こんにちは。エデュサポ(@edsuppor)です。
うちの子は中学受験をしないのですが、学校の成績が悪いので塾に通わせようと思っています
中学受験はしないのですが、塾には通わせた方が良いでしょうか
中学受験をしない場合でも、小学生のうちから子どもを塾に通わせるべきかと迷われている保護者の方も多いと思います。
実際に、私もそのような相談を受けることは多いです。
結論
「学校の成績が悪いから」という漠然とした理由で塾に通わせるのはお金と時間の無駄です。
明確な目的があれば塾に通わせるべきです。
今回は、中学受験をしない小学生に塾は必要かどうかについて解説します。
私は以前、塾講師の仕事をしていました。集団塾と個別指導塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営の仕事をしていた時期もあります。かれこれ20年以上、塾業界で働きました。
これまでの経験を基にお話します。最後まで読んでいただき、お子様に最適な学びの環境を見つけるきっかけとしていただければとてもうれしいです。
塾へ行かなくても問題ない
中学受験をしないのであれば、小学生のうちは塾へ行かなくても問題ありません。
なぜなら、小学校のテストであれば、学校の授業に真面目に参加していれば良い点数が取れてしまうからです。
そもそも、学校で1日5時間か6時間の授業を受けているのに、塾の授業を週に2,3時間増やしたところで急に成績が上がることはありません。
つまり、『学校の成績が悪いから塾の授業を受けさせて成績を伸ばそう』と考えているようであれば、お金と時間を無駄にすることになります。
ポイントは塾の授業ではない
先述の通り、小学校のテストであれば、学校の授業に真面目に参加していれば良い点数が取れます。
学校のテストで良い点数が取れないようであれば、授業中に先生の話を聞いていないか、普段の勉強の取り組み方や家庭学習の取り組み方に問題があるはずです。
そのような状態で塾へ通うことになっても、塾でも先生の話を聞きませんし、塾の宿題にも取り組めないでしょう。
そのため、塾へ行っても結局成績は上がりません。
では、塾へ行くのはまったく意味がないかと言えば、そんなことはありません。
塾へ通う目的をよく考える
漠然と、「塾に行けば成績が上がる」と期待するのは良くありませんが、しっかりと目的を持って塾に通わせれば大きな効果を期待できます。
塾は授業だけではありません。
塾のスタッフは、生徒の成績を上げるために授業以外の部分でも気を配っています。
中学受験をしない小学生が塾に通うことで期待できる効果としては、主に次の3点が挙げられます。
塾に期待できる効果
- 学習習慣をつけることができる
- 正しい勉強方法が身につく
- 良い講師に出会えれば勉強を好きになれる
一つひとつ解説します。
効果1 学習習慣をつけることができる
小学生が塾に通う効果として一番期待できることは、学習習慣をつけることができるということです。
塾の講師は(学校の先生も同様ですが)、結局は子どもが自ら勉強に取り組まなければ勉強ができるようにならないことを良く知っています。
もちろん良い授業をすることは心がけていますが、生徒に勉強に取り組ませることに特に注力しています。
必要な勉強量を確保できるように宿題の量を調整したり、コツコツと基礎力を積み上げられるように毎週漢字のテストを行ったりしています。
宿題をしっかりやってくれば褒めますし、宿題をサボってくれば叱ります。
学習習慣がつけば学校の成績は上がる
勉強は『効率』も大切ですが、特に勉強が苦手な子どもにとっては、まずは『量』が大切になります。
効率のことを考えるのは、学習習慣がついて勉強量が増えてきてからです。
勉強量が増えれば成績は上がります。
特に、学校のテストであれば劇的に点数が上がることも珍しくありません。
>>勉強ができない2つの理由とできるようにするための4つのステップ
保護者による声掛けが大切
学習習慣がつけば学校の成績が上がるという、非常に簡単な構図ではあるのですが、これが現実的にはなかなか上手くいきません。
なぜなら、塾に通いはじめたら急に真面目に宿題に取り組めるようになるなんてことはないからです。
塾のスタッフも、ご家庭にお邪魔をして

と、聞きに行くこともできません。
ですので、はじめのうちは保護者の方が子どもにしっかりと声掛けを行う必要があります。
ですが、

という声掛けでは、なかなか子どもは動かないかもしれません。
子どもに宿題に取り組ませるためには、声掛けに工夫をする必要があります。
声掛けの工夫
- 具体的な計画を一緒に考える
- ルールを決める
- 宿題が終わったら褒める
具体的な計画を一緒に考える
宿題に取り組めない子どもたちの中には、サボっているわけではなく、どのように取り組めばわからないという子どもも多いです。
ですので、まずは保護者が塾で出された宿題を確認し、「何曜日の何時にどの宿題に取り組む」というように、具体的な学習計画を一緒に立ててあげると良いです。
はじめのうちは、計画が具体的であればあるほど、子どもにとっては取り組みやすくなります
ルールを決める
勉強する曜日や時間を、家庭のルールとして決めてしまうというのも良いです。
学校や塾の宿題の量は、毎週ある程度決まっていて変動は少ないはずです。
それらをやり切るための時間を、ルールという形で予め確保してしまうと良いです。
ただ、ルールは子どもと話し合って決めたほうが良いです。
押しつけられたルールでは、子どものモチベーションは上がりづらいです。
宿題が終わったら褒める
宿題にしっかりと取り組めたら、よくよく褒めてあげてください。
人に、特に親に認められることで、子どものモチベーションは上がります。
効果2 正しい勉強方法が身につく
塾は、学校よりもテストの点数という結果にこだわります。
もちろん、テストの点数が良ければ良い学びを得られているというわけではありません。
『学び』という観点から学校ではいろいろなことに取り組みますが、塾では『テストの点数』を取れるようにすることに特に力を入れます。
どちらが良いということではなく、どこに注力するかの違いです。
習ったことをどのように身につけるか

そのように思っている生徒は多いです。
しかし、テストで点数が取れる生徒の多くは、授業を受けたその後が大切であることを知っています。
授業でインプットしたことを、どうすればテストの時にスムーズにアウトプットできるかを自然と考えながら勉強に取り組んでいます。
学校や塾の宿題も、ただ言われたことをやるだけにしません。
どのように宿題に取り組めば習ったことを身につけることができるのか、考えながら宿題に取り組みます。
保護者による声掛けが必要
塾では、どのように勉強に取り組めば習ったことを身につけることができるかを生徒たちに教えています。
しかし、生徒が家庭でどのように学習に取り組んでいるかを、講師がチェックすることができません。
テレビを見ながらダラダラと取り組んでいるかもしれません。
ただの作業として漢字練習をしているかもしれません。
答えを写してしまっているかもしれません。
本人も悪気があるわけでなく、なぜそれがダメなのかを理解していないことも多いです。
そのような状態であれば、保護者がときどき子どもに声を掛けて、正しく勉強に取り組めるようにサポートしてあげる必要があります。
効果3 良い講師に出会えれば勉強を好きになれる
これは学校の先生にも言えることなのですが、良い先生と出会えれば、子どもが勉強を好きになれる可能性があります。


このようなエピソードを聞いたことがあると思います。
1つの出会いが、子どものその後の人生を大きく変えることもあります。
学校の先生との違い
子どもたちにとって、学校の先生と塾の先生とでは関係性が異なります。
塾の先生との関係のほうが、良い意味で少しくだけた関係であることが多いです。
距離感や年齢も学校の先生よりも近いことが多く、子どもたちにとっては相談しやすい関係であることが多いです。
また、塾は教科ごとに先生が変わることも多いので、いろいろな先生に接する機会も増えます。
塾は家庭学習のサポートである
結局は、保護者が子どもの勉強をサポートしてあげる必要があります。
塾に通わせれば自動的に成績が上がっていくわけではありません。
中学受験を考えない場合、塾はあくまでも家庭学習のサポートです。
塾に通わなくても、学校の授業と保護者による学習管理だけでも、子どもの成績アップは十分に期待できます。
>>塾に通っているのに成績が上がらない理由3パターンと解決策【元塾教室長が解説!】
塾は上手に活用すべき
塾へ行かなくても子どもの成績を上げることはできますが、塾へ行った方が保護者の負担が小さくなることも事実です。
特に、先述した『塾に期待できる効果』については積極的に活用すべきです。
塾に期待できる効果
- 学習習慣をつけることができる
- 正しい勉強方法が身につく
- 良い講師に出会えれば勉強を好きになれる
ただ塾へ通わせるのではなく、このような目的を持ったうえで子どもの勉強に保護者が関わることができれば、大きな成績アップが期待できます。
保護者が勉強を教える必要はない
勉強については、学校や塾で教えています。
そのため、保護者が勉強を教える必要はありません。
家庭学習や宿題でわからない所があれば、先生に質問すると良いでしょう。
保護者は、子どもが学校や塾の宿題にしっかりと取り組めているかや、正しく勉強と向き合えているかを確認する方に注力するのが良いでしょう。
塾はいつから通うべきか
中学受験を考えていない場合、小学5年生か6年生から塾に通う生徒が多いです。
小学4年生以下だと、中学受験を目指して塾へ通う生徒が多いです。
ですが、これらはあくまでも目安です。

というように、明確な目的がある場合は早期から塾へ通わせると良いです。
少数ですが、低学年から塾へ通う生徒もいます。
最近はタブレット学習教材もおすすめ
塾よりも通信教育の方が費用を安く抑えることができます。
最近の通信教育はタブレットを活用した、タブレット学習教材が主流です。
そして、昨今のタブレット学習教材は、AI等を活用して大きく進歩しています。
民間企業によるデジタル教材の開発スピードは速く、毎年毎年改善されていきます。
紙だけだった通信教育の時代から様変わりしました。
タブレット学習教材の強み
- AIによる学習提案
- AIによる問題選定
- アニメーションでの解説
- 動画解説
- 学習履歴を保護者へ送信
- 学年を超えた学習
>>タブレット教材の8つのメリット・デメリットを元塾教室長が解説!
保護者の負担は大きい
タブレット学習教材は、塾に比べると保護者の負担が大きいです。
以前よりは、AIやシステムが子どもの学習進捗を管理してくれるようになりました。
それでも、教材を子どもに与えるだけでは、しっかりと取り組めないことが多いです。
保護者が学習進捗を管理したり、学習への取り組みをサポートしてあげる必要があります。
費用と保護者の負担の大きさを天秤にかけて選ぶと良いでしょう。
まとめ
それでは、中学受験をしない小学生に塾は必要かどうかについての解説をまとめます。
結論
「学校の成績が悪いから」という漠然とした理由で塾に通うのはお金と時間の無駄です。
明確な目的があれば塾に通わせるべきです。
中学受験をしない小学生が塾に期待できる効果としては、主に次の3点が挙げられます。
塾に期待できる効果
- 学習習慣をつけることができる
- 正しい勉強方法が身につく
- 良い講師に出会えれば勉強を好きになれる
具体的な目的を持って塾へ通わせ、家庭では保護者が子どもの勉強への取り組みをサポートをしてあげることが大切です。
保護者が家庭でしっかりとサポートをしてあげられるようであれば、塾に通う必要ありません。
また、塾よりも保護者の負担は大きくなりますが、タブレット学習教材を活用するのもおすすめです。
この記事が、お子様が有意義に勉強に取り組めるようなるきっかけとなればとてもうれしいです。