こんにちは。エデュサポです。
そろそろ子どもを塾に通わせようと思っているのですが、集団塾と個別指導どっちが良いのでしょうか
集団塾と個別指導って、どっちの方が成績が上がるんだろう
集団塾にすべきか、それとも個別指導塾にするか、迷われている方も多いと思います。
さて、先日、次のようなツイートをしました。
昔は集団の中で競争心を高められる子どもたちだけが最適な環境で勉強をすることができました。
今では塾のタイプも形態も増え、子どもたちそれぞれの得意不得意によって塾や学習方法を選びやすくなってきています。
その子どもにとって最適な学習環境を考えてあげることは大切ですね。#二月の勝者
— エデュサポ@元塾教室長 (@edsuppor) November 28, 2021
今回は、集団塾が合う子ども、個別指導塾が合う子どもについて解説します。
また、集団塾と個別指導塾それぞれのメリットやデメリットについても解説します。
私は以前、塾講師の仕事をしていました。集団塾と個別塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営の仕事をしていた時期もあります。かれこれ20年以上、塾業界で働きました。
これまでの経験を基にお話します。最後まで読んでいただき、お子様に最適の学習環境を選んでいただくことができたのならば、私はとてもうれしいです。
集団塾が合う子ども
それでは、さっそく集団塾から解説していきます。
まずは、集団塾が合う子どもについて解説します。
集団塾が合う子ども
- 負けず嫌い
- 友達とワイワイするのが好き
負けず嫌い
集団塾は1つの教室の中に多くの子どもたちがいるため、お互いに切磋琢磨することができます。
そのため、負けず嫌いな子どもは、周りの頑張っている子どもたちに触発されて、勉強を頑張ることができます。
授業中に先生に当てられた他の生徒が、スラスラと難しい問題を解いているのを見て、

と、思って、頑張りはじめる子どもたちを何人も見てきました。
逆に、ライバルたちとの競争に過度のプレッシャーを感じてしまう子どもは、集団塾には向きません。
友達とワイワイするのが好き
集団塾は、授業の開始時間や終了時間、休み時間等が同じ学年の友達やライバルたちと同じ時間になるため、友達とワイワイできる機会が多いです。

と、思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、友達とのリラックスタイムは非常に大切です。
受験勉強はハードですし、長丁場にもなるので、勉強だけにずっと集中していることはできません。
そんな時、仲の良い友達とのわずかな間のリラックスタイムが救いになります。
休み時間に友達と少しの間ワイワイして、また次の授業に集中して参加できると良いでしょう。
入試直前になると、休み時間中にも勉強をしようとする生徒もいますが、それは逆効果です。
適度な休憩は、集中して授業を受けるために絶対に必要なアクセントです。
休憩時間等に友達と楽しい時間を過ごすことができれば、塾に行くのも楽しみになるでしょう。
また、前の授業の内容について友達と話したりすることもあるでしょう。そのような話の中で、「自分も頑張らないといけない!」と、思うこともあります。
友達やライバルたちとの切磋琢磨という意味でも、塾での友達との時間は大切にすべきです。
ただし、時間を守らずに友達とワイワイしてしまうようでは本末転倒です。
塾の行き帰りに、友達と一緒に長時間寄り道をしてしまうようであれば、しっかりと叱る必要があります。
集団塾のメリット
集団塾のメリット
- 仲間と切磋琢磨できる
- 競争の中で成長することができる
- カリキュラムが遅れることがない
- 料金が安い
メリット1 仲間と切磋琢磨できる
前述の通り、集団塾は仲間と切磋琢磨することができます。
良きライバルを見つけることができれば、劇的に成績が伸びることもあります。
メリット2 競争の中で成長することができる
勉強に限らず、競争の中で努力をすることで、大きく成長できる可能性があります。
集団塾の中では、誰がどれくらい努力をしているのかを感じる機会が多くなります。
一緒に勉強している仲間やライバルが頑張っているのを目の当たりにして、

と、思える機会も多くなります。
メリット3 カリキュラムが遅れることがない
集団塾はカリキュラムが決まっていることが多いです。
生徒に合わせて授業を行うというよりは、授業が進むペースに合わせて、生徒自身が授業についていけるように努力をするという形になります。
もちろん、授業全体の理解度を計りながら講師は授業ペースを調整しますが、カリキュラムから大きく外れることはまずありません。
そのため、授業が遅すぎて受験に間に合わないということはありません。努力をして授業ペースにしっかりとついていけば、ちゃんと受験に間に合うペースで勉強を進めることができます。
メリット4 料金が安い
集団塾は、個別指導塾に比べると料金が安く設定されています。
集団塾では、1人の講師が多くの子どもに一斉に教えることができるため、講師をたくさん用意する必要がありません。そのため、人件費が安く済みます。
塾の経費は、テナント料と人件費が多くを占めます。そのため、人件費を安く抑えることができれば、授業料も安く設定することができるのです。
集団塾は料金が安いから質が低いというわけではありません。単純に経費の問題です。
集団塾のデメリット
集団塾のデメリット
- 競争についていけないと辛い
- 理解できていなくても授業が進む
- 時間に融通が利かない
デメリット1 競争についていけないと辛い
集団塾では常に「競争」を意識せざるをえないため、その競争についていけなくなってしまうと辛いです。
特に、難関校の合格者を多数輩出するような塾では、その傾向が強いです。
学校では常にクラスの最上位にいる生徒でも、このような塾では自分よりももっと成績の良い生徒がたくさんいます。
それが子どものやる気に火を付けるような、良い方向にはたらくこともあります。しかし、トップになれないプレッシャーに押しつぶされてしまうような子どももいます。
デメリット2 理解できていなくても授業が進む
集団塾はカリキュラムが決まっているため、ついていけなくなってしまった生徒がいても、構わず授業は進んでいってしまいます。
ほとんどの塾では、授業についていけなくなってしまった生徒に対して補習を行ったり、質問を受け付けたり、自習に来させたりという対策を行っています。
それでも、理解が一度大きくついていけなくなってしまうと取り戻すのは難しく、よく理解できない授業をそのまま受け続けることになってしまうこともあります。
デメリット3 時間に融通が利かない
集団塾は、授業の時間割は塾側が決めます。
そのため、子どもの予定を塾に合わせて組み立てる必要があります。
他の習い事をやっていたり、部活が忙しくて空き時間が少ない場合は、塾に合わせてスケジュールを組むことが難しいです。
突然用事が入ってしまったり、部活の試合が入ってしまったりした場合は、用事をあきらめるか、塾を休むかのどちらかになってしまいます。
基本的には週に2,3回は塾の授業があるので、忙しい子どもには、授業日時が固定されているということは大きな障害になります。
個別指導塾が合う子ども
続けては、個別指導塾の解説をしていきます。
まずは、個別指導塾が合う子どもについて解説します。
個別指導塾が合う子ども
- 周りより学習状況が遅れている、または進んでいる
- 勉強を習慣化させたい
- 一人で集中して取り組むことが好き
周りより学習状況が遅れている、または進んでいる
個別指導塾は生徒の学習状況によって、個別にカリキュラムを組み立ててもらえます。
そのため、学習習熟度が周りの子どもたちと大きく異なる場合には便利です。
少し大袈裟な例えを出すと、英語が苦手で周りよりも学習が大きく遅れてしまっているようであれば、英語だけは1学年前のおさらいからはじめるということもできます。
逆に、数学が得意で学校の授業に退屈してしまっているようであれば、数学だけどんどん進めて学校より1学年先の先取りをするということもできます。
集団塾では、大多数の子どもたちの学習状況に合うようにカリキュラムが組まれるため、このようなことはできません。
勉強を習慣化させたい

と、思われている方も多いのですが、実はそうでもありません。
1人の講師が2人か3人の生徒を担当するため、どちらかというと、子どもが1人で勉強に取り組んでいる時間の方が長いです。
個別指導では、生徒が一人で勉強に取り組めるように、講師が取り組むべき問題を選んだり、取り組むペースを考えたりしています。
そのため、はじめは一人では勉強に取り組めなかった子どもも、だんだんとどのように取り組めば力がつくのかがわかってきます。
これから正しい勉強方法を知り、勉強を習慣化させたい場合は、実は集団塾よりも個別指導塾の方が合っています。
一人で集中して取り組むことが好き
集団の中でみんなで一緒に何かを作り上げるよりも、一人で黙々と何かに集中して取り組む方が好きな子どもには、個別指導塾が向いています。
周りとの競争に勝つことよりも、自分の中で納得のいくまで何かに取り組むことが好きな子どもに、個別指導塾は向いています。
個別指導のメリット
個別指導のメリット
- 時間の制約が少ない
- 周りの学習進度に合わせる必要がない
- 質問しやすい
メリット1 時間の制約が少ない
個別指導塾は時間の制約が少ないため、部活や習い事が忙しい場合はメリットが大きいです。
個別指導塾は学年や教科で授業時間が決まっているわけではありません。
生徒側が希望の曜日と時間を指定して、時間割を決めることができます。
基本的には毎週同じ曜日、同じ時間に授業を受けていくことになりますが、事前に塾に連絡をすれば、自由に授業を振替えることができます。
そのため、突然部活の練習日が変更になったり、家の用事ができたりした場合にも安心です。
ただし、毎週毎週授業の振替えが必要な場合は難しいかもしれません。振替えを希望する時間が、いつも空いているとは限らないからです。
希望している時間にすでに多くの生徒が授業に入ってしまっている場合は、空きがないために授業を振替えることができません。
また、曜日や時間が頻繁に変わる場合は、毎授業毎授業担当講師が変わるため、効果的な授業を受けられない可能性もあります。
メリット2 周りの学習進度に合わせる必要がない
個別指導塾は、生徒ごとに個別にカリキュラムが組まれるため、周りに学習進度を合わせる必要がありません。
集団塾の授業では、授業のペースが遅すぎれば子どもは退屈してしまいますし、授業のペースが速すぎれば置いていかれてしまいます。
その点、個別指導では、子どもにピッタリのペースで学習を進めることができます。
メリット3 質問しやすい
個別指導塾では、授業中はすぐ隣に講師がいるため、質問がしやすいです。
集団授業の中で先生に質問をするのはかなり勇気が必要ですが、個別指導の授業であればその心配はありません。
講師によっては、子どもの質問に答えるだけでなく、質問の内容をしっかりと分析して、このあとどのように指導すればその子どもにとって最適なのかを考えてくれたりもします。
講師の力量にもよりますが、子どもの質問をきっかけとしてつまずきポイントを見つけ出し、柔軟に授業内容を変更してもらえることもあります。
ただ、中には個別指導であっても先生に質問できない子どももいます。そのような子どもには、あまり魅力的なメリットにはならないかもしれません。
個別指導のデメリット
個別指導のデメリット
- 学習進度によってはカリキュラムが遅れてしまう
- 競争意識は芽生えづらい
- 講師の力量に委ねられる
- 料金が高い
デメリット1 学習進度によってはカリキュラムが遅れてしまう
個別指導では、生徒の学習状況によって個別に学習カリキュラムが組まれます。
また、授業が進んでいく中でも、生徒の学習理解度を計りながら、柔軟に学習カリキュラムが変更されていきます。
そのため、入塾時の生徒の学習状況や、通塾時の生徒の学習習得スピードによっては、受験までに必要な学習をすべて終わらせられないこともあります。
塾としては、すべての学習内容を終了させられなくても、志望校に合格できるよう戦略を立ててくれます。
入試は100点を取りにいく必要はないので、必ずすべての学習内容を完璧にしなければならないわけではありません。
そういった意味では、個別指導の塾は、子どもの状況に合わせて柔軟にゴール(目標)を設定できることがメリットと言えるかもしれません。
デメリット2 競争意識は芽生えづらい
個別指導塾は、集団塾と比べると競争意識が芽生えづらいです。
子どもたちは基本的にはそれぞれのブースの中で勉強をしますし、同じ授業コマにいろいろな学年のいろいろな授業が行われるので、友人やライバルと授業の内容や学習状況の話をすることは多くありません。
競争意識が芽生えづらいというよりは、競争が起きにくい環境と言えます。
競争すること自体は子どもの性格によって必要だったり、必要でなかったりしますが、少なくとも、ライバルたちがどれくらい努力をしているのかは感じ取れる環境であった方が良いです。
友人やライバルたちが努力している姿を見ることで、本人も「がんばろう!」と、思えるからです。
デメリット3 講師の力量に委ねられる
個別指導は、集団塾よりも講師との距離が近いため、子どもの成長が講師の力量に大きく左右されます。
そして、個別指導の講師は、経験の浅い大学生のアルバイトであることが多いです。
運良く力のある講師に担当してもらうことができれば、子どもが大きく成績を伸ばす可能性があります。
逆に、質の悪い講師が担当になってしまうと、子どもの成績が上がらないどころか、勉強が嫌いになってしまうこともあります。
また、講師の力量だけでなく、子どもと講師の相性によっても子どもの成績の伸び方が大きく変わります。
塾側もこのことはよくわかっているので、講師の研修を行ったり、性格診断などを行って相性の良い講師に担当させるなど、工夫をしています。
それでも、最後は運の要素が大きくなります。
デメリット4 料金が高い
個別指導は、集団塾に比べて多くの講師を用意する必要があります。
そのため、塾の料金は高めに設定されています。5教科すべて受講するとなると、かなりの高額料金になります。
前述の通り、塾の経費はテナント料と人件費が多くを占めます。そのため、人件費がかさんでしまえば、授業料を高く設定せざるをえません。
「集団塾よりも個別指導の方が料金が高いのだから質も高い」というわけではなく、単純に経費の問題です。
夏期講習や冬期講習、入試直前講習など、授業コマが多くなるような時期は、特に費用に関しては覚悟をしておいた方が良いでしょう。
通信教育という選択肢も
個別指導塾は、集団塾よりも時間に制約がありませんが、なかにはそれでも時間的な問題で塾に通えない場合もあるでしょう。
たとえば、部活の休みが曜日で固定されていなかったり、送り迎えの関係で時間がマチマチになってしまったりする家庭もあるでしょう。
曜日や時間を固定できないようであれば、個別指導塾よりも時間の制約が少ない、通信教育を検討した方が良いでしょう。
通信教育であれば、学習時間は完全に自由です。曜日や時間が固定されることなく、好きなように学習スケジュールをカスタマイズすることができます。
ただし、通信教育教材は保護者の負担が大きくなるということに注意する必要があります。
>>タブレット教材の8つのメリット・デメリットを元塾教室長が解説!
まとめ
それでは、集団塾が合う子ども、個別指導塾が合う子どもについてまとめます。
集団塾が合う子ども
- 負けず嫌い
- 友達とワイワイするのが好き
集団塾のメリット
- 仲間と切磋琢磨できる
- 競争の中で成長することができる
- カリキュラムが遅れることがない
- 料金が安い
集団塾のデメリット
- 競争についていけないと辛い
- 理解できていなくても授業が進む
- 時間に融通が利かない
個別指導塾が合う子ども
- 周りより学習状況が遅れている、または進んでいる
- 勉強を習慣化させたい
- 一人で集中して取り組むことが好き
個別指導のメリット
- 時間の制約が少ない
- 周りの学習進度に合わせる必要がない
- 質問しやすい
個別指導のデメリット
- 学習進度によってはカリキュラムが遅れてしまう
- 競争意識は芽生えづらい
- 講師の力量に委ねられる
- 料金が高い
集団塾と個別指導塾は、どちらが良い、どちらが悪いということではありません。
子どもの性格や学習状況、家庭の事情やスケジュール等によって、どちらが良いのかを考えて決めるのが良いでしょう。
「集団塾は安い!」や、「個別指導のほうが手厚く教えてもらえそう!」などの、安易な理由で選んでしまうと失敗します。
それぞれの強みと弱みをしっかりと吟味したうえで選んでください。
この記事が、お子様に最適な学習環境を選ぶための参考になったのなら、私はとてもうれしいです。