こんにちは。エデュサポ(@edsuppor)です。
うちの子どもは中学生なのですが、英作文が全然書けないみたいです。穴埋め問題や長文の問題は解けるようです。何か良い対策はありませんでしょうか。
高校の入試問題では英作文が出題されると聞きました。うちの子は英作文が苦手なようなので心配です。
英語の穴埋め問題は解けるのに、英作文になると途端に解けなくなってしまう中学生は多いです。
多くの都道府県の公立高校入試の英語では英作文の問題が出題されるので、心配されている保護者の方も多いです。
結論
高校受験レベルの英作文は簡単です。
英語を声に出して練習する習慣をつければ、必ず書けるようになります。
今回は、英作文が苦手な中学生が苦手を克服するための4つの本質的な対策について解説します。
私は以前、塾講師の仕事をしていました。
集団塾と個別指導塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営の仕事をしていた時期もあります。
かれこれ20年以上、塾業界で働きました。
これまでの経験を基にお話します。
最後まで読んでいただき、お子様がスラスラと英作文の問題を解けるようにするための参考としていただければとてもうれしいです。
英作文は簡単
高校受験レベルの英作文は簡単です。
公立高校の入試では基礎的なことが出題されることが多いため、英作文でも難しい問題は出題されません。
英単語・英熟語の暗記と英文法の勉強にしっかりと取り組めていれば、普段の勉強方法を少し変えるだけで英作文を得意にすることができます。
英作文では、読解問題や文法問題に出てくる英文よりも、ずっとシンプルな英文を書ければ十分だからです。
ただ、単語や文法などの基礎部分が定着していなければ、英作文の問題は解けません。
学校の定期テストで80点前後を狙えないようであれば、まだまだ英語の基礎が定着していません。
英作文の対策の前に、基礎の積み上げに力を注いでください。
公立高校入試の英作文
まずは、高校受験ではどのような英作文の問題が出題されるか確認してみましょう。
大阪
最初に、大阪府公立高校の2022年度の英語B(標準レベル)の入試問問題を見てみましょう。
①は日本語を英語に直す問題です。
②は、今度の夏に行く旅行で海と山どちらに行ったほうが良いかを答え、そこで何ができるかを説明する問題です。
配点は①が4点、②が6点、合計で90点満点中の10点です。
模範解答は次のようになっています。
①も②も、とてもシンプルな文章になっています。
実際には、もっとシンプルは英作文を書いても正解にしてもらえます。
読解問題で読まなければならい英語と比べれば、何十倍もシンプルです。
東京
もう一つ、東京都公立高校の2023年度の英語の入試問問題を見てみましょう。
空欄の前文に、「日本では多くの場所で日本の伝統的な文化を楽しむことができ、興味深い経験ができる。」とあり、その具体例を英語で紹介する英作文の問題です。
先程の大阪の問題よりも、しっかりとした英作文の問題になっています。
配点は100点満点中の12点です。
模範解答を見てみましょう。
かなりしっかりとした英作文の問題ですが、それでも読解問題の本文に比べればずっとシンプルな英文です。
実際には、これよりもシンプルな英文を解答しても正解にしてもらえます。
英検の英作文問題
英検は、3級以降では英作文の問題が出題されます。
高校受験では最低でも3級は取っておきたいです。
難関校合格を目指すようであれば、準2級まで取っておきたいです。
英検の英作文の問題も、文法問題や長文読解問題の英文よりもずっとシンプルです。
決して難しくありません。
英検3級
まずは、英検3級の英作文問題を見てみましょう。
日曜日の午前中に何をするのが好きか、理由を2つ添えて答えます。
英検3級では日常的な話題を問われることが多いので、書く内容に困ってしまうことはあまりありません。
模範解答を見てみましょう。
少し長い文章になっていますが、文法的には非常にシンプルな英文になっています。
実際にはもっとシンプルな英文を書いても問題ありません。
英文法や長文読解問題に出てくる英文よりも遥かにシンプルです。
英検準2級
続いて英検準2級の英作文の問題を見てみましょう。
英検準2級は高校中級レベルです。
「図書館は子ども向けのイベントをもっと開催すべきだと思うか。」という質問に対して、理由を2つ添えて自分の意見を書く問題です。
英検準2級の英作文は、少し難易度が上がります。
英検準2級の英作文は、身近な社会問題をテーマに自分の意見を書く問題が多く、英語の力だけでなく、意見を発信する力も問われるからです。
では、模範解答を見てみましょう。
少し長くて難しく見えるかもしれませんが、使われている単語や文法はすべて中学校レベルです。
また、問題文をほとんどそのまま書き写している部分もあります。
全体的にはシンプルな英文で、それほど難しくありません。
むしろ、自分の意見を持っているかどうかのほうが勝負を分けるでしょう。
>>英検が高校受験に超絶有利な3つの理由!中学生は英検を絶対に受けるべき
英作文が苦手な理由
英作文の問題では読解問題よりもずっとシンプルな英文で対応できるのにも関わらず、英作文を苦手とする中学生が多いのはなぜでしょうか。
その理由は主に4つあります。
一つひとつ解説します。
理由1 英語を声に出していない
英語は言葉ですので、声に出して話すことで効果的に力を伸ばすことができます。
ところが、中学校の英語学習では、あまり声に出して英語を練習する機会がありません。
特に、家で宿題に取り組むときや、定期テスト対策の問題集を解くとき、英単語の暗記に取り組むときに、声を出さずに黙って取り組んでしまうことが多いです。
声に出さなければ、英語を本当の意味で定着させることはできません。
英語を口になじませることが大切です。
理由2 英文をまとまりで覚えられていない
英文法の勉強ばかりに取り組んでいると、英文を1つのまとまりとして覚えることができません。
文法の細かい部分ばかりに意識が向いてしまい、英文全体には意識が向かないからです。
穴埋め問題が解けたら、その問題の他の部分を読まないことも多いでしょう。
木を見て森を見ずの状態です。
英文をまとまりして覚えることができなければ、自分で英文を書くことはできません。
理由3 頭の中のイメージを言葉にする練習をしていない
中学校の英語では、日本語を英語に直す練習する機会はあるのですが、頭の中のイメージを英語で書いたり話したりする練習をする機会はほとんどありません。
これは、学校英語の大きな欠陥です。
実際に英語を使うときには、頭の中にあるイメージを英語に変換することが多いからです。
英語で会話をするときに、頭の中で一度日本語を作って、それを英語に直して話すことはありません。
頭の中のイメージをそのまま英語にすることができなければ、英作文を書くのは難しいです。
「そうやって言うのか!」を積み重ねる
たとえば、友達が着てきたTシャツがいいなと思って、「そのTシャツいいじゃん!」って言いたい時、英語ではどのように表現すると思いますか?
いかがでしょうか。
「T-shirt」という単語は必ず必要ですよね。
「good」でしょうか。
「wonderful」でしょうか。
いろいろな表現方法はありますが、「I like your T-shirt.」と言うことが多いです。
日本語の感覚だと、絶対に思いつかない英文ですよね。
でも、言われてみると「なるほど、そうやって表現するのか。」とも思いますよね。


この体験の繰り返しが、頭の中のイメージを英語にする力を育てます。
理由4 自分の意見がない
少しレベルの高い英作文の問題では、自分の意見を書く問題が出題されます。
そのため、どれだけ英語の力が高くても、自分の意見がなければ解くことができません。
特に英検準2級以上に挑戦するようであれば、英作文でも、二次試験の面接試験でも自分の意見を問われます。
英語力は十分なのに、自分の意見を持てないために全く答えられないという中学生がとても多いです。
英作文を得意にするための4つの対策
ここまでの解説を踏まえたうえで、英作文を得意にするための4つの対策を解説します。
小手先のテクニックではなく、本質的な対策を解説します。
本質的な対策ですので、普段の勉強に取り入れて習慣化すると、英作文を得点源にすることができます。
英作文を得意にするための対策
一つひとつ解説します。
対策1 教科書の音読
英作文を得意にするための第一歩は、学校の教科書の音読です。
学校の教科書の音読にはメリットが多いです。
教科書音読のメリット
- 学校の授業の予習・復習になる
- 声に出して英語を話せる
- 教科書の英文をまとまりで覚えられる
- 文法と英文をセットで覚えられる
音声を聞きながら音読
学校の教科書を音読するときは、お手本の音声を流しながら音読をすると効果的です。
正しい発音の練習にもなりますし、リスニング力アップにもつながります。
お手本のあとに音読するのではなく、お手本の音声に重ねて一緒に音読すると効果的です(オーバーラッピング)。
本文を覚えてしまうほど練習ができたら、教科書を閉じた状態でお手本の音声と一緒に音読できると最強です(シャドーイング)。
最近の教科書にはQRコードがついていて、それを読み込むとスマートフォンやタブレットで音声を再生することができます。
手軽に取り組めて効果が非常に高い学習方法ですので、今すぐにでも取り入れてみてください。
対策2 和文英訳問題の演習
日本語を英語に直す問題に積極的に取り組むようにすると、英作文の力が鍛えられます。
学校のワークや市販の問題集は空欄を埋める問題が多く、日本語を英語に直す問題は発展問題に少しだけ収録されていることが多いです。
そのため、ほとんどの中学生は一文を丸々英語に直す練習が足りていません。
一文を丸々英語に直す練習に力を入れることができれば、英作文も書けるようになります。
まずは、学校のワークの和文英訳問題を何度も繰り返し解いてみることからはじめると良いでしょう。
それでも物足りなくなってしまったら、市販の問題集を購入すると良いでしょう。
対策3 ニュースに触れる
意見を求められるような英作文問題に対応できるように、普段からニュースに触れておくことは大切です。
そもそも社会的な知識がなければ、社会問題に対する意見を持つことはできないからです。
1日1記事でも良いです。
新聞、テレビ、Yahoo!ニュースなど、メディアはどれでも良いです。
ただし、エンタメではない記事を選ぶようにしてください。
中高生向けの新聞を発行しているサービスもあるので、利用してみるのも良いでしょう。
中高生向け新聞
対策4 英会話スクールに通う
中学生は、英会話スクールを利用するとより効果的に英語を身につけることができます。
英語の力は4技能をバランスよく学習することで伸びるからです。
英語4技能とは、「聞く」「話す」「読む」「書く」の4つの力のことです。
中学校の英語の授業では「読む」「書く」の学習が中心となり、「話す」「聞く」の学習が圧倒的に不足してしまいます。
「話す」「聞く」の学習を英会話スクールに通うことで補うことができれば、4技能をバランスよく学ぶことができます。
特に英作文を得意にするという意味では、頭の中のイメージを英語にする練習ができることが、英会話スクールに通う大きなメリットです。
>>中学生が英語の成績を上げるために英会話をはじめるべき2つの理由!
小手先のテクニックに逃げてはいけない
ネットで検索をすると、英作文を書くための小手先のテクニックを紹介している記事がたくさんヒットします。
具体的には次のような内容です。
英作文の小手先のテクニック
- 解答パターンを覚える
- 汎用性の高い英文を暗記する
- 嘘をついても良いので書きやすい英文を書く
小手先のテクニックはテスト直前期にはとても有効です。
しかし、普段の勉強では小手先のテクニックに逃げてはいけません。
その理由は主に3つあります。
小手先のテクニックがダメな理由
一つひとつ解説します。
理由1 英語力が育たない
小手先のテクニックを使えば、確かにテストの点数を簡単に上げることができます。
しかしそれはテストで点数が取れただけであって、英語の力が上がったわけではありません。
テスト対策は必要ですが、テスト対策だけで逃げ切るばかりではいつまでたっても学力は育ちません。
定期テストでは点数は取れるけど、模試になると途端に点数が取れなくなってしまう中学生に多いパターンです。
>>定期テストではできるのに模試の点数が取れない!たった1つの理由と3つの対策
理由2 大学入試で戦えない
難関大学の入試問題で出題される英作文問題は、小手先のテクニックでは太刀打ちできません。
大学入試の問題のレベルは高く、本質的な学力が問われるからです。
具体例として、一橋大学の2022年度入試の英語の問題を見てみましょう。
「以下の写真から1つ選び、英語で説明しなさい。」という問題です。
この問題を小手先のテクニックで解くことは不可能です。
大学入試を見据えるのであれば、普段から本質的な対策に取り組む必要があります。
理由3 大人になってから英語が使えない
小手先のテクニックに頼ってしまうと、大人になってから英語が使えません。
せっかく学校で勉強する英語が、大人になってから役に立たない意味のない勉強になってしまいます。
英語の力は社会に出てからも必要になる力です。
学校で勉強したことを大人になってからも活用するためにも、普段から本質的な対策をする必要があります。
小手先のテクニックは直前期には有効
普段は、習慣的に本質的な対策に取り組むことが大切ですが、試験直前期には小手先のテクニックが力を発揮します。
小手先のテクニックは、少し取り組むだけで大きく点数を伸ばすことができるからです。
あくまでも普段は本質的な対策を行って本当の意味の英語力を育て、試験直前期だけ小手先のテクニックを活用するのが良いでしょう。
試験直前期のテクニックとしては、主に次の4つがあげられます。
試験直前期のテクニック
一つひとつ解説します。
テク1 解答パターンを覚える
過去問を解いて解答パターンを覚えてしまうことで、試験本番で焦らずに英作文に取り組むことができます。
問題に取り組む前から文章のある程度の骨格ができていれば、試験中に「何をすればいいのかまったくわからない!」となることはないからです。
そもそも、過去問の研究は超重要です。
どのような試験を受けるにしても、過去問研究は必ず行いましょう。
いくつか具体例をあげて解説します。
自分の意見を書く英作文
問題例
- どっちがいいと思いますか?
- 〇〇という意見に賛成ですか?
- 〇〇についてどう思いますか?
公立高校の入試や英検準2級以上でよく出題されるパターンです。
まず自分の意見を書いて、そのように思う理由を1つか2つ書きます。
理由については、自分の経験を書くと説得力をつけられます。
文章の骨格
- 自分の意見(賛成・反対など)
- 理由1
- 理由2
英文の型
- I think that ~. 「自分の意見を書く」
- I have two reasons. 「理由は2つあります」
- First, ~. 「1つ目の理由」
- Second, ~. 「2つ目の理由」
紹介する英作文
問題例
- いい〇〇を教えてください。
- 〇〇をしたいのですが、どのようなものがおすすめですか?
公立高校の入試や学校の定期テストでよく出題されるパターンです。
「〇〇が良いです。」と紹介して、そのように思う理由やおすすめポイントを書きます。
最後は、「きっと気に入りますよ」という文で締めるとまとまります。
文章の骨格
- 〇〇はとても良いです
- 理由1
- きっと気に入りますよ
英文の型
- ~ is very good. 「おすすめしたいものを書く」
- It is ~. 「おすすめする理由・おすすめポイントを書く」
- I think you will like it. 「きっと気に入りますよ」
自分のことを書く英作文
問題例
- あなたは〇曜日に何をしますか?
- あなたは何をするのがすきですか?
- 夏休みに何をしましたか?
英検3級や定期テストでよく出題されるパターンです。
「私は~です。」と質問の答えを書いて、それに関する補足を1つか2つ書きます。
文章の骨格
- 私は~です。
- 補足1
- 補足2
英文の型
- I ~. 「私は~です」
- I ~. 「補足1」
- I ~. 「補足2」
テク2 汎用性の高い英文を暗記する
普段から英語の音読をして英文を口になじませることは大切ですが、特に汎用性の高い英文を覚えておくといろいろな場面で活用できます。
いくつか具体例を紹介します。
汎用性の高い英文
- ~, because it is fun for me.
「~です。なぜなら、私にとってそれは楽しいからです。」 - I could learn many things from it.
「私はそこから多くのことを学びました。」 - I think you will like it.
「きっと気に入りますよ。」 - I enjoyed ~ing ・・・.
「私は~して楽しみました。」 - We can enjoy ~ing ・・・ together.
「一緒に~して楽しむことができます。」
テク3 嘘をついても良いので書きやすい英文を書く
英作文の問題では、必ず本当の事を書かなければならないわけではありません。
そのため、書きやすい英文を思いついたのであれば、それが嘘であっても書いてしまってください。


文章の内容が本当か嘘かは採点基準になりません。
書きやすい英文を書いてミスを減らすのも、テストテクニックの一つです。
テク4 短くてシンプルな英文を書く
英文は、なるべく短くてシンプルに書いたほうが良いです。
試験では素晴らしい英文を書くよりも、ミスがない英文を書いたほうが評価されるからです。
英作文の採点は基本的に減点方式です。
文法的なミスがあれば減点され、スペルミスがあれば減点され、ピリオドを書き忘れると減点されます。
逆に、難しい文章を書いても加点されることはありません。
まとめ
それでは、英作文が苦手な中学生が苦手を克服するための4つの本質的な対策をまとめます。
結論
高校受験レベルの英作文は簡単です。
英語を声に出して練習する習慣をつければ、必ず書けるようになります。
英作文の問題で書く英文は、読解問題や文法問題に比べるとずっとシンプルな文章です。
それにも関わらず英作文を苦手とする中学生が多い理由は、主に4つあります。
英作文が苦手な理由
- 英語を声に出していない
- 英文をまとまりで覚えられていない
- 頭の中のイメージを言葉にする練習をしていない
- 自分の意見がない
英作文を得意にするためには、小手先のテクニックではなく、本質的な対策が必要です。
本質的な対策を普段の勉強に取り入れ習慣化すると、英作文を得点源にすることができます。
英作文を得意にするための対策
小手先のテクニックはテスト直前期にはとても有効です。
しかし、普段の勉強では小手先のテクニックに逃げてはいけません。
その理由は主に3つあります。
小手先のテクニックがダメな理由
- 英語力が育たない
- 大学入試で戦えない
- 大人になってから英語が使えない
普段は本質的な対策に取り組むべきですが、試験直前期には小手先のテクニックも大切です。
試験直前期のテクニックとしては、主に次の4つがあげられます。
試験直前期のテクニック
- 解答パターンを覚える
- 汎用性の高い英文を暗記する
- 嘘をついても良いので書きやすい英文を書く
- 短くてシンプルな英文を書く
あくまでも、普段は本質的な対策を習慣化するようにしてください。
今回の記事が、お子様がスラスラと英作文の問題を解けるようにするための参考となればとてもうれしいです。