こんにちは。エデュサポ(@edsuppor)です。
うちの子は国語が苦手なので、本を読ませたいと思っています
国語の苦手は読書をすれば克服できるでしょうか
文章を読むことが苦手な子どもは多く、国語は特に苦手を克服するのが難しい教科です。
そんな中で、子どもに本を読ませて国語の苦手克服を目指そうと考えられている保護者の方も多いと思います。
ですが、「読書をしても読解力は上がらない」という意見も多く、どうするべきか迷われていることと思います。
結論
読書は国語の苦手を克服するきっかけになります。
今回は、特に『語彙』に焦点を当てて、読書で国語の苦手を克服する方法を解説していきます。
私は以前、塾講師の仕事をしていました。集団塾と個別指導塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営の仕事をしていた時期もあります。かれこれ20年以上、塾業界で働きました。
これまでの経験を基にお話します。最後まで読んでいただき、お子様が文章を読むことの楽しさを知るきっかけとしていただければとてもうれしいです。
なぜ国語が苦手なのか
国語が苦手な理由はいくつか考えられます。
国語が苦手な理由
- 言葉を知らない
- 言葉の意味を間違って覚えている
- 字面しか読んでいない
- 各段落の構成を理解できていない
物事を「言葉」や「文」で理解することが苦手で、「絵や図」「音」の方が理解が速いという人もいます。
語彙力に原因があることが多い
国語が苦手な理由はいくつか考えられますが、ほとんどの場合は語彙力であることが多いです。
普段から日本語を話しているので、英語などに比べると「国語の単語暗記」は軽視されがちです。
私は国語の授業中に生徒に言葉の意味を問う機会が多かったのですが、子どもたちはとにかく驚くほど言葉を知りません。

と、思って、国語の授業ではかなりの時間を割いて語彙の解説をするようにしていました。
言葉の意味を間違って覚えていることもある
たとえば、「批判」を「悪口」のことだと思っている子どもが多いです。
また、「妥協」を「あきらめる」という意味だと思っている子どもも多いです。
ひ‐はん【批判】
[名](スル)1 物事に検討を加えて、判定・評価すること。「事の適否を批判する」「批判力を養う」
2 人の言動・仕事などの誤りや欠点を指摘し、正すべきであるとして論じること。「周囲の批判を受ける」「政府を批判する」
3 哲学で、認識・学説の基盤を原理的に研究し、その成立する条件などを明らかにすること。
→批評[用法]
だ‐きょう〔‐ケフ〕【妥協】
[名](スル)対立した事柄について、双方が譲り合って一致点を見いだし、おだやかに解決すること。「妥協の余地がない」「安易に妥協する」「妥協案」
普段の会話では、言葉の意味にある程度のブレがあっても会話が成立してしまいます。
ですが、読解力を問われる国語の問題では、わずかな言葉の意味のブレが大きな勘違いに発展してしまうことも多いです。
では、語彙力はどのようにして鍛えれば良いでしょうか。
語彙力の鍛え方
私がおすすめする語彙力の鍛え方は2つあります。
語彙力の鍛え方
- 語彙力ドリルに取り組む
- 本を読む
語彙力ドリルに取り組む
語彙力を鍛えるのに一番効率が良いのは、語彙力ドリルに取り組むことです。
英単語帳に比べるとあまり注目されませんが、実は語彙力ドリルの書籍はたくさん出版されています。
優先度の高い言葉からピンポイントで暗記していけるので、学習効率がとても高いです。
暗記→テスト→おぼえていない言葉を暗記→テスト→おぼえていない言葉を暗記
これを繰り返していけば最短時間で語彙力を鍛えることができます。
ただし、デメリットもあります。
語彙力ドリルのデメリット
- 保護者が進捗管理をする必要がある
- 飽きる
- 疲れる
保護者が進捗管理をする必要がある
語彙力ドリルを子どもに買い与えて、

と、言うだけでは子どもは取り組めません。
いつまでにどこまで取り組んで、いつテストをして、いつ復習をするかなど、保護者が進捗の管理を行う必要があります。
また、場合によってはテストを作ってあげたりもする必要があります。
飽きる
言葉を覚えていくだけの単純作業なので飽きます。
英単語帳の暗記と同じです。
継続するには強い意志か、または強制力が必要です。
疲れる
学習効率が高い分、とにかく疲れます。
英単語帳の暗記と同じです。
続けるには強い意志か、または強制力が必要です。
本を読む
語彙力ドリルは学習効率が高いですが、長時間・長期間にかけて継続して取り組むのは大変です。
継続して語彙力を鍛えるのであれば、読書がおすすめです。
「読書が好きになれば」という条件はありますが、読書ならば長時間・長期間にかけて継続して取り組むことができますし、新しい言葉と出会う機会も多くなります。
「勉強している」という感覚もないので、楽しみながら自然と語彙力を鍛えることができます。
ただし、この記事のタイトルの通り、本を読むだけではだめです。
国語の苦手を克服する読書のポイント
国語の苦手を克服するということに注目するならば、読書をする際のポイントは3つあります。
国語の苦手を克服する読書のポイント
- 子どもが好きな本を読ませる
- 感想をアウトプットする
- 知らない言葉は意味を調べる
一つひとつ解説します。
ポイント1 子どもが好きな本を読ませる
子どもに本を読ませる際に一番注意していただきたいこと。
それは、子どもが好きな本、子どもが興味がある本を読ませるということです。
保護者としては、




と、いろいろと口を出したくなってしまうでしょう。
その気持はとても良くわかります。
ですが、その気持はグッと抑えて、まずは子どもが好きな本を読ませてあげてください。
理由は3つあります。
好きな本を読ませるべき理由
- 文章の意味をしっかりと読み取ろうとする
- 自分から本を読むようになる
- 楽しい!
理由1 文章の意味をしっかりと読み取ろうとする
文章を読んでいるように見えて、実は字面しか追っていない子どもは非常に多いです。
字面だけを追っていると、文字は読めていますが、文章の意味や内容は全く頭に入っていません。
子どもが興味のない本を読んでいると、このような状態になっていることが多いです。
子ども自身も、字面だけを追っていると気づいていない場合も多いです。
ですが、好きな本や興味のあることについての文章を読んでいる時、子どもは一生懸命文章の内容を理解しようとします。
子どもが好きな本を読ませることで、「字面だけを追っている」状態を防ぐことができます。
理由2 自分から本を読むようになる
子どもはなんだかんだ言って好奇心が旺盛です。
自分の好きなことであれば、


と、思うものです。
そのため、

と言わずとも、自分から進んで本を読むようになります。
理由3 楽しい!

と、思えるようになれば、読書をする時間も自然と増えていきます。
読む本の数も増えていきますし、読む本のジャンルも広がっていきます。
「読書楽しい!」を生み出すために、保護者や大人はいろいろと言いたい気持ちをグッと抑えて、子どもが読みたい本を読ませてあげるべきです。
ポイント2 感想をアウトプットする
本を読んだら、本の内容や感想をアウトプットする場を作れると良いです。
感想のアウトプットは読書感想文でも良いのですが、もっと気軽にアウトプットできた方が良いです。
親子や兄弟、友人同士などで同じ本を読んで、感想を言い合えるような場を作れると良いでしょう。
SNS等の方が同じ本を読んだ人を見つけやすいですが、最初は他人よりも身近な人と感想を共有できた方が楽しいと思います。
感想のアウトプットをする目的は3つあります。
感想のアウトプットをする目的
- 自分の頭の中を整理する
- 自分とは異なる視点を知る
- 楽しい!
自分の頭の中を整理する
本を読んだ感想や、本を読んで考えたこと・知ったことなどは、自分が思っている以上に頭の中で整理されていないものです。
自分が考えていることを相手に伝えようと言葉にすることで、自分の頭の中を整理することができます。
また、自分の言葉でアウトプットしようとすることで、言葉を使う練習をすることができます。
「知っている言葉」を、「実際に使える言葉」にすることができます。
自分とは異なる視点を知る
他の人の感想や解釈を聞くことで、


と、自分ひとりでは知り得なかった、自分とは異なる視点を発見することができます。
楽しい!
好きな本の感想を共有するのは楽しいですよね!
ポイント3 知らない言葉は意味を調べる
本を読んでいる中で知らない言葉が出てきても、文章全体の意味はなんとなくわかってしまいます。
そのため、本を読むだけでは初めて出会った言葉の意味を知ることはできません。
日本語の場合は、漢字の熟語が読めなくてもなんとなく意味がわかってしまうことも多いです。
たとえば、「種苗生産」という言葉の読み方がわからなかったとしても、なんとなく「種とか苗とかを作ること」という意味だけはわかってしまいます。
余談ですが、私は「鍼灸」の読み方を最近まで知りませんでした。
「読書をしても語彙力は鍛えられない。」という主張が多いのは、こういった理由があります。
ですので、ただ読書をするだけではなく、知らない言葉はちゃんと意味を調べる必要があります。
ですが、読書中に言葉の意味を調べるのはデメリットも多いです。
読書中に言葉の意味を調べるデメリット
- 楽しくない!
- 本の世界に集中できない
- めんどくさい!
楽しくない!
せっかく読書を楽しんでいたのに、言葉の意味を調べるために読書を中断するのは楽しくありません。
本の世界に集中できない
知らない言葉が出てくる度に言葉の意味を調べていたら、本の世界に集中できません。
本の世界にどっぷり入り込んでいる時は、特にそう思います。
めんどくさい!
知らない言葉が出てくる度に辞書を取り出したり、スマホを取り出して調べるのは面倒くさいです。
言葉の意味を調べることを義務にしてしまうと、段々と読書そのものが嫌いになってしまうかもしれません。
Kindleは長押しするだけで言葉の意味を調べられる。
読書を楽しみながら言葉の意味を調べるのであれば、Kindleを利用することをおすすめします。
Amazonが提供している電子書籍サービス『Kindle』では、無料で辞書機能を利用することができます。
調べたい言葉を長押しするだけで、一瞬で言葉の意味を調べることができるので、読書を中断することなく語彙力を鍛えることができます。
次の画像は、実際にKindleの電子書籍を読んでいる時に辞書機能を利用した際の画面です。
タブレットでの表示
スマートフォンでの表示
余談ですが、英和辞典も使えるので、洋書を読みたい時にも重宝する機能です。
スマホやタブレットでも読める
Kindleの電子書籍は専用端末を使わずに、既に持っているスマートフォンやタブレットを使って読むことができます。

と思われる方も多いですが、アプリをダウンロードしてAmazonで本を購入するだけなので簡単です。
本がかさばらない
これはデメリットでもあるのですが、本棚が本であふれることがありません。
保管場所が必要ないのはうれしいことですが、本棚に並んでいる本を眺めるワクワクがなくなってしまうのは悲しいです。
サブスクもある
Amazonには『Kindle Unlimited』という、電子書籍のサブスクリプションサービスがあります。
月額980円(税込)で200万冊以上が読み放題になるサービスです。
先ほど紹介した語彙力ドリルも読み放題の対象です。
▼30日間無料体験してみる
>>kindle unlimited
語彙は国語の基本!
語彙力を鍛えることが国語の苦手を克服するための第一歩ではあるのですが、語彙力を鍛えれば必ず国語の成績が上がっていくというわけではありません。
文章の構造を理解して筆者の主張を読み取れるようにしたり、問題の選択肢の分析のやり方を学んだり、解答根拠の見つけ方のコツを知ったりと、やるべきことはたくさんあります。
ですが、何よりもまずは基礎の語彙力です。
ここをおろそかにすれば、他のどの対策を頑張っても国語の苦手は克服できません。
まとめ
それでは、読書での国語の苦手を克服する方法をまとめます。
読書は国語の苦手を克服するきっかけになります。ただし、ただ本を読むだけではダメです。
国語の苦手を克服するということに注目するならば、読書をする際のポイントは3つあります。
国語の苦手を克服する読書のポイント
- 子どもが好きな本を読ませる
- 感想をアウトプットする
- 知らない言葉は意味を調べる
まずは、読書をのものを楽しむことが大切です。
そうすることで字面だけでなく、文章の意味を読み取りながら読書をすることができます。
また、知らない言葉を調べることも大切です。
読書の妨げにならないよう、Kindleの辞書機能を利用することをおすすめします。
今回の記事が、お子様が国語の苦手を克服するきっかけとなったのならばとてもうれしいです。