こんにちは。エデュサポ(@edsuppor)です。
子どもが受験勉強に一生懸命に取り組んで苦しそうですが大丈夫でしょうか
うちの子は受験勉強が辛いようです。受験勉強を楽しくする方法はありませんでしょうか
以前、受験生の保護者に次のようなことを言われたことがあります。

受験は自分の力を最大限に振り絞って取り組むような、人生の一大イベントの一つです。
苦しいことも多いです。
ですが、その中でも受験生であることを楽しんでいる子どももいます。
そのような子どもたちを観察していると、受験勉強を楽しくするための方法はたった1つであることがわかります。
結論
勉強する!
これだけでは何だかわからないと思いますので、この後、受験勉強を楽しくするための方法を具体的に解説していきます。
私は以前、塾講師の仕事をしていました。
集団塾と個別指導塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営の仕事をしていた時期もあります。
かれこれ20年以上、塾業界で働きました。
これまでの経験を基にお話します。
最後まで読んでいただき、お子様が受験生を楽しめるようにするための参考としていただければとてもうれしいです。
勉強ができるようになると勉強が楽しくなる
勉強は、できるようになればなるほど楽しくなります。
それは、「テストで点数が取れるようになると楽しくなる」という意味ではなく、もっと大きな意味で楽しくなります。
ですから、受験勉強を楽しくするためには、勉強することが大切なのです。
勉強ができるようになると勉強が楽しくなる理由はいくつもあるのですが、そのうちの4つをご紹介します。
勉強ができるようになると勉強が楽しくなる理由
- そもそも勉強は楽しい
- 考えることが楽しくなる
- 知識は日常生活を彩る
- アカデミックギャグで笑えるようになる
一つひとつ解説します。
理由1 そもそも勉強は楽しい
わかる人にはわかっていただけると思うのですが、勉強というものはそもそも楽しいものです。

そう思われた方もいらっしゃるでしょう。
それは、学校の勉強だけが勉強だと勘違いしてしまっているからかもしれません。
テストに出題されるものだけが勉強だと勘違いしてしまっているからかもしれません。
確かに、誰かに指示された内容だけを勉強するのは苦痛です。
テストで点数を取るためだけに勉強するのは苦痛です。
しかし、自分の好きなことを好きなように勉強してよいのであれば、これは最高に楽しいエンターテイメントになります。
勉強の楽しさがわかるには勉強をしなければならない
とはいえ、勉強の楽しさを知るためには、勉強をして基礎的な思考力と知識をつける必要があります。
そこにいたるまではちょっと辛いことの方が多いかもしれません。
本当は無理をせずに、1ステップ1ステップ積み重ねていくのが理想です。
受験には出題範囲とタイムリミットがある
受験勉強の窮屈なところは、まず出題範囲が決まっていることです。
そのため、自分が好きなことだけ勉強してれば良いというわけではありません。
さらに、受験にはタイムリミットがあるので、ゆっくりと1ステップ1ステップ進むわけにもいきません。
そのため、

と、思ってしまうのです。
とはいえ、しっかりと勉強に取り組んでいれば、興味が湧いてくる勉強に必ず出会えます。
まずは勉強をして、勉強の楽しさを知ることができると良いでしょう。
理由2 考えることが楽しくなる
勉強をして基礎的な思考力がついてくると、いろいろなことを考えることが楽しくなってきます。




知識が増えてくるといろいろな疑問が頭に湧いてきて、思考力がついてくるといろいろな発想をします。
発想の方向が間違っていても、自分で考えた答えが間違っていても、考えを巡らすことそのものが楽しくなってきます。
考えることの楽しさがわかるには勉強をしなければならない
とはいえ、考えを巡らすためには、勉強をして基礎的な思考力と知識をつける必要があります。
ですので、まずは勉強をして、勉強の楽しさを知ることができると良いでしょう(2回目)。
理由3 知識は日常生活を彩る
みなさん、次の写真はどこの写真だかわかりますでしょうか。
これは、群馬県館林市のつつじが岡公園にある東屋です。
特に有名ではない場所の、変哲もない普通の東屋です(有名ではないなんて書いてしまってすみませんつつじが岡公園さん!!)。
じつはここ、私の大好きなアニメ『宇宙よりも遠い場所』の舞台になっている場所なのです。

©YORIMOI PARTNERS
ここが『宇宙よりも遠い場所』の舞台だということを知っている私にとっては、遠くから訪れる価値のある場所ですし、わざわざ写真に納める価値のある場所です。
しかし、普通の人にとっては、公園に建てられている普通の東屋なのです。
知識があることで、この場所が彩られたのです。
歴史と旅行は相性が良い
歴史に詳しいと、普通の人の何十倍も旅行を楽しむことができます。
他の人にとっては何でもない場所であっても、歴史に詳しい人にとっては、何年も前に、とある出来事があった特別な場所になるからです。
知識があるだけで、人の何倍も旅行が楽しめるなんて、絶対に勉強が楽しくなります。
日常生活にも楽しさは転がっている
例として旅行や場所について書きましたが、知識が彩るのは、何もそういった特別なことに限りません。
知識は日常生活をも彩ります。
知識が増えれば増えるほど、他の人にとっては何でもない物事が、自分にとっては特別な物事になっていきます。
知識が増えれば増えるほど、世界は楽しくなるのです。
日常生活を彩るためには勉強をしなければならない
とはいえ、日常生活を彩るためには、勉強をして基礎的な知識をつける必要があります。
ですので、まずは勉強をして、勉強の楽しさを知ることができると良いでしょう(3回目)。
理由4 アカデミックギャグで笑えるようになる



私はこのやり取りがかなり好きです。
解説
化学では、温度の単位は「℃」ではなく「K(ケルビン)」を使うことが多いです。
「27℃=300K」なので、問題文に「室温27℃」と書いてあると、「ラッキー!計算しやすい!」と思うのです。
温度の話題がちょっと楽しい会話に早変わりです。
また、次のネタも大好きです。
40-32÷2=?
小学生「4!」
文系「やっぱわかんないか~」
理系「よくわかってんじゃん」
解説
40-32÷2=?
正解は「24」です。
途中式を書くと、
40-32÷2
=40-16
=24
です。
小学生は四則計算の順序をミスしてしまうことがあります。
本来であれば「32÷2」を先に計算しなければなりませんが、うっかり左から順番に計算してしまい、
40-32÷2
=8÷2
=4
と、答えてしまうことは多いです。
そう思って、文系のセリフは「やっぱわかんないか~」と、なっています。
しかし、小学生のセリフをよく見てみると「4!」とあります。
数字の後ろの「!」は「階乗」を表す記号です。
階乗は、1つずつ小さい整数を1までかけた積です。
つまり、
4!=4✕3✕2✕1
=24
です。
よって、小学生の答えは正解だったということになります。
解説を見ずに理解できるから笑える
解説を読んでしまうと、


という感じになってしまいます。
解説されて理解しても1ミリもおもしろくありません。
これは、漫才のオチを解説してしまうと全くおもしろくなくなるのと同じ理屈です。
解説をされずにおもしろさを理解することが大切なのです。
笑えるチャンスは多いに越したことはない
笑っている時間は幸せを感じられる時間です。
人生は笑える回数が多い方が良いに決まっています。
とはいえ、アカデミックギャグで笑えるようになるためには、勉強をして基礎的な知識をつける必要があります。
ですので、まずは勉強をして、アカデミックギャグの楽しさを知ることができると良いでしょう(4回目)。
受験勉強を楽しくするためには勉強をするとよい
ここまでで4回も書いてしまいましたが、勉強の楽しさを知るためには勉強をする必要があります。
しかし、勉強の楽しさがわかるようになるまでには、かなりの勉強をしなければなりません。
また、受験勉強は好きなことだけ勉強しているわけにはいきません。
さらに言うと、いくら楽しいことでも、本当に上を目指そうと思ったら苦しいトレーニングも必要になります。
ですので、大きな目標としては「勉強が楽しいと思えるように勉強をする」という所を目指しますが、そこまでのスモールステップを作ってあげる必要があります。
ここからは、受験勉強を楽しめるようにするために子どもにしてあげられることを具体的に4つ解説していきます。
受験勉強を楽しめるようにするために子どもにしてあげられること
- 受験の先のことを考えさせる
- 勉強仲間を作るよう促す
- テストでできた所を褒め倒す
- ご褒美を用意する
一つひとつ解説します。
具体例1 受験の先のことを考えさせる
受験は人生の通過点です。最終目標ではありません。
しかし、受験勉強に打ち込んでいると、目の前のことしか見えなくなってしまい、その先のことが考えられなくなってしまいます。
ですので、ときどき未来の話をして、受験の先のことを思い出せるようにすると良いです。
特に、受験は子どもが夢を叶えるための大きな一歩になります。
- 進学先の学校でどんなことをしたいか
- どんな夢があって、どんな目標を持っているか
- 将来何をしたいか
- どんな大人になりたいか
このようなことを、普段の会話にサラッと入れて再確認すると、勉強のやる気もアップします。
将来のことをあまり考えられていないことも

そのようなことも多いです。
その場合は、近い未来のことを話せると良いでしょう。
- 進学したら何をしたいか
- 受験が終わったら何をしたいか
- 志望校の文化祭はこんな感じらしい
このようなライトな話題でも、勉強のモチベーションにつながります。
受験勉強のやる気と将来の目標は大きく関連する
将来の目標がある子どもの方が、受験勉強に対するモチベーションが高いです。
憧れや目標があった方が、より一層努力ができます。
そして、受験勉強に一生懸命取り組んでいると、勉強の楽しさがわかってきます。
つまり、将来のことを考えることは、受験生にとっては非常に重要なことなのです。
もし、子どもが将来のことをあまり考えられていないようであれば、しっかりと時間を割いて考える機会を与えるべきです。
今が受験直前期で時間がないようであれば、受験が終わってからでも良いと思います。
子どもがいろいろな刺激に触れられるよう、機会を設けてみてください。
>>将来の夢がない子どもに見てほしい動画5選【保護者の方にも見てほしい】
「受験が終わったら遊びまくれる」はNG

このようにお話をして子どもにやる気を出させようとする保護者の方もいらっしゃるのですが、これは良くありません。
この考え方を根底にしてしまうと、勉強は永遠に楽しくならないからです。
また、受験が終わったら本当に全く勉強しなくなってしまう可能性も高いです。
もし、今回が中学受験であれば、高校受験や大学受験に向けての勉強を全くやらなくなってしまう可能性が高いです。
もし、今回が大学受験であれば、勉強しない大人になってしまう可能性が高いです。
あくまでも、受験は人生の通過点に過ぎないということを前提に、受験の先のことを考えさせるべきです。
具体例2 勉強仲間を作るよう促す
試験の間は一人で問題に立ち向かわなければなりません。
受験勉強は一人で取り組んでいる時間が長いです。
しかし、一緒に頑張る仲間がいることは、受験生にとっては大きな力になります。
勉強仲間がいることのメリットは多いです。
勉強仲間がいることのメリット
- 空き時間にリラックスして話ができる
- 同じ目標を持つ者同士、励まし合える
- 勉強の内容や勉強方針で困ったときにお互い相談し合える
- 仲間が頑張っているのを見ると燃える
- 仲間がいると楽しい
無理強いはしない
人間関係には合う合わないがありますし、そもそも仲間を作ることが好きではない子どももいます。
ですので、無理に引き合わせて「一緒に頑張りなさい!」と言うのは良くありません。
あくまでも、仲間を作れる機会を与えるに留めるべきでしょう。


など、地道に情報収集しつつ、サラッと子どもに話すのが良いでしょう。
塾や予備校に通わせる
一番手っ取り早いのは、塾や予備校に通わせることでしょう。
そこは受験生が集まる「場」です。
勉強仲間を作るチャンスは多いです。
塾や予備校のリサーチは必要ですが、仲の良い友達が通っている塾に入学するというのも良い手です。
>>個別指導の塾選びで失敗しないための10のポイント!ネットのおすすめランギングは参考程度に!
具体例3 テストでできた所を褒め倒す
テストや模試の結果が返ってくると、ついついダメ出しをしてしまいがちです。
結果を見て反省することは大切です。
できなかった所を分析しなければ、次に何をすべきかがわかりませんからね。
ですが、ついつい褒めることを忘れてしまいがちです。
テストの反省会がダメ出しばかりだと楽しくありませんし、毎回憂鬱になってやる気もなくなってしまいます。
ですので、意識的に良くできている部分を探して、意識的に大げさなくらい褒め倒してあげてください。
>>模試の最強活用法7つのポイント!復習のやり方・ノートの作り方
理想はテストの結果を自分から見せに来ること
テストの反省会で子どもを褒めることを心がけていると、そのうち子どもから、

と、嬉しそうに見せに来てくれるようになってきます。
これは、子どもが勉強を楽しめている証拠です。
ここでも褒め倒してあげてください!
褒めだけではダメだけど、褒めだけでもいい
子どもが塾や予備校に通っているようであれば、塾でもテストや模試の反省会のような面談を行っていると思います。
その面談では、反省点を見つけたり、学習課題を見つけたり、今後の学習方針を決めたりすると思います。
反省会は褒めるだけではダメです。
課題を発見することが一番大事です。
ですが、課題発見の役割を塾や予備校でやってくれているようであれば、家庭では褒めに徹するというのもアリです。
むしろ、そうすることをおすすめします。
その方が子どもも受験勉強を楽しめるはずです。
具体例4 ご褒美を用意する
勉強を頑張ったことに対してご褒美を用意してあげるというのも、勉強を楽しくするためのわかりやすい手です。
ですが、実はこのご褒美はバランスが非常に難しいです。
素人にはあまりおすすめしません。
ご褒美は諸刃の剣
勉強に対するご褒美に関しては、過去に実験が行われています。
勉強するとお金をもらえるようにしたら、子どもはテストで良い結果を出すのではないかという実験です。
結果としては、お金をもらって勉強したグループの子どもの方が、テストの結果は良くなりました。

そう思われるかもしれませんが、この話には続きがあります。
お金をもらって勉強していた子どもたちは、お金がもらえなくなったら勉強しなくなってしまいました。
当然と言えば当然の結果ですね。
目的を間違えてはいけない
この記事の趣旨は、「勉強すると受験勉強が楽しくなる」ということです。
長期的に考えれば、そのようになることが子どもの将来にとって有益です。
「ご褒美を貰えるから勉強する」という動機は、短期的には効果を発揮するかもしれません。
しかし、この動機ではいつまで経っても「勉強は苦しいもの」という意識から抜け出すことはできません。
ですので、ご褒美をあげるという方法は安易に取るべきではありません。
ご褒美はもっと気軽に!
ご褒美はもっと気軽なものが良いでしょう。


報酬を餌に頑張らせるのではなく、頑張った報酬としてちょっとしたご褒美をあげられるのが良いでしょう。
結果よりも努力にご褒美を!
ご褒美というと、結果に対してご褒美を設定しがちです。
- 次のテストで80点取ったら、〇〇を買ってあげよう
- 志望校に合格したら、〇〇を買ってあげよう
しかし、結果に対してご褒美を設定すべきではありません。
結果も大事なのですが、子ども時代に大事なのは、結果を出すための過程です。
極端な話をすれば、カンニングをして80点を取っても意味がないのです。
ですので、努力したことに対してご褒美をあげることをおすすめします。
まとめ
それでは、受験勉強を楽しくするための方法をまとめます。
結論
勉強する!
前提として、勉強は本来楽しいものです。
ですが、その楽しさがわかるようになるまでは、一生懸命勉強する必要があります。
ですので、勉強をして基礎知識と思考力をつけていけば、勉強が楽しくなってきます。
しかし、勉強が楽しく思えるまでは努力と時間が必要になります。
また、受験勉強に関しては、好きな勉強だけしていれば良いというわけではありません。
そのため、スモールステップも必要になります。
受験勉強を楽しめるようにするために子どもにしてあげられること
- 受験の先のことを考えさせる
- 勉強仲間を作るよう促す
- テストでできた所を褒め倒す
- ご褒美を用意する
どの方法を取るにしても、「勉強を頑張ることで、受験勉強を楽しめるようにする」ということを前提にしてください。
今回の記事が、お子様が受験勉強を楽しめるようにするための参考となればとてもうれしいです。