こんにちは。エデュサポです。
うちの子は計算問題は得意なのに、文章問題になると途端に解けなくなる
うちの子は文章問題が難しくて解きたくないと言っている
小学生のうちは、単純な文章問題でも難しく感じてしまうことが多いです。
さて、先日、次のようなツイートをしました。
算数の文章問題が苦手な小学生の中には、文章を読まずに問題を解こうとする生徒もいます。
問題文の中にある数字を抜き取って、「かけ算かわり算のどっちかだ!」という感じで、当てずっぽうで式を書くことも多いです。
実は文章問題が苦手なのではなく、文章を読んでいないだけだったりします。
— エデュサポ@元塾教室長 (@edsuppor) January 25, 2022
今回は、算数の文章問題の苦手を克服するための4つのコツについて解説します。
小学校のテストで、計算問題はほぼ満点なのに、文章問題だけは解けていたり解けていなかったりというレベルを想定して解説します。
中学受験の問題のような、複雑な文章問題のお話はしません。
4つのコツ
- 問題文を音読する
- 問題文をマンガにする
- 問題文にラインを引く
- 式の意味を理解する
私は以前、塾講師の仕事をしていました。集団塾と個別塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営の仕事をしていた時期もあります。かれこれ20年以上、塾業界で働きました。
これまでの経験を基にお話します。最後まで読んでいただき、お子様が学校の算数のテストで毎回100点を取れるようになるための参考としていただければとても嬉しいです。
タップできる目次
コツ1 問題文を音読する
まず最初に試していただきたいのは、問題文の音読です。
算数の文章問題に苦手を感じている子どもの多くは、問題文を全部読んでいないことが多いです。
黙読ではパッと問題文を読み飛ばしてしまうことが多いですが、音読であれば読み飛ばすことができません。
問題文を正確に読み取るためにも、音読は非常に有効です。
ところが、文章問題が苦手な子どもは、この音読が正確にできないこともあります。
たとえば、次のような問題があったとします。
ペンギンが37羽います。このペンギンを5つの水そうに同じ数ずつ分けました。1つの水そうにペンギンは何羽ずつ入り、ペンギンは何羽あまりますか。
文章問題が苦手な子どもにこの問題文を音読してもらうと、次のようなやり取りになることが多いです。








問題文を読んでいない子どもは多い
子どもたちに問題文を音読させるとよくわかるのですが、算数の文章問題の問題文をほとんど読んでいない子どもは本当に多いです。
音読をさせると問題文の途中から読みはじめる子どもが多いのには、そのような理由があります。
では、なぜ子どもたちは問題文を読まないのでしょう。
それは、問題文を読まなくてもテストでマルをもらえてしまうからです。
たとえとして、先程のペンギンの問題を思い出してみましょう。
ペンギンが37羽います。このペンギンを5つの水そうに同じ数ずつ分けました。1つの水そうにペンギンは何羽ずつ入り、ペンギンは何羽あまりますか。
文章問題が苦手な子どもは、この問題文の中の「37」「5」「何羽ずつ入り」「何羽あまりますか」という情報だけを拾って立式し、答えを求めようとします。
なぜ正しい式が書けて、正しい答えを求められるのかというと、テスト用紙のタイトルに『あまりのあるわり算』と、書いてあるからです。



というノリで答えを書いて、マルをもらえてしまいます。
答えは合っているのでマルをもらえてしまうのですが、算数を理解できているわけではありません。
「適当に書いたらたまたま合っていた」というレベルです。
子どもたち本人も気づいていない
子どもたちもテストでマルがもらえてしまうので、何が問題なのか気づいていません。
場合によっては、「いつもマルをもらえているのだから算数は得意だ!」と、思っている子どももいます。
算数の文章問題には読解力が必要だ
と、いう主張もありますが、読解力以前に、まずは問題文を最初から最後までちゃんと読んでみるというところからはじめる必要がある場合も多いです。
実際に、国語の読解が得意な子どもの中にも、算数の問題文はちゃんと読んでいないこともあります。「算数の勉強だから国語は関係ない!」と、思ってしまうようです。
問題文を読み飛ばさずに最初から最後まで読むことを子どもたちに意識づけるという意味で、問題文を音読させてみることをまずはおすすめします。
では、問題文を音読しても解けない場合はどうすればよいでしょうか。
コツ2 問題文をマンガにする
音読してみても、問題文の意味が読み取れない場合は、問題文の内容を絵やマンガにしてみることをおすすめします。下手っぴでも大丈夫です!
文章を読み取ることが得意な人は、文章を頭の中でイメージ化することができます。
逆に、文章を読むことが苦手な人は、文章が文字の羅列にしか見えません。
そのため、文章をイメージ化する練習として、算数の文章問題を絵やマンガに書き起こしてみると良いです。
人間は棒人間でも構いませんし、リンゴやみかんはただの丸でも構いません。
上手に書くことが重要なのではなく、文字情報をイメージにすることが重要です。
問題文を毎回絵やマンガにすると、一問一問を解くのに時間がかかってしまいますが、それでもやってみてください。
これはすごく重要なことです。時間がかかってしまってでも、しっかりとできるようにするべきです。
なぜ、イメージすることがそれほどまでにも重要なのでしょうか。
イメージは今後の数学でも大事
算数や数学に限らず、勉強は高度になってくると、段々と抽象的なことを扱うようになります。
たとえば、小学生の算数を勉強している間は、「1個980円のスイカを4個買うと代金はいくらか」のような問題が出題されます。
これを絵に書こうと思ったらすごく簡単ですよね。
それは、問題文の内容が具体的なため、イメージしやすいからです。
一方、中学校の数学を勉強するようになると、「1個980円のスイカをa個買うと代金はいくらか」のような問題が出題されます。
これくらいであれば、まだ絵に書けそうですよね。
もう少し発展的な問題になって、「1個980円のスイカをa個買って、b人で割り勘にしたら、一人あたりいくら支払うことになるでしょう」のような問題ではどうでしょう。
だんだんと絵にするのが難しくなってきました。
これは、「a個」や「b人」などの、具体的ではない情報が問題文に混ざっているからです。
さらに高校数学になると、「これを限りなく大きくすると」や、「これを限りなく細かく分けると」など、もはや絵にすることは不可能な概念をイメージしなければなりません。
そのため、算数の問題文をイメージ化できるかどうかということは、今後一生、数学が得意になるか苦手になるかの境界だったりします。
ですから、一問一問時間がかかってしまったとしても、絵やマンガにするべきです。算数の問題文をイメージ化する練習は、とても重要なのです。
普段から取り組めるかも大事
音読をしたり、問題文をマンガにしたりして、算数の文章問題が解けるようになってきても、テストではなかなか得点できないという子どもも多いです。



このようなやり取りを、既に何度もしたことがあるかもしれませんね。私も何度もしたことがあります。
問題文をしっかりと読み取れるようになってきても、子どもたちはいつでもそこまで全力で問題に取り組んでいるわけではありません。
そのため、テストや宿題で問題を解いている時に、問題文を読み落としてしまったりします。
では、問題文の読み落としを防ぐにはどのようにすれば良いでしょうか。
コツ3 問題文にラインを引く
問題文の読み落としが多い場合は、問題文の大事な部分にラインを引くことをおすすめします。
ただし、これは問題文すべてを読んだうえで、大事な部分にラインを引く必要があります。最初から大事な部分だけを読もうとしてはいけません。
最初のうちは、問題文を最初から最後まで音読しながら大事な部分にラインを引く練習をすると良いでしょう。
なお、問題文のどの部分も大事で、問題文全部にラインを引いてしまっても全然構いません。
大切なことは、問題文の読み落としを防ぐことです。問題文を要約することではありません。全部大事だと感じたということは、問題文を読み落とさずに全部読めたということです。
習慣になるまで繰り返させる

と、言っただけでは子どもは取り組めません。
言われた瞬間だけは頑張って問題文にラインを引きますが、次の日にはもうラインを引かなくなってしまいます。
子どもも悪気があってラインを引いていないわけではなく、単純に忘れてしまっているだけです。
保護者の負担は大きいですが、習慣化できるまでは繰り返しコマメに声をかけてあげてください。
一度習慣化してしまえば、いつでもラインを引けるようになりますし、それも慣れてくれば、ラインを引かなくても問題を読み落とさないようになっていきます。
時間はかかると思いますが、繰り返すことが大切です。
ここまでできるようになれば、算数の文章問題の問題文の読み取りに関しては問題ありません。
しかし、問題文を正確に読み取ることができて、イメージできるようになるだけでは不十分です。
コツ4 式の意味を理解する
問題文を正確に読んで、内容をイメージ化できるようになったら、今度はそのイメージを式にする必要があります。
イメージを式にするためには、「式の意味」を理解していなければなりません。
ただ、「式の意味」といっても、それほど大げさな話ではありません。
たし算ってどんな時に使うの?
わり算をするとどんなことを求められるの?
このようなレベルのお話です。
しかし、

と、今まで何となくのノリで算数の文章問題を解いてきた子どもたちは、単純なたし算やかけ算の使い方を理解していないことが多いです。
計算のやり方だけを覚えていて、その計算をどんな時に使えるのかについては理解できていないことが多いです。
ですので、最低限「たし算」「ひき算」「かけ算」「わり算」が、どんなことを求めたい時に使われるのかだけはしっかりと理解させる必要があります。
理解できていなければおさらいを!
「たし算」「ひき算」「かけ算」「わり算」の意味を理解できていないようであれば、たとえ小学生の高学年であっても、たとえ中学生であっても、学年をさかのぼってしっかりとおさらいをすべきです。
四則計算の意味が理解できていなければ、このあとに出てくるどんな単元も理解できないからです。
しっかりとおさらいをしておかなければ、「算数全然わからない!」「算数大っきらい!!」に、つながってしまいます。
逆にここが理解できれば、「算数めっちゃわかる!」「算数楽しい!!」に変えられるかもしれません。
昔の教科書が手元にあるようであれば、読み返させてみましょう。
学校の授業を受けていた当時は難しくて頭に入り切らなかった内容も、今読み返せばきっと簡単に理解できると思います。
昔の教科書が手元になかったり、ネット検索だけでは不十分だと感じられる場合には、通信教育教材も検討してみてください。最近のタブレット教材は学年の枠を超えておさらいができるものも多いです。
デジタル教材であれば、画像や動画の解説もついているのでイメージもしやすいため便利です。
>>基礎のおさらいに最適の無学年式タブレット教材【すらら】。料金は?口コミは?
>>算数に特化したタブレット教材【RISU算数】のおすすめの活用法。料金・口コミは?
まとめ
それでは、算数の文章問題の苦手を克服するための4つのコツをまとめます。
4つのコツ
- 問題文を音読する
- 問題文をマンガにする
- 問題文にラインを引く
- 式の意味を理解する
今回解説した内容は、算数の文章問題の本当に基本的な部分です。
ですが、ここを乗り越えられずに「算数嫌い」になってしまう子どもも多いです。
今回解説した4つのコツを実践していただき、一人でも「算数好き」の子どもが増えてくれたら、私はとても嬉しいです。