こんにちは。エデュサポ(@edsuppor)です。
タブレットを使って勉強する教材があると聞いたのですが、本当にタブレットで勉強できるのでしょうか
勉強はやっぱり紙と鉛筆を使うべきではないでしょうか
教育もようやくデジタル化が進んできていて、民間からはタブレットを活用した学習教材も多く登場しています。
しかし、紙と鉛筆での勉強に慣れ親しんできた世代からすると、「実際タブレット学習教材での勉強ってどうなの?」と、思われている方も多いと思います。
そこで、今回はタブレット学習教材のメリットとデメリットを紹介します。
私は以前、塾講師の仕事をしていました。集団塾と個別塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営の仕事をしていた時期もあります。かれこれ20年以上、塾業界で働きました。
これまでの経験を基にお話します。最後まで読んでいただき、タブレット学習教材を導入するかどうかの判断に役立てていただければとても嬉しいです。
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タブレット学習教材のデメリット
早速、タブレット学習教材の3つのデメリットを紹介します。
タブレット学習教材のデメリット
- 学習の進捗管理が難しい
- モチベーション維持が難しい
- タブレットとタッチペンは慣れが必要
一つひとつ解説します。
デメリット1 学習の進捗管理が難しい
タブレット学習教材の最大のデメリット。それは、子どもの学習進捗を管理することが難しいということです。
塾や予備校に通っていたり、家庭教師がついている場合は、子どもの学習進捗は先生方が管理してくれています。
いつまでにどこまで学習を進めて、定着のために演習をどれくらいやるかを、すべて先生が決めてくれます。
学習に遅れがあった場合はすぐに気がついて、学習計画の修正を行ってくれています。
タブレット学習教材に限らないのですが、通信教育教材では、そういった学習進捗の管理を保護者が行う必要があります。
各社が対策をしている
各教材会社も、この最大のデメリットを埋めるためにいろいろな対策をしてくれています。
教材会社側で学習カレンダーを作ったり、保護者にメールやLINEで学習状況を報告したり、専属のコーチをつけてくれたりします。
そのような工夫があったとしても、塾や予備校や家庭教師に比べれば、保護者の負担は大きくなります。
教材を子どもに手渡すだけでは、ほとんどの場合は予定通りに学習を進めることはできません。子ども一人で自分の学習進捗を管理することは非常に難しいです。
塾や家庭教師であっても任せきりにしていてはいけませんが、通信教育教材やタブレット学習教材では、学習管理に関する保護者の負担がグッと大きくなることを知っておいてください。
デメリット2 モチベーション維持が難しい
タブレット学習教材に限ったことではありませんが、勉強へのモチベーションを維持することが難しいです。
勉強へのモチベーションについては、人を介してモチベーションを上げている子どもが多いです。



このように、子どもが勉強を頑張るきっかけには「人」が関係していることが多いです。
タブレット学習教材では先生と直接会って話をするわけではないので、これらの役割を保護者が担う必要があります。
各社が工夫をしている
各教材会社も、モチベーション維持については工夫を凝らしています。
担当のコーチが子どもに向けてメッセージを送ってくれたり、保護者宛てに「今週はお子様がここを頑張ったから、こうやって褒めてほしい」というメッセージを送ってくれたりします。
ただ、最後のところは生身の人間とのコミュニケーション、つまりは、保護者とのコミュニケーションが必要になります。この点においても、保護者の負担は大きいです。
ただ、タブレットならではのモチベーションアップの方法もあります。
タブレットならではのモチベーション維持方法も
勉強にゲーム要素を加えたり、出題される問題の難易度を学習理解度に応じて自動で調整して、スモールステップで習得できるようにしていたりします。
保護者の負担は大きいですが、上手に活用すると大きなモチベーションアップにつながる可能性もあります。
>>継続できる!通信教育で塾以上の成果を得るための6つのコツ
デメリット3 タブレットとタッチペンは慣れが必要
デジタル機器に慣れ親しんだ子どもであっても、タブレットとタッチペンに慣れるまでは少し時間がかかります。
液晶画面に文字を書いたりすることは、紙に書く感触とはかなり異なります。
特に、筆圧の安定しない小さな子どもには大変かもしれません。
逆に、消しゴムに関しては、力を入れてゴシゴシする必要のないタブレットの方が有利だったりします。
早いうちから慣れておくことは大事
いずれにしても、早いうちからタブレットとタッチペンに慣れておくことは良いことです。
今の子どもたちが大人になる頃には、紙に何かを書く機会の方が少なくなる可能性が高いからです。
紙と鉛筆も使う
また、タブレット学習教材を利用する場合であっても、ノートと鉛筆も活用すると良いと思います。
特に、大量に何かを書く場合は、タブレットよりも紙のほうが書きやすいでしょう。
たとえば、漢字テストや英単語テストはタブレットで行って、暗記するときは紙にたくさん書いて練習するというように、紙とタブレットの良いところを組み合わせながら活用すると良いでしょう。
タブレット学習教材のメリット
続けて、タブレット学習教材の4つのメリットを紹介します。
タブレット学習教材のメリット
- さかのぼり学習や先取り学習がしやすい
- その場で採点されるので、すぐに復習できる
- 時間に縛られない
- 動画やアニメーションでの解説がわかりやすい
それでは、一つひとつ解説していきます。
メリット1 さかのぼり学習や先取り学習がしやすい
タブレット学習教材の最大のメリットは、さかのぼり学習や先取り学習に比較的自由に取り組めることです。
塾や学校では、例えば中学校2年生の生徒であれば、基本的には中学2年生の学習に取り組みます。
つまり、小学5年生の勉強でつまずいてしまっている中学校2年生の子どもにとっては、

ということになってしまいます。
逆に、中学校2年生の勉強を完璧に理解してしまっている中学校1年生の子どもにとっては、

ということになってしまいます。
学年を超えるなら圧倒的にタブレット学習
タブレット学習教材は、学年を超えてさかのぼって学習したり、学年を超えて先取りの学習をしたりするのに非常に便利です。
個別指導の塾や家庭教師でも、学年を超えてさかのぼったり、先取りをしてくれることが多いです。
しかし、学年を超えた学習というものは、学年通りの学習に比べると時間がかかります。塾や家庭教師のような、1週間に数時間の授業では対応が難しいのです。
その点、タブレット学習教材には時間制限はありません。努力次第では好きなだけおさらいができますし、好きなだけ先取りができます。
さかのぼりや先取りは教材会社による
さかのぼり学習や先取り学習ができるかどうかは、教材会社によって異なります。
「小学5年生コース」で申し込むと、小学5年生の内容のみしか学習できないというシステムの教材会社もあります。
また、同じ学年のバックナンバー(小3の10月であれば、小3の4月号~9月号)は何度でも復習できるようになっている教材会社もあります。
無学年式の教材会社もあります。何年生であっても、小1~高3までの内容の取り組みたい部分を、どこでも取り組めるような教材もあります。
別の学年に申し込むこともできる
別の学年のコースを契約してしまうという方法もあります。
小学校5年生が、小学6年コースに申し込んで、1年分先取り学習を進めるという使い方も有効です。
逆に、下の学年のコースに申し込んで、苦手を克服するという使い方も有効です。
学年にとらわれない勉強ができるというのは、タブレット学習教材の大きな大きなメリットです。
メリット2 その場で採点されるので、すぐに復習できる
できなかったものをできるようにするのが勉強です。
よって、勉強において復習というのは超重要です。
そのため、問題を解いたと同時に採点がされ、すぐに復習に取り組めることは、タブレット学習教材の大きなメリットです。
タブレット学習教材は、ほとんどの場合、問題を解いたその場で自動採点されます(一部、人が時間をかけて添削する場合もあります)。
そして、その場で解説が表示されます。
そのため、すぐに復習することができるのです。
教材によっては、間違えた問題から子どもの苦手ポイントを分析し、克服のための問題を出題するようなものもあります。
また、問題の難易度を自動で調整してくれる教材もあります。
丸付けはこまめにした方が良い
紙と鉛筆での勉強の場合、ある程度の数の問題を解いてから丸付けをします。
勉強が苦手な子どもは、10ページも20ページも問題を取り組んでからまとめて丸付けをしたりします。そして、丸付けをして「はい!おしまい!」と、してしまう子どもも多いです。
丸付けをしたあとが勉強です。
バツがついた問題を克服しなければ、勉強したということにはなりません。
丸付けはなるべくこまめに行うほうが効率が良いです。
何十ページも問題を解いてから丸付けするのは論外です。
最低でも1ページ解いたら丸付け、できれば大問1つごとに丸付け、もし可能であれば1問1問丸付けするのが良いです。
こまめに丸付けをすべき理由
問題集の問題は、後ろへ行けば行くほど難しくなっていきます。
そのため、1問1問しっかりと理解してから次へ進んだほうが効率的です。
たとえば、大問1で「6+8=」という問題が出たとしましょう。
ちょっと簡単すぎますが、説明のために簡単な問題にします。
この問題を「6+8=15」と間違えてしまったとします。
すると、大問2で「6+8+10=」という問題が出題されれば、「6+8+10=25」と、間違えてしまうことになります。
さらに、大問3で「(6+8)×3+5=」という問題が出題されれば、「(6+8)×3+5=50」と、間違えてしまうことになります。
全部解いてから全部丸付けをした場合、全部バツになり、全部計算し直さなければなりません。
しかし、大問1の時点で丸付けをして、

と、理解することができれば、大問2と大問3は正しく計算できます。
このように、丸付けはこまめにした方が効率的なのです。
タブレット学習教材では、こまめな丸付けを自動的に習慣化できることことが大きなメリットです。
メリット3 時間に縛られない
メリット1の「さかのぼり学習や先取り学習がしやすい」でも少し触れましたが、時間に縛られないことはタブレット学習教材の大きなメリットです。
塾であれば授業の曜日や時間が決まっていますが、タブレット学習教材であれば、曜日や時間を自由に設定することができます。
部活の休みが曜日で固定されていなくても、部活が休みの日に勉強に取り組むことができます。
塾であれば、授業時間が「1週間に何分」と決まっていますが、タブレット学習教材であれば、取り組みたいだけ取り組むことができます。
そのため、先取り学習をどんどん進めたいという子どもであれば、努力次第で何学年も先の先取りをすることもできます。
苦手の克服をしたいという子どもであれば、頑張り次第でとことん苦手単元に取り組むこともできます。
時間に縛られないことはデメリットにもなる
時間が自由であるということは、好きなだけサボれるという意味でもあります。
時間管理の練習になるとも言えますが、子どもだけで時間管理をするのはまだ無理があります。
デメリット1の「学習の進捗管理が難しい」でも書いた通り、保護者の協力は絶対に必要です。
メリット4 動画やアニメーションでの解説がわかりやすい
タブレット学習教材は、紙の教材に比べて視覚的イメージを活用しやすいです。
文字だけの教材よりも、絵や写真があった方が理解しやすいですし、記憶にも残りやすいです。
紙の教材はページ数の関係上、スペースを取ってしまう絵や写真の数には制限があります。
しかし、デジタル教材であればスペースを気にする必要はありません。
絵や写真を使った説明がしやすくなります。
また、学ぶ内容によっては、動画やアニメーションなどで動きをつけた方が説明しやすい内容もあります。
紙で動きをつけることはできませんが、タブレットなどのデジタル教材であれば可能です。
授業配信も便利
動画授業がついているような教材であれば、わからなかった部分を何度でも見返すこともできます。
一時停止や早送り、倍速再生もできたりするので、勉強のやり方が身についてきていれば、学習効率を一気に上げることもできます。
まとめ
それでは、タブレット学習教材の3つのデメリットと4つのメリットをまとめます。
タブレット学習教材のデメリット
- 学習の進捗管理が難しい
- モチベーション維持が難しい
- タブレットとタッチペンは慣れが必要
タブレット学習教材のメリット
- さかのぼり学習や先取り学習がしやすい
- その場で採点されるので、すぐに復習できる
- 時間に縛られない
- 動画やアニメーションでの解説がわかりやすい
タブレット学習教材は上手に使いこなすことができれば、非常に学習効率の高い勉強をすることができます。
私個人の意見としては、紙の教材よりも断然タブレット学習教材をおすすめします。
一方で、デメリットの部分の対策をしておかなければ、ただお金を捨てるだけになってしまいます。
タブレット学習教材は、塾や予備校や家庭教師と比べて保護者が子どもの学習管理をしっかりとやってあげる必要があります。
今回の記事が、お子様がより良い学びの方法を見つけるきっかけとなればとてもうれしいです。