こんにちは。エデュサポです。


塾で働いていると、このような話を子どもや保護者から聞きます。
さて、先日、次のようなツイートをしました。
ブラック部活でない限り、部活と勉強の両立は可能です。
ただし、二兎を追う以上覚悟は必要です。「部活が忙しい」を、言い訳として認めてはいけません。
一方で、部活での頑張りは勉強に活かすこともできます。また、両立できれば、充実した学校生活を送ることができます。#部活 #勉強 #両立
— エデュサポ@元塾教室長 (@edsuppor) January 12, 2022
ブラック部活でない限り、部活と勉強の両立は可能です。 ただし、二兎を追う以上覚悟は必要です。「部活が忙しい」を、言い訳として認めてはいけません。 一方で、部活での頑張りは勉強に活かすこともできます。また、両立できれば、充実した学校生活を送ることができます。 #部活 #勉強 #両立
今回は、このまま今の部活を続けさせてもよいのかと悩まれている保護者の方に向けて、ブラック部活を辞めるべき2つの理由について解説します。
今入っている部活がブラック部活と言えるかどうかの判断の参考にもしていただけます。
また、記事の後半では、部活を辞める時の注意点についても解説します。
私は以前、塾講師の仕事をしていました。集団塾と個別塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営の仕事をしていた時期もあります。かれこれ20年以上、塾業界で働きました。
これまでの経験を基にお話します。最後まで読んでいただき、お子様が有意義な学校生活を送るための参考にしていただければとても嬉しいです。
タップできる目次
ブラック部活を辞めるべき2つの理由
ブラック部活を辞めるべき理由は次の2つです。
ブラック部活をやめるべき2つの理由
- 勉強する時間がない
- 人としての成長の妨げになる
1つずつ解説していきます。
理由1 勉強する時間がない
ブラック部活を辞めるべき理由としてまっさきに思いつくのが、「勉強する時間がない」ということです。
朝から晩まで部活に明け暮れて、みるみる勉強の成績を落としていく子どもたちを何人も見てきました。
「引退までは部活に打ち込んで、部活を引退してから根性で合格を勝ち取る」と、言う生徒もいますが、根性でどうにかなるのはほんの一部です。
部活に打ち込んでこなかった生徒も、受験前の追い込みの時期は根性を見せるからです。そういった状況を根性だけでひっくり返すのは難しいのです。
ましてや、ブラック部活は引退後も部活に呼ばれたりするものなのです。
一方で、「部活が忙しくて勉強できない!」と訴えるこどもの中には、部活を言い訳にして勉強をサボっているだけの子どももいました。
部活を言い訳にしている子どもは、部活を辞めたところで結局勉強時間は増えません。サボる時間が増えるだけです。
では、本当に忙しすぎるブラック部活なのか、それとも実はブラック部活ではないのか、判断のポイントは何でしょう。
忙しすぎるブラック部活かどうかを判断するポイントは2つだけです。
どちらかに当てはまればブラック部活です。
ブラック部活かどうかを判断する2つのポイント
- 学校全体のルールを守っていない
- ルールの抜け穴を見つけて練習する
学校全体のルールを守っていない
多くの学校には部活動についてのルールがあります。
部活動についての学校のルール例
- ○月から△月までの完全下校は18時
- 週に○日は部活の休日を作る
- 定期テスト△日前からは部活動は禁止
こういった学校全体の規則を守っていないようであれば、完全にブラック部活です。

このような話はよく聞きます。他にも、



と、いったような、世間では到底通らない理屈が、ブラック部活ではまかり通ります。
しかし、このような露骨なブラック部活はそれほど多くありません。
多くのブラック部活は、いかにも規則には従っているように振る舞うので、より悪質です。
ルールの抜け穴を見つけて練習する
部活動についての学校のルールには、例外があることが多いです。その例外を上手に利用して部活の時間を増やします。
抜け穴を利用する例
- 学校外に集まって活動
- 自宅でリモート筋トレ
- 定期テスト直後に試合を入れる
- 早朝練習
1つでも当てはまっているものがあればブラック部活です。
学校外に集まって活動
生徒から一番よく聞くルールの抜け穴を利用する例は、学校外に集まって活動するというものです。
完全下校の時間までは学校で活動し、その後は学校外の運動場や体育館を借りて練習します。
あくまでも、生徒が自主的に集まっているから、部活動ではないということらしいです。
自宅でリモート筋トレ
Zoom等のオンラインミーティングを利用して筋トレをするそうです。
カメラオフでの参加は認められないので、こっそりサボることはできません。
家でやっているから部活動ではないということらしいです。
定期テスト直後に試合を入れる
ほとんどの学校で定期テスト前は部活停止期間となりますが、定期テストの前後に試合がある場合は、部活動をしてもよいという例外があることが多いです。
どういう仕組みかはわかりませんが、定期テストの直後に毎回試合がある部活があります。
つまり、例外を利用して、定期テスト前もずっと練習を続けている部活があります。
例外が認められているから、ルールは破っていないということらしいです。
早朝練習
多くの学校では完全下校時刻が決められていますが、朝の時間に規則が決められている学校は少ないようです。
それを利用して、朝練ならぬ早朝練を行う部活があります。朝6時台に集合するそうです。
完全下校は守っているので、ルールは破っていないということらしいです。
理由2 人としての成長の妨げになる
ここまでのお話で察した方もいらっしゃるかもしれませんが、ブラック部活が危険である最大の理由は、人としての成長の妨げになるということです。
学校としては、子どもたちに勉強と部活のバランスを取ってもらいたくて、部活に関するルールを定めています。
そのルールを無視したり、ルールの抜け穴を探したりするというのは、人として正しい行いとは言えません。
子どもの部活がブラック部活かどうかを判断する際は、部活の忙しさよりも、守るべきルールを守れている部活かどうかという点に注目するべきです。
ルールを平気で無視したり、ルールの抜け穴を探すような行為が、子どもの成長にプラスになるとは到底思えません。

と、子どもは思うでしょう。
部活の良いところの1つは、人とのつながりや社会性を学べることです。
その部活、人とのつながりや社会性を学べていると言えますか?その部活、子どもの学びや子どもの成長に有益な部活ですか?
その答えが「ノー」であるのならば、今すぐその部活を辞めましょう。
とはいえ、何の準備もなしに部活を辞めるのは危険です。
部活を辞める時の注意点
ここからは、部活を辞める時の注意点を6つ解説します。
部活を辞める時の6つの注意点
- 子どもの希望を深堀りする
- 辞める理由は言わなくてもいい
- 他の大人にも相談する
- 責任を感じ過ぎない
- 部活以外のつながりも作っておく
- 時間の使い方を事前に話し合っておく
1つずつ解説します。
注意点1 子どもの希望を深堀りする
部活を辞めたいのか、辞めたくないのか、子どもの希望を必ず聞いてください。
子どもが部活を続けたいと思っているのに、無理やり辞めさせてはいけません。
どんな形であれ、子どもが「親に無理やり部活を辞めさせられた。」と感じれば、部活を辞めたあとも勉強に取り組みませんし、部活に未練を残し続けます。
ですので、親が先走って「あの部活はブラック部活だから辞めさせなくては!」と、なってはいけません。
ただし、子どもが「辞めたい」と答えた場合も、「辞めたくない」と答えた場合も、その理由を必ず深堀りしてください。
隠れた本音を聞き出せる可能性があるからです。
実は理由の方が大事
以前担当していた生徒に、部活が忙しくてなかなか勉強に取り組めない生徒がいました。
本人は真面目に勉強に取り組んでいたのですが、勉強時間が取れずにどんどん周りに置いていかれてしまっていました。
どんどん状況が厳しくなっていくので、部活を続けるべきかどうかも含めて生徒と話をしました。




という感じで、なんとか勉強時間を増やそうと、生徒も頑張っていました。
ところが、別の日、同じような会話の中で予想外の事実が発覚しました。





この生徒は、積極的な理由で部活を続けたいと言ってわけではなかったのです。
部活を辞めるとなると、怖い顧問の先生に怒られるから部活を続けたいと言っていたのです。
この生徒はその後、勇気を出して顧問の先生に部活を辞めることを伝えました。
部活を辞めたいのであれば、なぜ辞めたいのか、部活を続けたいのであれば、なぜ続けたいのか。理由までしっかりと深堀りしながら、子どもと一緒に、部活をこれからどうするか考えるべきです。
注意点2 辞める理由は言わなくてもいい
部活の顧問に向かって、

とは、なかなか言えません。
部活を辞める理由は、顧問の先生に必ずしも説明する必要はありません。
もちろん、部活を辞めたい理由をしっかりと説明して、生徒と顧問双方が納得したうえで部活を辞めた方が良いです。
ですが、「そんな理由では退部は認められない!」と、交渉にならないこともあります。
または、「顧問が学校のルールを守らないので、自分の成長に悪影響があると思うからです。」というようなことは、顧問に説明することはできません。
そういった場合は、部活を辞める理由を無理に説明する必要はありません。
「家庭の事情」や「勉強時間の確保のため」で十分です。
注意点3 他の大人にも相談する
顧問が退部を絶対に認めてくれないこともあります。
実際には、退部の許可を顧問に取る必要はないのですが、学校という狭い空間で過ごす以上、できるだけ顧問の許可をもらったうえで退部するのが無難です。
顧問が退部を認めてくれないときは、他の大人にも相談してみましょう。
担任の先生や学年主任の先生、教頭先生や校長先生に話を聞いてもらうのも良いでしょう。
それぞれの先生にそれぞれの考え方があります。
顧問の先生との一対一の話し合いでは行き詰まってしまっても、顧問以外の大人に相談してみると意外とすんなりと話が進むこともあります。
困ったときは第三者の力を借りるということは重要です。
注意点4 責任を感じ過ぎない
責任感の強い子どもは特に、

と、思ってしまいがちです。
そう思う気持ちは非常に良くわかります。
他者を思いやる気持ちはとても大切です。それと同時に、自分自身を思いやる気持ちもとても大切です。
チームメイトのことを思いやるばかりに、自分自身の気持ちをないがしろにしてしまっていないか、子どもに問いかけてみてください。
注意点5 部活以外のつながりも作っておく
「部活を辞めると裏切り者扱いされ、元チームメイトから無視されるようになる」という話をよく聞きます。
そんなことをする部活が健全とは思えないので、辞めてしまって正解ではあるのですが、それでも無視をされて孤立してしまうと辛いです。
ですので、部活の中だけの狭いコミュニティーに依存せずに、もっと広く人付き合いをしておくことをおすすめします。
部活のメンバーとは長い時間を一緒に過ごすので、自然とつながりが強くなります。
それはとても良いことですが、部活のメンバーとのつながりだけになってしまうと、視野が狭くなってしまいます。
同じクラスの友達や、部活以外の趣味などのつながりも持っておくべきです。
そうすれば、部活の元チームメイトから無視されるようになったとしても、孤立してしまうことはありません。
注意点6 時間の使い方を事前に話し合っておく
1日の多くの時間を占めていた部活に行かなくなると、ポッカリと時間の穴が空いてしまいます。
突然時間に余裕ができてしまうと、大人でも戸惑ってしまいます。
そのため、部活を辞める前から、空いた時間で何をするか、子どもと話し合っておくと良いです。
塾に通いはじめるのも良いですし、以前からやってみたかったことをはじめるのも良いでしょう。
新しいことをはじめるのであれば、部活を辞めた瞬間からはじめられるように準備しておきましょう。
「ずっと忙しく頑張ってきたんだから、1週間か2週間くらいはゆっくりしてからはじめよう。」と、思っていると失敗します。
物事は、スタートするときに最も大きなエネルギーを必要とします。
部活を辞めたあとにしばらく休んでしまうと、そのままダラダラと過ごしてしまい、結局何もはじめられなかったということになってしまう可能性があります。
間髪入れずに新しいことにチャレンジしましょう。
まとめ
それでは、ブラック部活を辞めるべき2つの理由をまとめます。
ブラック部活をやめるべき2つの理由
- 勉強する時間がない
- 人としての成長の妨げになる
その部活を続けることで、人としての成長の妨げになるかどうかをよく考えましょう。
もし、成長の妨げになるようであれば、一刻も早くそのブラック部活を辞めましょう。
ただし、部活を辞めるときには注意すべきこともあります。
部活を辞める時の6つの注意点
- 子どもの希望を深堀りする
- 辞める理由は言わなくてもいい
- 他の大人にも相談する
- 責任を感じ過ぎない
- 部活以外のつながりも作っておく
- 時間の使い方を事前に話し合っておく
何かを辞めたり、何かをはじめたりするのには、大きな不安が伴うものです。
しかし、ブラック部活を続けるということは、10代という貴重な時間を無駄にするということです。
お子様がブラック部活を辞めて新しいことにチャレンジし、10代という貴重な時間を有意義に使ってもらうことができたのなら、私もとても嬉しいです。