こんにちは。エデュサポです。
うちの子は全然勉強しません
うちの子はなかなか勉強にやる気を出してくれなくて・・・
こういった悩みは、保護者の方によく相談されます。
子どもたちに「勉強しなさい!」と言っても、素直に勉強に取り組んではくれませんよね。
さて、先日、次のようなツイートをしました。
勉強には動機が必要です。
ただ「勉強しなさい!」と言うだけでは、子どもはなかなか勉強に取り組みません。それは、勉強する動機がないからです。人は、動機がなければ行動しません。
子どもの勉強について悩むのであれば、「どうやって」よりも「なぜ」に悩むと良いです。#勉強 #モチベーション
— エデュサポ@元塾教室長 (@edsuppor) December 19, 2021
勉強には動機が必要です。
ただ「勉強しなさい!」と言うだけでは、子どもはなかなか勉強に取り組みません。それは、勉強する動機がないからです。人は、動機がなければ行動しません。
子どもの勉強について悩むのであれば、「どうやって」よりも「なぜ」に悩むと良いです。
子どもたちが勉強に取り組む際の動機は、大きく3種類あります。
私は、子どもたちが勉強に取り組む動機を、好ましくない方から3段階に分け、最も好ましい動機を持てるようにするためにはどうすればよいかを常に考えていました。
具体的な勉強へのモチベーションの3段階は、次の通りです。
勉強へのモチベーションの3段階
- 怒られるからやる
- やるべきだからやる
- やりたいからやる
私は以前、塾講師の仕事をしていました。集団塾と個別塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営の仕事をしていた時期もあります。かれこれ20年以上、塾業界で働きました。
これまでの経験を基に解説します。お子様の勉強へのモチベーションの分析をしていただき、お子様が前向きに勉強に取り組めるようになっていただければとても嬉しいです。
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STEP1 怒られるからやる
子どもが勉強に取り組む動機として最も好ましくないのは、「怒られるから」という動機です。
遊んでいないで勉強しなさい!
どうしてこんなにテストの点数が悪いんだ!
と、大きな声で怒鳴りつければ、子どもは「怒られたくない」と思って勉強に取り組みます。
外から見ると子どもがしっかりと勉強しているように見えるので、問題がないように見えるのですが、勉強のモチベーションが「怒られるから」であることは非常に大きな問題です。
「怒られるから」は、勉強嫌いの温床
勉強にはある程度の強制力や、ルール作りは必要です。
「子どもに全て任せきりにしていたら、勝手にたくさん勉強するようになった。」なんていうのは激レアです。
しかし、子どもを叱りつけながら、無理矢理に勉強させ続けるのはやめてください。
「怒られるから勉強に取り組む」というのは、最もネガティブな動機です。
勉強への動機がネガティブな場合、続ければ続けるほど勉強を嫌いになってしまいます。
勉強とは、本来は楽しいものです。学ぶことは、本来は楽しいものです。勉強の楽しさを知ることも、勉強の一部と言えます。
「怒られるから」は、長続きしない
怒られるからという理由で勉強している子どもは、怒られなくなれば途端に勉強しなくなります。勉強する動機がなくなるので当然です。
もう既に勉強が嫌いなっているので、チャンスがあれば勉強をサボります。
小学校高学年や中学生くらいになると、サボり方もだんだん上手くなってきます。
頭が痛くて集中できない
まだ習ってないところが宿題に出たからできない
部活が忙しくて勉強できない
そして、段々と体が大きくなって力が強くなってくると、怒られても勉強をしなくなります。
何よりも、大人になって家を出たら、確実に学ぶことをやめてしまいます。
勉強嫌いを直すのは大変
一度勉強嫌いになってしまうと、そこから勉強を好きになってもらうのは本当に大変です。
次のステップに上がれるようにあれやこれやと試しますが、多大な時間と労力を必要とします。
勉強を好きになってもらうには、まずは勉強に取り組んでもらう必要があります。しかし、勉強嫌いな子どもは既に勉強にネガティブなイメージを持っているので、勉強に取り組みたくありません。
このパラドックスをなんとかしなければならないのです。
塾に来る生徒たちの中でも、「怒られるから勉強する」という生徒は、年齢が上がれば上がるほど指導が難しくなります。
ですので、勉強に対する強制力は強すぎてはいけません。
ある程度の強制力とルール作りで勉強に取り組ませながら、次のステップに上がれるよう子どもをサポートしてあげる必要があるのです。
STEP2 やるべきだからやる
では、勉強へのポジティブな動機を持つためにはどうすればよいでしょう。その答えは、「勉強する目的を持たせる」です。
勉強は手段であって、目的ではありません。勉強はやりたいことをやるための手段です。勉強はなりたい自分になるための手段です。
子どもが勉強する目的を持っていれば、「怒られるからやる」から「やるべきだからやる」に昇格できます。
ここで初めて「自主性」や「能動性」が生まれます。
親は、「勉強しなさい!」と言い続けるのではなく、「なぜ勉強すべきなのか」を子どもに問いかける必要があります。
まずは子どもとの対話から
勉強する目的は、人によってそれぞれ異なります。
たとえば、「病気で苦しむ人達を助けるために、お医者さんになりたい!」と考えている子どもであればわかりやすいです。医者になることが勉強の目的となります。
医者になることが目的、目的を達成するための手段が勉強です。
子どもがまだ勉強する目的を見つけられてないようであれば、まずすべきことは、子どもの「やりたいこと」「なりたいもの」の発掘です。
子どもの「やりたいこと」「なりたいもの」を発掘するために、まずは子どもと対話をしてみてください。
「どんなことがしたいか」「どんな大人になりたいか」「どういう人間でありたいか」「何に興味があるのか」「何が好きか」「何が得意か」「何が苦手か」。
たくさん子どもに聞いてみてください。子どもはそれらの質問に答えることで、頭の中が整理され、言語化され、だんだんと自分のやりたいことが具体的に見えてきます。
親の希望は二の次
子どもとの対話のときは、親の希望や親の価値観は一旦隅に置いておいてください。
「おまえは親の仕事を継いで弁護士になるんだ!」「東大以外は絶対に認めん!」と、押し付けてはいけません。
押し付けてしまえば、ステップ1の「怒られるからやる」に逆戻りです。
対話の際に親がすべきことは、「問いかけること」「話を聞いてあげること」「知識を与えてあげること」です。
子どもの話をよく聞いて、「それならこういうものもあるよ。」「こんな人もいるんだよ。」「一緒に調べてみよう!」と、子どもにインプットの機会を与えてあげることです。
STEP3 やりたいからやる
勉強とは本来、楽しいものです。勉強とは本来、面白いものです。
勉強も本気で取り組めばしっかりと辛いものではありますが、根底には楽しさと面白さがあります。
一方で、勉強の楽しさを知るためには、勉強に取り組む必要があります。できる限りポジティブに勉強に取り組む必要があります。
子どもが一度勉強の楽しさを知れば、もう親が「勉強しなさい!」と怒る必要はありません。
子どもが勉強に後ろ向きになっているときに、悩みを聞いてあげる程度の関わりで十分になります。
勉強へのモチベーションについては、この「やりたいからやる」がベストです。ここを目指して導いてあげることが大切です。
ここまでたどり着ければ、成長して大人になっても学ぶことをやめることはありません。いつまでも成長し続ける人間になれるでしょう。
運良くSTEP3に一気にたどり着けることも
世の中には、勉強の楽しさを教えることが本当に上手な人がいます。
子どもの、「なんで?」「不思議!」「もっと知りたい!」を上手に引き出すことができる人がいます。そんな人に出会えたらラッキーです!
また、普段の生活の中で強く好奇心を惹かれるものにたまたま出会って、「もっと勉強したい!」と思うこともあります。そんなものに出会えたらラッキーです!
そうなれば、運良くひとっ飛びに「やりたいからやる」というモチベーションを手に入れることができます。
また、「勉強の楽しさを教える」については、親も関われることです。
是非、子どもにいろいろな体験をさせてあげて、子どもの好奇心に引っかかるものを一緒に探してあげてください。
体験は勉強に関係のないものでも構いません。多くの体験に出会うこと大切です。勉強はその後でついてきます。
体験に関しては、以前noteに「知識を身につけるには体験が不可欠」という記事を書きました。よろしければそちらも覗いてみてください。
それでも勉強する目的は持つべき
運良く、一気にステップ3の「やりたいからやる」にたどり着けた場合でも、ステップ2の「やるべきだからやる」も意識させてあげてください。
どんなに楽しいと思って取り組む勉強であっても、本気で究めようと思えば大変な苦労を伴います。
どんなに好きなことでも、どうしても辛くなってしまうこともあります。
そんなときに味方になるのは、勉強する目的です。
辛いと思ったときも、「なんのために勉強していたのか」「どうなりたくて勉強していたのか」を思い出せると、それが原動力となってまた頑張ることができます。
まとめ
それでは、勉強へのモチベーションの3段階をまとめます。
勉強へのモチベーションの3段階
- 怒られるからやる
- やるべきだからやる
- やりたいからやる
勉強には、最初はある程度の強制力やルール作りが必要です。
しかし、強制力に甘えずに、勉強する目的を持たせて「やるべきだからやる」に、勉強の楽しさを知ってもらい「やりたいからやる」にステップアップできるようサポートしてあげる必要があります。
今回の解説を参考にしていただき、お子様が自主的に勉強するようになっていただけたら、私はとても嬉しいです。