こんにちは。エデュサポ(@edsuppor)です。
うちの子は成績が志望校に全然届いていませんが、奇跡の合格はあり得るでしょうか。
奇跡の合格をした人の話を聞いたので、うちの子にも奇跡を信じて頑張ってもらいたいです。
「奇跡の合格」という言葉は世に溢れています。
世にそれだけ「奇跡」があるのならば、子どもにも奇跡を信じて頑張ってもらいたいと思われている保護者の方も多いと思います。
結論
「奇跡の合格」なんてない。
世に言われている「奇跡の合格」は、努力に裏付けされた「実力」にすぎない。
今回は、「奇跡の合格」はないが、「逆転合格」なら多くの実例があるというお話をします。
私は以前、塾講師の仕事をしていました。
集団塾と個別指導塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営の仕事をしていた時期もあります。
かれこれ20年以上、塾業界で働きました。
逆転合格を果たした生徒をたくさん見てきました。
これまでの経験を基にお話します。
最後まで読んでいただき、お子様が「奇跡」という言葉に惑わされずに、逆転合格を勝ち取るための参考としていただければとてもうれしいです。
受験に「奇跡の合格」なんてない
「偏差値40から東大に合格!」
「偏差値30から慶應義塾大学に合格!」
このような言葉を聞くと、「奇跡の合格だ!」と思われることでしょう。
私の生徒にも、周囲の予想をひっくり返して「奇跡の合格」を果たした生徒がたくさんいました。
しかし、「奇跡」と感じるのは、周囲から見ている人たちの感覚です。
彼らの姿を毎日毎日間近で見ていた人間からすると、それは「奇跡」などではなく、血の滲むような努力で勝ち取った合格です。
決して「奇跡」ではありません。
「必然」です。
受験は運ゲーか
「受験は運ゲーだ」と言われることがありますが、残念ながら受験は運ゲーではありません。
運ゲーとは、腕前よりも運の要素が強いゲームのことです。
ときどき、難関校に合格した人たちが「自分は運が良かっただけだ。」と言うことがありますが、それは「たまたま勉強したところが入試で出題された」というレベルの運のことを言っているのではありません。
なぜなら、難関校の入試には、たまたま勉強したところばかりが奇跡的に出題されることはないからです。
難関校ほど初見問題が多い
たとえとして、駒場東邦中学校の2022年入試の算数の問題を見てみましょう。
この問題を見て、
とはならないでしょう。
もう一つたとえとして、2024年の一橋大学の入試問題を見てみましょう。
問題文の和訳
下の質問から一つ選び、英語で答えなさい。答えは100語から140語で書きなさい。選んだ質問の番号を書きなさい。作文の最後に、あなたが書いた作文の語数を正しく書きなさい。
1,本を読んだり映画を見たりするとき、あなたはストーリーにフォーカスしますか。キャラクターにフォーカスしますか。それとも、雰囲気にフォーカスしますか。
2,外国語を話すとき、「正確さ」「想像力」「スピード」のうちの、どの側面に注意すべきでしょうか。
3,リーダーにとって最も貴重な資質は、「知性」「野心」「誠実さ」のうちのどれだとあなたは思いますか。
この問題を見て、
とはならないでしょう。
難関校の入試問題を解くためには、確かな実力が必要なのです。
運は努力した者の味方
先程、難関校の入試問題を解くためには実力が必要であると書きましたが、「運」も大切な要素になります。
人には得意不得意が必ずあるので、本番で苦手な問題のオンパレードになってしまう可能性もあるからです。
しかし、努力をして一つでも多くの苦手を潰していった受験生は、苦手な問題に当たる可能性は低くなります。
努力をして一つでも多くの得意を作った受験生は、得意な問題に当たる可能性が高くなります。
「自分はたまたま運が良かっただけ」と言う難関校合格者は、自分の努力で運を引き寄せたのです。
運は決してただのラッキーではなく、努力をした受験生だけが拾えるものなのです。
奇跡という言葉に甘えてはいけない
「一生懸命努力をして合格しよう!」と聞くと、子どもたちは「無理かも・・・。」とか、「つらいかも・・・。」とか、思ってしまうかもしれません。
しかし、「奇跡を信じて頑張ろう!」と聞くと、子どもたちは「できるかも・・・。」とか、「頑張ってみよう!」とか、思うかもしれません。
しかし、「奇跡」という言葉に頼った時点で、受験は負けです。
「奇跡」という言葉には、自分の内から出てきた力によってではなく、外から降り注いできた思いがけない力によって凄いことが起こるというニュアンスがあります。
つまり、自分の力で勝負できない時点で受験は負けです。
他力本願では大きな壁を乗り越えることはできません。
私は子どもたちの指導をするときには、「奇跡」という言葉は決して使いませんでした。
奇跡という言葉に甘えてはいけません。
逆転合格はある
ところが、周りから見ていると絶対に不可能だと思っていた学校に合格してしまう子どもはゴロゴロといます。
つまり、「驚くような逆転合格」は非常に身近な出来事なのです。
逆転合格をしたという結果だけを見て、多くの人が「奇跡の合格」という言葉で表現します。
しかし、先程も書いた通り、逆転合格を果たした子どもたちの努力を近くで見続けていた者にとっては、決して「奇跡」などという軽い言葉で片付けられるようなものではありません。
それは「奇跡」などではなく、自分の努力で勝ち取った「結果」に過ぎません。
では、逆転合格に必要なものは一体何でしょうか。
私は、主に以下の3つだと考えます。
逆転合格に必要なもの
- 時間
- 努力
- 情報
一つひとつ解説します。
必要なもの1 時間
逆転合格をするのに最も重要なものは、「時間」です。
「もう来週が入試本番ですなんとかしてください!」という方がいらっしゃったらごめんなさい。
ただ、入試本番直前期は一番成績が伸びる時期です。
諦めないでください!
>>受験直前期の親の支えは重要!成績を伸ばすために親ができること
>>受験勉強は諦めるな!大学の第一志望校を変えるべきではない5つの理由
>>【元塾教室長が解説】試験で緊張しない方法は効果が薄いので、緊張と上手に付き合う方法を探すべき
時間があればいくらでも逆転可能
実は、難関校に合格した子どもの勉強時間と、不合格になってしまった子どもの勉強時間の差は紙一重です。
以下は大学受験予備校大手の東進が出している、「難関大現役受験者高校3年間の総学習時間(学校の授業以外)」と「合否別難関大現役受験者の学習時間」の資料です。
出典:東進独自検証 難関大現役合格者 学校以外での勉強時間 1日平均 6時間33分|大学受験情報 Toshin Times on Web 2022年05月01日号1面
上の資料のように、合格者と不合格者の高3の1日あたりの勉強時間の差はたったの4分です。
その差は高1生で22分、高2生で23分と、早い時期から努力をした子どものほうが合格しているということもわかります。
もちろん時間がすべてではない
もちろん、勉強時間の長さがすべてではありません。
どのように勉強するかも大切です。
一方で、勉強の効率を上げるためにも、まずは勉強量を確保する必要があります。
詳しくは、「勉強の効率を上げる方法。それは効率の悪い勉強をすることです。」というnoteの記事でも解説しています。
有料記事ですが、「まずは勉強量が大事」という部分は無料で読めますので、ぜひ参考にしてください。
>>勉強の効率を上げる方法。それは効率の悪い勉強をすることです。
必要なもの2 努力
逆転合格するために時間の次に必要なものは、「努力」です。
子どもたちにとっては一番目を背けたくなる部分かもしれませんが、結局は努力です。
努力するのが嫌なので、「奇跡」や「才能」という言葉に逃げようとします。
もちろん、人生は才能や運に左右されることもありますが、結果を出すときに一番頼りになるのは「努力」です。
努力できるのも才能か
「努力できるのも才能」という意見を、私は否定しません。
確かに、なかなか一つのことに集中できない子どももいますし、逆に集中すると他のことが目に入らない子どももいます。
なかなか物事を継続できない子どももいますし、逆に、無駄なことだと気づきつつも、継続してきたことを途中でやめることができない子どももいます。
これは良し悪しではなく、子どもたちそれぞれの特徴であり性格です。
無理に直したり矯正したりする必要はありません。
自分の性格と上手に付き合う方法を探すべきです。
金メダルを目指しているわけではない
そもそも、日本一や世界一を目指す戦いをしているわけではありません。
別に「天才」である必要はないのです。
まずは「奇跡」や「才能」という言葉に逃げずに、できる限りの努力をはじめてみることが大切です。
>>受験勉強は楽しい!?『苦しい』を『楽しい』にするための具体的な方法!
必要なもの3 情報
がむしゃらに努力をすれば逆転合格ができるわけではありません。
正しい努力をするためには、「情報」が必要です。
受験は情報戦の側面もあります。
また、受験のルールや傾向は毎年少しずつ変化しているので、知識をアップデートしていく必要もあります。
逆転合格に必要な情報
- 受験のルールについての情報
- 受験校の情報
- 出題傾向の情報
- 勉強方法についての情報
その他に必要なもの
ここまで解説をしてきた、「時間」「努力」「情報」の他にも必要なものはたくさんあります。
ただし、「お金」や「参考書」や「環境」などは枝葉に過ぎません。
もちろんそれらを用意できれば逆転合格の可能性は上がりますが、どんなにお金をかけても、どんなに素晴らしい参考書や問題集を手に入れても、「時間」「努力」「情報」をおろそかにすれば効果はありません。
まとめ
それでは、「奇跡の合格」はないが、「逆転合格」なら多くの実例があるというお話をまとめます。
結論
「奇跡の合格」なんてない。
世に言われている「奇跡の合格」は、努力に裏付けされた「実力」にすぎない。
驚くような逆転合格をしたという結果だけを見た人にとっては、それは「奇跡の合格」に見えるかもしれません。
しかし、逆転合格を果たした子どもたちの努力を近くで見続けていた者にとっては、決してそれは「奇跡」などという軽い言葉で片付けられるようなものではありません。
実力で見事に勝ち取った合格なのです。
「奇跡の合格」はありませんが、逆転合格であれば実例はいくらでもあります。
逆転合格に必要なものは、主に以下の3つです。
逆転合格に必要なもの
- 時間
- 努力
- 情報
この他にも必要なものはたくさんありますが、「時間」「努力」「情報」をおろそかにすれば、どれも効果を発揮しません。
今回の記事が、お子様が「奇跡の合格」と周りの人から思われるような逆転合格を果たすきっかけとなればとてもうれしいです。