こんにちは。エデュサポ(@edsuppor)です。
うちの子は暗記テストが毎回ボロボロです。
うちの子は漢字を全然覚えられません。
暗記で悩まれている方は多いと思います。
さて、先日、次のようなツイートをしました。
とはいえ、がむしゃらに時間をかけて取り組めば暗記できるというわけでもありません。
効率の良い暗記のコツを知ったうえで、しっかりと時間をかけて実践するのが良いです。
得意・不得意はそれぞれありますが、正しく取り組めば暗記の苦手は克服できます。— エデュサポ@元塾教室長 (@edsuppor) January 20, 2022
今回は、効率的な暗記方法を11個解説します。
具体的には次の11個になります。
暗記方法11個のコツ
- まずは量
- 書く・聞く・音読する
- テストでアウトプット
- 最初から完璧を目指さない
- 一度忘れて思い出す
- 何度も繰り返す
- アプリを活用する
- 語呂合わせで覚える
- 以前覚えたものと関連させる
- 体を動かす
- 寝る前に取り組む
私は以前、塾講師の仕事をしていました。
集団塾と個別塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営の仕事をしていた時期もあります。
かれこれ20年以上、塾業界で働きました。
これまでの経験を基にお話します。
最後まで読んでいただき、お子様が暗記の苦手を克服するための参考としていただければとても嬉しいです。
タップできる目次
コツ1 まずは量
いきなり出鼻をくじいてしまいますが、暗記の苦手を克服する一番のコツは「量」です。
つまり、「努力」です。
これで、95%くらいの生徒が暗記の苦手を克服できます。
『これで全部完全解決!誰でもラクして暗記できる!』という記事を求められていた場合はごめんなさい。
そんな方法はありません。
そんな教材が売られていたとしたら詐欺なので、絶対に購入しないでください。
必要な努力量を知らない
さて、塾では毎年、何度も何度も次のような会話を生徒と交わすことになります。




子どもたちは予想以上に、成果を得るために必要な努力量を知りません。
まずはそこを認識させる必要があります。
暗記が得意な生徒は量をこなしている
私が塾で働いていたときは、生徒の英単語アプリの学習履歴をチェックできました。
その履歴を見てみると、「暗記が得意です。」と言っている生徒は、しっかりと量をこなしていました。
多いときには、1日1000問以上取り組んでいました。
1日に2000問以上取り組む日もあります。
すごいですよね!
対して、「暗記が苦手です。」と言っている生徒の学習履歴はスカスカでした。
3日に1回、100問程度です。
生徒には、まずは正しい努力量を教えてあげなくてはなりません。
目標を立てて取り組んでみる
「まずは1日500問!1週間続けてみよう!」と、目標を立てます。
1日500問は多いように感じますが、アプリを使って取り組めばそれほどでもありません。
これくらい取り組むと、生徒も目に見えて「覚えた!」という実感を持てます。
覚えたという実感が持てれば、「頑張ればちゃんと覚えられる!」という自信につながります。
コツの前に努力
もちろん、暗記を効率化するコツは存在します。
ですが、それらのコツは、前提として本人の努力あってのものです。
正しい暗記勉強法を知ったうえで、しっかりと努力をするのがベストです。
>>勉強の効率を上げる方法。それは効率の悪い勉強をすることです。
コツ2 書く・聞く・音読する
暗記学習でまず真っ先に試していただきたいのは、書く・聞く・音読するです。
本や教科書を見て、黙読だけで覚えようとする生徒もいるのですが、目以外の感覚も活用して覚えたほうが頭に残りやすいです。
耳や手を活用する
たとえば、英単語の暗記であれば、英語を読み上げてくれるアプリ等を使うと耳も使って暗記することができます。
そういったアプリを使わなくても、自分で音読すれば口を使って覚えられますし、自分の声を耳で聞いて覚えることができます。
用語や漢字を紙に書いて勉強すれば、手の感覚を使って覚えることもできます。
私はよく、覚えたいものを音読しながら紙に書いていました。
ただし、屋外で音読しながら暗記をしていると変な人だと思われるので気をつけてください。
使い分けることも大切
書くのには時間がかかりますので、必ずしもすべてを書いて覚えるべきではありません。
特になかなか覚えられないものを書きながら覚えて、そうでないものは音読して覚えるなど、状況によって使い分けられるとより良いです。
コツ3 テストでアウトプット
暗記は頭の中にインプットしていく勉強ではあるのですが、実際に頭の中から紙の上にアウトプットできるかどうか確認しながら取り組むと良いです。
特に暗記が苦手な子どもは、ひたすら全部10回ずつ書き取りをして覚えようとします。
しかし、インプットだけでは絶対に勉強はできるようになりません。
切りの良いところでテストをして、アウトプットの練習をする必要があります。
アウトプットの方法
一番簡単な方法は、答えを手で隠した状態で思い出せるかどうか確認するという方法です。
一番手っ取り早くテストできます。
答えを蛍光ペンで塗りつぶして、赤シートや緑シートをかぶせてテストする方法でも良いです。
繰り返すことが大事
大事なことは、テストをしたあとに、できなかった問題をチェックしておくことです。
できなかった問題に付箋を貼っておくのも良いでしょう。
そして、できなかった問題だけをもう一度インプットしていきます。
それが終わったら、できなかった問題だけを再びテストします。
再テストでできなかった問題をチェックしておきます。
チェックした問題だけをもう一度インプットします。
これの繰り返しです。すべてのチェックが外れたら完了です!
コツ4 最初から完璧を目指さない
暗記は、最初は「大体覚えた」程度を目指しましょう。
最初から何度も何度も繰り返して書いて、「これでもう完璧絶対に二度と忘れない絶対に二度と忘れない絶対に二度と忘れない!!!」を目指す必要はありません。
そこを目指すと、英単語に5個くらい取り組んだところで辛くなってしまうと思います。
最初から思いつめてはいけません。
コツ5 一度忘れて思い出す




このような時が一番覚えます。
暗記学習をしていると、何度もやったのに忘れてしまってイライラすることもありますが、一度忘れることは大切なことです。
一度忘れてから思い出すことで、記憶はより強くなります。
コツ6 何度も繰り返す
「大体覚えた⇒テストする⇒忘れた⇒思い出す⇒大体覚える⇒テストする⇒忘れる⇒思い出す⇒大体覚える⇒テストする⇒忘れる⇒・・・・・」
これを何度も繰り返すことで、どんどん頭の中に強い記憶として刻まれていきます。
テスト前日に覚えても意味がない
生徒に暗記の宿題を出すと、小テストの前日か当日だけ勉強してくる生徒が多いのですが、それは非常に効率が悪いです。
それでは、一度忘れてから思い出すということができないからです。
仮にその場では暗記できて小テストの点数が良かったとしても、次の日にはもう忘れてしまいます。
小テストで点数を取るために暗記の勉強をしているわけではありません。
その勉強方法で定期テストの時にも答えられるか、入試のときにも答えられるか、もっと先でも覚えていられるかをよく考えて取り組む必要があります。
繰り返しになりますが、一度で完璧に覚えることを目標にするのではなく、「大体覚えた」を何度も何度も繰り返すほうが効率的に暗記することができます。
コツ7 アプリを活用する
暗記学習はアプリを活用することをおすすめします。
アプリを使って学習すると、自然とインプットとアウトプットを繰り返すことができます。
アプリにもよりますが、間違えた問題を一覧にして表示してくれたり、正答率の悪い問題を集中して出題してくれるようなアプリもあります。
また、程よいタイミングで復習できるように問題を出題してくれるようなアプリもあります。
電車の移動時間や、ちょっとしたスキマ時間にも取り組めるので非常に便利です。
最近の通信教育教材も、暗記アプリを提供しています。
多くの教育企業が、それだけアプリを活用しての暗記が効率的であると考えています。
>>【元塾教室長が解説】通信教育教材を徹底比較!うちの子に最適の教材はどれ?
おすすめの英単語アプリ
通信教育教材でなくても、暗記アプリ単体でダウンロードして使うこともできます。
たとえば、中高生が普段の勉強や英検対策として英単語を暗記するのであれば『英単語アプリ mikan』というアプリが便利です。
大学入試へ向けての英単語暗記であれば『ターゲットの友 英単語アプリ』が便利です。
無料でダウンロードできるので、試してみることをおすすめします。
コツ8 語呂合わせで覚える
順序や並び順を覚える場合や、グループ分けして覚えなくてはいけないものは、語呂合わせで覚えることをおすすめします。
元素周期表の、「水兵リーベ僕の船・・・」というのは有名ですね。
「水(水素H)兵(ヘリウムHe)リ(リチウムLi)ーベ(ベリリウムBe)僕(ホウ素B、炭素C)の(窒素N、酸素O)船(フッ素F、ネオンNe)・・・」と、覚えるやつですね。
これで原子番号1から順番に、元素の並びを覚えることができます。
もちろん、ベリリウムという元素の名前や、ホウ素の元素記号がBであることなどは別途覚える必要がありますが、語呂合わせがあるだけで暗記はグッとラクにになります。
年号の語呂合わせは自作がおすすめ
年号なんかも、語呂合わせで覚える人が多いです。
「いよ!国だ!(1492年)アメリカ大陸発見!」といったように暗記すれば、「せんよんひゃくきゅうじゅうにねんアメリカ大陸発見」と覚えるよりもずっとラクです。
年号に関しては、自分で語呂合わせを考えることもおすすめします。
自分で語呂合わせを考えると愛着もわきますし、忘れづらいです。
QuizKnockさんの動画で、年号の語呂合わせを作る動画があるので参考にしてみてください。
この動画を見れば、「1221年承久の乱」は二度と忘れないでしょう!
コツ9 以前覚えたものと関連させる
暗記は関連させて覚えることが大事です。
何かを思い出す時に、他の関連したことから思い出すことがあると思います。
たとえば、「ハリソン・フォード」の名前が思い出せない時に、






と、いうように、関連した記憶から思い出すことがあると思います。
勉強でも同じ
このようなことは、勉強の暗記でもよくあることです。
ですので、以前覚えたものと関連付けながら暗記をすると効率的です。
特に、歴史はストーリーになっているので、一つ思い出せれば芋づる式にいろいろと思い出せることがあります。
「織田信長」をそれだけで覚えるのではなく、「桶狭間の戦いで今川義元を討ち取った」「長篠の戦いで鉄砲を活用して武田軍に勝利した」「本能寺の変で明智光秀に裏切られた」のように関連情報と一緒に暗記しておくとよいです。
このようにしておくと、たとえばテストの時に「明智光秀」をド忘れしてしまったとしても、織田信長から関連させて記憶を辿っていけば思い出せるかもしれません。
繰り返すという意味でも良い
関連させて暗記することは、コツ6で紹介した「何度も繰り返す」という意味でも良いです。
新しいことを暗記しながら、以前に覚えた関連事項と結びつければ、以前に覚えたものを繰り返し暗記し直すことにもなります。
一見遠回りに思われるかもしれませんが、以前覚えたものと関連させて新しいこと覚えると、長く記憶にとどめておくことができます。
コツ10 体を動かす
有酸素運動をしながら暗記をすると暗記しやすいと言われています。
それほど大きな違いがあるわけではありませんが、試してみると良いでしょう。
たとえば、ただ英単語を音読するのではなく、歩き回りながら音読してみるとよいでしょう。
また、ランニング中にアプリなどで覚えたい用語などの音声を流してみると良いのではないでしょうか。
コツ11 寝る前に取り組む
記憶は寝ている間に整理されると言われています。
そのため、寝る前に暗記学習に取り組んで、寝ている間に脳が記憶を整理できるようにすると良いです。
一夜漬けが大好きな生徒は、

と、言います。
これは、テストが終わったらきれいサッパリすべて忘れても良いという場合には効果があります。
ただし、テストが終わったらきれいサッパリすべて忘れてしまいます。
短期記憶にしかなりません。
長期記憶にする必要がある
確かな長期記憶にするためには、一夜漬けではまったく効果がありません。
寝て忘れてしまったら、また復習をして思い出せばよいのです。
コツ5の「一度忘れて思い出す」でも解説した通り、忘れてしまうことは大切なことです。
覚えて寝て、忘れてまた思い出して寝て、また忘れて繰り返して繰り返して、そうして確かな長期記憶にしていきましょう。
まとめ
それでは、効率的な暗記方法11個をまとめます。
暗記方法11個のコツ
- まずは量
- 書く・聞く・音読する
- テストでアウトプット
- 最初から完璧を目指さない
- 一度忘れて思い出す
- 何度も繰り返す
- アプリを活用する
- 語呂合わせで覚える
- 以前覚えたものと関連させる
- 体を動かす
- 寝る前に取り組む
その場だけの記憶ではなく、入試のときにもしっかりと思い出せる長期記憶を目指しましょう。
できることであれば、一生使える記憶にできると良いです。
そのために、効率的な暗記方法を活用しながら、しっかりと量をこなして努力をしましょう。
「暗記が苦手」と思っている子どもたちのほとんどは、そう思い込んでいるだけです。
正しい方法で正しく努力をして、暗記の苦手を克服してください。
今回の記事が、お子様が暗記の苦手を克服し、確かな学びにつなげられるようにするための参考としていただけたらとても嬉しいです。