こんにちは。エデュサポ(@edsuppor)です。
英検のライティング問題に苦手意識を持っている子どもは多いです。
保護者の方としては、子どもが英検準1級レベルの英作文に対応できるのだろうかと心配されているのではないでしょうか。
結論
英検準1級のライティング問題は、2級までの級よりも遥かに高度な文章力が求められます。
英語の知識だけでなく、社会問題や時事問題などの基礎知識も身につけておく必要があります。
今回は、英検準1級のライティング問題について解説します。
英作文の書き方や、合格するための対策方法について解説していきます。
最後まで読んでいただき、お子様が正しく英作文対策に取り組み、英検準1級に合格するための参考としていただければとてもうれしいです。
この記事の筆者
エデュサポ
(@edsuppor)
- 元塾教室長
- 集団塾と個別指導塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営責任者も務める
- 塾業界勤務経験は20年以上
- 教育業界での経験を活かして、勉強や受験に関する情報を発信するサイトやブログを開設
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英検準1級ライティングってどんな問題?
英検は毎回の出題傾向が固定されているので、大問構成や出題内容が決まっていて、対策しやすい試験です。
英検準1級のライティングは2題出題され、大問4と大問5がライティング技能のセクションになっています。
出題される問題の種類も決まっていて、次の2種類の問題が出題されます。
種類1:英文要約問題
英検準1級のライティング問題の大問4は、英文要約問題です。
英文を読んで、その内容を英語で要約する問題です。
英検の公式サイトには、次のような出題例が掲載されています。
問題のポイント
- 英文を読んで、その内容を可能な限り自分の言葉で要約する
- 語数の目安は60語~70語
- 解答欄の外に書かれたものは採点されない
英文の和訳
1980年代から2000年代初頭まで、英国の多くの国立博物館が、来館者から入館料を取っていました。しかしながら、新たに選出された政府はアートを支持しました。その政府は、博物館が入館料を値下げできるように経済的援助を行うという、画期的な政策を導入しました。結果として、ロンドン自然史博物館を含む多くの博物館で、入館料が無料になりました。
この政策の支持者は、政策が国立博物館への間口を広げることになるので、重要なメリットがあると訴えました。人々は、教養や収入にかかわらず、美術館の膨大な美術作品コレクションを見る機会を得られますし、国の文化史について学ぶこともできます。
政策の導入後、無料になった国立博物館への来館者が平均70%増えたという調査結果があるにもかかわらず、批評家はその政策が完全に成功しているとは言えないと主張しました。今回の来館者の増加は、同じ人が何度も博物館を訪れていることが原因であると彼らは主張しました。加えて、入館料を取っている独立経営の博物館の中には、政策によって悪影響を受けたと主張する博物館もありました。人々が入館料を払うことを避けるために国立博物館に訪れるようになったために、独立経営の博物館への来館者が減少し、経済的に苦しくなりました。
英検2級までのライティング問題に比べると、文章のテーマも、文章自体も難しくなっています。
一方で、要約に関しては英検2級の問題と手順がほとんど変わらないので、文章がしっかりと読み取れれば難しい問題ではありません。
模範解答
この問題の模範解答は、次のようになっています。
The British government implemented a policy that would help national museums to provide free admission to the public. Supporters believed this would encourage people from various backgrounds to visit museums. However, while visitors increased, some critics of the policy pointed out the increase was largely due to repeated visits from the same people. Moreover, some independent museums with admission fees stated the policy let to a drop in their revenues.
模範解答の和訳
英国政府は、国立博物館が民衆への入館料を無料にすることを手助けする政策を施行しました。政策への支持者は、この政策が様々なバックグラウンドを持つ人々に博物館を訪れることを促すと信じていました。しかしながら、入館者が増えた一方、その増加は同じ人々が繰り返し博物館を訪れたことが原因であると指摘する批評家もいました。さらに、入館料を課している独立経営の博物館の中には、その政策が収益の減少につながったと述べる博物館もありました。
種類2:意見論述問題
英検準1級のライティング問題の大問5は、意見論述問題です。
指定されたトピックについて、小論文を英語で書く問題です。
過去の英検では、次のような問題が出題されています。
問題のポイント
- 指定されたトピックについて小論文を書く
- 自分の回答の裏付けとして、下記の「POINTS」から2つ選んで使う
- 構成は、序論、本論、結論の順にする。
- 語数の目安は120語~150語
- 解答欄の外に書かれたものは採点されない
TOPICの和訳
都市部では、空き地を農業に使えるように政府が奨励すべきでしょうか。
POINTの和訳
- コスト
- 汚染
- 人口
- テクノロジー
英検準1級からは、身の回りの話題よりも、社会問題や時事問題がトピックになることが多いです。
社会的なトピックについて、自分の意見とその意見を補強するための論拠を書く必要があるため、社会に関する基礎知識や、複雑な意見を言語化する力が求められます。
模範解答
この問題の模範解答は、次のようになっています。
The government should encourage the use of vacant land in urban areas for farming. The reasons for this are related to costs and population.
First, urban farming can reduce costs for urban residents. Food prices in cities can be high due to the fees required to transport produce from faraway farms. However, growing crops on urban land can bring such costs down. Fresh food can be sold locally at cheaper prices, lowering the expenses associated with urban life.
Additionally, reusing empty land in urban areas for farming can help with population increases. As populations in such areas expand, the need for food becomes urgent. Farming in cities, thankfully, can provide a solution, as the crops cultivated can help satisfy rising food demands.
In conclusion, the government should ensure empty land in cities is used for farming because it can lower living costs for urban residents and feed growing city populations.
模範解答の和訳
政府は、都市部の空き地を農地として使用することを奨励すべきです。その理由は、コストと人口に関連しています。
まず、都市部の農業は、都市部の居住者のコストを削減します。都市の食品の価格は、遠方の農地から商品を輸送するための輸送費のせいで高くなりやすいです。しかしながら、都市部で生産された作物であれば、そのようなコストを削減することができます。新鮮な野菜を地元で安く販売することができるので、都市生活に関わる支出を減らすことができます。
さらに、都市部の空き地を農業のために再利用することは、人口増加への対策として役立ちます。そのような地域の人口が増えるにつれ、食料需要が緊急の課題になります。幸いなことに、栽培された作物が増大する食料需要を満たす手助けをすることで、都市での農業がこの課題への解決策を提供することができます。
結論として、都市部の居住者の生活コストを下げ、増加する都市の人口の食料需要を満たすことができるので、政府は都市の空き地を農地として利用することを推進すべきです。
英検準1級ライティングを捨ててはいけない理由
英検準1級のライティング問題を捨ててはいけない理由は、主に次の5つです。
英検準1級のライティング問題を捨ててはいけない理由
理由1:ライティングの点数が悪いと合格できない
英検のライティング問題を捨ててはいけないのは、ライティング技能のセクションの点数が悪いと英検に合格できないからです。
英検に合格するためには、英語4技能の各技能のセクションでバランス良く得点する必要があるからです。
英語4技能とは、「聞く(リスニング)」「話す(スピーキング)」「読む(リーディング)」「書く(ライティング)」の4つの力のことです。
極端な話をすると、リーディングやリスニングの技能のセクションで満点を取れても、ライティング技能のセクションが0点だと不合格になります。
英検合格のためには、各技能のセクションでしっかりと点数を取っていく必要があります。
理由2:問題を解くための知識は既に身についている
英検のライティング問題を捨てるべきでないのは、ライティング問題では、難しい英単語や複雑な英文法と使いこなせるようになる必要がないからです。
英検準1級のテストは、英単語の問題や長文読解の問題も相当レベルが高く、難しいです。
リーディングやリスニングの技能のセクションでしっかり点数を取れる力がついているのであれば、ライティングの問題を解くための知識は既に十分に身についています。
ライティングの問題が苦手である場合、英語の力が足りていないのではなく、ライティング問題を解くための対策が足りていないだけであることが多いです。
正しく対策をすれば、ライティング問題は必ず解けるようになります。
理由3:二次試験の練習になる
英検のライティング問題を捨てるべきではないのは、二次試験のスピーキングテストの練習にもなるからです。
英検準1級の二次試験では、ライティング問題にも出てきたような質問が出題されます。
具体例として、英検の公式サイトに掲載されている、英検準1級のスピーキングテストのサンプル問題を見てみましょう。
Question No.3の「日本ではこれから犯罪率は上がると思いますか。」という質問や、Question No.4の「今日では、人々が政府の政策について頻繁に議論をしますが、世論は政府の決定に影響を与えると思いますか。」という質問は、ライティングの意見論述問題で出題される質問に似通っています。
ライティング対策をしっかりしておけば、二次試験の質問にもしっかりと答えられるようになります。
理由4:大学入試対策になる
英検のライティング問題を捨てるべきではないのは、大学入試対策にもなるからです。
特に難関大学の英語の入試では、英作文の問題が出題されることも多いです。
日本語を英語に訳す問題だけでなく、自分の意見や考えを英語で説明させるような問題も出題されます。
たとえば、一橋大学の英語の入試問題では、次のような問題が出題されています。
問題文の和訳
下の質問から一つ選び、英語で答えなさい。答えは100語から140語で書きなさい。選んだ質問の番号を書きなさい。作文の最後に、あなたが書いた作文の語数を正しく書きなさい。
1,本を読んだり映画を見たりするとき、あなたはストーリーにフォーカスしますか。キャラクターにフォーカスしますか。それとも、雰囲気にフォーカスしますか。
2,外国語を話すとき、「正確さ」「想像力」「スピード」のうちの、どの側面に注意すべきでしょうか。
3,リーダーにとって最も貴重な資質は、「知性」「野心」「誠実さ」のうちのどれだとあなたは思いますか。
難関大学の英作文の問題では、自分の意見を英語で論理的に説明できる力が求められることも多いです。
英検準1級の難易度の問題で英作文を練習しておけば、難関大学の入試問題にも対応することができます。
理由5:実用的な英語の力が身につく
英検のライティング問題を捨てるべきではない一番の理由は、実践的な英語の力を身につけることができる点にあります。
海外の方と話をしていると、自分の意見を求められる場面は多いです。
グローバルなコミュニケーション力を身につけるためには、自分の意見を自分の言葉で発信したり、相手の意見を求めるために質問したりする習慣を身につける必要があります。
現代では、SNSやメールなど、文字を書いて(テキストを打って)コミュニケーションを取る機会が多いです。
ライティングの勉強を通して、実用的な英語の力を伸ばしていけると、大人になって社会に出てからも活用できるスキルを身につけることができます。
英検準1級ライティングの書き方【英文要約問題】
英検準1級のライティングの英文要約問題は、次のような流れで書くようにすると良いです。
英文要約問題の書き方
- 文章全体を読んで、文全体の段落構成を把握する
- 第1段落から、文章全体のテーマを見つけて要約する
- 第2段落の要旨をつかんで要約する
- 第3段落の要旨をつかんで要約する
先ほど紹介したサンプル問題の解答を見ながら、具体的に解説します。
The British government implemented a policy that would help national museums to provide free admission to the public. Supporters believed this would encourage people from various backgrounds to visit museums. However, while visitors increased, some critics of the policy pointed out the increase was largely due to repeated visits from the same people. Moreover, some independent museums with admission fees stated the policy let to a drop in their revenues.
解答の分析
①第1段落の要約(文全体のテーマ)
The British government implemented a policy that would help national museums to provide free admission to the public.
(英国政府は、国立博物館が民衆への入館料を無料にすることを手助けする政策を施行しました。)
②第2段落の要約(政策への賛成意見)
Supporters believed this would encourage people from various backgrounds to visit museums.
(政策への支持者は、この政策が様々なバックグラウンドを持つ人々に博物館を訪れることを促すと信じていました。)
③第3段落の要約(政策への反対意見)
However, while visitors increased, some critics of the policy pointed out the increase was largely due to repeated visits from the same people. Moreover, some independent museums with admission fees stated the policy let to a drop in their revenues.
(しかしながら、入館者が増えた一方、その増加は同じ人々が繰り返し博物館を訪れたことが原因であると指摘する批評家もいました。さらに、入館料を課している独立経営の博物館の中には、その政策が収益の減少につながったと述べる博物館もありました。)
段落構成を把握することが大事
英文要約問題は、いきなり作文を書きはじめるのではなく、まずは英文全体を読みながら段落構成を把握することが大切です。
各段落の役割りを把握することができれば、要約できたも同然だからです。
サンプル問題であれば、第一段落で文章全体の導入として、話題のテーマを提示しています。
そして、第2段落で政策への賛成意見が書かれていて、第3段落で政策への反対意見が書かれています。
ここまで把握できてしまえば、あとは文章を少し肉付けすればできあがりです。
要約は各段落1~2文ずつ
要約は、各段落1~2文ずつで書くと語数がちょうど良くなります。
逆に、要約を書かない段落はありません。
すべての段落を、1~2文ずつの要約文にまとめるようにします。
抽象化が重要
英検準1級の英文要約では、表現の抽象化が重要です。
たとえば、「大根や人参、玉ねぎ、ピーマン」という具体例が書かれているようであれば、「様々な野菜」という形で抽象化します。
「人種や性別、学歴、職業、年収の異なる人々」という具体例が書かれているようであれば、「様々なバックグラウンドをもつ人々」のように抽象化します。
英文から引用しつつ言い換える
要約は、元の英文から一部を引用したり、一部修正して引用したりできると良いです。
上手に引用しながら作文ができると、ゼロから英作文をする必要がなく、書きやすいです。
本文の丸写しにならないよう、単語や文構造を一部変更して、パラフレーズを作れると良いです。
パラフレーズとは、文の意味や内容を変えずに、表現を言い換えることです。
英検準1級ライティングの書き方【意見論述問題】
英検準1級ライティングの意見論述問題は、次のような流れで書くようにすると良いです。
意見論述問題の書き方
- 結論(自分の意見)を書く(序論)
- POINTSから選んだ2つの項目をテーマに、自分の意見を裏付ける(本論)
- 結論を再度書く(結論)
先ほど紹介した過去問の解答を見ながら、具体的に解説します。
The government should encourage the use of vacant land in urban areas for farming. The reasons for this are related to costs and population.
First, urban farming can reduce costs for urban residents. Food prices in cities can be high due to the fees required to transport produce from faraway farms. However, growing crops on urban land can bring such costs down. Fresh food can be sold locally at cheaper prices, lowering the expenses associated with urban life.
Additionally, reusing empty land in urban areas for farming can help with population increases. As populations in such areas expand, the need for food becomes urgent. Farming in cities, thankfully, can provide a solution, as the crops cultivated can help satisfy rising food demands.
In conclusion, the government should ensure empty land in cities is used for farming because it can lower living costs for urban residents and feed growing city populations.
解答の分析
①結論(自分の意見)
The government should encourage the use of vacant land in urban areas for farming.
(政府は、都市部の空き地を農地として使用することを奨励すべきです。)
②2つの観点から自分の意見を裏付けること宣言する(選んだ2つのPOINTSを書く)
The reasons for this are related to costs and population.
(その理由は、コストと人口に関連しています。)
③POINTSから選んだ1つ目のテーマについて書く
First, urban farming can reduce costs for urban residents.
(まず、都市部の農業は、都市部の居住者のコストを削減します。)
④1つ目のテーマを補足する
Food prices in cities can be high due to the fees required to transport produce from faraway farms. However, growing crops on urban land can bring such costs down. Fresh food can be sold locally at cheaper prices, lowering the expenses associated with urban life.
(都市の食品の価格は、遠方の農地から商品を輸送するための輸送費のせいで高くなりやすいです。しかしながら、都市部で生産された作物であれば、そのようなコストを削減することができます。新鮮な野菜を地元で安く販売することができるので、都市生活に関わる支出を減らすことができます。)
⑤POINTSから選んだ2つ目のテーマについて書く
Additionally, reusing empty land in urban areas for farming can help with population increases.
(さらに、都市部の空き地を農業のために再利用することは、人口増加への対策として役立ちます。)
⑥2つ目のテーマを補足する
As populations in such areas expand, the need for food becomes urgent. Farming in cities, thankfully, can provide a solution, as the crops cultivated can help satisfy rising food demands.
(そのような地域の人口が増えるにつれ、食料需要が緊急の課題になります。幸いなことに、栽培された作物が増大する食料需要を満たす手助けをすることで、都市での農業がこの課題への解決策を提供することができます。)
⑦結論を再度書く
In conclusion, the government should ensure empty land in cities is used for farming because it can lower living costs for urban residents and feed growing city populations.
(結論として、都市部の居住者の生活コストを下げ、増加する都市の人口の食料需要を満たすことができるので、政府は都市の空き地を農地として利用することを推進すべきです。)
序論と結論は質問文から引用する
序論や結論の部分は、質問文から引用して書くと良いです。
ほぼ丸写しで大丈夫ですが、必要に応じて一部を変えて引用します。
パラフレーズを使って言い換えられると更に良いです。
序論と結論は、それぞれ1文~2文程度で書くと良いです。
2つのPOINTSについて(本論)はそれぞれ2文~4文で書く
2つのPOINTSについては、要旨を書くだけだなく、補足情報を付け加えます。
要旨について詳しく書かなければ語数が足りなくなってしまいますし、説得力のある文章を書けないからです。
それぞれ2文~4文を目安に書けると良いです。
補足情報は、要旨について詳しく説明するか、具体例を書くと良いです。
テンプレート化してしまうと良い
英検準1級の意見論述問題は、120語~150語というかなり長い文章を書かなければならないので、難しく感じるかもしれません。
一方で、出題される問題は毎回似通っていますので、書き方をテンプレート化してしまうと書きやすいです。
解答のテンプレート化
The government should encourage the use of vacant land in urban areas for farming. The reasons for this are related to costs and population.
First, urban farming can reduce costs for urban residents. Food prices in cities can be high due to the fees required to transport produce from faraway farms. However, growing crops on urban land can bring such costs down. Fresh food can be sold locally at cheaper prices, lowering the expenses associated with urban life.
Additionally, reusing empty land in urban areas for farming can help with population increases. As populations in such areas expand, the need for food becomes urgent. Farming in cities, thankfully, can provide a solution, as the crops cultivated can help satisfy rising food demands.
In conclusion, the government should ensure empty land in cities is used for farming because it can lower living costs for urban residents and feed growing city populations.
赤字の部分はほぼテンプレート化できるので、黒字の部分だけを自分の言葉で書きます。
英検準1級では自分で考えなければならない部分も多いですが、全体の構造をテンプレート化しておくとそれほど難しくありません。
英検準1級ライティングの評価ポイント
試験で良い点数を取るためには、その試験の評価のポイントを知ることも大切です。
どのような部分が点数として評価されるのかを知ることができれば、どのような対策をすれば良いかがわかるからです。
英検準1級のライティング問題では、主に次の4点が評価されます。
英検準1級ライティングの評価ポイント
- 内容
課題で求められている内容(意見とそれに沿った理由)が含まれているかどうか - 構成
英文の構成や流れがわかりやすく論理的であるか - 語彙
課題に相応しい語彙を正しく使えているか - 文法
文構造のバリエーションやそれらを正しく使えているか
英検準1級ライティングの配点
英検準1級のライティング問題は、大問4の英文要約問題が16点満点、大問5の意見論述問題が16点満点になっています。
英文要約問題の配点
▼この表は横にスクロールできます。
観点 | 配点 | 満点 |
内容 | 0点~4点 | 16点 |
構成 | 0点~4点 | |
語彙 | 0点~4点 | |
文法 | 0点~4点 |
意見論述問題の配点
▼この表は横にスクロールできます。
観点 | 配点 | 満点 |
内容 | 0点~4点 | 16点 |
構成 | 0点~4点 | |
語彙 | 0点~4点 | |
文法 | 0点~4点 |
CSEスコアは750点
英検の合否はCSEスコアで決められます。
英検準1級のCSEスコアは、各技能セクションの問題数に関係なく均等に配分されます。
英検準1級の場合は、各技能セクションの満点スコアはそれぞれ750点です。
▼この表は横にスクロールできます。
技能 | 満点CSEスコア (配点) |
リーディング | 750点 |
リスニング | 750点 |
ライティング | 750点 |
スピーキング | 750点 |
ライティングの技能セクションは、英文問題と意見論述問題の点数(32点満点)がCSEスコアに変換されて合否判定されます。
英検準1級ライティング対策のコツ
ここからは、英検準1級のライティング問題の対策をするときのコツを解説していきます。
英検準1級ライティング問題対策のコツ
コツ1:英単語・英熟語を覚える
ライティング問題を解けるようにするためには、英単語・英熟語の暗記が重要です。
英単語や英熟語を知らなければ、書きたいことを書くことができないからです。
一方で、ライティング問題ではそれほど難しい単語を使う必要はありません。
対策としては、リーディング対策として行う英単語・英熟語暗記で十分です。
英単語・英熟語暗記に取り組むときに、実際に書いて練習して、スペルを覚える努力ができると良いです。
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類義語のバリエーションが重要
英検準1級のライティング対策としては、類義語をたくさん知っておくことが重要です。
文章を抽象化したり、パラフレーズを作ったりするときに、類義語を多く知っているとスムーズだからです。
論理マーカー(ディスコースマーカー)も重要
英検準1級のライティング対策としては、論理マーカー(ディスコースマーカー)をたくさん知っておくと便利です。
論理マーカー(ディスコースマーカー)についての知識は、文章を論理的に読解するときにも、論理的な文章を書くときにも、必ず必要になるからです。
論理マーカー(ディスコースマーカー)とは、「そして」や「しかし」などのつなぎ言葉のように、文章などでの論理的な流れを示す表現のことです。
論理マーカー(ディスコースマーカー)の使い方に慣れておくと、文章の読み書きが上手になります。
順接・追加の論理マーカー(ディスコースマーカー)
- therefore(したがって)
- as a result(結果として)
- in conclusion(結論として)
- in addition(さらに)
- additionally(さらに)
- moreover(さらに)
- what is more(加えて)
逆説の論理マーカー(ディスコースマーカー)
- however(しかし)
- yet(にも関わらず)
- although(にも関わらず)
対比の論理マーカー(ディスコースマーカー)
- on the other hand(一方で)
- meanwhile(一方で)
- while(一方で)
例示の論理マーカー(ディスコースマーカー)
- for example(たとえば)
- for instance(たとえば)
- such as(~のような)
コツ2:基本的な英文法の理解を深める
ライティング問題を解けるようにするためには、基本的な英文法の理解を深めることが大切です。
英文法を理解していないと、相手に伝わる文を書くことができないからです。
ライティング問題では難しい文法を使う必要はない一方で、文章を丸々自分で書く必要があるので、文法に対する深い理解が必要になります。
カッコを埋める問題を解けるようにするだけでなく、ゼロから英文を書けるようにする練習を普段からする必要があります。
英文法の理解を深めるときは、音読をすると良いです。
音読をすると、英語を実際に声に出すことによって、英語を「言葉」として身につけることができます。
音読をするときはネイティブの音声を使って練習すると良いので、英検対策のために参考書や教材を購入するのであれば、音声付きのものを購入すると良いです。
パラフレーズを作る練習をする
英検準1級の対策としては、パラフレーズを作る練習をすると良いです。
同じ意味の文を、使う英単語や英文法、構文を変えて、別の言い回しに変える練習が有効です。
自然にパラフレーズを作れるようになると、英文要約のライティング問題で自然な解答を作れるようになります。
コツ3:本やニュース記事を読む
ライティング問題を解けるようにするためには、普段から本やニュース記事を読む習慣を身につけられると良いです。
自分の意見や考えを持つためには、社会問題や時事問題についての基礎知識が必要になるからです。
たとえば、「都市部の空き地の農地化」をテーマに自分の意見を書くときには、前提として都市部の人口問題や環境問題、最先端技術、ビジネスについての基礎知識が必要になります。
また、普段から本やニュース記事を読んでいると、論理的な文章に触れる機会を増やすことができます。
自分で論理的な文章を書けるようにするためには、まずは論理的な文章を読むようにすると良いです。
本やネット記事、新聞などを通して、論理的文章に触れながら社会についての知識を増やしていけると良いです。
中高生向け新聞
コツ4:英語で意見交換をする練習をする
ライティング問題を解けるようにするためには、普段から英語で意見交換をする練習ができると良いです。
英検では、自分の意見を、自分の言葉で伝える力が求められるからです。
英検準1級のライティング問題では、社会問題や時事問題について、自分の意見を英語で表現し、理由も添えて自分の意見に説得力を持たせる必要があります。
普段から意見交換をする習慣が身についていないと、何を書くべきか、なかなか思いつけないと思います。
英検の英作文を苦手に感じてしまっている子どもの中には、英語で文章を書く以前に、日本語でも文章を書けない子どもも多いです。
そもそも「自分の意見」や「自分の考え」を持っていないからです。
英検のライティングやスピーキングの試験では、自分の意見を自分の言葉で発信する力も求められます。
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コツ5:書き方のテンプレートを決めておく
ライティング問題を解けるようにするためには、解答の書き方のテンプレートを決めてしまうと良いです。
英検は出題傾向が固定されていて、毎回似たような問題が出題されるからです。
先ほども解説したとおり、書き方のテンプレートを事前に決めて練習しておくと、ゼロから英作文をする必要がなくなるため、書きやすいです。
コツ6:単語数を意識する
英検のライティング問題を解けるようにするためには、文章全体の単語数を意識するようにすると良いです。
英検のライティング問題は、語数の目安が決められているからです。
どれくらい書くと、どれくらいの語数になるのか、把握できるようにしておくと、試験本番も焦らずに書くことができます。
字数オーバーに気をつける
英検準1級のライティング問題は、字数オーバーになってしまわないように気をつけるべきです。
複雑なテーマについて英作文をする必要があるので、文章が長くなってしまう傾向があるからです。
指定の語数を数語オーバーした程度では大きな減点になることはないと思いますが、せっかくであれば指定の語数に収めて確実に点数を稼ぎたいです。
少ない語数に絞って書けるよう、普段から練習しておけると良いです。
コツ7:使える表現を覚えておく
英検のライティング問題を解けるようにするためには、よく使う表現は丸暗記してしまうと良いです。
英語は文法を意識しながら丁寧に考えることも大切ですが、ある程度丸暗記してしまうことも大切です。
よく使う表現を、ほとんど頭を使わずにスラスラ言えるように(書けるように)練習しておくと良いです。
英検準1級では、先ほど解説した論理マーカー(ディスコースマーカー)を使った表現を覚えておくと良いです。
論理マーカー(ディスコースマーカー)のバリエーションが多いと、いろいろな論理展開に活用することができます。
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コツ8:解答用紙に慣れておく
英検のライティング問題を解けるようにするために、本番の問題の解答用紙に慣れておくと良いです。
答えを解答欄の外に書いても採点されないので、どれくらいの文字の大きさで、どれくらいの間隔で書くべきか、練習して慣れておくと良いでしょう。
コツ9:添削してもらう
英検のライティング問題を練習するときは、誰かに添削してもらう必要があります。
英作文は答えが一つではないので、自分では丸つけができないからです。
特に、英検準1級以上のライティング問題であれば、英語に相当詳しい人に添削してもらう必要があります。
ChatGPT (チャットGPT)などのAIに添削してもらうこともできますが、AIは間違った回答をすることも少なくないので、100%信用することはできません。
コツ10:練習時は完璧を目指し、本番は完璧を目指さない
英検のライティング問題で点数を取れるようにするためには、練習するときには完璧を目指して英語を書いて、本番の試験では完璧を目指さずにできる範囲で英語を書くことが重要です。
試験中に完璧を目指して英語を書こうとすると、試験時間が足りなくなってしまう可能性があるからです。
英語のスペルや英文法が多少間違っていても、しっかりと点数を取ることができます。
大事なことは、自分の意見を、自分の言葉で相手に伝えようとする態度です。
問題を解いているときに、わからない英単語があったり、文法的に正しい言い回しがわからなかったりしたときは、言い回しを変えて簡単な文章にしてしまっても大丈夫です。
冠詞や時制、単数形や複数形が多少間違っていても大丈夫です。
完璧を目指してじっくりと英文を作るのではなく、まずは文章全体を書いてしまって、あとで余った時間で直していくと良いです。
一方で、練習中はしっかりと完璧を目指して取り組むべきです。
練習中に完璧に書けるようにしなければ、本番では高得点を狙うことはできません。
英検準1級ライティングの勉強方法
英検2級のライティング問題の対策をするときは、次のようなものを利用して勉強すると良いです。
勉強法1:英会話スクール
英検準1級のライティング問題の対策には、英会話スクールがおすすめです。
英会話スクールであれば、英語で意見交換をする練習ができるからです。
英検準1級のライティング問題は、英語の力だけでなく、対話の中で自分の意見を相手に伝えたり、論理的に説明したりする力も問われます。
英文法や長文読解の練習だけでなく、英語で対話をする力を伸ばせると良いです。
決まった型を練習するようなスクールよりも、社会問題や時事問題に関するトピックで自由に会話ができるようなスクールがおすすめです。
英検対策に特化した英会話スクールもあるので、検討してみると良いでしょう。
英会話スクールの特徴
- 自分の意見を自分の言葉で発信する練習ができる
- リスニングやスピーキング対策もできる
- 英検特化のスクールもある
時事問題の自由英会話におすすめのスクール
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英検対策におすすめの英会話スクール
- 【ENC/GNA】
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勉強法2:オンライン家庭教師
英検準1級のライティング問題の対策には、オンライン家庭教師もおすすめです。
オンライン家庭教師であれば、英検上位級の指導を得意とする講師を、全国から選ぶことができるからです。
英検準1級以上の上位級は、指導できる講師が少ないのも大きな問題点ですが、オンライン家庭教師であればその心配はありません。
比較的料金を安く抑えてマンツーマン授業を受けることができるのも、オンライン家庭教師のメリットです。
オンライン家庭教師の特徴
- マンツーマン授業のわりに料金が安い
- 全国の講師から英検上位級の指導を得意とする講師を選べる
- 通塾の手間がない
英検対策におすすめのオンライン個別指導
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勉強法3:学習塾
英検準1級のライティング問題の対策には、学習塾を利用しても良いでしょう。
塾であれば、手厚くサポートしてもらえるからです。
英作文だけでなく、英文法や長文読解、リスニングなど、トータルでサポートしてもらえます。
英検対策であれば、受験対策中心の進学塾や予備校よりも、個別指導塾がおすすめです。
既に個別指導塾に通っているようであれば、英検対策ができないか塾に相談してみると良いでしょう。
英検準1級以上の場合、対応していない塾もありますので、対策をお願いできるかどうか確認する必要があります。
学習塾の特徴
- 授業で教えてもらえる
- 手厚くサポートしてもらえる
- 費用が高い
英検対策におすすめの個別指導塾
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勉強法4:問題集
英検準1級のライティング問題の対策には、問題集や参考書を利用するのも良いでしょう。
問題集や参考書であれば、費用もほとんどかかりません。
一方で、問題集や参考書には模範解答はついていますが、添削はしてもらえません。
学校の先生や塾の先生など、添削をお願いできる人を探す必要があります。
参考書・問題集の特徴
- 格安
- 教材の種類が多い
- 添削してくれる人を探す必要がある
まとめ
それでは、英検準1級のライティング問題についての解説をまとめます。
結論
英検準1級のライティング問題は、2級までの級よりも遥かに高度な文章力が求められます。
英語の知識だけでなく、社会問題や時事問題などの基礎知識も身につけておく必要があります。
英検準1級のライティングでは、次の2種類の問題が出題されます。
英検準1級のライティング問題を捨ててはいけない理由は、主に次の5つです。
英検準1級のライティング問題を捨ててはいけない理由
英検準1級のライティングの英文要約問題は、次のような流れで書くようにすると良いです。
英文要約問題の書き方
- 文章全体を読んで、文全体の段落構成を把握する
- 第1段落から、文章全体のテーマを見つけて要約する
- 第2段落の要旨をつかんで要約する
- 第3段落の要旨をつかんで要約する
英検準1級ライティングの意見論述問題は、次のような流れで書くようにすると良いです。
意見論述問題の書き方
- 結論(自分の意見)を書く(序論)
- POINTSから選んだ2つの項目をテーマに、自分の意見を裏付ける(本論)
- 結論を再度書く(結論)
英検準1級のライティング問題では、主に次の4点が評価されます。
英検準1級ライティングの評価ポイント
- 内容
課題で求められている内容(意見とそれに沿った理由)が含まれているかどうか - 構成
英文の構成や流れがわかりやすく論理的であるか - 語彙
課題に相応しい語彙を正しく使えているか - 文法
文構造のバリエーションやそれらを正しく使えているか
英検準1級のライティング問題の対策をするときのコツを解説しました。
英検準1級ライティング問題対策のコツ
英検2級のライティング問題の対策をするときは、次のようなものを利用して勉強すると良いです。
今回の記事が、お子様が正しく英作文対策に取り組み、英検準1級に合格するきっかけとなればとてもうれしいです。
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