こんにちは。エデュサポです。
入試のシステムがよくわからなくて、すべて子ども任せにしてしまっています
私自身は推薦入試で進学したので、一般入試のシステムがわかりません。ですので、受験校についてはすべて塾にお任せしたいです
保護者の方々からこのようなお話をされることは多いです。
さて、先日、次のようなツイートをしました。
受験に関する情報を集めることは、親が子どものためにできる受験サポートの中でも大きなウエイトを占めるものです。
すべて塾や予備校任せにしてしまう親も多いのですが、塾や予備校にも思惑があります。
「子どものために」を一番考えられるのは親です。受験情報は積極的に集めてください。#受験
— エデュサポ@元塾教室長 (@edsuppor) February 7, 2022
今回は、受験情報を集めることの大切さについて解説します。
後半では、受験情報の集め方についても解説します。
私は以前、塾講師の仕事をしていました。集団塾と個別塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営の仕事をしていた時期もあります。かれこれ20年以上、塾業界で働きました。
これまでの経験を基にお話します。最後まで読んでいただき、お子様の進学をより有意義なものとするためのヒントとしていただけたらとてもうれしいです。
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受験の情報を集めることの大切さ
さっそく、受験情報を集めることの大切さについて解説します。
具体的には、次の4つのポイントを解説します。
4つのポイント
- 塾や予備校にも思惑がある
- 敵を知らねば対策は打てない
- 学校のバラエティは思ったよりも豊富
- アドバイスと対話が大切
ポイント1 塾や予備校にも思惑がある
子どもが第一志望校に合格することは、塾・予備校にとってもご家庭にとっても、最も重要視される目標になります。
ですので、基本的には塾・予備校とご家庭は、同じ目標を共有する仲間です。
一方で、いくら仲間といえど、すべての思惑が一致しているわけではありません。
ご家庭にはご家庭の希望があり、塾・予備校には塾・予備校の思惑があります。
塾や予備校はあくまでも私企業であり、「利益を上げる」ことが最優先事項であり、その手段として、できる限り多くの子どもを第一志望校に合格させたいと思っています。
一方、多くのご家庭にとっては、「子どもが幸せな未来をつかみ取ること」が最優先事項であり、その手段として、子どもを第一志望校に合格させたいはずです。
目標を共有する仲間であっても、細部では希望が異なるものです。
塾や予備校によっても異なりますが、塾・予備校では次のような思惑があることが多いです。
塾・予備校の思惑
- まずは合格実績
- 推薦よりも一般入試
- 第一志望は攻めの姿勢で
まずは合格実績
塾にとって「合格実績」は非常に大切なものです。
合格実績が良ければ翌年の生徒増加の可能性が高まり、合格実績が悪ければ翌年の生徒数減少にダイレクトに影響します。
つまり、合格実績は翌年の売上げに直結するのです。
企業にもよりますが、「偏差値〇〇以上の学校への合格者1人につき、特別ボーナス○○円支給!」としているところもあります。
ですので、塾・予備校は基本的には「合格実績を上げること」を念頭に考えていると思ってください。
推薦よりも一般入試
多くの塾・予備校は、推薦での合格よりも、一般入試での合格を目指す傾向があります。
理由は大きく2つあります。
1つ目の理由は、推薦入試には学力試験が必要ない学校も多いということです。
学力試験が必要なければ、塾・予備校に通う必要もなくなってしまいます。
2つ目の理由は、難関校合格を目指してほしいと思っているということです。
難関校の推薦入試での合格は非常に難しい一方で、中堅校の推薦入試にはいろいろな優遇処置があることが多いです。
合格実績を上げたい塾にとっては、安易に安全校の推薦合格を狙うよりも、挑戦校の推薦入試に挑戦し、不合格でもそのまま挑戦校の一般入試に挑戦してほしいと思っています。
第一志望は攻めの姿勢で
合格実績を上げたい塾としては、第一志望校は積極的に偏差値の高い学校を狙ってもらいたいと思っています。
そのため、「ここならまず間違いなく合格する」というような安全校をすすめることはあまりありません。
どちらかというと、頑張って成績を上げれば合格できるような挑戦校をすすめます。
塾・予備校の思惑が悪いわけではない
塾や予備校は利益を上げることを最優先としていますが、そこで働いているのは教育に熱意を持っている人間です。
塾で働いているスタッフの多くは、生徒が一生懸命に勉強に取り組み、受験を通して大きく成長し、そして幸せな未来をつかみ取ってほしいと考えています。
一方で、ご家庭と考えが一致しない場合もあります。
そのため、ご家庭でも受験情報をしっかりと調べ、塾・予備校と話し合うことが大切です。
お互いの価値観を擦り合わせた上で受験に立ち向かうことが、子どもにとって最良だと思います。
それでは、具体的にはどのような情報を集めれば良いでしょうか。
ポイント2 敵を知らねば対策は打てない
まず調べておくべき受験情報は、入試のシステムです。
入試全体の流れ、日程、推薦入試、一般入試、私立入試、公立入試、国立入試、必要な教科、配点、大まかな出題傾向等です。
調べることが多いように感じるかもしれませんが、多くの媒体でわかりやすくまとめてくれているので、すぐに調べられると思います。
ただ、中学入試、高校入試、大学入試でシステムが異なるのは当然ですが、住んでいる地域などでも入試のシステムが異なります。
たとえとして、東京都の高校入試と神奈川県の高校入試を、ものすごくざっくり簡単に比較してみましょう(2022年度入試)。
入試システムの違い
項目 | 東京都 | 神奈川県 |
私立推薦入試 | 内申点等の基準を 超えていればほぼ合格 |
内申点等の基準を 超えていればほぼ合格 |
私立一般入試 | 学力試験・面接等 英・国・数の3教科試験が多い |
学力試験・面接等 英・国・数の3教科試験が多い |
公立推薦入試 | 調査書・面接・集団討論・実技検査等 | 実施しない |
公立一般入試 |
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このように、特に公立高校入試は各都道府県でレギュレーションが異なります。
たとえば、神奈川県の県立高校一般入試の場合、内申点は中2の学年末の評価も対象になりますが、東京都の都立高校一般入試の場合は、中2の評価は対象になりません。
神奈川県の県立高校を受験するのであれば、2年生の通知表の結果は重要になります。東京都の都立高校を受験するのであれば、2年生の通知表はそれほど重要ではありません。
まずは、入試全体の概要やシステムを知ることで、事前準備としての対策を打てるようにすることが大切です。
しかし、受験情報で調べておきたいのは、入試に関することだけではありません。
ポイント3 学校のバラエティは思ったよりも豊富
志望校は、偏差値や学力だけで決めてはいけません。
各学校にはそれぞれの特徴があり、思った以上にバラエティに富んでいます。特に私立の学校や、難関校はその傾向が強いです。
各学校がどのような生徒を求めていて、どのような生徒を育てたいのかをよく調べておく必要があります。
子どもが長期間通うことになる学校ですので、子どもに合った学校を目指すべきです。
せっかく偏差値の高い超難関校に合格したとしても、子どもに合わない学校であればもったいないです。
ポイント4 アドバイスと対話が大切
親が入試のシステムや学校についての勉強をして知識を蓄えても、それを子どもに押し付けてはいけません。
あくまでは主体は子どもであり、親はサポートです。

と、思われるかもしれません。ですが、そんなことはまったくありません。
親が受験について何も知らずに子どもに任せっきりにするのと、親が受験についての知識を持った状態で子どもに任せっきりにするのとでは、月とスッポン以上の違いがあります。
親が受験に関する知識を持っていなければ、子どもが頼れるのは塾や予備校だけになってしまうかもしれません。
前述の通り、塾・予備校には塾・予備校の思惑があります。そのため、子どもが塾・予備校の思惑に流されてしまい、自分の思った通りの受験を迎えられないかもしれません。
しかし、親が受験についての勉強をしっかりと行っていれば、子どもは親にも意見を求めることができます。
「子どものために」を一番考えられるのは親です。塾や予備校ではありません。
子どもにとって頼れるアドバイザーであれるよう、情報を集めておいてください。
また、子どもにとっては、多くの立場の意見を聞けることは必ずプラスにはたらきます。
親の意見、塾・予備校の意見、友人の意見、ネットの意見、多くの意見や情報を集めて対話して、ベストの選択ができることを目指してください。
では、受験に関する情報は具体的にはどのようにして集めれば良いでしょうか。
受験情報の集め方
受験情報の集め方としては、次の4つがおすすめです。
受験情報の集め方
- 塾や予備校
- Webサイト
- 本
- 学校説明会
集め方1 塾や予備校
塾や予備校は受験のプロです。受験情報や受験のノウハウを最も集めているのは塾・予備校です。
塾や予備校に通う目的は、勉強の成績をあげるためということが多いと思いますが、受験情報が多いというのも塾や予備校に通う大きなメリットです。
既に通っているようであれば、最大限に活用してください。
塾に通わずに受験に挑戦しようと思っているようであれば、受験情報の量のことも考慮に入れて再考することをおすすめします。
先程から塾や予備校の思惑の話をしてきましたが、基本的には塾・予備校はご家庭の希望を叶えたいと思っています。
そのため、家庭から、

と、希望をはっきりと伝えれば、それを前提とした情報を教えてもらえます。
また、塾と学校にはつながりがあります。学校が塾にしか開示しない情報もあります。
マル秘情報だったりするのではっきりとは教えてもらえないかもしれませんが、マル秘情報を前提とした適切なアドバイスをしてくれるかもしれません。
集め方2 Webサイト
Web上には、受験に関する最新情報を集めて発信しているWebサイトがたくさんあります。
見やすくまとめられていることが多いので頼れます。
小学受験・中学受験であれば、『エデュナビ』というサイトがおすすめです。
高校受験であれば、『進研ゼミ中学講座高校入試情報サイト』がおすすめです。
大学受験であれば、『大学受験パスナビ:旺文社』がおすすめです。
また、各学校の特徴などを調べる際は、学校の公式ページを訪れることをおすすめします。
どの学校も、受験生に向けての情報を発信しています。
口コミサイトというものもありますが、ネット上の口コミは極端な意見が多いので、信頼度20%くらいだと思ってほどほどに参考にしてください。
集め方3 本

と、思われましたよね。
しかし、本には必要な情報が網羅的に掲載されているため、ネットのように細切れの情報になってしまうことを防ぐことができます。
とりあえず1冊持っておいて、細かいところをネットで調べて補完していくという方法はおすすめです。
ただし、受験情報の本は分厚いことが多いので(凶器にもなりうる)、保管場所は考えておいたほうが良いです。
集め方4 学校説明会
生の情報こそが最良の情報です。
受験しようと思っている学校については、たとえ第二志望第三志望第八志望であっても、必ず足を運んで直接学校を見に行ってください。
直接見る学校の印象は、ディスプレイや紙面上での情報とは大きく異なります。くどいですが、必ず直接見に行くべきです。
学校を見に行くのであれば、学校説明会やオープンキャンパスが良い機会となります。
ただし、学校説明会やオープンキャンパスは学校側のプレゼンの場となりますので、もっと素の学校の様子を見たいということであれば、普通の日の放課後等に見に行くと良いでしょう。
事前に学校に連絡をしておくと、普段の日でも校舎内を案内してもらえることもあります。
また、文化祭や体育祭などのイベントを見に行くのもおすすめします。実際に通っている生徒の様子を見ることができるので、将来通うことになったらというイメージを膨らましやすいです。
まとめ
それでは、受験情報を集めることの大切さについてまとめます。
4つのポイント
- 塾や予備校にも思惑がある
- 敵を知らねば対策は打てない
- 学校のバラエティは思ったよりも豊富
- アドバイスと対話が大切
親も受験についてしっかりと勉強し、知識を蓄えておくようにすることが大切です。
知識を持った上で子どもと対話をすることで、子どもにとって最適な進学先を選ぶことができます。
受験情報の集め方
- 塾や予備校
- Webサイト
- 本
- 学校説明会
この記事が、お子様が最適な進学先を見つけ、未来に羽ばたくためのきっかけとなればとてもうれしいです。