こんにちは。エデュサポ(@edsuppor)です。
英語学習にフォニックスが良いという話を聞いたのですが、本当でしょうか。
うちの子にフォニックスを勉強させるか迷っているのですが、学校のテストでは出ませんし、無駄な勉強になってしまわないか心配です。
学校の英語ではあまり扱われない「フォニックス」。
子どもに勉強させるべきかどうか、迷われている保護者の方は多いです。
結論
フォニックスを学ぶと英語学習が断然効率的になります。
今回は、フォニックスを学ぶメリットについて解説します。
記事の後半では、おすすめのフォニックス勉強法についても解説します。
私は以前、塾講師の仕事をしていました。
集団塾と個別指導塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営の仕事をしていた時期もあります。
かれこれ20年以上、塾業界で働きました。
これまでの経験を基にお話します。
最後まで読んでいただき、お子様がフォニックスを勉強して英語を得意にするための参考としていただければとてもうれしいです。
フォニックスとは
フォニックスとは、英語のスペルと発音のルールのことです。
アルファベットは、はじめは「エイ」「ビー」「スィー」「ディー」のように覚えていきますが、実際に英語の中で使われているときは「エイ」「ビー」「スィー」「ディー」とは発音されません。
たとえば、アルファベットの「A」は「エイ」ですが、実際に発音するときは「ア」と発音します。
ローマ字でも「A」は「ア」にあたりますね。
実際の発音はカタカナで表せない
実際には英語の「A」の発音と日本語の「ア」の発音は異なります。
実際の英語の「A」の発音は日本語の「エ」と「ア」の間の音になります。
英語は母音(アイウエオに近い音)が多く、日本語の「ア」に近い音だけでもいくつもあります。
この記事では日本語の文字で解説するため、英語の細かい発音を正確に表すことができません。
少し不正確になりますがご了承ください。
フォニックスを学ぶメリット
英語を勉強するうえでフォニックスを学ぶメリットは、主に次の4つです。
フォニックスを学ぶメリット
一つひとつ解説します。
メリット1 英単語のスペル暗記がラクになる
フォニックスを学習すると、英単語のスペル暗記がラクになります。
英単語のスペル暗記がラクになる理由は、主に4つあります。
スペル暗記がラクになる理由
理由1 音を聞けばスペルがわかる
フォニックスを学習すると、音を聞くだけでスペルを予測することができるようになります。
フォニックスとは、英語のスペルと発音のルールのことだからです。
たとえば、「タ」はローマ字では「TA」です。
これをフォニックスで詳しく考えてみましょう。
「T」の発音は「トゥ」です。
実際には「ゥ」の部分は喉を使っては発音されず、息を吐き出すだけになります。
いわゆる「無声音」になります。
「A」の発音は「ア」です。
つまり、「TA」の発音は「トゥア」になります。
これをゆっくり発音せずに、素早くつなげて発音することで「タ」という音になります。
理由2 1つ覚えればたくさん応用できる
フォニックスは、1つの発音のルールを覚えれば、たくさんの英単語暗記に応用することができます。
フォニックスの発音の考え方を使えば、「tip」とうい英単語の発音は「トゥ」「イ」「プ」をつなげて、「ティップ」という発音になることがわかります。
ちなみにtipという単語は、日本語の「チップ」を意味します。
フォニックスを知っていれば「tip」を「チップ」と発音することはありません。
スペルを見るだけで、正しく「ティップ」と発音することができます。
逆に、「ティップ」という音を知っていれば、スペルが「tip」であることはすぐにわかります。
「tipのスペルはティーアイピー」と、覚える必要はありません。
フォニックスを勉強すれば正しい英語の発音を知ることでき、単語のスペルを覚えていなくても、音からスペルを予測することができます。
いろいろなルールがある
フォニックスにはいろいろなルールがあり、そのルールを1つ覚えれば、多くの英単語のスペルを効率的に覚えられるようになります。
たとえば、英単語の最後についている「e」は「マジックe」や「サイレントe」と呼ばれ、発音されません。
また、直前の母音がアルファベットそのままの読み方になります。
たとえば、「take」の最後の「e」はマジックeです。
そのため、「take」は「タケ」とは発音しません。
まず、最後の「e」は発音しません。
そして、直前の母音の「a」はいつも通りの「ア」とうい発音ではなく、もともとのアルファベットの読み方「エイ」になります。
そのため、「take」の発音は、「トゥ、エイ、ク」となり、つなげて読むと「テイク」となります。
マジックeを知っていれば、「take」のスペルを「タケ」と覚える必要はありませんし、「make」のスペルを「マケ」と覚える必要もありません。
同じように、「game」も「tape」も「name」も「time」も「cute」も「five」も、スペルを覚える必要はありません。
1つのルールを覚えたことで、多くの英単語のスペルが覚えられるようになります。
理由3 ペアやトリオで更に応用できる
アルファベットそれぞれに発音のルールがあるのですが、アルファベットを2つや3つ組み合わせて発音するようなルールもあります。
たとえば「ea」の組み合わせは「イー」と発音します。
このことを知っていれば、「スピーク」は「speak」ですし、「リード」は「read」(または「lead」)です。
それぞれ「スペアク」「レアド」と、ローマ字でスペルを覚える必要はありません。
「peak」も「tea」も「teach」も「steal」も「seal」も「dream」も、スペルを覚える必要はありません。
また、たとえば、「all」の組み合わせが「オール」と発音することを知っていれば、「call」も「small」もスペルを覚える必要はありません。
このように、ペアやトリオの発音のルールを覚えることで、更に多くの英単語のスペルを効率的に覚えることができます。
理由4 日本人特有のスペルミスを防げる
フォニックスを学習すると、日本人がミスをしやすいスペルミスを防ぐことができます。
たとえば、フォニックスで「b」と「v」の発音を勉強していて、英単語を覚える時にしっかりと音読をしながら取り組んでいれば、「violin」を「biolin」とスペルミスすることはありません。
また、日本人が苦手な「l」と「r」の発音も勉強しておけば、「read」と「lead」のスペルミスをすることもありません。
日本語は基本的に子音と母音がセットになっているので、「スピーク」を「supeaku」のようにスペルミスしてしまうこともあります。
しかし、実際には「s」の発音は「ス」ではありません。
日本語で「ス」と発音するときは喉から音を出しますが、英語の「s」の発音をするときは息を吐くだけで喉は鳴らしません。
「無声音」です。
フォニックスを正しく勉強していて、「スピーク」を正しい英語で発音できていれば、「su」や「ku」のようにスペルミスをしてしまうことはありません。
メリット2 発音が良くなる
フォニックスを学ぶと、英語の発音が良くなります。
フォニックスを学ぶ過程で、正しい発音を学ぶことができるからです。
フォニックスは、一つひとつのアルファベットの発音から勉強していきます。
「A」の発音はこうで、「B」の発音がこうで、「C」の発音はこのようになるというような学習からスタートしていきます。
そのため、英語の発音の超基本からしっかりと身につけることができます。
基本が身についていれば、難しい英語も複雑な英語も正しく発音できるようになります。
メリット3 リスニング力もアップする
フォニックスを学ぶと、リスニング力もアップします。
正しい発音で話すことができれば、正しい発音の英語を聞き取ることもできるからです。
リスニングが苦手な日本人の多くは、頭の中で思い描いている英語の音と、実際に耳から聞こえてくる英語の音が異なってしまっています。
たとえば、「whistle」の発音を「ホイッスル」だと思っていると、「ウィッソー」という音が聞こえてきても「whistle」のことだと気づくことができません。
しかし、フォニックスを勉強していれば、正しい発音で英単語を覚えられているため、「ウィッソー」という音が聞こえてきたら「whistle」のことだと気づくことができます。
メリット4 英語学習が断然効率的になる
ここまでで解説してきた通り、フォニックスを勉強すると英語学習が断然効率的になります。
学校のテストでフォニックスが出題されるわけではないので、子どもにフォニックスを勉強させるべきかどうか迷われるかもしれませんが、長い目で見れば絶対に勉強させるべきです。
急がば回れです。
フォニックスの注意点
学習するメリットが多いフォニックスですが、注意点もあります。
フォニックスを学習する際の注意点は、主に次の2点です。
フォニックス学習の注意点
- フォニックスにも限界がある
- 子どもには勉強感が強い
一つひとつ解説します。
注意点1 フォニックスにも限界がある
フォニックスを学習すると英語学習が断然効率的にはなるのですが、フォニックスにも限界があります。
英語には例外がたくさんあるからです。
このように思ったあなたは、理解がとても速いです!
ですが、残念ながら「love」の発音は、ご存知の通り「ラヴ」です。
また、たとえば「c」は、「ス」や「ク」と発音します。
ですが、「s」も「ス」と発音しますし、「k」も「ク」と発音します。
そのため、たとえば「ケイク(ケーキ)」のスペルを考える際に、「cake」と書くか「kake」と書くか迷ってしまいます。
例外はたくさんある
「外国」を意味する「フォーリン」は、「foreign」と書きます。
これは発音からスペルを思い浮かべるのは難しいでしょう。
さらに、「夜」を意味する「ナイト」は、「nite」ではなく「night」と書きますし、「騎士」を意味する「ナイト」は「knight」と書きます。
そのため、音を聞いただけでは正しいスペルは書けません。
フォニックスを学習しただけですべての英単語を簡単に覚えられるわけではありません。
注意点2 子どもには勉強感が強い
フォニックスの学習は、子どもにとっては「勉強をさせられている」という感覚が強いです。
フォニックスを学習するタイミングは、子どもが小さい時期が多いので、勉強方法を工夫しなければ子どもはすぐに飽きてしまいます。
そのため、勉強方法や教材を考える際には、子どもが楽しく学べるかどうかをよく考える必要があります。
フォニックス+努力
フォニックスだけで英語学習のすべての悩みを解決することはできませんが、フォニックスを学習すれば英語学習は断然効率的になります。
フォニックスの知識だけでスペルを書けてしまう英単語に関しては時間をかけずにサッと暗記して、フォニックスの知識だけではスペルを書けない英単語に関しては、書いたり発音したりして頑張って暗記するというように、工夫をする必要があります。
フォニックスを学習したうえで、しっかりと努力をすることが大切です。
フォニックスのおすすめの勉強方法
フォニックスは発音の勉強ですので、文字を使って説明をするのはすごく大変です。
私も、今この記事を書きながらすごく苦労しています。
発音の勉強をする以上、必ず音を聞ける教材を使うことを強くおすすめします。
本だけで勉強することはおすすめしません。
具体的な方法としては、次の3つがあげられます。
フォニックスの勉強法
- You Tube等の動画サイト
- 教材
- 英会話スクール
勉強法1 You Tube等の動画サイト
フォニックスの勉強法で一番のおすすめは、You Tubeなどの動画サイトを活用することです。
特に、これからフォニックスの勉強をはじめるという方であれば、口の形を目で確認しながら、耳から音も聞きながら勉強できるのでおすすめです。
なにより無料なので、手軽にはじめることができます。
動画サイトのデメリット
You Tube等の動画サイトは、学習教材のように体系立てて学ぶことができません。
そのため、知識が飛び飛びになってしまったり、自分にぴったりの難易度の動画を探すのに苦労したりします。
また、手軽にはじめることができる分、手軽にやめてしまうこともできます。
長く勉強を継続させるのが難しいです。
動画サイトで勉強
- 無料
- 手軽にはじめられる
- 動画で口の形を確認できる
- 音声で発音を聞ける
- 体系立てて学ぶことができない
- 継続が難しい
勉強法2 教材
フォニックスを学習するための教材は、結構いろいろと出ています。
値段は1,000~10,000円程度なので、あまりお金をかけずにフォニックスを学習することができます。
動画教材もありますし、本ベースの教材もあります。
本がベースとなっていても、CDや音声ダウンロードを活用して、音を使って発音を確認できるような教材が多いです。
子ども向けの教材はアニメーションや歌で楽しく取り組めるものが多いです。
人気の本教材
本ベースだと、次のような教材が人気です。
人気の動画教材
動画教材であれば、DVD教材などが販売されています。
本とCDのセットよりも、DVDをセットして再生ボタンを押すだけなので気軽に取り組めるのでおすすめです。
DVD教材であれば、次のような教材が人気です。
教材学習のデメリット
教材のデメリットは、子ども向けのものが多いということです。
特にDVDの教材は、中学生以上の年齢を対象とした教材はほぼありません。
逆に、小学生までの年齢を対象としたものは数多く販売されています。
また、子どもに継続的に取り組ませるためにはいろいろと工夫が必要です。
ただの勉強にしてしまうと子どもは飽きてしまうので、楽しく、継続的に学べるような仕掛けを考える必要があります。
教材で勉強
- 安い
- 本の教材でも英語の発音を聞ける
- 動画教材も多い
- 子ども向けが多い
- 子どもに取り組ませるには工夫が必要
勉強法3 英会話スクール
フォニックスの勉強には、英会話スクールもおすすめです。
You Tubeや教材は、基本的に一方通行の学習になります。
そのため、自分の発音が本当に正しいのかどうか不安になってしまいます。
英会話スクールであれば、講師に自分の発音を聞いてもらうことができます。
そのため、発音が正しくない場合は、その場で修正してもらうことができます。
また、講師に励ましてもらうとやる気も続きます。
「Good job!!」とか「Very good!!」とか言われるとやる気が出ますよね!
子ども向けのスクールであれば、歌やゲームなどを通して楽しく学ぶこともできます。
英会話スクールのデメリット
英会話スクールのデメリットは、費用がかかることです。
習い事という形で毎月の出費になるため、通わせるかどうかはよく考える必要があります。
教室に通うのであれば、送り迎えなどのことも考える必要があり、スケジュールに不自由ができるのもデメリットです。
英会話スクールで勉強
- 双方向なので学習効果が高い
- 励ましてもらえる
- 歌やゲームで楽しく学べる
- 費用が高い
- スケジュールに不自由ができる
英会話スクールはオンラインがおすすめ
オンライン英会話スクールであれば、それほど料金も高くありません。
また、送り迎えは必要ありませんし、スケジュールを自由に組めることが多いです。
ただ、フォニックスや発音の勉強ができるかどうかは確認する必要があります。
小学生であればフォニックスの学習ができることが多いですが、中学生以上ですと文法や英会話の学習がメインとなり、フォニックスを学習できないことも多いです。
>>子どもの英会話は意味ない?無駄にしないためのコツと英会話教室のメリット
>>中学生の英語の成績を上げるために英会話をはじめるべき2つの理由!
>>高校生の英会話は効果が大きい!メリット・デメリットと英会話教室選びのポイント
まとめ
それでは、フォニックスを学ぶメリットをまとめます。
結論
フォニックスを学ぶと英語学習が断然効率的になります。
フォニックスを学ぶメリット
- 英単語のスペル暗記がラクになる
- 発音が良くなる
- リスニング力もアップする
- 英語学習が断然効率的になる
スペル暗記がラクになる理由
- 音を聞けばスペルがわかる
- 1つ覚えればたくさん応用できる
- ペアやトリオで更に応用できる
- 日本人特有のスペルミスを防げる
学習するメリットが多いフォニックスですが、注意点もあります。
フォニックス学習の注意点
- フォニックスにも限界がある
- 子どもには勉強感が強い
フォニックスを学んだうえで、しっかりと努力をすることが、英語を得意にするための近道です。
フォニックスは発音の勉強ですので、文字を使って説明をするのはすごく大変です。
発音の勉強をする以上、必ず音を聞ける教材を使うことを強くおすすめします。
フォニックスの勉強法
- You Tube等の動画サイト
- 教材
- 英会話スクール
今回の記事が、お子様がフォニックスを学ぶことを通して英語を得意にするためのきっかけとなればとてもうれしいです。
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