こんにちは。エデュサポです。
そろそろ子どもの高校受験の準備をしなければならないのですが、いつ頃から本気で取り組めばよいでしょうか
部活引退まで部活に専念したいのですが、それから本気で受験勉強に取り組めば大丈夫でしょうか
いつから子どもに高校受験の準備に本気で取り組ませるべきか、悩まれている保護者の方も多いと思います。
さて、先日、次のようなツイートをしました。
「高校受験の受験勉強は、いつから本気で取り組めば間に合うでしょうか。」
このような質問を何度も受けました。受験にフライングはありません。本気ではじめるならば、「今」はじめるのが一番有利です。
部活などで忙しかったとしても、今からコツコツと準備をはじめるべきです。#高校入試 #準備— エデュサポ@元塾教室長 (@edsuppor) February 11, 2022
今回は、高校受験の受験勉強をいつから本気で取り組むべきかについて解説します。
私は以前、塾講師の仕事をしていました。集団塾と個別指導塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営の仕事をしていた時期もあります。かれこれ20年以上、塾業界で働きました。
これまでの経験を基にお話します。最後まで読んでいただき、お子様が高校受験で失敗しないようにするための参考としていただければとてもうれしいです。
いつやるか

これは、受験直前期の子どもに言われる言葉ダントツのナンバー1です。
つまり、いつはじめるべきかと問われれば、答えは、

これ一択です。
受験にフライングはありません。
そして、今よりも早いスタートを切ることもできません。
必然的に、受験勉強をはじめるのであれば、「今」一択になります。

という声もあると思うので、ギリギリのラインについても解説します。
高校受験準備開始のギリギリのライン
中3の6月から、夏休みがはじまるまでの間
このラインを越えたらまず間に合いません。
中3の夏休みは、これまでの勉強の総復習をする最後のチャンスです。
2学期がはじまれば、また学校で新しいことを勉強していくことになるので、復習をする時間が取れなくなってしまいます。
しかも、中3の2学期は難しい単元が目白押しです。
過去問を解きはじめる時期から逆算する
高校受験の過去問演習は、公立高校の過去問から解きはじめることが多いです。
公立高校が第一志望の子どもが多いということもありますが、公立高校の入試問題は基本的な内容から出題されるということが一番の理由です。
公立高校の過去問を利用すれば、公立高校の入試問題の出題傾向を研究しながら、「本番の入試レベル入門編」の演習に取り組むこともできて一石二鳥なのです。
難関校志望でも公立高校の過去問から
難問をヤマほど出題するような私立高校を受験する場合も、まずは公立高校の入試問題で演習を行います。
難関高校の合格を目指すようであれば、中3の夏休みから公立高校の過去問に取り組む必要があります。
中堅高校や上位高校の合格を目指すようであれば、中3の11月中には公立高校の過去問に取り組みはじめる必要があります。
過去問を解きはじめれば良いというわけではない
過去問に取り組みはじめたとしても、難しすぎてまったく歯がたたないようであれば、どれだけ過去問演習に取り組んでも成績アップは難しいです。
過去問は本番の試験問題なので、本番の数ヶ月前の時点でキッチリと点数を取るのは難しいです。
それでも、6割程度は正解できなければ、演習としては効果が薄いです。
毎回20点や30点しか取れないようであれば、基本的な問題演習に戻ったほうが効率が良いでしょう。
6割程度得点できる基礎力が必要
つまり、公立高校の過去問を解きはじめる時期までに、6割程度得点できる基礎力をつけておく必要があります。
それに間に合わせるためのギリギリのラインが、「中3の6月から、夏休みがはじまるまでの間」です。
難関高校に挑戦するようであれば、もっと早くから本気で取り組む必要があります。
中3に上がる前の春休みに入る前がギリギリのラインになるでしょう。
しかし、中3の夏休みから本気を出せば誰でも間に合うのかと言うと、そうではありません。
普段から、本気の受験勉強をはじめるための準備をしておく必要があります。
本気の受験勉強をはじめるための準備

と、部活に取り組んでいるときは言ってはいますが、実際に部活を引退すると、根性で勉強することがどれだけ難しいかということに気づきます。
根性論や精神論はゴミクズなので、早急にゴミ箱に捨ててください。
普段の勉強がカギ
中3の夏休み前からすぐに本気で受験勉強に取り組めるようにするためには、普段からコツコツと準備をしておく必要があります。
部活がどんなに忙しくても、学校行事がどんなに忙しくても、青春の日々がどんなに忙しくても、忙しいということを言い訳にせず、コツコツと準備を積み上げておかなければなりません。
具体的な準備は次の4点です。
普段の準備
- 勉強習慣をつけておく
- 学校の授業の予習復習をしておく
- 定期テストは受けっぱなしにしない
- 基礎基本を徹底しておく
準備1 勉強習慣をつけておく
勉強ができるようにするためには、3つのステップを1つずつクリアしていく必要があります。どのステップも省略することはできません。
勉強ができるようになるための3つのステップ
- 習慣化する
- 正しい勉強法を知る
- 効率化する
勉強習慣をつけておかなければ、いざ、

と、思ったときに、自分が思うように勉強に取り組むことができません。
本気で取り組むための準備が必要
部活を引退してから本気を出そうと思っている子どものほとんどは、本気で取り組めるようになるまで2週間から3週間ほどの時間がかかってしまいます。
一生懸命取り組もうと思っていても、体と頭が思うようについてきません。
なかなか集中できずに、長時間の勉強に取り組めません。
わずかな期間の差が大きな差になる
夏休みがはじまってからの2~3週間のスタートの遅れは、致命的な遅れになってしまいます。
周りのライバルたちが夏休みに1日10時間勉強に取り組んでいる中、なかなか良いスタートを切れずに1日4時間ほどしか勉強できなかった場合、3週間で126時間の差がついてしまいます。
勉強時間の長さだけが重要なわけではありませんが、126時間という時間には大きなインパクトがあります。
ですので、

と、思った瞬間から本気で取り組めるよう、最低でも勉強習慣だけはつけておく必要があります。
>>勉強ができない2つの理由とできるようにするための4つのステップ
準備2 学校の授業の予習復習をしておく

定期テスト前に無理矢理頭に詰め込んで、定期テストが終わったら勉強した内容を忘れてしまうようでは、受験勉強としては非常に効率が悪いです。
普段の勉強を受験勉強でも活かせるようにするためには、授業の予習復習に力を入れることをおすすめします。
繰り返すことが大事
物事を1回で覚えることはできません。何度も繰り返すことで頭に定着していきます。
普段の勉強で、「予習⇒学校の授業⇒復習」のサイクルを作ることで、授業の前後だけで同じ学習内容を3回も繰り返して勉強することができます。
そうすることで、定期テスト前の勉強をはじめる時点でも、頭の中に学習内容がある程度定着した状態でスタートすることができます。
その結果、定期テスト勉強をスムーズに進めることができ、授業の予習復習を行わなかったときよりも短い時間で「得点」という成果を得ることができます。
しかも、定期テストが終わるまでには、同じ学習内容を何度も繰り返してきたので、テスト期間が終わったあとも学習内容が頭に残ります。
受験勉強に本気で取り組みはじめる際にも、頭の中に学習内容がある程度定着した状態でスタートさせることができます。
まずは短時間から

と、いう意見もあるでしょう。
はじめは1日30分で良いです。
まず、はじめることが大切です。
はじめることが一番難しいのです。
動画サイトを見てダラダラする時間を少し勉強時間に変えるだけです。
SNSを意味もなく眺めている不毛な時間を、30分だけ勉強時間に変えるだけです。
絶対にできます。
その「ちょっとの努力」が、受験の成否を分けます。
予習復習のやり方
1日30分。
翌日の学校の授業が6時間授業であれば、1教科あたり5分です。
6時間の授業の中には実技教科もあると思うので、実際には5分以上は時間が取れそうですね。
1教科5分強であれば、予習か復習のどちらかになりそうです。
どちらか一方を選ぶのであれば、復習することをおすすめします。
学校の授業で一度勉強した内容なので、ノートを読み返すだけで簡単に復習ができるからです。
5分ノートを読み返すだけで、学習内容の定着度はグッと増します。
勉強時間が増えてきたら予習も
1日の勉強時間が増えてきたら、予習にも挑戦してみましょう。
予習は、翌日の学校の授業で扱われそうな部分の教科書を読んでおくのが良いでしょう。
費用はかかりますが、映像授業などを利用すると、より短時間で学校の授業の予習を行うことができます。
>>1回5分の授業で予習ができる!スタディサプリ中学講座のおすすめの活用法。料金・口コミは?
準備3 定期テストは受けっぱなしにしない

と、なってしまう子どもが多いですが、勉強が得意な子どもほど定期テスト後の振り返りをしっかりと行います。
定期テストに限らず、模試や小テストでも毎回振り返りを行うべきです。
定期テストの勉強は、受験勉強の練習になる
まず、定期テスト前の勉強にしっかりと取り組むことができれば、長時間連続で勉強するトレーニングになります。
学校がある平日であれば1日5時間、学校が休みの日であれば1日12時間を目標にします。
復習と分析が大事
さらに、定期テストが終わったあとにテストの復習や分析までできると、正しい勉強方法を知るためのトレーニングになります。
どんな勉強をするとどんな結果が得られるのか。
望む結果を得るためには、どんな対策をどれくらい行う必要があるのか。
このようなことを知ることができます。
勉強が苦手なうちは、ただ問題を解いて丸付けをするだけの勉強をしてしまいがちです。
ですが、丸付けをしたあとが本当の勉強です。
できないものをできるようにすることが勉強です。
定期テストや模試を受けっぱなしにしないようにすることで、丸付けをしたあとの勉強の大切さを知ることができます。
>>模試の最強活用法7つのポイント!復習のやり方・ノートの作り方
定期テストの活用でステップアップ
さて、先ほど紹介した「勉強ができるようになるための3つのステップ」を、もう一度振り返ってみましょう。
勉強ができるようになるための3つのステップ
- 習慣化する
- 正しい勉強法を知る
- 効率化する
定期テストを受けっぱなしにしないようにすることで、ステップ2の「正しい勉強法を知る」というところまで達成することができます。
ここまでくれば、

と、思ったその日から本気の勉強に取り組みはじめることができます。
あとは受験勉強に取り組みながら、どうすればもっと効率よく勉強できるかを考えていけば大丈夫です。
準備4 基礎基本を徹底しておく
準備1「勉強習慣をつけておく」、準備2「学校の授業の予習復習をしておく」、準備3「定期テストは受けっぱなしにしない」までができていれば、必要な準備はもうほとんどできています。
あとは、基礎基本を徹底的に定着させることを意識するだけです。
難しい問題や応用問題に取り組むのは、過去問演習に取り組みはじめてからでも大丈夫です。
それまでは、「難しい問題を解けるようにすること」よりも、「基本問題を完璧に解けるようにすること」を目標として、普段の勉強に取り組んだほうが良いです。
定期テストでも、基礎基本をしっかりとできるようにしておけば、きっちりと80点以上の高得点を狙えます。
内申点もアップ
定期テストでしっかりと高得点を取れていれば、通知表の評定も高くなり、内申点も期待できます。
高校受験にとって内申点は超重要なので、一石二鳥です。
>>高校入試では内申点が超重要!内申点をアップさせるための4つの方法
公立高校の入試問題も基礎基本が大切
公立高校の過去問も、基礎基本をしっかりと解けるようにしておけば、60点以上は取れます。
とにかく、公立高校の過去問演習をはじめるまでに、公立高校の入試問題で6割以上得点できる基礎力をつけることが最優先です。
まとめ
それでは、高校受験の受験勉強をいつから本気で取り組むべきかについてまとめます。
高校受験の受験勉強をはじめるのならば、「今」はじめるのがベストです。受験にフライングはないからです。
とはいえ、受験勉強を本気ではじめる時期として、このラインを越えたらまず間に合わないというギリギリのラインも存在します。
ギリギリのライン
- 一般的には中3の6月から、夏休みがはじまるまでの間
- 難関高校に挑戦するならば、中3に上がる前の春休みに入るまで
そして、本気の受験勉強をスムーズにスタートできるようにするために、普段から準備をしておく必要があります。
普段の準備
- 勉強習慣をつけておく
- 学校の授業の予習復習をしておく
- 定期テストは受けっぱなしにしない
- 基礎基本を徹底しておく
何の準備もせずに、「中3の夏から本気出す」と思っていても間に合いません。
普段からコツコツと準備をしておくことができるかどうかが、高校受験の成否を分けることとなります。
今回の記事が、お子様の第一志望校合格のきっかけとなればとてもうれしいです。