こんにちは。エデュサポ(@edsuppor)です。
うちの子は勉強が辛いらしく、なかなか勉強に取り組むことができません
子どもが勉強嫌いなのですが、勉強に取り組ませる方法はないでしょうか
辛い勉強から逃げたいと思っている子どもたちは多く、そのことで悩まれている保護者の方も多いと思います。
そこで、今回はなぜ勉強は辛いのかということについて解説します。
また、記事の後半では子どもに勉強を楽しんでもらうためのポイントについて解説します。
今回は長期的なスパンで考えていただくような、根本的なお話になります。
もう受験が間近で、今すぐ何とかしてほしいという場合の対策については今回は解説しません。
私は以前、塾講師の仕事をしていました。集団塾と個別指導塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営の仕事をしていた時期もあります。かれこれ20年以上、塾業界で働きました。
これまでの経験を基にお話します。最後まで読んでいただき、お子様に少しでも勉強が好きになっていただくための参考としていただければとてもうれしいです。
なぜ勉強は辛いのか
さっそく、勉強が辛いと思ってしまう理由を3つ紹介します。
勉強が辛い理由
- テストで評価されるから
- テストにはルールや決まりがあるから
- 興味がない勉強もしなければならないから
一つひとつ解説します。
理由1 テストで評価されるから
私自身は勉強は好きです。ですが、試験は嫌いです。

そう思われている方も多いと思います。
しかし、いわゆる学ぶための勉強と、試験のための勉強の間には大きな違いがあります。
勉強そのものは「学び」なのですが、試験のための勉強は試験で評価されるための対策です。
評価を気にする必要がない勉強は楽しい
ためしに子どもの教科書を眺めてみてください。
テストで良い点を取る必要はないので、自分が好きな教科の、自分が好きな単元を読んでみてください。
隅々まで読んでいくと、思いも寄らない発見があったりします。


きっとそう思われると思います。
テストで評価されることを気にしなければ、勉強を純粋に楽しむことができます。
学ぶことは本来楽しいものなのです。
では、試験のための勉強はなぜこんなにも辛いのでしょうか。
理由2 テストにはルールや決まりがあるから
試験には、ルールや決まりがあります。
出題される範囲が決まっていたり、解けるようにならなければならない問題が決まっていたりします。
テスト対策が得意だった方にはわかっていただけると思うのですが、試験というものは「出題者が解答者に何を求めているか」を読み取るゲームのようなものです。
たとえば、英語の三人称単数現在の単元がテスト範囲であれば、次のようなことが理解できていることを求められています。
三人称単数現在
- 主語の意味を理解している
- 人称の意味を理解している
- 単数・複数の違いを理解している
- 疑問文や否定文の作り方を理解している
そして、テストでは次のような問題が出題されます。
( )のなかから正しいものを選びなさい。
Tom and Jerry (ア、likes イ、like ウ、is エ、are)music.
この問題を見て、

と、考えるのがテスト対策です。
テストを作る人が、自分にどのような知識を持っていることを求めているかを考えて、その知識を持っているかどうかを確かめるためにどんな問題を出題してくるかを考えるのがテスト対策です。
ルールや決まりを楽しめる子どもいる
このようなルールや決まりを楽しめる子どももいます。
出題者の意図を読み取って、自分の評価を上げるというゲーム性そのものを楽しめてしまいます。
また、制限があるから楽しいと感じる子どももかなりいます。
たとえば、ファッションが好きな中学生や高校生の中には、「校則」という制限がある中で、制服をどのように着こなすかということにおもしろみを感じる子どもも多いです。
しかし、好きなようにファッションを楽しむことができない「校則」が、窮屈で仕方ないという子どもも多いです。
勉強でも同じように、「テスト」という制限や決まりがあることが「辛い」と感じる子どもは多いです。
理由3 興味がない勉強もしなければならないから
試験にはルールがあり、評価してもらうためにはそのルールに従って対策をする必要があります。
そうなると、自分が全く興味がない内容も勉強しなければなりません。
興味がないと言って対策をしなければ、「点数」という評価が低くなってしまうからです。
興味がないことに取り組むのって辛いですよね。
私は字が汚くて、綺麗な字を書くことにあまり興味がありません。
もし、「3年後に字の綺麗さで合否が決められる試験があるから対策をしなさい!」と言われたら、ものすごく辛いです。
人に評価されるために興味のないことを対策しなければならないということは、大変辛いものなのです。
一方で、すべての勉強が辛いかといえば、そうでもありません。
勉強を楽しむための6つのポイント
では、ここからは勉強を楽しむためのポイントを解説していきます。
勉強は本来楽しいものです。お子様に勉強を楽しめるようになってもらえたらうれしいです。
具体的には次の6つについて解説します。
勉強を楽しむための6つのポイント
- 人は頭を使うことが好き
- テストに出るものだけが勉強ではない
- 興味のあることにとことん取り組む
- 親も一緒に楽しむ
- 成功体験を積む
- できたことを褒め合う
一つひとつ解説します。
ポイント1 人は頭を使うことが好き
あまり信じてもらえないのですが、人は頭を使うことが好きです。
どんなに暇な時でも頭の中では何かを考えていますし、何も考えていない時間なんてほとんどないのではないでしょうか。
ボーッとしている時でさえ、無意識のうちに何かを考えています。
何も考えないことの方が難しいと思います。
私は以前、看板を持って道路に4時間くらい立っているだけというアルバイトをしたことがあるのですが、あれは最悪の仕事でした。
暇で暇で耐えられないのです。
頭を使いすぎるのは辛いのですが、頭を全く使わないことも辛いのです。
ポイント2 テストに出るものだけが勉強ではない
記事の前半でも解説をしましたが、いわゆる学ぶための勉強と、試験のための勉強は異なります。
しかし、多くの方は「試験で点数を取るための勉強」を「勉強」と思ってしまっています。
私はむしろ逆だと思っています。
試験のための勉強はあくまでも評価を得るための対策であり、学びのための勉強こそが本当の勉強だと思っています。
たとえとして、私が中学生だったときのクラスメートの話をします。
中学校の時の私のクラスメートに、三国志にめちゃくちゃ詳しい人がいました。
彼は定期テストの学年順位が常に下位10%以内だったのですが、とにかく三国志には詳しくて、100人以上の武将をすべて漢字で書けました。
「諸葛亮」も「劉備」も「郭嘉」もすべて漢字で書くことができました。
試験はルールがすべて
しかし、そのクラスメートは勉強の成績が非常に悪かったです。
なぜなら、三国志はテストに出ないからです。
試験のルールの中で対策を行わなければ、評価は得られません。
場合によっては、

と、言われてしまうこともあります。
ルールが違えば結果も違う
もし、三国志の知識が多ければ多いほど評価されるテストが実施されていれば、そのクラスメートの評価はすごく高かったはずですし、人に認められればもっと別のことも頑張れたかもしれません。
しかし、実際にはそのようなことにはなりませんでした。
試験には良い側面もたくさんあるのですが、試験ばかりにこだわってしまうと大変窮屈です。
子どもの可能性を潰してしまうことにもなりかねません。
ですので、テストに出ないような勉強も認めてあげることはとても大切です。
ポイント3 興味のあることにとことん取り組む
ということで、テストに出ないようなことであっても、興味のあることにはとことん取り組ませてあげてください。
子どもに限らず、人は興味があることには積極的に取り組むことができます。
そして、一生懸命取り組んだことが他人に評価されれば、さらに前向きに取り組むことができます。
興味があることにとことん取り組む→誰かに評価される→もっと取り組む→誰かに評価される。
このようなサイクルができれば、誰にも負けないような専門的な知識をつけていくこともできます。
子どもは小さいうちは特に好奇心が旺盛
小学生くらいまでは、周りにあるいろいろなことに興味を持ちやすいです。
電車が好きなようであれば、電車の本をとことん読んでみるのも良いでしょう。
ポケモンが好きなようであれば、ポケモン図鑑を読んでみるのも良いでしょう。
星が好きなようであれば、星を見に行くのも良いでしょう。
虫が好きなようであれば、虫を捕まえに行きましょう。
植物が好きなようであれば、植物を育ててみましょう。
ポイント4 親も一緒に楽しむ
子どもは親と一緒に何かに取り組むことに喜びを感じます。
特に、小学生くらいまでの年齢であればその傾向は強いです。
また、楽しそうに何かに取り組んでいる親の姿を見て、

と、思うものです。
ですので、保護者の方も子どもと一緒に楽しんでみてください。

そのように思われる方もいらっしゃると思いますが、それは問題ありません。
子どもに教えてもらいながら、一緒に勉強してみてください。
子どもは親と一緒に勉強することが好きです。大人が知らないことを大人に教えてあげることが好きです。
保護者が子どもと一緒に楽しみながら学ぶことができれば、子どもの学びはより深いものとなります。
>>子どもと流星群を見よう!おすすめの流星群はいつ見られるか
ポイント5 成功体験を積む
このようにして、子どもが興味のあることに一生懸命取り組むことができれば、子ども自身が気づかないうちに小さな成功体験を積むことができます。
本人は「努力をしている」という自覚があまりなくても、



という成功体験を積むことができます。
このような経験が、いつか何か新しいことに挑戦しようと思ったときに背中を押してくれます。
ポイント6 できたことを褒め合う
テストでは、できなかったことを怒られることが多いです。



テストは、ミスをできる限り減らすゲームでもあるので、構造的にこのようになってしまいます。
これでは勉強が辛くなってしまうのも仕方がありません。
×よりも○を探す
ですので、テストとは関係ない学びにおいては、できたところを見つけて褒めてあげてください。
できれば、親子で一緒に学んでお互いに褒め合ってください。
そうすればお互いにもっとモチベーションが上がって、更に勉強を楽しむことができます。
テストには良い側面もある
テストで評価されることは、勉強が嫌いになってしまう大きな原因になります。
しかし、テストには良い側面もあります。
具体的には次の2点です。
テストの良い側面
- テストがなければ出会わなかったものもある
- 興味がなくても取り組んでみたら興味が出ることもある
テストがなければ出会わなかったものもある
学校では幅広い分野の学習をします。
自分の好きなことばかりに取り組んでいれば出会わなかった分野にも、学校の勉強に取り組んでいれば出会うことができます。
私自身は、高校受験の国語の勉強に取り組む中で読書の楽しさに気が付きました。
読解演習でいくつもの作品に触れる中で、「一部分だけでなく、最初から最後まで読んでみたい!」と思える作品にいくつも出会いました。
受験勉強中は読書をする時間はありませんでしたが、高校に進学してからは本を読み漁りました。
今でも本のない生活は考えられないと思うほど本が好きです。
高校受験がなければ、私は今でも読書の楽しさを知らなかったかもしれません。
興味がなくても取り組んでみたら興味が出ることもある
やってみるまではたいしておもしろくないだろうと思っていたことが、やってみたらすごくおもしろかったということはあると思います。
知れば知るほどおもしろくなっていくこともありますし、上達すればするほど楽しくなっていくこともあります。
たとえば、将棋を知らない人が将棋の対局を見ても、

と、思うでしょう。
ですが、将棋はやってみればおもしろいですし、知れば知るほどおもしろくなっていきます。
そのようなことが世の中にはゴロゴロと存在しています。
はじめは興味を持てずに、

と、思って取り組みはじめた勉強が、

と、なることもあります。
しかし、おもしろくなってくる前に投げ出してしまう子どももいます。違いは何でしょうか。
成功体験がポイント
おもしろくなってくるまで継続して取り組めるかどうかは、過去の成功体験がカギになります。
以前、なにかに一生懸命取り組んでいく中でどんどんのめり込んでいくという体験をしていると、

と、思えるようになります。
最初の成功体験は興味のあることで
この記事の前半で、興味のあることにとことん取り組ませてあげてほしいと書いたのは、ここにポイントがあります。
無理やりやらされる勉強よりも、自分から取り組みたいと思っていることで最初の成功体験を積ませてあげてください。
この成功体験を得ることができるかどうかが、今後の勉強の取り組み方に影響します。
学校に通っている間だけでなく、大人になってからの学びにも大きく影響します。
まとめ
それでは、なぜ勉強は辛いのかということについてまとめます。
勉強が辛い理由
- テストで評価されるから
- テストにはルールや決まりがあるから
- 興味がない勉強もしなければならないから
勉強は「学び」であれば楽しいのですが、「テスト対策」であると辛くなってしまうことが多いです。
まずは伸び伸びと勉強して、勉強を楽しめると良いです。
勉強を楽しむための6つのポイント
- 人は頭を使うことが好き
- テストに出るものだけが勉強ではない
- 興味のあることにとことん取り組む
- 親も一緒に楽しむ
- 成功体験を積む
- できたことを褒め合う
子どもが興味のあることにとことん取り組ませて、まずは「知れば知るほど楽しい」という体験を積ませてあげてください。
そうすれば、何か新しいことに取り組むことになった時も、すぐに諦めずに取り組めるようになります。
もちろん、本気で取り組んでいれば「辛い」と思うこともあります。
それでも、続けてみたら楽しくなってくるかもしれないと思えれば「辛さ」もやわらぐでしょう。
今回の記事が、お子様が勉強することの楽しさを知るきっかけとなればとてもうれしいです。