こんにちは。エデュサポ(@edsuppor)です。
共通テスト(旧センター試験)に「情報Ⅰ」が加わって、不安に感じられている保護者の方は多いです。
教科書には「16進法」や「プログラミング」や「ネットワーク」といった言葉が並んでいて、「もしかしてすごく難しいのでは・・・。」と、思われているかもしれません。
結論
適切な対策をすれば難しくありません。
ですが、単純な知識だけでは乗り切れません。
今回は、
高校の教科「情報Ⅰ」の難易度について解説します。
記事の後半では、適切な対策方法についても解説します。
最後まで読んでいただき、お子様が情報Ⅰの試験で高得点を取るための参考としていただければとてもうれしいです。
この記事の筆者
エデュサポ
(@edsuppor)
- 元塾教室長
- 集団塾と個別指導塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営責任者も務める
- 塾業界勤務経験は20年以上
- 教育業界での経験を活かして、勉強や受験に関する情報を発信するサイトやブログを開設
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情報Ⅰは難しくない
あまりパソコンに詳しくない大人が情報Ⅰの教科書を読むと、すごく難しく感じます。
かつては「情報」教科の指導がされていなかったため、聞き慣れない言葉が並んでいるからです。
しかし、一通り授業を受けて学習すれば、情報Ⅰは難しくありません。
主な理由は次の3点です。
情報Ⅰが難しくない理由
一つひとつ解説します。
理由1 基礎基本が中心
情報Ⅰの教科は、これからのデジタル社会を生きていくのであれば最低限知っておきたい、基礎基本事項が中心になっています。
現代では、あらゆる仕事・職業でパソコンやデジタル技術が活用されています。
誰でもパソコンに触れ、誰でもデジタル技術に触れる時代です。
普段の生活の中でも、「ギガバイト」や「AI」や「IoT」といったデジタル用語に自然と触れています。
情報Ⅰは、生活や仕事をしていれば関わる可能性が高い、汎用性の高い知識や技術を身に着けていける教科です。
理由2 パソコンを使っていれば身近な知識
高校生であっても、パソコンやタブレットやスマートフォン等を利用して何かを作ったことがある人は多いと思います。
そういった高校生にとっては、すでに知っている知識や技術が情報Ⅰの教科書の中にたくさん含まれています。
絵を描くなら
たとえば、パソコンやタブレットで絵やイラストを描いていれば、色に関するデジタルの知識を持っていると思います。
「RGBとCMKY(色の表現方法)」や、「24ビットカラー(ディスプレイでの色情報)」や、「ピクセルやdpi(解像度)」について聞いたことがあると思います。
情報Ⅰでは、それらが何なのかを学習していきます。
音楽を作るなら
また、パソコンで音楽を作っていたり、音楽の音質にこだわっている高校生であれば、音に関するデジタルの知識を持っていると思います。
「サンプリングレート48kHz(デジタル信号へ変換する際のサンプリング処理の回数)や、「ビットレート24bit(1つのサンプルあたりのデータ量)」について聞いたことがあると思います。
情報Ⅰでは、それらが何なのかを学習していきます。
このように、パソコンを使っていれば触れる可能性が高い、身近な知識を身につけていくことになります。
理由3 知識一辺倒ではない
ここまで情報教科の「知識」の部分を中心に解説してきましたが、実は情報という教科は知識そのものの重要度は高くありません。
文部科学省が公表している『高等学校情報科「情報Ⅰ」教員研修用教材』には、次のように記載されています。
(2)情報科の目標
情報科は,他の教科等の学びとあわせて,このような変化する社会で子供達が生きていくための資質・能力を育むものでなければならない。情報科では,情報に関する科学的な見方・考え方を重視するとともに,問題の発見・解決に向けて情報と情報技術を適切かつ効果的に活用するための知識及び技能を身に付け,実際に活用する力を養うとともに,情報社会に主体的に参画する態度を養うことを目指している。
問題を発見し、それを解決するために情報と情報技術を活用するとあります。
情報という教科では、情報の知識や技術を利用した課題解決能力を伸ばすことを大きな目標としています。
そのため、難しい知識やマニアックな知識をぎゅうぎゅうと頭に詰め込む必要はありません。
基礎基本をしっかりと理解していれば十分です。
テストの出題傾向
実際のテストでも、課題を発見し、問題を解決していく力が問われます。
2022年11月に大学入試センターから公表された「情報Ⅰ」の試作問題でも、課題発見・問題解決型の問題が多く出題されています。
実際に問題を見てみましょう。
ちょっと問題が長いですが、最初の数行を読むと課題発見・問題解決型の問題であることがわかると思います。
文化祭のクレープ販売でお客さんを待たせている時間が長かったという課題を、データ分析という手段を使って解決しようという問題です。
学校の試験問題の傾向は、共通テストの出題傾向に合わせることが多いです。
ですので、学校の試験でも、知識は基礎基本のみを問われる可能性が高いです。
情報教科の適切な対策方法
先程、情報教科は知識一辺倒ではないので、基礎基本の知識をしっかりと理解すれば大丈夫であるというお話をしました。
逆に言えば、知識を詰め込むだけでは試験問題に対応できないということになります。
これからの情報教科を学ぶには、主に次の5点に取り組む必要があります。
情報教科の適切な対策方法
一つひとつ解説します。
ポイント1 基礎知識をインプット
情報Ⅰは知識一辺倒の教科ではありませんが、他の教科と同様、基礎知識のインプットは大事です。
教科書や参考書を利用して、まずは基礎知識をインプットすることが大切です。
英単語を知らなければ、英語の文章が読めないのと同じです。
深く理解することが大事
知識をインプットするときは、多くの知識を詰め込もうとするのではなく、一つひとつの知識を深く理解しようとすることが大切です。
知識そのものを問われる問題よりも、問題解決のために知識を利用する問題のほうが出題されやすいからです。
また、社会に出てからも活用する知識なので、表面上だけの知識にしないようにすることが大切です。
ポイント2 練習問題でアウトプット
基礎知識はインプットするだけではなく、練習問題を問いてアウトプットすることが大切です。
情報は数学的な考え方をする場面が多いので、特にアウトプットが重要な教科です。
どんなに素晴らしい数学の授業を受けても、自分で練習問題を解かなければ身につかないのと同じ理屈です。
問題集等を使って、必ずアウトプットする練習をしましょう。
ポイント3 課題発見・問題解決に慣れる
先程解説した通り、情報Ⅰでは課題発見・問題解決型の問題が多く出題されます。
「〇〇は何でしょう?」→「□□です。」と答えるような、いわゆる昔ながらの問題はあまり出題されません。
そのため、普段から課題発見・問題解決型の問題に慣れておく必要があります。
参考書や問題集を購入するのであれば、課題発見・問題解決型の問題に対応しているものを選ぶと良いです。
>>高校の情報Ⅰ対策におすすめの参考書と問題集【元塾教室長が解説!】
ポイント4 資料やデータの分析・活用の練習
情報Ⅰの試験では、資料やデータを分析して活用する問題も出題されます。
最近では情報の教科に限らず、資料やデータを読み取る問題が出題されることが多いです。
これからの社会では、データを活用する力が必須だからです。
少しイメージがつきづらいと思いますので、共通テストの試作問題を見てみましょう。
長い問題ですが、表やグラフや図を見ていただくだけで、なんとなくイメージをつかんでいただけると思います。
スマートフォンやパソコンの使用時間が短い若年層と、長い若年層の、各生活行動に費やした時間のデータを見て問題に答えます。
箱ひげ図や散布図、相関や散らばりなどの、数学の知識が必要になります。
普段から他の教科で資料やデータを読み取る練習をしながら、数学の「データの分析」の単元を深く学習すると良いです。
数学の「データの分析」の単元を公式暗記だけで乗り切ろうとすると、これからの試験では対応できません。
>>数学の応用問題が解けない!解き方のコツと勉強法【元塾教室長が解説!】
>>数強塾は数学が苦手な中学生・高校生の強い味方!料金・サービスは?
ポイント5 プログラミングの練習
共通テストの情報Ⅰでは、しっかりとしたプログラミングのコードを組む問題も出題されることが予想されます。
小学校で習ったお遊びのようなレベルのプログラミングでは対応できません。
教科書や参考書を読んで勉強するだけでなく、実際にパソコンでプログラムを書く練習をしておくことを強くおすすめします。
共通テストの試作問題では、次のような問題が出題されました。
問題が長いので、概要を先に書きます。
買い物の際に、客が支払う硬貨の枚数とお釣りとして受け取る硬貨の枚数の合計が、一番少なくなるようにするためのプログラムを組む問題です。
プログラムの組み方を数学的に考える問題や、実際に擬似プログラミング言語でコードを書く問題が出題されています。
プログラミングがよくわからないという方でも、「図1」と「図2」のコードを見れば、お遊びレベルのプログラミングではないことがわかると思います。
ただ、問題中にヒントがたくさん書かれているため、知識量はそれほど必要ありません。
知識の量よりも、プログラムを組むための思考力、いわゆるプログラミング的思考力が問われています。
このプログラミング的思考力を育てるために、実際にプログラムを組む練習をしておくべきです。
高校生のプログラミング学習については、「高校の情報Ⅰ対策におすすめの参考書と問題集【元塾教室長が解説!】」という記事で詳しく解説しています。
ぜひ、そちらも参考にしてください。
>>高校の情報Ⅰ対策におすすめの参考書と問題集【元塾教室長が解説!】
>>子どもにおすすめのプログラミングスクール7選!料金や特徴を比較
まとめ
それでは、高校の教科「情報Ⅰ」の難易度についてをまとめます。
結論
適切な対策をすれば難しくありません。
ですが、単純な知識だけでは乗り切れません。
情報Ⅰが難しくない理由
- 基礎基本が中心
- パソコンを使っていれば身近な知識
- 知識一辺倒ではない
情報Ⅰは難しくありませんが、知識を詰め込んで対策をしようとすると苦手科目になってしまいます。
適切な対策が必要です。
情報教科の適切な対策方法
- 基礎知識をインプット
- 練習問題でアウトプット
- 課題発見・問題解決に慣れる
- 資料やデータの分析・活用の練習
- プログラミングの練習
知識よりも、課題を発見し、問題を解決する力をつけることに注目しながら対策ができると良いです。
今回の記事が、お子様が情報Ⅰの試験で高得点を取れるようにするための参考となればとてもうれしいです。
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