題集を選ぶ際のポイント
情報Ⅰの参考書や問題集は、これまでと同じように考えて問題集を選ぶと失敗します。
新しい教科としての情報Ⅰでは、今までとは異なる力が求められるからです。
「〇〇は何か。」という問いに対して、「□□」と答えるような問題ばかりが並んでいる問題集では話になりません。
情報Ⅰの参考書や問題集を選ぶ際のポイントは、次の3点です。
選ぶ際の3つのポイント
一つひとつ解説します。
ポイント1 課題発見・問題解決型
情報Ⅰでは、課題発見・問題解決型の問題に対応できるようにする必要があります。
最近の入試問題では、課題が設定され、それをどう解決していくかを問われることが多くなっています。
近年の教育は、知識の量よりも、課題解決能力の高さのほうが重要視されています。
どの教科でもその傾向があるのですが、情報Ⅰは特にその傾向が強いです。
このことは、文部科学省が公表している資料にも明記されています。
情報は課題解決の教科である
実際に資料を見てみましょう。
文部科学省が公表している『高等学校情報科「情報Ⅰ」教員研修用教材』には、次のように記載されています。
(2)情報科の目標
情報科は,他の教科等の学びとあわせて,このような変化する社会で子供達が生きていくための資質・能力を育むものでなければならない。情報科では,情報に関する科学的な見方・考え方を重視するとともに,問題の発見・解決に向けて情報と情報技術を適切かつ効果的に活用するための知識及び技能を身に付け,実際に活用する力を養うとともに,情報社会に主体的に参画する態度を養うことを目指している。
問題を発見し、それを解決するために情報と情報技術を活用するとあります。
情報の知識や技術を利用して、課題解決能力を伸ばすことを大きな目標としています。
他教科を横断する教科である
情報という教科は、他の教科とのつながりが強い教科でもあります。
先程の『高等学校情報科「情報Ⅰ」教員研修用教材』には、次のように書かれています。
高等学校段階における情報教育を,共通教科情報科だけが担うように極めて限定的に捉えてはならない。教科等の特質に応じて教科等横断的に情報活用能力を身に付けさせる教育のより一層の充実が求められている。特に統計の指導に当たっては数学科と,情報モラルなどの指導に当たっては公民科との関連を図ることが大切である。
先程、どの教科でも課題解決能力の高さが重要視されていると解説しました。
数学や社会の教科の中で設定した課題を解決するために、情報の知識やプログラミングの技術を利用する必要があれば、積極的に利用していきます。
情報は「情報」という単体の教科でもありますが、他の多くの教科とも融合しているという特徴もあります。
つまり、情報の教科を本質的に理解して活用することができれば、他の教科の対策にもつながるということになります。
入試問題も課題解決型
共通テスト(旧センター試験)の実際の入試問題でも、課題発見・問題解決型の問いが中心となりそうです。
2022年11月に大学入試センターから公表された「情報Ⅰ」の試作問題で、課題発見・問題解決型の問題が多く出題されています。
実際に問題を見てみましょう。
ちょっと問題が長いですが、最初の数行を読むと課題発見・問題解決型の問題であることがわかると思います。
文化祭のクレープ販売でお客さんを待たせている時間が長かったという課題を、データ分析という手段を使って解決しようという問題です。
データを扱う部分では、数学の学習内容との融合も見られます。
この1題を見るだけで、「課題解決能力」と「教科の横断」を重視していることが見て取れます。
ポイント2 基礎知識と計算
基礎知識も重要です。
どんなに課題解決能力が重視されるといっても、基礎的な知識をおろそかにして良いわけではありません。
共通テストの情報Ⅰの試作問題は、全体的には課題解決型の問題がメインとなっていますが、基礎知識を問われる問題や、基礎知識を基に計算をする問題も出題されています。
たとえば、次のような問題が出題されました。
コンピュータやデジタルの分野で使われる、2進法や16進法についての基礎知識が問われています。
今回は出題されませんでしたが、2進法から10進法に変換する計算問題等も出題される可能性があります。
基礎知識、基礎演習も非常に大切です。
ポイント3 プログラミング
情報Ⅰのプログラミングでは、プログラミングのコードをしっかりと組めるようにする必要があります。
小学校で扱ってきたScratchのようなプログラミングを想像していると驚くと思います。
実際に試作問題で出題された問題を見てみましょう。
問題が長いので覚悟してください。
子どもたちはこのレベルの問題に挑戦することになります。
買い物の際に、客が支払う硬貨の枚数と、お釣りとして受け取る硬貨の枚数の合計が、一番少なくなるようにするためのプログラムを組む問題です。
プログラムの組み方を数学的に考える問題や、実際に擬似プログラミング言語でコードを書く問題が出題されています。
プログラミングがよくわからないという方でも、「図1」と「図2」のコードを見れば、お遊びレベルのプログラミングではないことがわかると思います。
配点が高い
情報Ⅰの試作問題では、「コンピュータとプログラミング」の単元の配点が非常に高いです。
100点満点中の46点が、「コンピュータとプログラミング」の単元から出題されています。
それだけ、プログラミングが重視されています。
ヒントは多い
お遊びレベルのプログラミングではありませんが、ゼロから創造しなければならないということでもありません。
この問題は、先生と生徒が対話をしながら課題を発見し、問題解決を模索していく問題です。
その対話の中に、どのように考えてプログラムを組んでいくかのヒントがたくさん書かれています。
ですので、しっかりと対策をすれば必ず解ける問題になっています。
プログラミングに関する知識よりも、プログラムを組むための思考力が問われています。
おすすめの情報Ⅰの参考書・問題集
ここまでの解説で、情報Ⅰの問題集・参考書を選ぶ際のポイントを理解していただけたと思います。
復習です。
選ぶ際の3つのポイント
この3点に注目して参考書や問題集を選ぶと良いです。
そのうえで私がおすすめするのが、冒頭で紹介した2冊です。
『高校の情報Iが1冊でしっかりわかる本』 鎌田 高徳
『高校の情報Iが1冊でしっかりわかる本』は、問題解決を軸にして学べるように構成されています。
4ページごとに項目が構成されていて、それぞれ次のような構成になっています。
4ページ構成
- 問題発見
- 問題解決方法を考える
- 問題解決法の手順を知る
- まとめ
課題発見・問題解決を通して情報教科を学ぶことができるため、自然と課題発見・問題解決型の学びに慣れることができます。
課題項目は「ガチャのシミュレーションをしてみよう!」や、「LINEのメッセージを間違って送っちゃった!」等の、身近なものが多く親しみやすいです。
先取りや苦手克服に最適
『高校の情報Iが1冊でしっかりわかる本』は、情報Ⅰを初めて学ぶ生徒や、情報Ⅰに苦手意識のある生徒におすすめです。
図やイラストが多く、基礎的な内容が中心になっているためです。
課題項目が身近で親しみやすいので、苦手な生徒でも取り組みやすいです。
ただし、これ1冊で共通テストレベルの問題が解けるようになるわけではありません。
共通テストの対策をするためには、『高校の情報Iが1冊でしっかりわかる本』を1冊仕上げたあとで、別の対策が必要になります。
『学校で習っていなくても読んで理解できる 藤原進之介の ゼロから始める情報I』 藤原 進之介
『学校で習っていなくても読んで理解できる 藤原進之介の ゼロから始める情報I』は、情報教科の基礎知識や基礎技術を丁寧に説明してくれている参考書です。
インプットだけで終わらぬよう、練習問題もついています。
口語調で書かれているのが特徴的で、情報のデジタル化、アルゴリズム、プログラミング等の、苦手になりやすい分野も親しみやすく学習できます。
著者は数学専門塾の創業者
著者の藤原進之介さんは、数学専門塾である数強塾の創業者です。
多くの数学を苦手とする生徒を指導してきた経験からか、今回紹介した参考書の中でも、特に数学に関わりの深い分野が非常にわかりやすく説明されています。
大学受験の大手予備校である東進ハイスクールで、情報の授業を担当されている実力派講師でもあります。
>>数強塾は数学が苦手な中学生・高校生の強い味方!料金・サービスは?
プログラミングは実践も必要
プログラミングに関しては、参考書や問題集だけでの対策では不十分です。
共通テストで実践的なプログラムコードを作成する問題が出ていることから分かる通り、実際にパソコンを使ってプログラムを組む練習をしておくべきです。
先程も解説した通り、小学校で学習するようなScratch等では不十分です。
PythonやC言語等の本格的なプログラミング言語を使って、簡単なコードを組む練習をしておいたほうが良いです。
大学受験のその先を見越して、高校生のうちから本格的に勉強をしはじめると良いでしょう。
ただ、大学受験だけを考えるのであれば、基礎のみ習得すれば十分です。
>>子どもにおすすめのプログラミングスクール7選!料金や特徴を比較
高校生向けのスクールは少ない
プログラミングスクールは、大人向けか小中学生向けが多く、高校生向けのスクールはほとんどありません。
オンラインであれば近くにスクールがなくても大丈夫なのですが、そのオンラインスクールすらほとんど存在しません。
プログラミングの基礎を学ぶだけであれば、解説サイトや解説動画を見ながら独学でも学習することができます。
ですが、「スクールでちゃんと教えてもらいたい!」というニーズに応えるようなサービスは充実していないのが現状です。
プログラミングを教えてもらうなら
大学入試に向けてプログラミングを教えてもらうのであれば、選択肢は主に2つあります。
大学入試対策に教わるのなら
- 家の近くのスクールを探す
- 家庭教師
家の近くに高校生対応のプログラミングスクールがあるのであれば、そのスクールに通うというのが一番最初に思いつく選択肢です。
近くにスクールがないようであれば、家庭教師という選択肢もありです。
今はオンラインで完結する家庭教師サービスもあります。
プログラミングを学ぶのであれば、オンラインというIT技術を活用しない手はありません。
具体的に、次の3つのサービスがおすすめです。
おすすめのサービス
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とにかく教室数が多いので、自宅の近くで受講できる可能性が高いです。
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まとめ
それでは、高校の情報Ⅰのおすすめの参考書と問題集についてをまとめます。
情報Ⅰおすすめ参考書・問題集
- 『高校の情報Iが1冊でしっかりわかる本』 鎌田 高徳
- 『学校で習っていなくても読んで理解できる 藤原進之介の ゼロから始める情報I』 藤原 進之介
情報Ⅰの参考書・問題集を選ぶときは、次の3つのポイントに注目してください。
選ぶ際の3つのポイント
- 課題発見・問題解決型
- 基礎知識と計算
- プログラミング
プログラミングは参考書や問題集だけでなく、実際にコードを書く練習をしておいたほうが良いです。
それほど高度なことができるようになる必要はないので、プログラミングスクールに通わずに、解説サイトやYou Tube等の解説動画を見ながら練習することもできます。
「独力では難しいのではないか」、「将来を見据えてもっと本格的に学んでおきたい」といった場合は、プログラミングスクールを検討すると良いです。
ただ、高校生向けのプログラミングスクールサービスはあまり多くありません。
大学入試対策に教わるのなら
- 家の近くのスクールを探す
- 家庭教師
おすすめのサービス
今回の記事が、お子様が情報Ⅰを得意科目とするための参考となればとてもうれしいです。
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