こんにちは。エデュサポ(@edsuppor)です。
算数の割り算を苦手とする小学生は多いです。
保護者の方としても、今後の算数の勉強のことを考えて心配されているのではないでしょうか。
結論
割り算が苦手な子どもの多くは、その手前にある九九や引き算でつまずいてしまっているケースが多いです。
つまずいている段階を見分けて必要なところまで戻って復習できると良いです。
今回は、算数の割り算の教え方について解説していきます。
最後までお読みになり、お子様が割り算の苦手を克服して、算数の力を伸ばしていくための参考としていただければとてもうれしいです。
この記事の筆者

エデュサポ
(@edsuppor)
- 元塾教室長
- 集団指導塾と個別指導塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営責任者も務める
- 塾業界勤務経験は20年以上
- 教育業界での経験を活かして、勉強や受験に関する情報を発信するサイトやブログを開設
割り算が苦手になる3つの原因
小学生が算数の割り算を苦手にしてしまう原因は、主に次の3つです。
割り算が苦手になる3つの原因
原因1:九九の逆算ができない
小学生が割り算を苦手にしてしまうのは、九九の逆算ができないことが原因であるケースが多いです。
九九は「3×4=12」を「三四12」と唱えるように、前から順に唱えて考えていきます。
ところが、「12÷3」のような割り算を考えるときは、頭の中で「3×□=12」という掛け算に変換する必要があり、答えの側から3の段をたどることになります。
この向きの切り替えには、九九を覚えることとは別の力が必要になります。
九九はスラスラ言えるのに割り算で手が止まってしまう場合、毎回「三一が3、三二が6・・・」と唱え直して12を探している可能性があります。
原因2:割り算の2つの場面を区別できていない
小学生が割り算を苦手にしてしまうのは、割り算がどのような場面で使われる計算なのかをイメージできていないことが原因であるケースが多いです。
割り算を活用できる場面は、「同じ数ずつ分けて1つ分を求める場合」と、「いくつ分に分けられるかを求める場合」の2種類があります。
たとえば、同じ「12÷3」であっても、あめ12個を3人に同じ数ずつ分けて1人分を求める場面と、あめ12個を3個ずつ配って何人に配れるかを求める場面では、頭の中でイメージする絵はまったく異なります。
文章題を解く時に「どちらの数をどちらの数で割るのか」が判断できない子どもは、この2つの場面を理解できていない可能性が高いです。
なお、文章題そのものの読み取りでつまずいてしまっている場合は、『算数の文章題が苦手な小学生への教え方|つまずく原因と克服の5ステップ』の記事もあわせてご覧ください。
原因3:筆算の4つの動作のどこかが崩れている
小学生が割り算を苦手にしてしまうのは、筆算の4つの動作のどこかに苦手が隠れていることが原因であるケースも多いです。
割り算の筆算は、たてる・かける・ひく・おろすの4つの動作を繰り返します。
このうち「たてる」「かける」では掛け算、「引く」では繰り下がりのある引き算、「おろす」では位取りの力が必要になります。
割り算の筆算は、四則すべてを同時に使う計算です。
そのため、「割り算ができない」と見えている状態の正体が、掛け算や引き算、足し算にあることが少なくありません。
家庭でできる割り算の教え方5ステップ
家庭でできる割り算の教え方5ステップ
ステップ1:式にする前に、実際に配ってみる
割り算を教えるときは、式にする前に、まずは実際にアメちゃんやおはじきを使ってイメージをつかませることが重要です。
割り算の「意味」を理解しなければ、ただ計算方法を丸暗記するだけの、意味のない勉強になってしまうからです。
たとえば、おはじきを12個用意し、3人に配らせてみます。
1個ずつ順番に配っていくと、1人分が4個になります。
この動作を通して、「同じ数ずつ配ると、1人分がいくつになるか」というイメージを身につけていきます。
配り終えた後に「1人分は何個になった?」と問いかけて、子どもの言葉で答えさせるようにすると効果的です。
なお、数は12や15など、子どもが数え切れる範囲の数に抑え、ピッタリ割り切れる数ではじめるようにします。
ステップ2:九九の逆で答えを出す
割り算を教えるときは、九九の逆で答えを求める練習に取り組むことも重要です。
先程のおはじきを配るお話では、おはじきを配り終えた後に、「12÷3=4」とう式を書いて見せます。
そのうえで、同じ場面を「3×□=12」と、掛け算の形にも書き直させます。
この動作を通して、割り算が掛け算の逆の考え方であるというイメージをつかみます。
なお、九九を毎回1から唱え直している子どもには「12は3の段のどこにある?」というような質問を投げかけ、九九の逆算の練習を繰り返します。
この九九の逆算が速くなるほど、このあとにでてくる筆算がラクになります。
ステップ3:2つの場面を並べて出題する
割り算を教えるときは、割り算を活用できる2つの場面を並べて考えさせることも重要です。
先程のおはじきを使って、今度はおはじきを一人に3個ずつ配らせます。
3個ずつ配っていくと、4人に配ることができます。
この動作を通して、「同じ数ずつ配ると、何人に配れるか」というイメージを身につけていきます。
同じ「12÷3」であっても、先程とは求められるものが異なります。
この2つの場面の違いを実際の動作で区別させ、それから式を書かせるようにすると良いです。
ステップ4:あまりは「わる数より小さい」ことを意識させる
割り算を教えるときは、「割り算のあまりはわる数より小さくなる」というルールを徹底させることが重要です。
割り算の筆算をする際に重要になるルールだからです。
「13÷3」を「3あまり4」と答えてしまう子どもは、おはじきを配るイメージがまだつかめていません。
実際に13個のおはじきを3人に配ってみれば、4個残る状態がありえないことはすぐにわかります。
ステップ5:筆算は動作に分けて、止まるところだけ戻って復習する
筆算でつまずいている場合は、どの動作で止まってしまっているのかを見ます。
「たてる」段階で止まっているのであれば九九の逆算、「かける」段階で止まっているなら掛け算、「ひく」段階で止まっているなら繰り下がりのある引き算、「おろす」部分でミスが出るなら位取りが原因です。
割り算を繰り返し練習させるよりも、止まった動作の単元に戻って集中的に練習したほうが近道です。
なお、繰り下がりのある引き算が怪しい場合は、「引き算の教え方|繰り下がりの壁を越えるコツ」の記事が参考になります。
2けたでわる筆算では、商の検討をつけて、違っていたら直すのが正式な手順です。
一度で当てられなくても失敗ではないと伝えてください。
計算や筆算の演習は、毎日の積み重ねが重要です。
一度にまとめて取り組むよりも、1日10分でも良いので毎日継続して取り組んだほうが効果が高いです。
学年や目的に合った算数ドリルの選び方については、『算数ドリルのおすすめ8選|小学生の学年別・目的別の選び方』で詳しく解説しています。
学年で見る割り算の系統
小学校の割り算は、次のような流れで学んでいきます。
学年で見る割り算の系統
小学3年生|割り算の意味をつかむ
小学3年生では、割り算の2種類の場面を学び、まずは九九で逆算できる計算に取り組んでいきます。
その後、九九にはない割り算の計算、あまりのある割り算へと進んでいきます。
小学3年生の段階では、速く計算することよりも、割り算がどのような場面で活用できるのかをイメージできるようにすることのほうが大切です。
小学4年生|筆算と性質を身につける
小学4年生では、2けたの数でわる筆算を学んでいきます。
また、「わられる数とわる数に同じ数をかけても割っても商は変わらない」といった割り算の性質や、掛け算と割り算の関係についても学んでいきます。
小学4年生の段階では、手順を暗記しようとするのではなく、なぜその手順になるのかを定着させておくことで、このあとの単元のつまずきを防ぐことができます。
小学4年生の後半以降|小数と割合へつながる
小学4年生のの後半からは、掛け算や割り算に小数が入ってきます。
そして、小学5年生では割合の単元へと接続していきます。
割り算の理解の深さが、割合の理解につながっていきます。
割合でつまずかないようにするためにも、割り算のここまでのステップがとても重要になります。
▼あわせて読みたい
>>割合の教え方|小5でつまずく原因と家庭でできる5ステップ
▼あわせて読みたい
>>小学生への算数の教え方|親が教えるコツ完全ガイド
家庭で教えるのが難しいと感じたら
家庭で教えるのが難しいと感じたら
どこでつまずいているか見つけてもらいたい場合
割り算のつまずきの原因は前の学年にあることが多く、家庭では特定するのに時間がかかってしまうケースも多いです。
そのような場合は、「タブレット学習教材」がおすすめです。
最近のタブレット学習教材や通信教育教材は、間違えた問題から苦手を自動で判定し、必要な単元まで戻って出題してくれるものが多いです。
前の学年に戻って復習することに抵抗を感じる子どもであっても、教材が以前の学年の問題を自然に出題してくれるので、素直に取り組みやすいです。
各教材の特徴や難易度の違いについては、『小学生におすすめのタブレット学習教材10選!』で詳しく解説しています。
つまずきが複数の学年にまたがっている場合
九九も繰り下がりも怪しく、どこから手をつけるべきか判断に迷う場合は、塾で見てもらうのが近道です。
塾で見てもらえば、子どもの苦手を特定してもらったうえで、適切な対策に取り組むことができるからです。
学年をさかのぼって復習したい場合には個別指導の塾が適していますが、集団指導の塾でも学年をさかのぼった復習に対応している教室があります。
算数塾の選び方については、『小学生におすすめの算数塾10選|苦手克服から中学受験まで選び方を解説』で詳しく解説しています。
割り算の教え方に関するよくある質問
ここからは、割り算の教え方に関するよくある質問にお答えしていきます。
割り算の教え方に関するよくある質問
質問1:「0÷3」や「3÷0」はどうなりますか?
0÷3の答えは0です。
0個を3人で分けても、1人分は0個になります。
0÷3を3×□=0に変換して考えても、答えが0になることがわかります。
反対に3÷0は、0×□=3にあてはまる数がないため答えが決まらず、小学校では扱いません。
質問2:割り算の筆算だけ、なぜ大きい位から計算するのですか?
大きい位から分けたほうが、分けきれずに残った分を下の位に回して処理できるためです。
足し算・引き算・掛け算の筆算とは向きが逆になります。
質問3:筆算で位がずれて間違えます。どうすれば良いですか?
方眼ノートを使い、1マスに1文字で書かせるようにすると良いです。
書き方の問題であって、計算の理解とは別に扱います。
まとめ
それでは、割り算の教え方についての解説をまとめます。
結論
割り算が苦手な子どもの多くは、その手前にある九九や引き算でつまずいてしまっているケースが多いです。
つまずいている段階を見分けて、必要なところまで戻って復習できると良いです。
割り算が苦手になる3つの原因
家庭でできる割り算の教え方5ステップ
学年で見る割り算の系統
家庭で教えるのが難しいと感じたら
割り算の教え方に関するよくある質問
今回の記事が、お子様が割り算の苦手を克服して、算数の力を伸ばしていくきっかけになればとてもうれしいです。








