こんにちは。エデュサポ(@edsuppor)です。
うちの子はなかなか志望する大学を決められません
大学入試の志望校って、どのように決めれば良いのでしょうか
大学入試は高校受験の時よりも選択肢が多くなるため、迷ってしまったりわからなくなってしまうことが多いです。
私も、大学の志望校選びに迷われている保護者の相談を何度も受けました。
そこで、今回は大学入試の志望校の決め方について解説します。
私は以前、塾講師の仕事をしていました。集団塾と個別指導塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営の仕事をしていた時期もあります。かれこれ20年以上、塾業界で働きました。
これまでの経験を基にお話します。最後まで読んでいただき、お子様が第一志望の大学を決めて、目標に向けて一生懸命勉強に取り組めるようにするための参考としていただければとてもうれしいです。
大学入試の志望校の決め方
それでは、早速大学入試の志望校の選び方を解説していきます。

このように考えている高校生は多いのですが、この考え方は非常に危険です。
理由は2つです。
2つの理由
- 高校受験に比べて大学入試の難易度がは格段に高い
- 高校受験に比べて大学入試は選択肢が格段に多い
高校受験に比べて大学入試の難易度は格段に高い
大学入試は高校受験に比べて格段に難易度が高いです。
まず、大学入試は高校入試に比べて倍率が高いです。
例として、2023年度の東京都都立高校普通科の平均受験倍率と、2023年度国公立大学の確定志願倍率、2023年度の早稲田大学社会科学部の一般選抜の実質倍率を比べてみましょう。
学校 | 倍率 |
東京都都立高校 | 1.36倍 |
国公立大学 | 4.3倍 |
早稲田大学社会科学部 | 9.0倍 |
※参考資料
令和5年度東京都立高等学校入学者選抜受検状況|東京都教育委員会ホームページ
令和5年度国公立大学入学者選抜の確定志願状況及び2段階選抜実施状況(前期日程)について:文部科学省
難関大学の倍率は、5倍を超えることが珍しくありません。
倍率だけで難易度を計ることはできませんが、大学入試の難易度を示す一つの目安にはなると思います。
なんとなくでは合格できない
大学入試の難易度は高いので、「行けるところに行こう」と思っていると、どこにも行けません。

という明確な目標を持って、その目標を達成するために何をすべきかをしっかりと考える必要があります。
>>大学受験の勉強はいつから?高校受験の意識のままでは絶対に間に合わない!
高校受験に比べて大学入試は選択肢が格段に多い
公立高校であれば、どこの高校へ行っても勉強する内容は基本的に同じです(一部学習内容が異なる高校もあります)。
ですが、大学の場合は学校ごとに特色が大きく異なります。
学部や学科によって、学ぶ内容は大きく異なります。
また、学区に関係なくどこの大学でも受験することができます。
大学は高校に比べて選択肢が格段に多いため、志望校を決めるためには多くの時間を費やして大学調べを行う必要があります。
膨大な選択肢をある程度絞るためには、「偏差値」以外の要素も考える必要があります。
では、どうやって志望校を絞っていけばよいでしょうか。
大学入試の志望校を選ぶ時のポイント
大学入試の志望校を選ぶときは、次の7つのステップで考えることをおすすめします。
子どもによって状況が異なるので、全員がこの手順で決められるわけではありません。
手順の前後が入れ替わったり、別の要素が絡んでくることもあります。
それでも、全体の方針としては参考になると思いますので、今後の志望校選びの参考にしてください。
大学入試の志望校の選び方
- 何をしたいか決める
- そのために何を学ぶ必要があるか考える
- 行きたい学部・学科を決める
- 学びたいことを学べる学校を調べる
- 大学の公式サイトを見てみる
- 大学のイベントに参加する
- 1校に絞る必要はない
一つひとつ解説します。
ステップ1 何をしたいか決める
大学入試の志望校を選ぶ時にまず最初にやるべきことは、「何をしたいか決める」ことです。
「何をしたいか決める」ことが一番大事で、志望校選びにおいて一番時間を使って考えてほしいことです。
前述の通り、大学は学部や学科によって学べる内容が大きく異なります。
同じ名前の学部学科であっても、大学が異なれば特色が大きく異なります。
「自分は何をしたいのか」という指針があれば、進むべき方向を決めやすいです。
具体的である必要はない

そのような高校生も多いでしょう。それでもまったく問題ありません。
むしろ、その方が良いこともあります。
「自分がやりたいこと」というと、具体的な職業を考える人が多いのですが、もっと大きな方向性を考えたほうが良いです。
変化のスピードが速くなっていく現代社会では、その職業が10年後や20年後も存続しているとは限らないからです。
私が小さい頃に憧れた、駅の改札口で切符を切る仕事はもうありません。
「医者になりたい」という具体的なものよりも、「病気の人を助けたい」という抽象的な方向性の方がよいでしょう。
「理科系の仕事」や「人に感謝される仕事」でも良いでしょう。
「なんとなくボンヤリと」でも良いので、自分がやりたいことを考えてみることが大切です。
ステップ2 そのために何を学ぶ必要があるか考える
ボンヤリとでも自分が何をしたいかを考えたら、そのために何を学ぶ必要があるかを考えます。
たとえば、医者になりたいということであれば、医学について学ぶ必要があります。
病気の人を助けたいということであれば、薬学や生物学、理学、農学について学ぶと良いでしょう。
得意なことから考えるのも良い
「理系の仕事」や「人に感謝される仕事」の場合は、抽象的すぎて何を学ぶべきかわからないかもしれません。
そんなときは、自分の得意なことを考えると良いです。
「理系の仕事」であれば、自分の得意をどんな仕事で活かせそうか考えてみましょう。
「人に感謝される仕事」であれば、自分の得意をどのように活用すれば人の役に立つかを考えてみましょう。
実は仕事ってたくさんある

このように思った場合、まず思いつくのは「通訳」や「翻訳家」等です。
しかし、世の中には実に多くの仕事があって、調べてみるれば今まで考えもしなかった仕事を見つけることができることもあります。
たとえば、神田外語学院のブログには、英語を活かせる仕事が35種類も紹介されています。
自分の得意を活かすためにどんな仕事ができるのか、積極的に調べてみると新たな発見ができます。
積極的な理由であるべき

このような話を高校生から聞くことは多いです。
ですが、行動するための理由は積極的なものであるべきです。
「~ができないから・・・をやらない」よりは、「~が得意だから・・・をやろう」という形のほうが絶対に良いです。
その方がテンションも上がりますし、受験勉強も頑張れます!
ステップ3 行きたい学部・学科を決める
自分のやりたいことや、そのために何を学ぶかを考えたら、行きたい学部や学科を決めましょう。
学部や学科は一つに絞る必要はありません。
たとえば、「病気で苦しむ人を助けたい」ということであれば、医学部だけでなく、薬学部や農学部、生命科学部、応用生物科学部、場合によっては理学部や工学部でも必要なことを学ぶことができます。
「得意な英語を活用したい」ということであれば、外国語学部や国際文化学部だけでなく、文学部や社会学部、経済学部、経営学部、法学部、教養学部も視野に入れると良いでしょう。

そう思ってしまう方は多いのですが、最初から学部や学科を絞ってしまうと視野が狭まってしまいます。
学部や学科を決める段階では、複数の候補を持っておくことをおすすめします。
ステップ4 学びたいことを学べる学校を調べる
同じ名前の学部や学科であっても、大学ごとに学ぶ内容や学び方に特徴があります。
また、大学によっては人気の高い学部があったりもします。
学部名や学科名だけで判断せずに、多くの大学を調べてみることをおすすめします。
ただ、多くの大学を細かく調べるのは大変なので、まずは概要だけをざっと調べて、それから詳細を調べるようにすると良いでしょう。
大学・学部・学科の概要を調べる際は、『スタディサプリ 進路』や『大学受験パスナビ:旺文社』というサイトがとても便利です。
ステップ5 大学の公式サイトを見てみる
大学・学部・学科の概要を調べてみて気になるものがあれば、その大学の公式サイトを訪れてみましょう。
各大学の公式サイトには、各学部の詳しい情報や、受験生向けに入試情報を発信しているページがあります。
ガイドブックやパンフレット、入試要項等をWeb上で見ることもできるので、その大学のことを詳しく知ることができます。
大学の公式サイトには、他のどのサイトよりもその大学の詳しい情報が載っています。
口コミサイトやまとめサイトだけでなく、必ず公式サイトを見てみることを強くおすすめします。
ステップ6 大学のイベントに参加する
Webサイトなどの情報だけではわからないことも多いです。
大学の公式サイトを見て魅力を感じたら、その大学を自分の目で見に行きましょう。
そのために、大学が開催しているイベントに参加してみてください。
大学によって異なりますが、各大学は受験生を集めるために様々なイベントを開催しています。
高校生が参加できるイベント
- オープンキャンパス
- 説明会
- 入学相談会
- 大学見学ツアー
- 学園祭
どのイベントも最近はオンラインで参加できるものも多いです。
ですが、できる限り現地に行ってリアルで参加することをおすすめします。
実際に肌で感じることでわかることも多いからです。
Twitterはフォローすべき
Twitterで情報を発信している大学も多いです。
公式サイトは多くの情報が散らばっているため、頻繁にすべての情報を見に行くのは現実的ではありません。
そのため、最新情報を見落としてしまう可能性があります。
その点、Twitterをフォローしておけば、イベントなどの最新情報を見落とす可能性は少なくなります。
ステップ7 1校に絞る必要はない
志望校は1校に絞るべきではありません。
もちろん、第一志望校として憧れの大学を1つ決めておくのは問題ありません。
むしろ、それは良いことです。
ですが、その大学だけに絞ってしまい、他の大学のことを無視してしまうことは良くありません。
この記事の冒頭でも解説した通り、大学入試の難易度は非常に高いです。
よっぽどの事情がない限り、第一志望の大学だけを受験するということはありません。
併願校をいくつも受験するのが一般的です。
河合塾の調査によると、1人で3校~5校受験した受験生が多いようです。
入試直前は時間がない
入試直前になると、大学や学部について考えたり調べたりする時間はありません。
そのため、早い時期から複数の大学について調べておく必要があります。
可能であれば、高校2年生のうちに多くの大学のリサーチを行い、高校3年生になったら勉強に集中できるように準備しておくことをおすすめします。
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まとめ
それでは、大学入試の志望校の決め方をまとめます。
まず、「行けるところに行こう」と考えて大学入試の準備をすると失敗します。
明確に、「この大学のこの学部に行きたい!」という目標を持つことはとても大切なことです。
行きたい大学や学部を選ぶときは、次の7ステップで選ぶと良いでしょう。
大学入試の志望校の選び方
- 何をしたいか決める
- そのために何を学ぶ必要があるか考える
- 行きたい学部・学科を決める
- 学びたいことを学べる学校を調べる
- 大学の公式サイトを見てみる
- 大学のイベントに参加する
- 1校に絞る必要はない
高校3年生になるまでにできる限り多くの大学をリサーチしておき、高校3年生になってから志望校選びに時間を取られないようにしましょう。
そうすることで、高校3年生になってからは受験勉強に集中して取り組めるようになります。
今回の記事が、お子様の将来の目標に合った大学を見つけるきっかけとしていただければとてもうれしいです。