こんにちは。エデュサポ(@edsuppor)です。
子どもが受験生になったのですが、なかなか受験勉強をスタートできません
うちの子はこのままでは志望校に合格できないのに、なかなか焦りが見られません
偏差値の高い学校に合格してほしいのに、子どもがなかなか勉強をしてくれないと悩む保護者の方も多いと思います。
しかし、受験勉強の目的を『志望校合格』に設定してしまうと非常に危険です。
今回は、受験勉強の目的を志望校合格にしてはいけない重大な理由について解説します。
私は以前、塾講師の仕事をしていました。集団塾と個別指導塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営の仕事をしていた時期もあります。かれこれ20年以上、塾業界で働きました。
これまでの経験を基にお話します。最後まで読んでいただき、お子様の受験勉強の目的を見つけるための参考としていただければとてもうれしいです。
受験勉強の目的を志望校合格にしてはいけない重大な理由
結論
志望校合格は通過点。その先を見据えなければ何も残らない。
志望校合格が人生の通過点に過ぎないことを、強く意識する必要があります。
人が「何かを成し遂げたい」と思って努力をする時、成し遂げたあとに起こりうる未来のことを目的にして努力をするはずです。
たとえば、
と、思ってダイエットを頑張るとき、10kg痩せることそのものではなく、ダイエットを頑張ったあとに起こりうる未来のことを目的にしています。
あと10kg痩せると起こりうる未来
- オシャレな服を着られる
- 健康な体でいられる
- 旅行先で歩き回っても疲れない
10kg痩せたあとの未来があるから、ダイエットが辛いと思った時も頑張れます。
同じようにして、志望校に合格したあとの未来があるから、勉強が辛いと思った時も頑張れるのです。
志望校合格は手段であるべき
つまり、受験勉強においても、志望校合格を成し遂げたあとに起こりうる未来のことを目的にする必要があります。
志望校合格は、その目的を達成するための手段でしかありません。
先程のダイエットの話を例とすると、10kg痩せることは、たとえば、オシャレな服を着るための手段に過ぎません。
たとえば、健康な体でいるための手段に過ぎません。
10kg痩せること自体を目的にしてしまうことは非常に危険です。
なぜなら、10kg痩せるという目標を達成してしまったら、その後には何も残らないからです。
同様にして、志望校合格を目的にしていまうと、志望校に合格したあとには何も残りません。
志望校合格の先にある目的
では、志望校に合格した先にある目的とは一体何でしょう。
考えてみてください。子どもが志望校に合格したあとの未来に、何を望みますか?
ほとんどの保護者の方は、
と、思われたと思います。
あたり前のことと思われたかもしれませんが、受験という厳しい競争の中では、子どもの幸せな未来という目的を見失ってしまうことは多いです。
そして、もう一つよくよく意識しなければならないことがあります。
幸せの形は人それぞれ
何を「幸せ」と感じるかは人それぞれです。
そのため、「子どもの幸せな未来」を考えるときは、子どもが主体でなければなりません。
保護者が考える「子どもの幸せ」と、子ども本人が考える「自分の幸せ」は一致しないことが多いからです。
保護者としてはついつい
と、考えてしまいます。
それは正しいことかもしれませんが、子どもにとっての幸せはもっと別のところにがあるかもしれません。
まずは、子ども本人にとっての幸せは何なのかを知る必要があります。
「勉強しなさい!」と言う前にやるべきこと
将来や未来について、子どもと対話する機会を増やしてみてください。
と、言う前に、まずは子どもが勉強する目的を一緒に考えてあげることが大切です。
しかし、子ども自身も、自分にとっての幸せがどのようのものなのかわかっていない場合が多いです。
ですので、時間をかけて何度も対話の機会を作りましょう。
対話をする際には、次のことに気をつけると良いです。
対話の際に気をつけること
- 聞き役になる
- 深堀りして質問する
- 否定しない
未来や将来についての子どもとの対話については、『勉強しない子どもに親がすべき2つのこと【元塾教室長が解説!】』という記事で詳しく解説しています。
ぜひ、そちらも参考にしてください。
>>勉強しない子どもに親がすべき2つのこと【元塾教室長が解説!】
インプットと対話の繰り返し
子どもは未来や将来の幸せよりも、すぐ目の前にある幸せに飛びつきたがります。
子どもに限らず、大人でもそうですよね。私も思い当たる節が山ほどあります。
特に子どもは、世の中にはどのような大人がいるのかという知識が少ないため、その傾向が強いです。
まずは世の中で活躍されている多くの大人たちの話を聞いて、自分が目指したい大人像を考えてみるのが良いでしょう。
たとえば、
と、子どもが言うようであれば、イチロー選手の話を聞いてみてください。
直接本人から話を聞くのは難しいかもしれませんが、ネットで検索すればいろいろと出てくるので調べてみましょう。
ということであれば、山中伸弥教授の話を聞いてみましょう。
いろいろな方の話をインプットして、それから親子で対話をします。
一人ではなく、いろいろな方の話をインプットすると、偏った考えになってしまうことを防ぐことができます。
インプットと親子の対話を繰り返し、子ども自身が目指したい未来の自分を具体的なものにしていきます。
おすすめ
「勉強しなさい!」が必要ない状態が理想
子ども自身が目指したい未来の自分が見えてくると、子どもは自主的に行動をするようになってきます。
と、思えば、子どもはあきらめずに頑張ることができます。
「できなくてもしょうがない」は、終わってから思うことであって、
途中にそれを思ったら、絶対に達成できません。イチロー Ichiro
プロ野球選手 メジャーリーガー 1973~
と、思えば、子どもは失敗を恐れずに何度も挑戦することができます。
9回失敗しないと、なかなか1回の成功が手に入らない。
~山中伸弥~
言われたことに取り組む受動的な状態から、自分から行動する能動的な状態になることができれば、
と、言う機会は少なくなります。
「勉強しなさい!」が必要ない状態が理想です。
受験を通過点にする
子ども自身が、自分がなりたい将来の大人像を持つことができれば、受験はただの通過点になります。
受験が終わったあとにやりたいことも持っていますし、将来手にしたい自分にとっての幸せのイメージも持っていますので、志望校に合格したあとにも多くのものが残ります。
第一志望校合格を目的にするのではなく、人生の通過点と設定することで、子どもの未来の可能性が大きく広がります。
長い時間をかけて対話を繰り返す必要があるので大変ではあるのですが、それだけの労力をかける価値があることだと私は思います。
受験を通過点にすれば、もっと頑張れる
第一志望校合格のその先を意識することができれば、受験勉強そのものをもっと頑張れるようになります。
冒頭のダイエットの例でも書きましたが、努力をした先にある未来の自分をイメージすることができれば、もっと頑張ることができます。
受験も同じです。
志望校に合格したその先にある未来の自分をイメージすることができれば、その未来を目指して頑張ることができます。
受験はチャンス!
受験は、子どもにとっては大きな困難であり、乗り越えることが難しいとても高い壁です。
しかし、受験は子どもにとって大きなチャンスでもあります。
その理由は大きく2つです。
受験がチャンスである理由
- 将来を考えるきっかけになる
- 困難に臆さない力を身につけることができる
将来を考えるきっかけになる
志望校を考えることが、将来のことを考えるきっかけになります。
志望校を偏差値で決めてしまう家庭も多いのですが、それは子どもの将来を考える機会を捨ててしまうことでもあるので、非常にもったいないです。
まずは、子どもにとっての幸せな未来を考え、そこに近づくためにはどの学校で何を学ぶべきかを考えるべきです。
偏差値を考えるのはその後で良いでしょう。
もし、今の学力で合格が難しいと思ってもあきらめないでください。
その困難をどのように乗り越えるかを考えることも、受験を通して子どもが成長するための大きなチャンスになります。
困難に臆さない力を身につけることができる
合否という結果は大切かもしれませんが、合否は受験の一つの側面でしかないと私は思っています。
なぜなら、何度も書いている通り、受験は通過点に過ぎないからです。
第一志望校に合格すれば一番良いことではあるのですが、不合格であったとしても問題はありません。
大切なことは、受験のその先にある未来です。
子どもが目指したいと思っている未来への道は一本だけではありません。
失敗しても、挑戦し続けていれば、目指したい未来にいくらでも近づくことができます。
受験という大きな壁を前にしても本気で努力することができたのならば、将来どんな壁にぶつかっても臆すことなく挑戦することができるでしょう。
受験はそのような力をつけることができる大きなチャンスなのです。
まとめ
それでは、受験勉強の目的を志望校合格にしてはいけない重大な理由をまとめます。
結論
志望校合格は通過点。その先を見据えなければ何も残らない。
志望校合格は、子どもが将来の幸せを掴み取るための手段です。
志望校合格の先にある目的を見つけることが大切です。
そのためには、世の中で活躍されている方の話をたくさん聞き、親子での対話を繰り返しましょう。
志望校合格が人生の通過点に過ぎないことを意識することができれば、子どもは受験の先にある未来を掴み取るために、自ら進んで努力できるようになっていきます。
「勉強しなさい!」と怒るよりも、「勉強を頑張ろう!」と応援できる状態を目指してください。
今回の記事が、お子様が受験勉強の目的を見つけるための参考になればとてもうれしいです。
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