こんにちは。エデュサポ(@edsuppor)です。
高校の社会(地理歴史・公民)は科目が複雑で、何を勉強して、どれを入試で利用できるのか、よくわからないと悩む保護者の方は多いです。
大学受験のことも考えると、どの科目を選択して、いつからどのように勉強させるのが良いのかと、心配に思われているのではないでしょうか。
結論
学習指導要領が新しくなり、大学入試の社会は以前よりも複雑になりました。
事前情報をしっかりと集めて、大学受験の戦略を練ることが大切です。
今回は、大学入試の社会(地理歴史・公民)について解説します。
最後まで読んでいただき、お子様が社会を得点源にして、第一志望校に合格するための参考としていただければとてもうれしいです。
この記事の筆者
エデュサポ
(@edsuppor)
- 元塾教室長
- 集団塾と個別指導塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営責任者も務める
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高校の社会の各科目の特徴
高校で学習する社会(地理歴史・公民)の教科には、多くの科目があります。
必ず学ばなければならない「必修科目」もありますが、「選択科目」もあり、すべての科目を学ばなければならないわけではありません。
▼この表は横にスクロールできます。
必修/選択 | 地理 | 歴史 | 公民 | ||
必修科目 | 地理総合 | 歴史総合 | 公共 | ||
選択科目 | 地理探求 | 日本史探求 | 世界史探求 | 倫理 | 政治・経済 |
通っている高校によっても異なりますが、高校2年生、高校3年生に進学するときに、科目を選択することになる場合が多いです。
大学入試で必要になる社会の科目は、大学・学部によって異なりますので、受験を見据えて科目選択ができると良いです。
大学受験の社会の選び方については後ほど解説しますので、まずは各科目の特徴を解説します。
科目1:地理総合
地理総合では、地理科目の基礎的な内容を学習していきます。
かつては地理をまったく学ばなくても高校を卒業することができましたが、今では地理総合が必履修科目となっており、高校で必ず地理を学ぶことになります。
科目2:地理探求
地理探求では、地理をより発展的に学習していきます。
学習内容としては、かつての地理Bの科目に近い科目です。
地理探求は他の科目に比べて暗記事項が少なく、比較的点数を伸ばしやすい科目です。
一方で、資料やグラフを読み取りながらその場で考えて解く問題が多く、確実に高得点を取るのが難しい科目でもあります。
思考力が問わることが多いという点で、理系の高校生に好まれる傾向があります。
科目3:歴史総合
歴史総合では、近現代の日本史と世界史を学習していきます。
世界とその中における日本について、現代的な諸課題の形成に関わる歴史を考察していきます。
科目4:日本史探求
日本史探求では、日本史の全時代を学習していきます。
学習内容としては、かつての日本史Bの科目に近い科目です。
日本史探求は他の教科に比べて暗記量がとても多く、細かな知識を求められます。
暗記量が多い科目ではありますが、近年の大学入試では、暗記だけでは答えられない問題も多く出題されています。
世界史探求も暗記量が多い科目ですが、世界史探求に比べて、日本史探求のほうが深い知識が求められます。
人物名や用語に難しい漢字が出てくること多く、漢字暗記で苦労することが多いのも日本史探求の特徴です。
科目5:世界史探求
世界史探求では、世界史の全時代を学習していきます。
学習内容としては、かつての世界史Bの科目に近い科目です。
世界史探求は社会の科目の中でも一番暗記量が多い科目と言われています。
一方で、広く世界の歴史を扱うことになるので、細かい知識が問われにくい科目でもあります(一部難関大学を除きます)。
世界史にはカタカナの名称が多く登場するので、暗記に苦労する高校生が多いです。
また、中国史では難しい漢字もたくさん出てきますので、日本史ほどではありませんが、漢字で苦労する高校生も多いです。
科目6:公共
公共は、現代社会の諸課題の解決に向けて、公共的な空間を作る主体としての選択・判断の基準を身につけ、考察する教科です。
かつての現代社会の科目に近く、政治・経済・倫理の基礎部分を中心に学習していきます。
科目7:倫理
倫理では、主に哲学史を学習していきます。
暗記科目という側面が強い教科ではありますが、暗記量はそれほど多くありません。
また、哲学者の思想を学んでいく科目ですので、抽象的な内容を学んでいくことになります。
そのため、文章を正しく読解する力も必要とされる科目です。
科目8:政治・経済
政治・経済では、その名の通り、政治や経済について学習していきます。
倫理と同様に、暗記科目という側面が強い教科ではありますが、暗記量はそれほど多くありません。
政治・経済は私たちの実生活に結びつくことが多いので、普段からニュースを見たり、新聞やネット記事を読んでいる高校生にとっては興味関心が向きやすい科目です。
時事問題が出題されることが多いので、普段からニュースに触れておけると良いです。
中高生向け新聞
共通テスト(旧センター試験)の科目
共通テスト(旧センター試験)では、社会を最大で2科目受験します。
社会を1科目のみ選択して受験することも可能です。
共通テストでは、次の科目から受験科目を選択します。
共通テスト地歴公民選択科目
- 地理総合、地理探究
- 歴史総合、日本史探究
- 歴史総合、世界史探究
- 公共、倫理
- 公共、政治・経済
- 「地理総合、歴史総合、公共」から2科目選択
組み合わせて選択できない科目もある
共通テストの社会(地理歴史・公民)を2科目受験する場合、組み合わせて選択できない科目もあります。
共通テストで社会を2科目受験する場合は、仕組みがやや複雑ですので注意が必要です。
国公立2次試験、私立大学個別試験の科目
国公立大学の2次試験や私立大学の個別試験では、大学・学部によって「地理総合・歴史総合・公共」の扱いが異なります。
たとえば、以前までは「日本史」で受験できた大学の場合は、「日本史探求」のみが出題範囲になっている大学もあれば、「歴史総合、日本史探求」が出題範囲になっている大学もあります。
また、「歴史総合、日本史探求」が出題範囲となっていても、「歴史総合は日本史分野のみ出題する」としている大学もあります。
2次・私大の社会の科目選択パターン
- 「地理総合、歴史総合、公共」は出題しない
- 「地理総合、歴史総合、公共」も出題する
- 「地理総合、歴史総合、公共」は、一部出題する
「地理総合・歴史総合・公共」の扱いは大学・学部によって異なりますので、大学の公式サイトなどで事前に調べておく必要があります。
大学受験の社会の選び方
▼この表は横にスクロールできます。
志望大学系統別おすすめ社会選択科目
学年 | 2次・私大 | 共通テスト |
文系国公立大学 | ◯ 日本史探求 ◯ 世界史探求 |
◯ 公共、倫理 ◯ 公共、政治・経済 |
文系私立大学 | ◯ 日本史探求 ◯ 世界史探求 △ 政治・経済 |
― |
理系国公立大学 | ― | ◯ 地理総合、地理探求 ◯ 公共、政治・経済 △ 公共、倫理 |
理系私立大学 | ― | ― |
ここからは、大学受験における社会(地理歴史・公民)の科目の選び方を、志望大学系統別に解説していきます。
志望1:文系国公立大学
文系の国公立大学では、共通テストで社会を2科目、2次試験で社会を1科目受験するパターンが多いです(大学・学部によって異なります)。
したがって、2次試験でも共通テストでも利用する、特に力を入れて勉強していく社会を1科目、共通テストだけで利用する、基礎基本の勉強に留める社会を1科目選択することになります。
なお、東京大学の文科では2次試験でも社会(地理歴史)が2科目必須となっているなど、大学・学部によって必要な科目や科目数が異なりますので、詳細は大学の公式サイトなどで確認する必要があります。
2次試験の科目の選択
2次試験と共通テストの両方で利用する社会については、「日本史探求」か「世界史探求」がおすすめです。
文系の学部では「日本史探求」「世界史探求」が選択科目として挙げられていることが多く、この2つのいずれかを選んでおけば、併願校を含め、志望校を選ぶときに苦労する可能性が低いからです。
共通テストの科目の選択
共通テストのみで利用する社会については、「公共、倫理」か「公共、政治・経済」がおすすめです。
暗記量がそれほど多くなく、他の教科に比べて、短い時間で点数を伸ばしやすい科目だからです。
「日本史探求 or 世界史探求」+「公共、倫理 or 公共、政治・経済」が一般的
ここまでの解説のとおり、文系の国公立大学を志望する場合、メインの社会科目として「日本史探求」か「世界史探求」、もう1つの社会科目として「公共、倫理」か「公共、政治・経済」を選択するのが一般的です。
「日本史探求 + 世界探求」を選択することもできますが、暗記量が多いためおすすめしません(東京大学文科を除く)。
文系の国公立大学であっても、大学・学部によって選択できる科目が異なるので、最終的な科目選択は個人の志望大学によって個別に判断する必要があります。
志望2:文系私立大学
文系の私立大学では、個別試験で社会を1科目で受験するパターンが多いです。
文系の私立大学志望であれば、社会の選択は「日本史探求」か「世界史探求」がおすすめです。
文系の学部では「日本史探求」「世界史探求」が選択科目として挙げられていることが多く、この2つのいずれかを選んでおけば、併願校を含め、志望校を選ぶときに苦労する可能性が低いからです。
一方で、商学部や経済学部、法学部などでは「政治・経済」を選択可能としている大学も多く、「政治・経済」を必須としている大学もあります。
「理科、数学、社会」の中から1科目を選択できるような大学もあり、社会を選択せずに受験できる大学・学部もあります。
志望する大学・学部の受験科目をよく調べ、最終決定する必要があります。
志望3:理系国公立大学
理系の国公立大学では、共通テスト(旧センター試験)で社会を1科目受験するパターンが多いです。
社会が2科目必要になることはまずありません。
理系の国公立大学志望であれば、社会の選択は「地理総合、地理探求」か「公共、政治・経済」がおすすめです。
他の教科に比べて暗記量が少なく、理系的な考え方をすることが多い科目だからです。
他の教科に比べて暗記量が少ないという意味では、「公共、倫理」を選ぶ高校生もいます。
暗記量が多い「歴史総合、日本史探求」と「歴史総合、世界史探求」はおすすめしません(歴史がすごく得意な場合を除く)。
志望4:理系私立大学
理系の私立大学では、個別試験で社会が必須となることはまずありません。
特殊な場合を除いては、社会を1教科も受験しない方向で準備をして大丈夫です。
大学受験の社会はいつから勉強する?
大学受験の勉強では、社会や理科などの選択科目を後回しにする高校生は多いのですが、選択科目も早期に一通り学習できると非常に有利です。
高3生にあがる前に、受験に必要な社会科目の一通り学習を終わらせられると良いです。
高3生になると模試を受ける機会が多く、未習範囲がない状態で模試を受けたほうが、効果的な復習に取り組めるからです。
▼あわせて読みたい
>>模試の復習のやり方・ノートの作り方は?模試の最強活用法8つのポイント
2次・私大の試験で利用する科目は特に早期に
国公立大学の2次試験や私立大学の個別試験で利用する社会の科目は、特に早期に一通り学習を終わらせるべきです。
一通りの学習を終えたあとに、更に深く学習していく必要があるからです。
国公立大学の2次試験や私立大学の個別試験の社会は、定期テストよりも遥かにレベルが高いため、何度も繰り返して学習する必要があります。
繰り返し学習をすることで、知識を定着させることができますし、学習内容をより深く考察することができます。
学校の授業がなかなか進まないようであれば、先取り学習でまず一通り学習を済ませてしまうのがおすすめです。
一通り学習を済ませたうえで学校の授業を受ければ、学校の授業の理解度も上がって一石二鳥です。
共通テストで利用する科目も早期に
共通テストのみで利用する社会の科目も、できる限り早期に一通り学習を終わらせられると有利です。
高3の夏休みに入るまでには、ある程度(6割以上)の得点が取れる状態まで仕上げておけると良いです。
高3の夏休み以降に、主要科目の発展的な学習にかける時間を確保するためです。
特に、理系の数学や理科の対策には膨大な時間が必要になります。
高3の夏休み以降に、優先度があまり高くない科目に時間をかけたくありません。
一方で、数学や英語の先取り学習が進んでいて、ある程度時間的な余裕があるようであれば、共通テストの社会の科目は夏休み以降に集中して取り組んでも問題ありません。
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大学受験の社会は独学でできる?
社会に限らずどの科目でも同じなのですが、最初に勉強する部分は、授業を受けて勉強したほうが効率がよいです。
初学者が文字情報だけで勉強して、スムーズに理解するのは難しいからです。
特に、国公立大学の2次試験や私立大学の個別試験で利用する社会の科目は、しっかりと授業を受けることをおすすめします。
用語や人物名を暗記するだけではなく、背景や仕組みなどの深い考察が必要になるので、ポイントを押さえて解説してもらえると非常に効率的です。
学校の授業がなかなか終わらないようであれば、予備校の授業や映像授業を活用すると良いでしょう。
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まとめ
それでは、大学入試の社会(地理歴史・公民)についての解説をまとめます。
結論
学習指導要領が新しくなり、大学入試の社会は以前よりも複雑になりました。
事前情報をしっかりと集めて、大学受験の戦略を練ることが大切です。
高校で学習する社会の科目は、次のようになっています。
高校で学習する社会
- 地理総合
- 地理探求
- 歴史総合
- 日本史探求
- 世界史探求
- 公共
- 倫理
- 政治・経済
▼この表は横にスクロールできます。
地理 | 歴史 | 公民 | |||
必修科目 | 地理総合 | 歴史総合 | 公共 | ||
選択科目 | 地理探求 | 日本史探求 | 世界史探求 | 倫理 | 政治・経済 |
共通テストでは、次の科目から受験科目を選択します。
共通テスト地歴公民選択科目
- 地理総合、地理探究
- 歴史総合、日本史探究
- 歴史総合、世界史探究
- 公共、倫理
- 公共、政治・経済
- 「地理総合、歴史総合、公共」から2科目選択
国公立大学の2次試験や私立大学の個別試験では、大学・学部によって「地理総合・歴史総合・公共」の扱いが異なります。
2次・私大の社会の科目選択
- 「地理総合、歴史総合、公共」は出題しない
- 「地理総合、歴史総合、公共」も出題する
- 「地理総合、歴史総合、公共」は、一部出題する
大学受験における社会(地理歴史・公民)の科目の選び方を解説しました。
▼この表は横にスクロールできます。
学年 | 2次・私大 | 共通テスト |
文系国公立大学 | ◯ 日本史探求 ◯ 世界史探求 |
◯ 公共、倫理 ◯ 公共、政治・経済 |
文系私立大学 | ◯ 日本史探求 ◯ 世界史探求 △ 政治・経済 |
― |
理系国公立大学 | ― | ◯ 地理総合、地理探求 ◯ 公共、政治・経済 △ 公共、倫理 |
理系私立大学 | ― | ― |
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