こんにちは。エデュサポ(@edsuppor)です。
勉強する意味を子どもにわかってもらうのは大変ですよね。
保護者の方としては、子どもに勉強の大切さを知ってもらい、前向きに努力してほしいと思われているのではないでしょうか。
結論
「なんで勉強しなくちゃいけないの?」と聞く子どもには、その問いに答えるだけでは不十分です。
子どもの悩みに耳を傾けて、成長につながるように導くことが大切です。
今回は、子どもに「なんで勉強するの?」と聞かれたとき親がすべきことについて解説します。
最後まで読んでいただき、子どもが疑問を持ったことをきっかけに、人として成長していくための参考としていただければとてもうれしいです。
この記事の筆者
エデュサポ
(@edsuppor)
- 元塾教室長
- 集団塾と個別指導塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営責任者も務める
- 塾業界勤務経験は20年以上
- 教育業界での経験を活かして、勉強や受験に関する情報を発信するサイトやブログを開設
対面型の個別指導のような授業をオンラインで!
「オンライン家庭教師WAM」は、対面型の個別指導塾に近いスタイルの授業を、オンラインで受けることができるサービス!
安心の返金保証・成績保証!
▼詳しくはこちらから!
>>オンライン家庭教師WAMは個別指導スタイルの授業をオンラインで受けられる!料金・特徴は?
「勉強」という言葉の意味
そもそも、「勉強」という言葉にどのような意味があるのでしょうか。
辞書には次のようにあります。
1 学問や技芸などを学ぶこと。
2 物事に精を出すこと。努力すること。
3 経験を積むこと。
4 商人が商品を値引きして安く売ること。
一言に「勉強」といっても、いろいろな意味があります。
大人からすれば、勉強とは「学ぶこと」「努力すること」「経験を積むこと」という意味で納得できます。
一方で子どもたちは、「学校で先生の授業を聞くこと」や、「宿題で練習問題を解いたり、漢字の書き取りをしたりすること」や、「やりたくないことに取り組むこと」を勉強だと思っています。
この、「勉強」という言葉の捉え方が間違っているところに、まず注目する必要があります。
子どもが「勉強する意味」を問う理由
子どもたちから「勉強って何の意味があるんですか?」と問われることは多いですが、子どもたちの主張が間違っているわけではないことは多いです。
確かに、大人になってから日常生活の中で三角形の面積を求めたり、古文を読んだりすることはほぼないです。
ですので、まずは子どもたちの疑問や主張は認めて、受け入れてあげる必要があります。
「疑問」は成長のチャンスです。
疑問を通してあれこれと悩んで解決策を探し、より良い道を求めることができるからです。
疑問そのものよりも「なぜ」が重要
「なんで勉強しなきゃいけないの?」と聞かれたときに、その疑問に回答することも大事なのですが、「なぜ」子どもがそのような質問をしたのかとうい部分に注目することのほうが大事です。
「なぜ」の部分を解決しなければ、根本的な解決にはならないからです。
子どもたちが「勉強する意味」を聞く理由は、主に次の3つです。
「勉強する意味」を聞く理由
理由1:勉強がめんどくさい
子どもが「なんで勉強しなきゃいけないの?」と聞いてくるときは、そのほとんどの場合は「勉強するのがめんどくさい」と思っているときです。
そのようなときに、「勉強にはこういう意味があるんだよ」と正論を答えるだけでは子どもは納得しません。
子どもが納得しなければ、「勉強がめんどくさい」は解消されず、前向きに勉強に取り組むことができません。
理由2:勉強がおもしろくない
子どもが勉強をおもしろいと思っていれば、「なんで勉強するの?」という疑問は出てきにくいです。
勉強する意味を考えると同時に、勉強のおもしろさを知ってもらうことが大切です。
理由3:ゴールが見えない
ゴールや目標が見えないまま、努力し続けるのは難しいです。
意味もわからずに、どこまで頑張ればよいのかもわからずに勉強に取り組んでいれば、「自分はなんで勉強しているんだろう」と、疑問に感じるのは当然です。
「将来のため」や「良い会社に就職するため」のような抽象的な未来のことを話しても、子どもは納得しないでしょう。
「テストで良い点を取るため」や「偏差値の高い学校に合格するため」のような、子どもにとっては意味を感じられない答えでも納得できないでしょう。
子どもにとって納得できる目標を探すことが大切です。
勉強する意味とは
ここで改めて勉強する意味を考えてみましょう。
細かな意味を考えると膨大な数になってしまうので、次の3つにまとめて解説します。
意味1:知識や能力はお金以上の財産
知識や能力は、お金以上に価値がある財産です。
お金は情勢が不安定になればただの紙くずになってしまう可能性もありますし、理不尽に他人に奪われてしまう可能性もあります。
しかし、知識と能力は他人に奪われることはありません。
たとえばここに、1億円を持った2人の人間がいるとします。
仮に、カイジさんとハジメさんとしましょう。
- カイジさんはギャンブルでたまたま大当たりして1億円を手に入れました
- ハジメさんは自作のアプリがヒットして1億円を手に入れました
カイジさんもハジメさんも大金を持っていますが、状況はまったく異なります。
情勢が変わって日本のお金に価値がなくなってしまった場合、カイジさんはもうどうすることもできません。
一方で、ハジメさんはアプリを作る能力があるので、また新たに価値を生み出すことができます。
知識や能力は、価値が変わることのない確かな財産になります。
意味2:自分や周りの人を幸せにできる
勉強を頑張ると、自分や周りの人たちを幸せにすることができます。
勉強をすればするほどできることが増えていき、できることが増えれば人の役に立つことができるからです。
最初は自分のことで精一杯かもしれませんが、知識や能力を育てていけば、自分の力を周りの人たちのために活用することができるようになります。
社会や世界で、多くの人のためになる仕事に取り組んでいる人たちは、努力を惜しまなかった人たちです。
努力の方向は、勉強に限る必要はないと思います。
スポーツやゲーム、芸術、エンタメなどでも、多くの人たちに勇気や感動を伝え続ける人たちがいます。
努力をして自分の力を育てていくことで、自分と周りの人たちを今よりも幸せにすることができます。
意味3:人生を楽しく豊かにできる
知識や思考力は、人生を楽しく豊かにします。
知識が増えれば増えるほど世の中のことに「意味」を見出すことができますし、思考力を育てれば育てるほど、世の中のことを深く見ることができるからです。
たとえば旅行に行くときも、旅先の特徴や歴史などの知識があったほうが楽しめます。
スポーツを見るときも、そのスポーツの戦術や選手のデータ、過去のスター選手やそのスポーツが歩んできた歴史を知れば知るほど楽しむことができます。
「知る」ことで物事をより一層楽しむことができますし、「考える」ことで物事をより一層深くまで理解することができるようになります。
「〇〇なんて社会に出たら使わない」は意味のない主張
「〇〇なんて将来何の役に立つんですか?」という議論がありますが、その議論にはあまり意味がありません。
将来何が役に立つかなんて、誰にもわからないからです。
三角関数を将来一生使わない人がたくさんいる一方で、三角関数の知識があって良かったと思う人も一部います。
AED(自動体外式除細動器)を一生使わない人がたくさんいる一方で、AEDの使い方を勉強しておいて良かったと思う人も一部います。
どの知識が、いつ、誰に必要になるかなんて、誰にも予測ができません。
勉強に付随する力が大事
「〇〇なんて役に立たない!」と、ピンポイントで知識を否定しても意味がありません。
大切なのは、ピンポイントの知識そのものではないからです。
たとえば、社会に出てから三角関数の知識を一度も使わなかったとしても、三角関数を理解するために培った論理的な思考力は必ず役に立ちます。
社会に出てから古文や漢文にまったく触れなかったとしても、言葉の成り立ちや文法、日本の文化といった知識を役立てている人は多いです。
大切なのは変化に対応できる力
学校の勉強よりも、実際に社会に出てから役に立つことを勉強すべきという主張は確かに正しいのですが、だからといって今行われている教育を否定することはできません。
社会に出てから役に立つことは、時代によって変化するからです。
ワードやエクセルが10年後や20年後にも使われているとは限りませんし、今の経済や法律の常識が10年後も20年後も変わらないとも限りません。
大切なのは、社会の変化に対応できる力です。
その力を、三角関数の勉強を通して身につけていくか、ワードやエクセルの勉強を通して身につけていくかの違いに過ぎません。
子どもの時間は限られているので、何を優先して、何を優先しないかという議論は必要になりますが、「〇〇を勉強するくらいなら△△を勉強すべき」という主張にはあまり意味がありません。
「勉強する意味」を問う子どもに必要なこと
「なんで勉強しなくちゃいけないの?」と質問する子どもには、その答えを示すだけでは不十分です。
正論を言っても子どもは納得しませんし、「答え」を知っても子どもの悩みは解決されないからです。
「なぜ」子どもがそのような質問をしたのかを考え、子どもと一緒に解決策を考えていくことが大切です。
「勉強する意味」を問う子どもに必要なことは、具体的には主に次の3つです。
「勉強する意味」を問う子どもに必要なこと
必要なこと1:夢や目標を見つける
「なんで勉強しなくちゃいけないの?」と質問する子どもは、夢や目標を見つけられていない場合が多いです。
夢や目標があれば、自然と努力することができるからです。
「宇宙飛行士になりたい!」と思っていれば、一生懸命宇宙の勉強に取り組むことができますし、「漫画家になりたい!」と思っていれば、一生懸命に美術や国語の勉強に取り組むことができます。
スポーツ選手になりたければ、そのスポーツの勉強に取り組みますし、困っている人を助けられる人になりたければ、人に役に立つための勉強に取り組むことができます。
将来の夢や目標を考える時間を作るべき
子どもには、将来の夢や目標を考える時間やきっかけが必要です。
子どもが自分だけの力で夢や目標を考えるのは難しいからです。
大人がサポートをして、子どもの頭の中にあるモヤッとした抽象的な考えを、形ある具体的なものにしてあげられると良いです。
▼あわせて読みたい
>>将来の夢が決まらない?夢の見つけ方11のポイント
▼あわせて読みたい
>>将来の夢がない子どもに見てほしい動画5選【保護者の方にも見てほしい】
将来の夢を重視している学習塾・予備校
- 東進オンライン学校
※将来のことを考える講座がある! - モチベーションアカデミア
※大学受験の先にある社会を見据えた指導! - 東進ハイスクール・東進衛星予備校
※夢・志を育む指導!
必要なこと2:「好き」や「得意」を承認してもらう
「なんで勉強しなくちゃいけないの?」と質問する子どもは、自信を持って「これが好き!」「これが得意!」と言えるものがない場合が多いです。
「好き」や「得意」があれば、それらを追求していく中で勉強の大切さがわかってくるからです。
たとえば、「虫が大好き!」という子どもは勝手に虫の勉強に取り組みますし、虫の勉強に取り組む中で勉強することの大切さを学んでいくことができます。
「好き」や「得意」を育てるためには承認が大事
子どもは、自分の好きなことや得意なことを大人に認めてもらいたいですし、褒めてもらいたいものです。
逆に、自分の好きなことや得意なことを大人に否定されてしまうと、自信を失ってしまいます。
子どもの「好き」や「得意」が、たとえ学校の勉強やテストの点数とは関係ないことであっても、認めて褒めることが大切です。
そもそも、勉強に取り組むことの意味は、「学校の成績のため」でも、「難関校に合格するため」でもありません。
大人が勉強の意味を見失ってしまうと、子どもも勉強する意味がわからなくなってしまいます。
必要なこと3:成功体験
「なんで勉強しなくちゃいけないの?」と質問する子どもには、成功体験を積ませて、自分に自信を持たせることが大切です。
成功体験を積み上げることで、次のことに挑戦する自信を持つことができるからです。
「勉強がつらい」「勉強がめんどくさい」と思ってしまう背景には、「頑張ってもどうせ上手くいかない」という気持ちがあることが多いです。
「頑張ったらきっと上手くいく」という自信を持つことができれば、勉強がつらいときも、勉強がめんどくさいと感じるときも、自分を信じて努力することができます。
小さなことから少しずつ、スモールステップで成功体験を積ませてあげられると良いです。
▼あわせて読みたい
>>受験勉強がつらいときの乗り越え方!受験を通して大きく成長するために頑張ろう!
受験勉強をする意味
私は多くの受験生を見てきましたし、受験勉強を通して大きく成長していく子どもたちを見てきました。
良い学校に行って良い企業に就職するためではなく、成長のために受験を活用することが大切です。
受験勉強を頑張る意味は、主に次の3つです。
受験勉強を頑張る意味
意味1:本気で勉強に取り組むきっかけになる
受験勉強は、本気で勉強に取り組むきっかけになります。
受験勉強を通して本気で勉強に取り組むことで、知識や思考力を大きく伸ばしていくことができます。
学力を伸ばすために最初に必要になるのは、「勉強量」です。
受験勉強は、勉強量を劇的に増やす良いきっかけになります。
意味2:本気で努力する機会になる
受験勉強は、結果を得るために本気で努力をする良い機会になります。
勉強に限る必要はないのですが、結果を求めて本気で努力したことがある人は、いざという時に本気で取り組むことができます。
子どものうちに本気の努力を経験することは、大人になってからの人生を大きく変化させます。
受験勉強は、そのような本気の努力を経験する良いチャンスになります。
意味3:人として成長することができる
受験勉強をすることで、人として大きく成長することができます。
知識や思考力を得るだけでなく、努力をする力を伸ばしたり、正しい努力の仕方、計画の立て方や進捗管理の仕方、PDCAサイクルの回し方等を学んだりと、大人になってからも活用できる力やスキルを身につけることができます。
私も多くの受験生を見てきましたが、受験勉強に本気で取り組んでいる子どもたちの成長スピードは本当に速いです。
「受験勉強はつらい」「受験勉強は大変」というイメージがありますが、その試練をとおして、人として大きく成長できると有意義です。
▼あわせて読みたい
>>受験勉強の目的を志望校合格にしてはいけない重大な理由
▼あわせて読みたい
>>高校受験の受験勉強はいつから本気を出せば間に合うのか【元塾教室長が解説!】
まとめ
それでは、子どもに「なんで勉強するの?」と聞かれたとき親がすべきことについての解説をまとめます。
結論
「なんで勉強しなくちゃいけないの?」と聞く子どもには、その問いに答えるだけでは不十分です。
子どもの悩みに耳を傾けて、成長につながるように導くことが大切です。
子どもたちが「勉強する意味」を聞く理由は、主に次の3つです。
「勉強する意味」を聞く理由
- 勉強がめんどくさい
- 勉強がおもしろくない
- ゴールが見えない
勉強する意味まとめると、主に次の3つになります。
勉強する意味
- 知識や能力はお金以上の財産
- 自分や周りの人を幸せにできる
- 人生を楽しく豊かにできる
「勉強する意味」を問う子どもに必要なことは、具体的には主に次の3つです。
「勉強する意味」を問う子どもに必要なこと
- 夢や目標を見つける
- 「好き」や「得意」を承認してもらう
- 成功体験
受験勉強を頑張る意味は、主に次の3つです。
受験勉強を頑張る意味
今回の記事が、「なぜ勉強するの?」という子どもの疑問をきっかけに、子どもが大きく成長していくためのきっかけとなればとてもうれしいです。