こんにちは。エデュサポです。
受験直前期になると、受験生たちは最後の追い込みに入ります。
タイムリミットが近づいてきて、焦りや不安に押しつぶされそうになる子どもも多いです。
どのように子どもに接してあげればよいか、悩まれてる保護者の方も多いと思います。
一方で、受験直前期は今までの勉強の努力が、点数という結果に最も反映される時期でもあります。
最後まで諦めずに前向きに取り組むことが、第一志望校合格へとつながります。
そこで、今回は子どもの受験直前期に、大人が子どもにしてあげられることを解説します。
具体的な内容は以下の4点です。
今回のテーマ
- 私たちは見守ることしかできない
- ポジティブな言葉をかける
- 子どもが頑張っている理由を確認する
- 褒める
今回は、特に保護者の方へ向けて解説しますが、塾講師のアルバイトをされている大学生の方にも参考にしていただけます。
私は以前、塾講師の仕事をしていました。集団塾と個別塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営の仕事をしていた時期もあります。かれこれ20年以上、塾業界で働きました。
これまでの経験を基にお話します。最後まで読んでいただき、子どもたちが入試当日まで頑張れるよう伴走していただければとても嬉しいです。
タップできる目次
私たちは見守ることしかできない
第一志望校のために頑張るのは子どもたち本人です。残念ながら、保護者や先生たちが直接してあげられることは多くありません。
そして、受験当日が近づいてくると、子どもたちは大きな焦りと不安に襲われることになります。
今回が初めての受験ということであれば、人生で初めて何かに本気で取り組み、自分の力で壁にぶつかっていく経験になるかもしれません。
頑張っているからこそ不安に感じてしまうものです。
だからこそ、子どもが受験当日までしっかりと努力できるよう、大人は気を配ってあげる必要があります。
受験会場で頼れるのは自分一人
受験勉強や準備の段階では、保護者や学校の先生、塾の先生にいろいろなサポートを受けることができます。
しかし、試験会場で頼れるのは自分だけです。試験時間中に頼れるのは自分だけです。
本当に自分一人だけの力だけで大きな壁に立ち向かう経験を、子どもたちはまだあまりしていません。だからこそ、不安も大きいのです。
ですが、勉強の不安を解決できるのは勉強だけです。一生懸命勉強に取り組むことで自分自身を信頼し、試験会場で自分を頼りにして立ち向かうことができます。
これは、勉強面だけでなく、人間としても大きく成長するチャンスだとも言えます。
受験直前期の子どもたちに大人がしてあげられることは、子どもたちの不安や焦りに寄り添いながら、最後まで努力できるよう見守ってあげることです。
ポジティブな言葉をかける
では、ここからは具体的なことを解説します。
まずは、ポジティブな言葉をかけてあげることです。逆に、ネガティブな言葉を使わないよう気にかけることでもあります。
「言葉」は「思考」に大きく影響します。特に多感な時期の子どもたちには、言葉の影響力はとても大きいです。一つの言葉が大きな傷になることもあるし、一つの言葉が人生の転機になることだってあります。
ですので、子どもと話すときはできる限りポジティブな言葉を選んでください。その言葉が子どもの思考をポジティブにし、行動をもポジティブにします。
塾の講師をしていたときに私が受験生によくかけていた言葉を、具体例として3つ紹介します。
受験生への声かけ
- できない問題が今見つかってよかった!
- 今が一番点数が伸びる!
- どうやって勝つかが大事だ!
できない問題が今見つかってよかった!
生徒は受験直前の模試で点数が取れない分野が見つかると、大いにヘコみます。

と、本気でうろたえてしまいます。こういった、生徒が模試やテストが悪かったときや、勉強中にできない問題が見つかったときに、


と、声をかけていました。
受験直前期でなくても同じような言葉をかけていますが、直前期は特に強調して話すようにしていました。
実際に、できない問題が見つかったということは良いことです。生徒を前向きにさせるというだけでなく、勉強としても大きな収穫にすることができる言葉です。
今が一番点数が伸びる!
受験生は受験直前期が最も点数が伸びます。
試験というものは、勉強量に比例して点数が伸びるわけではありません。基礎が定着するまではなかなか点数が上がらず、基礎が固まった時点で大きく点数が上がります。
受験直前期まで基礎固めをしっかりと行っていれば、一番点数が伸びるのは受験直前期です。実際に過去の生徒の成績の伸びのデータを見せながら、


と、声をかけていました。
子どもたちは過去問を解きながら、合格点とのギャップを何度も目の当たりにする時期でもあります。
だからこそ、普段よりも力強く、何度も「今が一番点数が伸びる!」と応援しました。
どうやって勝つかが大事だ!
受験直前期の模試の成績が非常に良かったがために、直前期に油断をしてしまう生徒もいました。これは非常に危険です。
「模試でA判定だった!」や「過去問で合格点が取れた!」という発言は、ネガティブな感情からくるポジティブな言葉です。
生徒は大きな不安を感じる中で、少しでも良い結果が出るとそこにすがりつきます。そして、「これで大丈夫!」「もう心配ない!」と安心を求めてしまいます。
ただ、良い点数が取れたということは喜ばしい事実です。ここで「甘えるな!」「そんなんじゃダメだ!」というネガティブな言葉をかけるのはNGです。
そこで、


と、声をかけていました。
生徒は大きなプレッシャーの中で一生懸命頑張っているので、言葉選びは非常に大切です。
子どもへの声かけに関しては、『「頑張れ!」は禁句なのか』というnote記事で解説しています。もし、ご興味があれば覗いてみてください。
子どもが頑張っている理由を確認する
将来やりたいことがはっきりしている生徒や、明確な目標がある生徒には、生徒が頑張る理由を思い出させるような声かけをしていました。
本気で受験勉強に取り組んでいる子どもたちには、少なからず頑張る理由があります。
やりたいことがあるなりたいものがある憧れの先輩のようになりたいあの学校のバスケ部で頑張りたい制服がかわいい少しでも勉強ができるようになりたい
受験直前期になると、受験生は頑張る理由を見失いがちです。どんな小さなことでも良いです。頑張る理由を思い出させてあげてください。
もし、生徒が将来ゲームデザイナーになりたくて勉強を頑張っているようであれば、ときどきでよいのでゲームの話題を出してみましょう。「どんなゲームを作りたいんだっけ?」という気楽な会話が良いです。
もし、生徒が志望校の制服がかわいいからという理由で勉強を頑張っているようであれば、その学校のことを話してみましょう。「そういえば、この間〇〇高校の生徒を見かけたよ。」という気楽な会話が良いです。
押し付けがましい話題の振り方は良くありません。子どもが自然と、「そう言えば自分はこのために頑張っているんだった。」と思い出せるようにしてあげると良いでしょう。
褒める
受験直前期、保護者の方は褒め役に徹してください。
もっと努力しなければならない点や改善すべき点は、学校や塾が指摘します。学校や塾で指摘されたうえに、家に帰って「あれを頑張れ」「あれがダメだ」と言われてしまうと、子どもは追い込まれてしまいます。
家は、子どもにとって安全で心休まる場所です。厳しいことは学校や塾で言われるので、家ではたくさんたくさん褒めてあげてほしいです。
ただ、なんでもかんでも褒めればよいというわけでもありません。子どもを褒めるときのポイントは次の4つです。
褒めるときのポイント
- 努力を褒める
- 成長を褒める
- 小さなことでも褒める
- 大袈裟に褒める
受験直前期の受験生は本当に頑張っていますし、成長もしています。子どものことよく観察して、この「努力していること」「成長していること」を具体的に褒めてあげてください。
そして、どんな小さなことでも気がついたら褒めてあげてください。どんな些細なことでも良いです。そうすることで、「親がちゃんと自分を見て、応援してくれている」と、子どもは実感します。それは大きな勇気になります。
褒めるときは、「ちょっと大袈裟かな」というくらいのアクションで褒めてあげてください。拍手も良いです。ハイタッチも良いです。両手を上げるのも良いです。気持ちは思っよりも相手に伝わりにくいものです。大袈裟なアクションが、より多くを子どもに伝える助けになります。
受験直前期に勉強をしなくなる生徒もいる
受験直前期に勉強をしなくなってしまうのは、不安に押しつぶされてしまっている可能性が高いです。
ただ勉強が面倒くさくてサボっているようであれば、今すぐどうこうすることはできません。子どもとしっかり対話して、子どもが何をしたいのか、どうありたいのかを考えさせてください。
不安に押しつぶされて勉強から逃げてしまっている生徒には、ポジティブな言葉をたくさん浴びせてください。たくさん褒めてください。
勉強に取り組まないことにイライラして叱るのは逆効果です。ネガティブな言葉は、不安を感じている生徒をよりネガティブにしてしまいます。
不安な子どもを励まし、試験当日まで必死に勉強に取り組めるようサポートしてあげてください。
まとめ
それでは、子どもの受験直前期に、大人が子どもにしてあげられることをまとめます。
今回のテーマ
- 私たちは見守ることしかできない
- ポジティブな言葉をかける
- 子どもが頑張っている理由を確認する
- 褒める
受験直前期が一番点数が伸びるのは本当です。
一生懸命頑張るのは子ども自身ですが、大人は、子どもが試験当日まで全力走り抜けられるよう見守ってあげるべきです。
お子様が試験当日まで本気で頑張り、第一志望校に合格し、人間としても大きく成長できたのならば、私もとても嬉しいです。