こんにちは。エデュサポ(@edsuppor)です。
子どもに英検は受けさせているのですが、漢検も受けさせたほうがいいですか?
うちの子は英語が苦手で英検になかなか合格できません。漢検でも受験に使えますか?
高校受験に英検が有利なことはよく知られていますが、漢検については学校でもあまりアナウンスされません。
「漢検ってどうなの?」と、思われている保護者の方も多いです。
結論
漢検は高校受験に超絶有利なので、中学生は絶対に受けるべきです。
今回は、漢検が高校受験に超絶有利な3つの理由を解説します。
私は以前、塾講師の仕事をしていました。
集団塾と個別指導塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営の仕事をしていた時期もあります。
かれこれ20年以上、塾業界で働きました。
これまでの経験を基にお話します。
最後まで読んでいただき、お子様が漢検を武器に高校受験を成功させるための参考としていただければとてもうれしいです。
漢検が高校受験に超絶有利な3つの理由
それでは、さっそく漢検が高校受験に超絶有利な3つの理由を紹介します。
漢検が高校受験に超絶有利な3つの理由
- 推薦入試に有利
- 定期テスト勉強に有利
- 受験勉強に有利
一つひとつ解説していきます。
理由1 推薦入試に有利
漢検は推薦入試に有利です。
英検が推薦入試に有利であることはよく知られていますが、漢検も推薦入試の際に有利になります。
漢検も、英検とほぼ同等の効果があります。
更に、英検3級よりも漢検3級のほうが取りやすいと言う子どもは多いです。
もちろん子どもの得意不得意によるので一概には言えませんが、漢検は必要な努力量に対して得られるメリットが大きいと言えます。
私立併願校に必ず合格できることも
高校入試のシステムは、各都道府県によって異なります。
そのため、すべての都道府県にあてはまるわけではありませんが、私立の併願推薦は、受験する前に合格の確約がもらえる場合があります。
併願とは、複数の学校に出願することです。
たとえば、東京・神奈川・千葉では、私立の併願推薦で合格の確約がもらえるシステムになっています。
では、私立の併願推薦で合格の確約をもらうためにはどうすればよいのでしょうか。
私立併願推薦には基準がある
私立の併願推薦では、内申点が合格確約の基準になります。
内申点というと、部活動で活躍したり、クラスの委員長を務めると一筆書いてもらえたり、生徒会役員になると良いと言われることが多いですが、それは違います(部活や生徒会活動で加点がある学校もあります)。
ザックリ言うと、内申点とは通知表の5段階評定の数字のことです。
つまり、通知表の5段階の数字の合計が、合格基準点を超えていたら合格です。
この合格基準点は、出願前に高校から中学校に提示されているため、出願する前に合格することが約束されるという仕組みです。
しかし、この基準点は、内申点だけで決められているわけではありません。
そう、ここで活躍するのが漢検です。
>>高校入試の内申点とは?重要性・計算方法・上げ方を徹底解説!
漢検で加点される
各高校によってルールが異なるのですが、私立併願推薦の基準点は、内申点の他に英検や漢検等の検定が加点されることがあります。
「漢検3級なら+1点」「漢検準2級なら+2点」「英検3級で+1点、漢検3級で+1点、合計で+2点」としている高校が多いです。
つまり、内申点ではギリギリ基準点に届かなかった場合でも、漢検を持っていれば合格基準点に到達する可能性があります。
私の経験上、漢検を持っていることで救われた生徒はたくさんいます。
逆に、漢検を持っていないことで窮地に立たされる生徒もいました。
私立の併願推薦は必ず取っておきたい
そう思われたとしても、私立の併願推薦は必ず取っておくべきです。
公立高校が第一志望の生徒も、ほぼ全員が押さえの学校として私立高校を受験します。
私立高校を併願推薦で合格しておけば、私立高校の過去問演習をする必要がなくなります。
つまり、第一志望校対策に存分に時間を当てることができます。
これは、受験勉強の戦略としては非常に重要なことです。
それだけ漢検は高校受験において重要な要素になるのです。
しかし、漢検は推薦入試に有利ということだけには留まりません。
理由2 定期テスト勉強に有利
漢検の素晴らしいところの一つは、学校の勉強とリンクしているというところです。
漢検の対策をすることが学校の勉強をすることにつながります。
次の表は、漢検の公式サイトに記載されている各級のレベルです。
漢検の級 | レベル |
5級 | 小学校6年生修了程度 |
4級 | 中学校在学程度 |
3級 | 中学校卒業程度 |
準2級 | 高校在学程度 |
2級 | 高校卒業・大学・一般程度 |
準1級 | 大学・一般程度 |
1級 | 大学・一般程度 |
※参考
各級の出題内容と審査基準 | 漢検の概要 | 日本漢字能力検定
大まかには、4級であれば中学1,2年生程度、3級であれば中学3年生程度の学習内容に相当します。
したがって、漢検に合格するための勉強に多くの時間を割かなくても、学校の勉強に真面目に取り組んでいれば漢検に合格することができます。
中学生にとって漢検は、必要な労力に比べて得られる見返りが大きい、コスパの良い資格なのです。
漢検対策が定期テスト対策になる
とはいえ、漢検の対策を全くしなくてよいというわけではありません。
そう思われたかもしれません。でも、大丈夫です。
漢検対策は、定期テスト対策になるからです。
漢検対策で教科書を先取り
漢検の勉強は、教科書の先取り学習として活用することをおすすめします。
たとえば、小学生のうちに漢検4級や3級の勉強に取り組み、中学校の授業で出てくる漢字はもう見たことがあるという状態にできると非常に効果的です。
中学1年生か2年生の内に、漢検3級や準2級合格に向けて対策するのも良いでしょう。
漢検対策であらかじめ漢字の勉強をしておけば、学校の授業で出てくる新出漢字は復習になります。
暗記は何度も思い出すことでより定着するので、復習することで長期記憶にすることができます。
>>効率的な暗記方法!長期記憶にするための19のコツ【元塾教室長が解説!】
定期テスト対策を時短
漢検対策で漢字を勉強し、学校の授業で復習ができれば、定期テスト前に漢字の対策に時間をかける必要がなくなります。
漢字対策で時短できた分は、読解問題対策に使ったり、他の教科対策に使ったりすることができます。
漢検対策をしておくことで、定期テスト全体の点数を上げることができます。
高校受験では内申点は超重要
定期テストで良い成績を取ることができれば、通知表の評定も期待できます。
内申点については、先程推薦入試の解説の際にも少し触れました。
しかし、高校受験においては、公立高校の一般入試でも内申点は超重要です。
なぜなら、公立高校の一般入試の配点には、内申点も含まれるからです。
都道府県によって学力試験と内申点の配点比率が異なります。
お住まいの都道府県の公立入試の配点を調べてみることをおすすめします。
>>高校入試の内申点とは?重要性・計算方法・上げ方を徹底解説!
理由3 受験勉強に有利
漢検対策の勉強は、受験勉強に役立ちます。
漢検は、内申点を上げて高校受験を戦略的に有利にするだけではなく、学力試験の対策としても大きな力を発揮するのです。
漢検の勉強は入試の漢字問題対策になるだけでなく、読解問題の対策にもなります。
漢検対策は受験勉強に有利
- 漢字の読み書き対策
- 読解問題対策
漢字の読み書き対策
高校受験の入試問題では、ほぼ必ず漢字の読み書き問題が出題されます。
公立高校の入試でも私立高校の入試でも出題されます。
配点も大きく、全体の10%~20%を占めることが多いです。
たとえば、東京都立高校の入試では、漢字の読みが10点、漢字の書きが10点、合計20点が漢字の配点になっています。
実に、配点の20%が漢字問題です。
入試の漢字対策は難しい
漢字は小学校で1000個以上、中学校では更に1000個以上を学びます。
定期テストであれば範囲が決まっているので、せいぜい100個程度の漢字を覚えてしまえば満点を狙えます。
しかし、受験となると出題範囲が広すぎて、小手先の対策では太刀打ちできません。
コツコツと取り組む必要がある
受験の漢字対策は小手先ではどうにもならないので、普段からコツコツと取り組んで、しっかりと定着させる必要があります。
「小テストの時だけ覚えて、テストが終わったら全部忘れる。」というような取り組みでは、受験では戦えません。
一方で、英単語に比べると、漢字をコツコツと取り組めている子どもは少ないです。
英語と数学は中1から塾に通って、国語は中3になってからと、国語を後回しにしてしまうことも多いです。
>>塾の教科選びに迷ったら国語は必ず入れておくべき3つの理由
独学はまず無理
漢字をコツコツと取り組めるようにと思って子どもに漢字練習帳を買い与えただけでは、子どもは取り組むことができません。
本棚にしまいっぱなしになった漢字練習帳もあるのではないでしょうか?
たとえば、塾に通っていれば毎週漢字の小テストがあることが多いです。
学校でも、担当の先生によっては小テストを行っているかもしれません。
範囲を決めてテストで定着度を測ることで、子どもたちはコツコツと取り組むことができるようになります。
コツコツ取り組むためには、ペースメーカーが必要なのです。
漢検をペースメーカーに
漢検を一つのペースメーカーにして取り組むと、目標を持って漢字学習に取り組むことができます。
漢検は小学生レベルから級が用意されているので、漢字が苦手な子どもでも基礎から学び直すことができます。
年齢制限はないので、漢字が得意な子どもはどんどん上の級に挑戦することもできます。
試験日を意識することで、合格を目標として自然と漢字の勉強に取り組むことができます。
読解問題対策
漢検対策は、入試の読解問題対策にも役立ちます。
高校受験の入試問題を解くためには、日常会話レベル以上の語彙力が必要になります。
このように思われている方も多いのですが、子どもたちは思った以上に言葉を知らないものです。
特に、入試問題で出題されるようなレベルの文章の中には、子どもたちが知らない日本語がゴロゴロと混じっています。
知らない日本語が混じっているため、本文を正しく理解できず、問題にも答えられません。
漢字の学習は語彙学習でもある
漢字を覚えることと、言葉を覚えることは似ています。
例として、次の問題を考えてみましょう。
次の下線部のカタカナを漢字一字と送り仮名(ひらがな)に直せ。
学業をオサメル。
答えは「修める」ですね。
「修める」に「まなぶ」という意味があることや、「修得」や「修業」という言葉の意味を知っていれば簡単に答えられます。
逆に「オサメル」という読み方だけを覚えてしまうと、「納める」「収める」「治める」と迷ってしまいます。
「オサメル」のことをもう少し話せば、「納税」という言葉を知っていれば、税金は「納める」だとわかりますね。
漢検は語彙力を問われる問題が多い
漢検は漢字の読み書きだけが出題されるわけではありません。
漢検の過去問が載っているページのリンクを貼りますので、ぜひ確認してみてください。
漢検では、対義語や類義語を答える問題も出題されます。
四字熟語も出題されます。
間違って使われている同じ読みの漢字を探す問題も出題されます。
漢字の読み書きの問題も、「人工衛星がキドウに乗った。」というように、短文で出題されます。
単純に漢字の読み書きを覚えるだけではなく、意味や言葉も覚える必要があります。
そのため、漢検対策の勉強が語彙力を鍛えることになり、語彙力を鍛えることが読解問題対策になります。
いつまでに何級まで取れば良いのか
高校受験に有利という視点であれば、3級を取りましょう。
漢検5級や4級を持っていても、内申点や推薦入試では1mmも役に立ちません(勉強という意味では大いに役に立ちます)。
準2級を目指すべきか
漢字が得意であれば、ぜひ準2級合格を目指してください。
ただ、高校受験だけを見据えるのであれば3級まででも十分です。
漢字が好き、もしくは、難関私立高校の入試で国語で高得点を狙いたいという場合は準2級まで挑戦すると良いでしょう。
優先度の話をすれば、準2級は英検のほうが優先度が高いです。
英検の準2級対策は、難関私立高校の対策にとても有効だからです。
>>英検が高校受験に超絶有利な3つの理由!中学生は英検を絶対に受けるべき
いつまでに合格する必要があるか
高校へ提出される内申点に関しては、高3の2学期までの成績で決められます。
2期制であれば後期の中間テストまでの成績で決められます。
併願推薦校を決定するための学校での三者面談は、中3の11月後半から12月前半にかけて行われること多いです。
したがって、遅くとも中3の12月前半までには目標とする級に合格する必要があります。
中3秋の試験が最後のチャンス
中3の10月に試験がある第2回検定が最後のチャンスです。
漢検は結果がわかるまでに1ヶ月ほどかかるため、11月以降の試験だと間に合わない可能性が高いです。
いずれにしても、時期的にはもっと余裕を持って合格しておくことが理想です。
ギリギリまで漢検の合否がわからないと、その後の出願校の戦略を立てにくいからです。
入試直前期に、
と、考えるのは結構なストレスになります。
3級を目指すのなら
漢検3級を最終目標とするのであれば、次のようなスケジュールが理想的です。
漢検5級
中1の春
漢検4級
中2の春
漢検3級
中3の春
中3の春で残念ながら不合格となってしまった場合は、10月に再挑戦すると良いでしょう。
準2級を目指すのなら
漢検準2級を最終目標とするのであれば、次のようなスケジュールが理想的です。
漢検5級
中1の春
漢検4級
中1の秋
漢検3級
中2の春
漢検準2級
中3の春
中3の春で残念ながら不合格となってしまった場合は、10月に再挑戦すると良いでしょう。
漢検の勉強法
最後に、漢検の勉強法を簡単に解説します。
この記事の最初の方で解説した通り、学校の勉強を頑張ることが漢検の対策につながります。
ですので、基本的には学校の勉強を頑張ってください。
それに加えて、次のことにも取り組ましょう。
漢検の勉強法
- 過去問
- 問題集
- 再び過去問
ステップ1 過去問
まずは過去問を解いてみます。
最初に過去問を解く理由は2つあります。
最初に過去問を解く理由
- どんな問題が出ているか知る
- 目標までの距離を知る
どんな問題が出ているか知る
どんな試験であっても、出題傾向を知ることは大切です。
先程も解説しましたが、漢検は漢字の読み書きだけが出題されるわけではありません。
それを知らずに漢字の読み書きばかり練習していると、不合格になってしまう可能性が高いです。
これから何を勉強しなければならないかを知るために、まずは過去問を解きます。
目標までの距離を知る
漢検は、7級から準2級までの場合、200点満点中の70%程度の得点率で合格になります。
合格点は約140点です。
過去問を解いて90点であれば、試験本番までにあと50点伸ばす必要があります。
過去問を解いて30点であれば、試験本番までにあと110点伸ばす必要があります。
目標点がはっきりしているので、目標までの距離が測りやすいです。
目標までの距離を知ってから、何をどれだけ頑張ろうか、学習計画を立てると良いです。
ステップ2 問題集
出題傾向がわかって、目標までの距離もわかったら、問題集を使って勉強していきます。
問題集を選ぶときは、次の3点に注意して選ぶと良いでしょう。
問題集を選ぶときのポイント
- 漢検対策の問題集
- 言葉の意味まで載っている
- 部首、部首名、筆順も載っている
漢検対策の問題集
当たり前かもしれませんが、漢検対策用の問題集を選びましょう。
級ごとに販売されているので、受験する級の問題集を選んでください。
先程も解説しましたが、漢検は漢字の読み書きだけが出題されるわけではありません。
そのため、普通の漢字練習帳では漢検対策としては不十分です。
言葉の意味まで載っている
漢字の読み書きだけでなく、言葉の意味まで勉強できる問題集を選びましょう。
漢字を覚えることは、言葉を覚えることでもあります。
漢字練習で言葉の意味までしっかりと勉強すれば、漢検の対策になるだけでなく、受験に向けての読解問題の対策にもなります。
必ず、言葉の意味まで載っている問題集を選びましょう。
部首、部首名、筆順も載っている
漢検では、部首や部首名、筆順も問われます。
そのため、それらも載っている問題集を選ぶのが好ましいです。
おすすめの漢検問題集
実は、公式(日本漢字能力検定協会)が問題集を出しています。
さすがに公式だけあって、受験者に学習してほしい内容がぎゅうぎゅうに詰まっています。
もちろん、言葉の意味や部首、部首名、筆順、画数も載っています
公式以外の問題集では、「史上最強の漢検マスター」シリーズがおすすめです。
公式が出している問題集よりも、「問題を解きながら覚えていく」というコンセプトになっているので、実践形式のほうがテンションが上がるという子どもには特におすすめです。
問題集には答えを書き込まない
問題集に取り組む際は、別のノート等に解くようにして、問題集に答えを書き込まないようにしましょう。
漢検の勉強に限らず、問題集は2周、3周と繰り返して解いたほうが効果が高いです。
何度も復習ができるよう、問題集の解答欄は空白のままにしておくのが正しい使い方です。
ステップ3 再び過去問
問題集で力をつけたら、再び過去問を解きましょう。
今度は毎回合格点を目指して解くと良いです。
そして、解けなかった問題を復習し、その場で覚えていきましょう。
過去問題集を買えば、10回以上の過去問を解くことができます。
これだけでもかなりの学習量を確保することができます。
最後の仕上げとして過去問をたくさん解き、確実に合格できるよう対策しましょう。
まとめ
それでは、高校受験と漢検についてまとめます。
結論
漢検は高校受験に超絶有利なので、中学生は絶対に受けるべきです。
漢検が高校受験に超絶有利な理由は3つあります。
漢検が高校受験に超絶有利な3つの理由
- 推薦入試に有利
- 定期テスト勉強に有利
- 受験勉強に有利
高校受験であれば、3級合格を目指すのが良いです。
漢字が好き、または、難関私立高校の入試の国語で高得点を狙いたいという場合は準2級まで目指すと良いでしょう。
漢検の勉強は、次の3ステップで取り組むのがおすすめです。
漢検の勉強法
- 過去問
- 問題集
- 再び過去問
正しく努力することが、漢検を上手に活用するポイントになります。
今回の記事をきっかけにしてお子様が漢検に挑戦し、高校受験を有利に進めることができたのならとてもうれしいです。