こんにちは。エデュサポ(@edsuppor)です。
算数の図形問題を苦手とする小学生は多いです。
保護者の方としても、今後の算数の勉強のことを考えて心配されているのではないでしょうか。
結論
図形が苦手な子の多くは、形を思い浮かべる力が足りないわけではありません。
面積や体積の計算で止まる原因は、その手前にある図形の意味を言葉で理解できていないことにあります。
今回は、算数の図形の苦手克服法について解説していきます。
最後までお読みになり、お子様が図形の苦手を克服して、算数の力を伸ばしていくための参考としていただければとてもうれしいです。
この記事の筆者

エデュサポ
(@edsuppor)
- 元塾教室長
- 集団指導塾と個別指導塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営責任者も務める
- 塾業界勤務経験は20年以上
- 教育業界での経験を活かして、勉強や受験に関する情報を発信するサイトやブログを開設
図形は大きく3つの系統に分かれている
小学校ので学習する図形は、大きく3つの系統に分かれます。
▼この表は横にスクロールできます。
| 系統 | どのような学習か | 習う内容 |
|---|---|---|
| 形を見分ける | 図形の名前と、その形が持つ性質を知る | 三角形と四角形 円と球 二等辺三角形と正三角形 垂直・平行と四角形 合同 対称 |
| 測って求める | 角度・面積・体積を数値として求める | 角とその大きさ 面積 体積 円の面積 |
| 立体を組み立てる | 平面にかかれた立体を、頭の中で組み立てる | はこの形 直方体と立方体 角柱と円柱 拡大と縮小 |
つまずいている系統によって、取り組むべき対策が異なります。
たとえば、「形を見分ける」でつまずいている子どもに立体の練習をさせても苦手は克服できません。
どこでつまずいていて、何を対策すべきかを見極めることが、つまずき解消には大切です。
▼あわせて読みたい
>>算数が苦手な小学生の原因と克服法|つまずきの見つけ方と家庭でできる対策
図形は小4から一気に増える
図形の学習は、小4以降に集中しています。
さらに、小4からは角度や面積といった具体的な数値を、計算で求められるようにする力が必要になります。
小3までは「形を作る」「仲間分けする」「名前をつける」といった学習のみで、計算で数値を求めることはありませんでした。
小4は学習量が増えるだけでなく、求められる力もこれまでとは変わってきます。
次の表を確認すると、つまずいた時期や単元と、つまずいてしまっている系統を大まかに知ることができます。
▼この表は横にスクロールできます。
| 学年 | 習う内容 | 中心となる系統 |
|---|---|---|
| 小1 | 身のまわりの物を形で仲間分けする 色板や棒を並べて形を作る |
形を見分ける |
| 小2 | 三角形・四角形・直角・長方形・正方形 箱の形を観察して作る |
形を見分ける 立体を組み立てる |
| 小3 | 円と球 コンパスによる作図 二等辺三角形と正三角形 角の大きさをくらべる |
形を見分ける |
| 小4 | 角度をはかる 垂直・平行と四角形の仲間分け 面積 直方体と立方体の見取図・展開図 |
形を見分ける 測って求める 立体を組み立てる |
| 小5 | 体積 合同な図形 三角形・平行四辺形・台形の面積 円と正多角形 角柱と円柱 |
測って求める 立体を組み立てる |
| 小6 | 対称な図形 円の面積 立体の体積 図形の拡大と縮小 |
測って求める 立体を組み立てる |
つまずいている系統を見分ける
図形のつまずきが明らかになるのは、面積や体積といった計算問題を解いているときであるケースが多いです。
一方で、つまずきの原因は計算そのものではなく、もっと前にあるケースが多いです。
その状態で面積や体積の練習問題をたくさん解かせても、ほとんど効果はありません。
つまずいてしまっている本当の原因を見つけ出し、適切な単元を復習することが、つまずき解消の重要なポイントになります。
▼この表は横にスクロールできます。
| つまずきのサイン | 復習すべき単元 |
|---|---|
| 長方形と正方形の違いを、言葉で説明できない | 小2「三角形と四角形」 |
| 見取図で、見えない辺や頂点を数え落とす | 小2「はこの形」 |
| 半径と直径を取り違える | 小3「円と球」 |
| 平行四辺形とひし形の違いを言葉で説明できない | 小4「垂直・平行と四角形」 |
| 公式は言えるのに、どこが底辺でどこが高さか迷う | 小4「垂直・平行と四角形」の |
| 面積の答えに cm と書いてしまう | 小4「面積」 |
| 展開図を組み立てたとき、向かい合う面や重なる頂点がわからない | 小4「直方体と立方体」 |
| 縮図から実際の長さを求めるとき、何倍すればよいか決められない | 小4「割合」 |
| 三角形の3つ目の角度を、はかるのではなく計算で求められると気づかない | 小5「合同な図形」 |
| 円のまわりの長さを求める問題と、円の面積を求める問題で公式を取り違える | 小5「円と正多角形」 |
| 角柱や円柱の体積で、どの面を底面とみればよいか決められない | 小5「角柱と円柱」 |
つまずきポイントが複数ある場合は、基礎から(この表でいえば上の方に記載されている項目から)一つひとつ取り組んでいきます。
復習する内容は以前の学年で学習した内容である場合も多いです。
学年にとらわれず、必要なところまで戻って復習に取り組むことが重要です。
▼あわせて読みたい
>>小学生への算数の教え方|親が教えるコツ完全ガイド
家庭でできる4つの手順
手順1:図形の名前を言葉で説明できるか確かめる
図形でつまずいてしまっている場合、最初に確認すべきなのは図形の定義です。
どのような図形であるのかを知らなければ、何をすれば良いのかを判断することができないからです。
見た目やなんとなくで図形を考えてしまっている小学生は多いです。
ノートや教科書にある図形を指して、「これはどうして平行四辺形なの?」といったように聞いてみて、「向かい合う2組の辺がそれぞれ平行である四角形が平行四辺形である」ということを理解しているかどうかを確認していきます。
図形を言葉で説明できるようになるだけで、角度の問題や面積の問題を解けるようになるケースもあります。
まずは、図形をなんとなくで考える習慣をなくすことが大切です。
手順2:公式を使う前に底辺や高さを指でささせる
面積や体積の単元でつまずいてしまう場合、式を立てて計算をする前に、「底辺はどこ?」「高さはどこ?」と聞き、底辺や高さの定義を理解しているかを確認することが重要です。
何も考えずに、図形の中に出てくる数字を適当に公式に当てはめている小学生が多いからです。
特に、三角形や平行四辺形の高さ、立体の高さを取り違えてしまうケースが多いです。
「底辺と高さの位置関係の定義」や「垂直」を理解していないことが原因で、ここを解消しないと、今後の面積や体積を求める場面でつまずき続けます。
慣れるまでは問題を解く前に底辺と高さに印をつけさせて、よく考えてから計算式を作る習慣づけを行うと良いです。
手順3:面積と体積は「1平方センチメートルがいくつ分」で確かめる
面積や体積の単元でつまずいてしまう場合、面積と体積の定義をもう一度確かめてみる必要があります。
学習内容を理解せずに、ただ公式に数字を入れているだけになってしまっている可能性が高いからです。
特に、面積の答えに「cm」などの長さの単位を書いてしまう場合は、面積や体積が何なのかを理解できていない可能性が高いです。
面積とは、1辺が1cmの正方形が何個分あるかを表した数です。
いきなり公式を使って計算させるのではなく、まずは方眼紙などを使って、方眼のマスを数えて面積を求めるところから確認してみると良いです。
その後で公式を学ぶことで、なぜその公式で面積を求められるかも理解することができます。
ここまでをしっかりと定着させておくと、円の円周を求める公式と、円の面積を求める公式を取り違えてしまうこともなくなります。
「長さを求めているのか」「面積を求めているのか」の違いを理解することができているからです。
なお、面積と体積は単位変換でもつまずきやすい部分です。
定義をしっかりと理解できていると、単位変換でのつまずきも防ぐことができます。
▼あわせて読みたい
>>単位換算が苦手な小学生への教え方|つまずく原因と家庭でできる5つの手順
手順4:立体は紙の箱を開いて確かめる
立体でつまずいてしまっている場合は、実際に紙の箱を開いて、手を動かして感覚をつかむようにすることが重要です。
立体は、頭の中のイメージだけで練習しても身につきにくい分野だからです。
お菓子やティッシュの空き箱をハサミで開いて、平らに広げてみてください。
切る場所が変わると違う形の展開図が出来上がることを、実際の動作を通して学ぶことができます。
逆に、組み立てるときには「どの点とどの点が重なり合うか」「どの辺とどの辺が重なり合うか」を確かめることができます。
トイレットペーパーの芯やラップの芯を切り開けば、円柱の側面が長方形であることも確かめられます。
手を動かして立体を作れるパズルや教材を活用してみるのもアリです。
立体は、実際に手を動かしてイメージをつかんでから、同じ形式の練習問題を何度も解いてトレーニングしていくのが効果的です。
▼あわせて読みたい
>>算数ドリルのおすすめ8選|小学生の学年別・目的別の選び方
家庭で解消しきれないときの2つの選択肢
家庭で解消しきれないときの2つの選択肢
図をイメージすることが苦手な場合
アニメーションなどで実際に立体を切ったり回転させたりしながら学びたい場合は、「タブレット学習教材」がおすすめです。
タブレット学習教材は手元に立体の実物がなくても、画面の中で図形をいじることができます。
アニメーションを活用できるデジタル教材は、図形の学習と相性が良いです。
▼あわせて読みたい
>>小学生におすすめのタブレット学習教材10選!
どこでつまずいているかわからない場合
どこでつまずいているのかが分析できない場合は、「塾」が向いています。
塾であれば、子どもの取り組みを確認しながらつまずきポイントを分析してもらい、適切な対策をしてもらうことができるからです。
図形はどこでつまずいているのかを、本人が言葉で説明しにくい分野でもあります。
その場で質問をしながらつまずきポイントを探していけるのが、塾の大きなメリットです。
▼あわせて読みたい
>>小学生におすすめの算数塾10選|苦手克服から中学受験まで選び方を解説
図形の勉強に関するよくある質問
ここからは、図形の勉強に関するよくある質問にお答えしていきます。
質問1:分度器やコンパスの使い方でつまずいている場合はどうすれば良いですか?
道具の操作は、正しい持ち方を一度見せて、あとは同じ動きを繰り返すのが確実です。
分度器は中心と頂点、0度の線と辺を合わせる2つの動作に分けて確認してください。
コンパスは、針ではなく持ち手を回すよう教えると安定します。
質問2:何年生から図形の対策をはじめれば良いですか?
小3までに、図形の名前と性質を言葉で言える状態にしておくと小4以降がラクになります。
小3までの図形には計算がなく、時間にも余裕があるためです。
すでに小4以降であれば、今つまずいている内容よりも前の内容の復習に取り組むことも検討する必要があります。
質問3:図形が苦手なままだと、中学の数学で困りますか?
図形の性質を言葉で説明できないままだと、中学で扱う証明の場面で苦労します。
小学校で図形の名前と性質を正しく結びつけておくことができていれば、中学からの内容をスムーズに理解していくことができます。
まとめ
それでは、図形が苦手な小学生への教え方についての解説をまとめます。
結論
図形が苦手な子の多くは、形を思い浮かべる力が足りないわけではありません。
面積や体積の計算で止まる原因は、その手前にある図形の意味を言葉で理解できていないことにあります。
家庭で解消しきれないときの2つの選択肢
今回の記事が、お子様が図形の苦手を克服して、算数の力を伸ばしていくきっかけになればとてもうれしいです。







