こんにちは。エデュサポです。
入試対策は勉強を頑張ることが一番ですが、出願校の戦略も大切です。出願校の戦略を間違えれば、今までの受験勉強の努力を台無しにしてしまうこともあります。
そこで、今回は大学入試での出願校戦略の6つのポイントを解説します。具体的な内容は次の通りです。
大学入試出願校戦略の6つのポイント
- 数は撃とう
- 安全校から受けよう
- 連続日程は避けよう
- 共通テスト利用を活用しよう
- Aプラン、Bプランを事前に作ろう
- 入学手続き締切日を意識しよう
私は以前、塾講師の仕事をしていました。集団塾と個別塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営の仕事をしていた時期もあります。かれこれ20年以上、塾業界で働きました。
これまでの経験を基に解説します。大学入試の出願校決定の参考としていただければとても嬉しいです。
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数は撃とう
「第一志望校以外は目もくれないぜ!」という生徒もときどきいますが、基本的には受験する学校は多いほうが良いです。
あくまでも目安ですが、安心できる出願校数は次の通りです。
第一志望校 | 1校 |
挑戦校 | 4~5校 |
実力校 | 1~3校 |
安全校 | 1~2校 |
これはあくまでも目安です。私大の受験料は高額なので、予算の問題はあるでしょう。「これより下の偏差値の学校に行くのであれば浪人する」と、考える生徒もいるでしょう。
家庭や子どもの状況にもよりますが、優先順位をつけるのであれば、「第一志望校」「安全校」「実力校」「挑戦校」の順でしょう。
大学入試は、高校入試や中学受験と違い、進学できない可能性が大いにある入試です。よって、安全校の優先度は高いです。
安全校は必ず受験すべき
安全校の話を生徒とすると、「その学校に行くのであれば浪人します。」という答えが返ってくることがあります。たとえそうであっても受験すべきです。
たとえ浪人するにしても、受験した大学を全滅して浪人生になるか、1校でも合格して浪人生になるかで、次の1年間のモチベーションが大きく変わります。
一見、受験料を無駄にしているように感じるかもしれませんが、次の1年への投資だと思えば格安です。
そもそも、なぜその学校へは行きたくないのでしょう。
偏差値で判断してませんか?もし、そうであればリサーチ不足です。偏差値帯に関わらず、自分に合った良い大学はたくさんあります。視野を広げてしっかりと探してみてください。
挑戦校はできるだけ厚めに
予算や受験スケジュールにもよりますが、できることなら挑戦校の出願数を多めに確保したいです。
たとえ合格確率が30%であっても、数撃てば1つは当たる可能性があります。
挑戦校ということは憧れのが大学です。全て合格する必要はないのです。1つでも合格すればよいのです。
数学が得意な方は、次の例題を解いて、憧れの大学に合格する確率を考えてみましょう。
問題
30%の確率で勝つゲームを5回続けて、少なくとも1回勝つ確率はいくつでしょう。
解答・解説
問題文に「少なくとも」とあるので、余事象を疑いましょう。全体から、5回とも負ける確率を引きます。
1-0.7×0.7×0.7×0.7×0.7=0.831...
答え 約83%
ということで、合格確率30%の大学でも、5校受験すれば約83%の確率で、1校は合格します。
もちろんこれは理論値です。また、全く手が届かない学校はどんなにたくさん受験しても合格しません。
ただ、私の肌感覚なので確かなデータではありませんが、「ここはちょっと難しいな」と思う学校を複数校受験した多くの生徒が、合格を勝ち取ってきたように感じます。
セット出願割引を活用する
出願校を増やす際に問題になること。そう!それは受験料です!
私大の受験料は35,000円のところが多いです。10校受ければ35万円です!
ただ、学校によってはセット出願割引を設置しています。
同じ大学であっても、複数の試験日を設定していたり、学部によって試験日が異なったりします。そういった同じ大学の別日程の試験を複数受験すると、受験料を大幅に抑えられるように設定している学校が多いです。
また、一般入試と共通テスト利用入試を同時に出願すると割引きになるケースもあります。
ですので、同じ大学を複数出願するという戦略も良いです。
受験料に関しては、各大学の入試要項をチェックするのが確実です。入試要項は郵送で取り寄せずとも、ほとんどの大学がネット上に公開しています。
「学校名+入試要項」で検索してみてください。
安全校から受けよう
入試の日程を確認して、一番最初は安全校の試験を受けられるようにスケジュールを考えましょう。
安全校から受けると良い理由は、次の2つです。
安全校から受験する
- 志望度が高い学校の試験のための練習になる
- 早い時期に合格があると安心する
現役生にとっては初めての大学受験です。いきなり志望度の高い大学から受験してしまうと、緊張して本来の力が発揮できないかもしれません。
ですので、最初は安全校で本番のテストを経験して、本番の雰囲気に慣れてから志望度の高い大学の試験に挑めると良いです。
また、なかなか合格が出ないと精神的に追い込まれます。早い時期に1つでも合格が出ていると、その後の試験の際に過度に緊張せずに済みます。
連続日程は避けよう
大学入試の多くは2月に行われます。特に2月前半は過密日程になりがちです。
受験校が多くなると、日程が重なってしまったり、連日試験を受けに行けなければならなかったりします。
試験日が重なってしまった場合は、どちらを受験するか選ばなくてはなりません。
また、入試の連続日程は3日までにするようにしましょう。
入試は早朝に家を出て、長時間電車に揺られて会場へ向かい、試験開始の1時間前から会場入りして準備して、頭をフル回転させて試験を戦って、また長時間電車に揺られて家に帰ってきます。
そう、ものすごく体力を消耗するのです。連続3日が限界です。
欲張ってスケジュールを詰めすぎると、疲れが溜まって試験に集中できなくなってしまいます。試験中の体調の良し悪しは、試験結果に直結します。
入試カレンダーを作ってみて、4日連続試験となってしまっているものがあるようであれば、優先度の低い学校をあきらめるか、別日程の試験がないかを調べましょう。
共通テスト利用を活用しよう
私大の共通テスト利用は、共通テストの点数で、各私立大学の合否判定が行われる仕組みです。
共通テスト利用のメリットは次の2点です。
共通テスト利用のメリット
- 一般入試を受けに行く必要がない
- 一度の試験で複数の大学、複数の学部に挑戦できる
共通テスト利用の最大のメリットは、多くの大学・学部に出願できることです。
共通テストを受験するだけでよいので、各大学に試験を受けに行く必要がありません。
そのため、日程が重なってしまうことや、日程が連続になってしまうことを気にせずに出願することができます。
一方で、共通テスト利用にはデメリットもあります。
共通テスト利用のデメリット
- 倍率が高く、合格ラインが高い
- 一度の試験で多くの合否を出すため、リスクはある
- 多くの大学は、共通テスト前に出願する
共通テスト利用の最大のデメリットは、合格ラインが高いということです。
共通テスト利用では、 ワンランク上の大学に合格する学力が必要になります。
例えば、MARCHクラスの共通テスト利用に合格するためには、早慶クラスの一般入試で合格できる学力が必要になります。
そのため、共通テスト利用は挑戦校の試験には向きません。安全校や実力校の試験として利用するのがよいでしょう
また、一度の試験で複数の大学・学部の合否を出せることはメリットでもありましたが、デメリットでもあります。
試験というものは、調子が良いときも悪いときもあります。たまたま共通テストの結果が悪かった場合は、共通テスト利用で出願したすべての大学に影響してしまいます。
また、共通テスト利用は多くの場合、共通テストの前に出願します。したがって、共通テストの自己採点をしてから出願することができません。
一部、共通テスト後に出願できる大学もあるので、その場合は自己採点後に出願するかどうかを決めることができます。
Aプラン、Bプランは事前に作ろう
共通テスト本番の自己採点が良かった時のAプランと、悪かったときのBプランを事前に作っておきましょう。
例えば、共通テストの自己採点で、得点率が〇〇%以上なら国公立はここに出願、〇〇%未満だったらここに出願と、共通テストを受ける前に決めておきましょう。
私大の共通テストを利用するようであれば、共通テストで〇〇%以上取れていれば□□大学は合格するから、少し背伸びをしたAプランでいこうと決めておきましょう。
具体的な得点率と、具体的な出願プランを、事前に決めておきます。
事前にAプランBプランを決めておかなければ、もし仮に共通テスト本番で力が発揮できなかった際に、その後ドタバタしてしまい、ドタバタを私大の入試本番まで引きずってしまう可能性があります。
逆に、しっかりと事前にAプランBプランを練っておけば、たとえ共通テストの自己採点が悪かったとしても、スムーズに軌道修正することができます。
なお、AプランとBプランのボーダーを決める際は、おおよその合格ラインを調べましょう。
特に、私大の共通テスト利用であれば、出願前におおよその合否ラインを調べることができます。おおよその合否ラインを調べる際は、「大学受験パスナビ」というサイトが便利です。
入学手続き締切日を意識しよう
出願プランを作る際は、合格発表日と入学手続き締切日を意識しましょう。
入学手続きの締切りが早い大学があった場合、他の大学の合格発表の前に、入学手続きをするかどうか決めなければなりません。
入学手続きは、入金まで済ませなければ完了となりません。
入学手続きの際の入金には、大きく2パターンあります。
入金のパターン
- 入学金のみ入金
- 入学金と授業料等を入金
入学金のみ入金の場合は、20万円~30万円であることが多いです。
入学金と授業料等を入金の場合は、期限までに入学辞退の届け出を出すと、入学金以外が返金されます。この場合は、一旦100万円前後を入金することになります。
入学を辞退する場合は後ほど入学金以外が戻ってきますが、まとまったお金が必要になるので注意する必要があります。
いずれにしても、入学しない場合も入学金は返ってきません。
ですので、各志望校の合否がどういった状況であれば入学の手続きをして、どういった状況であれば入学の手続きをしないのか、共通テストを受験する前に決めておきましょう。
手続きの締切日が近づいてから決めようとすると、アタフタしてしまい正しい判断ができなくなるかもしれません。
必ず各大学の入学締切日を確認して、その日までにどこの大学に合格していれば手続きをしないのか、どこの大学に不合格であれば手続きをするのか決めておきましょう。
入試カレンダーは必ず作る
出願校が増えてくると、考えなければならないことがどんどん増えていきます。
そこで、入試カレンダーを必ず作りましょう。
カレンダーに、各大学の願書の出願締切日、入試日、合格発表日、入学手続き締切日を入れていきましょう。
頭の中であれやこれやと考えると大変ですが、カレンダーにすると整理されて、注意すべきポイントがわかりやすくなります。
紙のカレンダーに書き込んでいくのも良いですし、グーグルカレンダーなどのカレンダーアプリを使うのも良いです。
一つひとつ入試要項をチェックしながら書き込んでいくのは少し大変ですが、そうするだけの価値がある作業です。必ず作りましょう!
まとめ
今回は大学入試での出願校戦略の6つのポイントを解説しました。振り返ってみましょう。
大学入試出願戦略の6つのポイント
- 数は撃とう
- 安全校から受けよう
- 連続日程は避けよう
- 共通テスト利用を活用しよう
- Aプラン、Bプランを事前に作ろう
- 入学手続き締切日を意識しよう
出願プランを練ることは、これまでの受験勉強の成果を最大限に反映させる方法を考えるということです。
受験勉強の努力の結果を最大限発揮できるよう、最適な出願プランを作ってください。
そして、憧れの大学の合格を勝ち取っていただけたら、私はとても嬉しいです。