こんにちは。エデュサポです。
長文読解の英文は読み取れるのに、問題に正解できません
2択までは絞れるんですが、2択をハズします
英語の長文読解問題に悩んでいる高校生は多いものです。
さて、先日、次のようなツイートをしました。
大学入試レベルの英語の読解問題になると、英語を正しく理解するだけでは対応できないことが多いです。
英語を母国語とする人が読んでも「難しい」と感じる文章が出題されることも少なくありません。
長文読解問題が解けないのは、実は英語力不足が原因ではない可能性もあるのです。#英語 #大学入試— エデュサポ@元塾教室長 (@edsuppor) January 24, 2022
今回は、英語の力はついてきているのに、長文読解の問題がなかなか正解できないという高校生に向けて、英語の長文読解の3つのポイントについて解説します。
具体的には、次の3つになります。
長文読解の3つのポイント
- 読解の前の基礎部分ができているか
- 英語よりもまずは日本語
- 一般常識等の基礎知識をつけるべき
私は以前、塾講師の仕事をしていました。集団塾と個別塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営の仕事をしていた時期もあります。かれこれ20年以上、塾業界で働きました。
これまでの経験を基にお話します。最後まで読んでいただき、英語の長文読解でバンバン点数を取るための参考としていただければとても嬉しいです。
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ポイント1 読解の前の基礎部分ができているか
英語の長文読解に苦手を感じている高校生のほとんどは、「英単語・英熟語・英文法」という基礎の部分が定着していません。
長文読解が苦手なのではなく、本当は英語そのものが苦手だったというパターンです。

と言う高校生も多いです。
しかし、英語の基礎部分ができていなければ、どんなに長文読解問題をたくさん解いてもできるようにはなりません。
では、基礎部分はどの程度完成させてから長文読解に取り掛かるのがよいでしょうか。
基礎部分の理解度の目安
基礎部分の理解度を計るのであれば、センター試験や共通テストの過去問を目安にすると良いです。
たとえば、共通テストの過去問を1年分解いてみて、知らない英単語や英熟語が10個以上出てくるようであれば、明らかに勉強不足です。
共通テストやセンター試験には、難しい英単語はほとんど登場しません。大学入試の語彙レベルとしては、最低限必要なレベルだと思ってください。
英文法に関しても、共通テストやセンター試験であれば、誤訳してしまうことが一つもないという状態にしておくのがよいでしょう。
共通テストやセンター試験は試験時間がシビアですが、時間をかけても良いのであれば、文法や構文が理解できないような複雑な文が出てくることはありません。
基礎力がついているかどうかを計るのには良いレベルの問題です。
基礎ができてから読解に取り組むべき

そのように主張する高校生もいます。そのような勉強方法が合う高校生もいますが、一般的には基礎を定着させてから長文読解に取り組むほうが効率的です。
長文読解の問題を解きながら、知らなかった単語を抜き出すのって面倒くさくないですか?知らない単語が出てくる度に思考が止まってしまうのもストレスです。
そうであれば、あらかじめ英単語を一気に暗記してしまって、それから長文読解に取り掛かった方が効率的です。
ただ、長文読解の問題に取り組みながら、ちょっと定着が怪しいなと思った英文法等を復習するのはとても効率的だと思います。
「基礎の定着⇒読解問題を解きながら基礎部分も復習」という順序がおすすめです。
英語の長文読解の基礎的な部分のコツに関しては、『英語の長文が読めない!英文を読むための8つのコツ』という記事で詳しく解説しています。自分は英語の基礎部分の定着がまだ怪しいかもと思った場合は、そちらの記事を参考にしてみてください。
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英語の長文が読めない!英文を読むための8つのコツ
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ポイント2 英語よりもまず日本語
大学入試の英語の試験で問われているのは、単純な英語力だけではありません。
つまり、英文の意味をどれだけ速く正確に把握することができていても、それだけでは十分ではありません。
たとえば、現代文の読解問題を思い浮かべてみてください。すべて日本語で書かれているのにも関わらず、解けない問題もあるでしょう。
大学入試に出題される英語の読解問題は、英語を母国語とする人が解いても「難しい!」と感じることは少なくありません。そういうレベルの問題なのです。
そもそも、日本語訳の文章を読んで、問題を正確に解けるかどうかを確認してみてください。
特に、二択まで絞れるのに二択でハズしてしまうという場合には、英語力よりも読解力に課題があることが多いです。
英単語や英熟語や英文法がある程度定着しているのにも関わらず、長文読解の点数がなかなか上がらない場合は、まずは日本語の読解をしっかりとできるようにする必要があります。
筆者の主張を読み取る
文章というものは、基本的には筆者が読者に何かを伝えたくて書くものです。
しかも、一言で簡単に説明できるようなことではなく、順序立てて説明していかなければ読者に伝わらないような、複雑な主張であることが多いです。
一言で説明できるような主張であれば、わざわざ長い文章を書かずとも、ツイッターでつぶやけば十分だからです。
ですので、筆者はあの手この手で読書に伝えようと一生懸命に構成を考えて文章を書くことになります。
読者としては、なぜ筆者がここでこのようなことを書いたのか、ここに書いてあることは何を我々に伝えようとしているのか、結果として筆者の主張は何なのかを読み解いていく必要があるのです。
大学入試の英語の長文読解で求められている力というのは、そういったレベルの読解力です。決して、英文の意味を正確に読み取れているかどうかだけを問うているわけではありません。
英語の基礎が定着していて、筆者の主張を読み取る読解力がついてくれば、英語の長文読解を得意にすることができます。
そして、もう一歩踏み込むと、さらに点数を伸ばすことができます。
ポイント3 一般常識等の基礎知識をつけるべき
大学入試の英語の読解問題では、勉強とは関係のない、社会の一般的な知識が成否を大きく分けることがあります。
大学入試の英語では、専門的な文章が出題されることが多いからです。
「法律」「歴史」「言語」「自然科学」「医療」「社会」「経済」等の、専門的な文章を読まされることは少なくありません。
出典も、権威性の高い新聞や雑誌だったりすることがほとんどです。つまり、英語を母国語とする社会人が普通に読むような文章が出題されるのです。
大人が普通に読む文章なので、ある程度のバックグラウンド的知識があることを前提に書かれていることが多いです。
つまり、社会で今どのようなことが起こっているのかを知らなければ、文章の内容をまったく理解することができないということもありえます。
同様にして、現代社会が抱えている医療の問題点についての知識が少なければ、文章の内容を理解するのに苦労するようなこともありえます。
英作文やスピーキングテストは意見を求められる
英検の英作文対策を行っていると、生徒の手が止まってしまうことが多々あります。
また、英検の2次試験の面接対策を行っていると、生徒が押し黙ってしまうことが多々あります。
これは、生徒の英語力が不足しているわけではなく、自分の意見を持っていないことが原因です。
おそらく、日本語で問われて、日本語で答える問題だったとしても答えられないでしょう。
難関国公立大学の自由英作文の問題でも同様のことが言えます。
どれだけ英語の力をつけたとしても、普段から社会で起こっていることに関心を持ち、それに対して自分の意見を持つよう意識しておかなければ、このような問題には対処できません。
難関大学合格を目指す高校生は、学校の勉強だけで満足してはいけないということになります。
では、社会的な基礎知識を学ぶにはどのようにすれば良いでしょうか。
ニュースに触れる
社会的な知識を得るには、ニュースに触れるのが一番良いです。
メディアは問いません。テレビでも新聞でもネットニュースでも良いでしょう。You Tubeなどの動画サイトを活用しても良いです。
ただし、幅広く活用しましょう。たとえば、一人のユーチューバーの動画ばかり見ることはおすすめしません。
同様に、一社の新聞ばかり読むこともおすすめしません。
いろいろな企業の新聞を読んだり、いろいろな人がアップロードしている動画を視聴したり、いろいろなニュースサイトを活用しましょう。
これは、自分の意見や考えが偏るのを防ぐためです。同時に、同じ出来事を違う視点から考える力を付けるためです。
また、なるべく幅広いジャンルのニュースに触れるようにしましょう。知識を広く持っておくことで、様々なジャンルの読解問題に対応できるようになります。
ニュースに触れる際のポイント
- 1つもメディアに絞らず幅広く活用する
- 幅広いジャンルに触れる
おすすめのニュースメディア
おすすめのニュースメディア
- 文字で読めるメディア
- スマホやタブレットで読めるもの
- 新聞のデジタル版のコラムがおすすめ
私は基本的には文字で読めるメディアをおすすめします。ネットニュースや、新聞のデジタル版がおすすめです。
紙の新聞でも良いのですが、いつでもどこでもパッと読むことができるので、スマートフォンやタブレットで読めるものが良いでしょう。
文字で読めるメディアをおすすめする理由は、英語の長文読解は文字で読む必要があるからです。文字に慣れておくことは、絶対的なアドバンテージになります。
時間がないときや、何かの作業をしながらニュースに触れたいときは、テレビや動画サイト等を活用して、音だけ聞くと良いでしょう。もちろんラジオでも良いと思います。
ネットニュースか新聞のデジタル版かと問われれば、新聞のデジタル版の方をおすすめします。
ネットニュースは事実だけを伝えている記事が多いですが、新聞には記者の意見などが掲載されているコラム等があります。
こういったコラムには筆者の主張が込められているので、読解問題の練習にもなります。
また、ネットニュースは芸能やエンタメニュースも多く、中身がスカスカの記事も混ざっていたりします。
ただし、新聞のデジタル版は基本的に有料です。無料で読むことができる記事もありますが、特に、コラム記事は有料であることが多いです。高校生にとっては少しハードルが高いかもしれません。
扱われている記事を考えれば、「日本経済新聞」はおすすめです。無料で読める記事も多いです。
日本経済新聞は記事の内容が経済界に傾いているので、「読売新聞」等と併せて読むと、主張の違いを感じられて面白いと思います。こちらも無料で読める記事が多いです。
中高生向け新聞
まとめ
それでは、英語の力はついてきているのに、長文読解の問題がなかなか正解できないという高校生に向けての英語の長文読解の3つのポイントをまとめます。
長文読解の3つのポイント
- 読解の前の基礎部分ができているか
- 英語よりもまずは日本語
- 一般常識等の基礎知識をつけるべき
大学入試レベルの英語の長文読解問題は、単純な英語力だけでは太刀打ちできません。
まずは基本的な英語力を鍛える必要がありますが、確かな読解力や、社会的な基礎知識までもが求められます。
学校の勉強だけではなく、学びの幅を広げていく必要があります。
今回の記事をきっかけとして、さらに英語の長文読解を得意にしていただけたらとても嬉しいです。