こんにちは。エデュサポです。
え?通知表って、一般入試でも重視されるんですか?
内申点が低いから、学力試験でたくさん点数を取らないといけない!
このようなお話を聞く機会は多いです。
さて、先日、次のようなツイートをしました。
高校入試では、内申点が合否を大きく左右します。
中学校では定期テストの点数にばかり目を向けがちで、通知表の結果はあまり気にされない方も多いですが、中学校の通知表の結果は本当に重要です。入試直前になって、「もっと通知表が良ければ!」という声を聞く機会は多いです。#高校入試 #内申点
— エデュサポ@元塾教室長 (@edsuppor) February 7, 2022
今回は、高校入試においては内申点が非常に重要であるということについて解説します。
記事の後半では、内申点をアップさせる方法についても解説します。
私は以前、塾講師の仕事をしていました。集団塾と個別塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営の仕事をしていた時期もあります。かれこれ20年以上、塾業界で働きました。
これまでの経験を基にお話します。最後まで読んでいただき、お子様の高校入試を成功させるための参考にしていただけたらとてもうれしいです。
内申点とは
高校入試における内申点とは、基本的には、通知表に書かれている各教科の5段階の評定の数字だと思っていただいて問題ありません。
「内申書」や「調査書」と呼ばれる書類に記載され、受験する高校に提出されるものです。
後ほど解説しますが、内申書(調査書)には、5段階評価の他にもいろいろなことが記載されています。
ですが、高校入試の合否の判定に最も大きな影響を与えるのは、5段階評価の数字になります。
この内申点が、高校入試において非常に重要である理由は、大きく次の3つになります。
内申点が重要である3つの理由
- 公立高校入試の配点に含まれる
- 推薦入試で活用できる
- 私立入試で合格の確約をもらえることもある
理由1 公立高校入試の配点に含まれる
各都道府県の公立高校の一般入試は、学力試験と内申点の合計点で合否が判定されます。
つまり、「英語、国語、数学、理科、社会、内申点」の合計点で合否判定が行われます。
学力試験と内申点の配点比率や、内申点の算定方法などは、各都道府県によってルールが異なります。
例として、東京都、神奈川県、千葉県、愛知県、大阪府の公立高校一般入試を、ものすごくざっくり簡単に比較してみます(2022年度入試)。
各都道府県の内申点
項目 | 東京都 | 神奈川県 | 千葉県 | 愛知県 | 大阪府 |
いつからいつまでの 通知表か |
中3の2学期 | 中2の学年末 中3の2学期 |
中1の学年末~ 中3の2学期 |
中3の2学期 | 中1の学年末~ 中3の2学期 |
内申点の 計算方法 |
5教科の評定 実技4教科の評定×2 |
中2の9教科 中3の9教科×2 |
中1の9教科 中2の9教科 中3の9教科 |
中3の9教科×2 | 中1の9教科×2 中2の9教科×2 中3の9教科×6 |
内申点の満点 | 65点 | 135点 | 135点 | 90点 | 450点 |
学力試験の満点 | 500点 | 500点 | 500点 | 110点 | 450点 |
配点比率 (学力試験:内申点) |
学力試験を700点に換算 内申点を300点に換算 比率7:3 |
各高校による (例)4:4(残りは面接等) |
各高校による (例1)500:135 (例2)500:270 |
11:9 | 各高校による (例1)7:3 (例2)4:6 |
※参考
東京都立高等学校入学者選抜実施要綱 東京都教育委員会
公立高校入学者選抜制度の概要 神奈川県ホームページ
令和4年度千葉県県立高等学校第1学年入学者選抜要項について 千葉県ホームページ
令和4年度実施要項 愛知県公式Webサイト
令和4年度大阪府公立高等学校入学者選抜実施要項 大阪府(おおさかふ)ホームページ
受験する都道府県の情報を集める
各都道府県によって計算方法が大きく異なるので、まずはお子様が受験する都道府県についての受験情報を集めてください。
都道府県によって配点比率が異なりますが、内申点が全体の配点の多くを占めていることがわかると思います。
いつの通知表の評価を利用するかも都道府県によって異なりますので、中1からしっかりと通知表を意識する必要があるのか、中3で挽回できるのかを早い時期から知っておく必要があります。
理由2 推薦入試で活用できる
内申点は、推薦入試で大々的に利用されます。これはみなさんご存知のことと思います。
推薦入試では、単純に各教科の評定の点数だけでなく、その他の項目も評価対象となります。
欠席日数や部活動での実績、行動の記録(普段の学校生活での様子)も評価対象となります。
都道府県によりますが、行動の記録に関しては、点数化されて数値的な評価として利用されることもあります。
欠席日数や教科の評定は、出願基準として利用されることも多いです。
教科の評定が低かったり、欠席日数が多い場合には、そもそも推薦入試に出願できないということになる場合もあります。
理由3 私立入試で合格の確約をもらえることもある
都道府県にもよりますが、内申点の基準を超えれば、私立高校の推薦入試の合格を確約してもらえます。
つまり、内申点の基準を超えた時点で、少なくとも1校の合格が決まることになります。高校浪人する心配も、ニートになる心配もありません。
この制度を利用することができれば、私立入試の試験対策をせずに、第一志望校の公立高校対策一本に絞って対策ができるため、非常に有利です。
合格の基準
内申点の基準は各高校が設定していて、中学校や塾に通達されます。
学校によってはオール3+アルファを基準としているため、ハードルは低いです。
それでも、学校の勉強をサボって通知表の評定がボロボロの状態だと合格を確約してもらえず、私立入試の対策と公立高校入試の対策を並行して進めなければならなくなってしまいます。
こっそり確約することも?
私立高校の推薦入試で合格の確約を行っていない都道府県であっても、非公式に確約を取れる場合もあります。
高校の先生が直接塾に訪れて、非公式の合格確約基準を提示してくれることもあります。
このような場合は、塾や中学校から「合格の確約が取れています」とご家庭に伝えることはできません。
ですが、塾の先生から「私立対策よりも公立対策に力を入れなさい。」と、私立高校に合格していることを前提に考えたアドバイスしてもらえることはあります。
基準を超えなていなくても大丈夫かも?
合格確約の基準点に惜しくも届いていない場合も、確約をもらえる場合があります。
実は、教科の評定の他に、英検や漢検、皆勤などを点数として加算してくれる場合があります。
英検3級なら+1点、準2級なら+2点、学校で3年間皆勤賞なら+1点という具合です。
これも高校側が基準を決めて、中学校や塾に通達されます。
いずれにしても、推薦入試の試験を受ける前から合格がほぼ確定します。
>>英検が高校受験に超絶有利な3つの理由!中学生は英検を絶対に受けるべき
内申点について知るなら
ここまで読んできて、

と、思われたと思います。私も複雑すぎると思います。
実際には、すべての都道府県の情報を集める必要はありません。
子どもが受験する都道府県の情報だけを集めれば良いので、それほど大変ではないと思います。
ですが、

とも思われたと思います。
内申点についての情報を集めるのであれば、次の2つの方法がおすすめです。
内申点情報を集める2つの方法
- 塾
- Webサイト
塾
内申点の情報を集めるのならば、塾を頼るのが一番おすすめです。
塾は受験のプロです。受験に関する情報やノウハウは、塾が一番持っています。
高校から塾だけに開示される情報もあります。
高校と塾が密接につながっていることもあります。
高校も生徒を集める必要があるので、中学生が集まる塾とは密接でありたいのです。
中学校からも多くの情報を聞くことはできますので、中学校の先生から情報を集めるのもアリです。
ただ、既に塾に通っていて塾を頼れるようであれば、塾から情報収集することをおすすめします。
Webサイト
Web上には、最新情報を簡潔にわかりやすくまとめられているサイトが多数存在します。
ですので、Webで調べてみることをおすすめします。
塾の情報量は多いですが、塾には塾の思惑があります。
塾だけの情報一本に絞ることはおすすめしません。自分で能動的に情報にアクセスしていくことも大切です。
高校入試における内申点に関しては、『進研ゼミ中学講座高校入試情報サイト』が見やすいです。
ここまで読んできて、

と、思われたと思います。ここからは内申点をアップさせる方法について解説します。
内申点をアップさせる4つの方法
内申点をアップさせる方法について、次の4点について解説していきます。
内申点をアップさせる4つの方法
- 定期テストを頑張る
- 提出物は必ず提出
- 授業には積極的に参加
- 礼儀やマナーを重んじる
方法1 定期テストを頑張る
通知表の教科の評定に直結するのは、定期テストの点数です。
そのため、学校の定期テスト対策にしっかりと取り組むことが、内申点アップの一番の近道です。
適切に定期テスト対策をしていれば、入試でも点数が取れる力がついていくので一石二鳥です。

という子どももいるでしょう。
まずは勉強時間を確保
学校の定期テストは、勉強時間をしっかり確保して、正しい方法で勉強すれば必ず高得点を狙えるように作られています。
学校の定期テストで思うように点数が取れないようであれば、勉強時間が足りないか、勉強方法が間違っているのかどちらかである可能性が高いです。
また、学校の定期テストは、勉強の正しい取り組み方を身につけるためのトレーニングとしても活用することができます。
ただがむしゃらに勉強に取り組ませるのではなく、どうやって勉強するかを考えさせる必要があります。
>>勉強ができない2つの理由とできるようにするための4つのステップ
方法2 提出物は必ず提出
実は、提出物の未提出は通知表の教科の評定を大きく下げる原因になります。
定期テストの点数は良いのに通知表の評定がイマイチという子どもは、このパターンに当てはまることが多いです。
提出物は必ず期限内に提出してください。
提出物のクオリティが高くなくても、期限内に提出をすれば大幅に減点されることはありません。
方法3 授業には積極的に参加
授業態度は、教科の評定に少なからず影響します。
授業内にアクティビティがるようであれば、前向きに参加してください。
発表する機会がある授業であれば、積極的に発表してください。
あまり前に出ることが得意でないようであっても、少しでも良いので前向きに取り組むようにしましょう。
先生も生徒の得意不得意を見てくれています。たとえ前向きに取り組むことが苦手であっても、頑張ろうとする姿も評価してもらえることが多いです。
授業の予習を!

という場合もあるでしょう。
その場合は、5分や10分という短い時間でも良いので、学校の授業の予習をしましょう。
それだけで、学校の授業で何回かは発表できる機会を増やすことができます。
できるところから努力をしてみてください。
>>1回5分の授業で予習ができる!スタディサプリ中学講座のおすすめの活用法。料金・口コミは?
方法4 礼儀やマナーを重んじる
推薦入試の解説の部分で少し触れましたが、調査書の「行動の記録」も評価の対象となることがあります。
調査書というと、先生に媚びを売るというようなイメージがあるかもしれませんが、先生に媚びを売る必要はまったくありません。
普段から礼儀やマナーを重んじていれば問題ありません。
挨拶をする、お礼を言う、他人を尊重する等の、当たり前のことに気を配っていれば大丈夫です。
まとめ
それでは、高校入試においての内申点の重要性についてまとめます。
内申点が重要である3つの理由
- 公立高校入試の配点に含まれる
- 推薦入試で活用できる
- 私立入試で合格の確約をもらえることもある
中学入試や大学入試に比べて、高校入試は内申点の重要性が圧倒的に大きいです。
内申点をないがしろにしては、高校入試は戦えません。
内申点をアップさせる4つの方法
- 定期テストを頑張る
- 提出物は必ず提出
- 授業には積極的に参加
- 礼儀やマナーを重んじる
中学に進学をしたら、早いうちから内申点を意識して勉強に取り組めると、高校入試を有利に戦うことができます。
今回の記事が、お子様の高校入試成功のきっかけとなればとてもうれしいです。